平成16年度 特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書
不正競争防止法を活用した
知的財産の保護強化
営業秘密の保護と模倣品・海賊版対策
に関する調査研究報告書
平成17年3月
財団法人 知的財産研究所
お知 せ
成 7 月 日 決 定 さ 知 的 財 産 戦 略 大 綱 お い て 従 来 の
知的所暼権 という用語 知的財産 知的財産権 工業所暼権 という用語
産業財産 産業財産権 改 ことと りまし 本報告書 おい
て 可能 限り新しい用語を使用しております
※法律名や組織名 ついて 一部従来の用語のまま使用しております
要V 約V
平 成 16 年 度 の 不 正 競 争 防 止 法 を 活 用 し た 知 的 財 産 の 保 護 強 化 営 業 秘 密 の 保 護 と 模 倣 品・海賊版対策 に関する調査研究においては、平成16年5月27日付にて知的財産推進戦略 本部 公表した 知的財産推進計画2004 の要請をもとに、①営業秘密の漏洩に対する保
護強化に関する検討を行うために 営業秘密の保護の在り方に関する調査研究 委員会を、
②施行後10年を迎えた商品形態の模倣行為規制の10年目の検証と海外 らの模倣品、海賊
版に対する水際措置及び刑事罰の強化に関する検討を行うために 不正競争防止法を活用
した模倣品対策等に関する調査研究 委員会を発足させ、不正競争防止法についての産業
界及び社会的 要請を具体的 つ広範囲に検討し、不正競争防止法を活用した保護の可能
性を検討した
Ⅰ. 営業秘密の保護の在り方に関する調査研究 委員会
本委員会においては、平成15年の不正競争防止法の改正において導入された営業秘密漏
洩に対する刑事的保護について、 国産業の置 れている現状、産業界の要望、被害実
態、 国の他の法令との関係、海外法制との比較等を考慮し、①営業秘密の刑事訴訟上
の取扱い 非公開審理導入の可能性 、②営業秘密の国外不正使用・開示行為、③退職者に
よる営業秘密の不正使用・開示行為、 二次的関与者による営業秘密侵害、 両罰規定に
よる法人処罰の導入、 営業秘密侵害罪の罰則水準の見直しについて具体的 検討を行っ
た
1.営業秘密の刑事訴訟上の取扱いについて
平成16年の裁判所法等の一部を改正する法律により、営業秘密 問題と る民事訴訟
において、公開停止の要件・手続 整備され、秘密保持命令の導入とともに、営業秘密
の民事訴訟における保護強化 図られた
これを踏まえ、本委員会においては、刑事訴訟手続の中 、民事訴訟と同様の公開停
止措置の導入の可能性について検討した ここ は、憲法との関係 一番の問題に っ
た
ま 、憲法82条に定める裁判の公開原則との関係については、営業秘密の公開 、憲 法82条2項の 公の秩序又は善良の風俗を害する虞 に該当する ということ 論点に
る この点に関しては、営業秘密侵害罪の保護法益には 公正 競争秩序 含まれる
ため、公開の結果、犯罪と同様の被害 生 る場合には、 公の秩序 に反する可能性も あるとの指摘もあった 、憲法学の観点 らは、 公の秩序 とは 公衆を直接に騒擾そ
の他の犯罪の実行をあおる ,公共の安全を害するおそれ ある場合,つまり明治憲
法59条に言う安寧秩序と同 意味 ある という解釈 あり、営業秘密の保護全般を含
めることは広す るとの指摘もあった
次に、憲法における民事訴訟と刑事訴訟に関する規定の論理構成の違いということ 論点と った 民事訴訟においては、憲法82条の公開原則に対して、憲法32条の裁判を
受ける権利との調整の中 、裁判を受ける権利を無意味 ものとし いために、公開停
止 導 れる一方、刑事訴訟においては、憲法82条2項但書に、刑事事件に関する絶対的 公開事由を定め、また、民事には い憲法37条1項の被告人の公開裁判を受ける権利 あ
る また、刑事訴訟においては、被害者 ある営業秘密の保有者は、裁判の当事者 は
いため、民事において考えられた原告の裁判を受ける権利という反対利益 考えにく
いという点を考慮する必要 あるということ あった
2.営業秘密の国外不正使用・開示行為について
営業秘密の保護法益は 営業秘密の財産的価値 と 公正 競争秩序 ある 、日
本国内及び日本国外 、営業秘密 使用・開示されることによる 財産的価値 の損失
に差異は い また、グローバル化に伴う国内外 の知的財産に関する紛争の増加に対
して、国境を越えた知的財産の流出への対応 期待される さらに、海外法制 米・独・
仏・韓・中 に照らすと、い れの国においても国内 保護されている営業秘密の海外
への漏洩を処罰の対象としており、少 くとも海外の法制の水準に合わせること 、
国産業の競争力維持のためには必要 ある
そこ 、本委員会の議論した結果、海外、国内企業に わら 、 国の法律 及
ぶ客体、つまり、不正取得の場合にはその管理侵害行為 行われた際、正当取得の場合
場合には営業秘密 示された際に、日本国内 管理されていた営業秘密について、その
営業秘密 日本国外において使用開示された場合に、刑事保護を適用すること 望まし
いとの方向性と った
3.退職者による営業秘密の不正使用・開示行為について
現行法制 は、退職者による営業秘密の不正使用・開示行為については、媒体等の複
製及び持ち出しを行わ い場合には処罰対象 ら除外している し し、民事裁判 あ
る 、営業秘密漏洩に対する判例には、退職者の関与に わる事例 、約80件中50件
と非常に多く、在職中に営業秘密の開示を約束した上 退職し、その後営業秘密を開示
する等の悪質 ケースも発生している
そこ 、本委員会 は、退職者の処罰に関しては、憲法第22条第1項に規定される職業
選択の自由 転職の自由 との関係を考慮し、企業と退職者との契約自由の下に締結し
た秘密保持契約を根拠として、同秘密保持契約に違反した場合に限定して処罰をする一
応の方向性を得た 、契約自由の原則と言っても、企業と退職者 は対等の関係による
契約の締結は事実上難しいの は い 、 の時点における のよう 契約に基 く 、
また契約の締結を拒否する従業員の取り扱いについての問題提起 された
結果、秘密保持契約違反の刑事罰については、今後、秘密保持契約の慣行の定着等を
踏まえて検討していくこととした また、退職前に営業秘密漏洩の約束もしくは請 を
受け営業秘密を不正に取得し、退職後に使用・開示するという悪質 事例に関しては、
職業選択の自由の下 も、処罰すること 適切 あるとの方向性と った
4.二次的関与者による営業秘密侵害について
現行法 は、二次的取得者に関しては、不正開示者の共犯と る場合のみ処罰の対象
と る この点につ 、二次的取得者を正犯化する 否 について検討 され、結果、
二次的取得者については正犯化することと った
次に、正犯化した場合の実行行為に関して検討を加えた 二次的取得者の正犯の実行
行為としては、①不正開示者 らの 取得 する行為を処罰の対象にする、②不正開示
者 ら 取得 した営業秘密を 使用・開示 する行為を処罰の対象とする、との二通
り 考えられる 、詐欺等行為、管理侵害行為という犯罪該当行為を通 て 取得 し
た営業秘密の 使用・開示 行為をすべて処罰の対象とする3号との平仄を考慮すると、
本委員会においては、②を選択すること 適当 は い との方向性を得た
また、三次的関与者、四次的関与者の取り扱いについては、 取得 した情報 営業秘
密 あるという関与の程度 希薄 あること ら、二次的関与者 ら譲り受けた者に関
しては、共犯理論の適用に委 、特段の規定は設け いこと 適切 あるとの方向性と
った
5.両罰規定による法人処罰の導入について
現行の営業秘密侵害罪については、①保有者の保護、②転職者の保護、③取引先の保
護を理由に法人処罰は導入されてい った
し し、営業秘密侵害罪は、 不正の競争の目的 という事業者間の競争を想定した犯
罪類型 あり、通常は法人処罰 導入されており、特許法、著作権法をは めとする知
的財産法にも、原則として両罰規定 導入されている また、法人処罰の導入により企
業 転職者の受入れに萎縮効果を及ぼし、雇用の流動性を阻害する可能性 あるとも考
えられる 、営業秘密侵害罪の性質上、個人の利益より法人の利益を求めるもの あり
組織ぐるみ 行われること 想定されるほ 、法人 従業員の選任監督に当たって注意
義務を果たしてい い場合も多いと考えられること ら、侵害行為の抑止的効果を確保
するため、法人処罰の導入 必要 ある
以上の点を踏まえ、営業秘密侵害罪についても、上記の三つの保護を踏まえつつ法人 処罰を導入することとした
次に、法人処罰を導入すべ 行為について検討した その結果、本委員会においては、
法人処罰の適用に際しては、特に悪質と考えられる、 アクセス権限 い者によって行
われた行為 現行3号、現行4号、二次的関与者 わる に限って、適用すること
妥当 あるとの方向性を得た
お、営業秘密の保持者たる法人に所属する役員・従業者 アクセス権限の い者
不正取得による営業秘密侵害を行った場合については、法人は被害者と るため、被
害者は処罰され い原則に従うこととし、特段の規定を設ける必要は いの は い
との結論と った
また、選任監督義務の内容に関しては、政府による指針、基準等の提供の検討を期待
する方向性と った
6.営業秘密侵害罪の罰則水準の見直しについて
現行営業秘密侵害罪の罰則は、3年以下の懲役又は300万 以下の罰金とされている
これに対して、産業界に対して実施したアンケートによれ 、特許法、著作権法等の他
の知的財産権法等 5年以下の懲役又は500万 以下の罰金、法人は1億5000万 以下、著
作権法 は更に懲役刑と罰金刑の併科 と同水準、あるいは、刑法の窃盗 10年以下の
懲役 等と同水準の罰則規定の引 上 に対しては、7割以上 賛成との回答を得た
本委員会においても、営業秘密 非登録 つ創作段階 らの保護 あることに鑑み、
その意味 類似する著作権法と同水準の引 上 は必要 あるとの方向性を得た
また、営業秘密侵害罪の主観的構成要件は 不正の競争の目的 あり、競争の優位
性及び利得獲得を目的とする犯罪 あることに ん み、これに対して、懲役の有無に
わら 、罰金刑を科し相応の金額を剥奪することは、刑事罰の感銘力として有効
あるため、併科規定の導入も必要 あるとした
Ⅱ. 不正競争防止法を活用した模倣品対策等に関する調査研究 委員会
本委員会においては、近年の近隣アジア諸国 らの日本国内への模倣品・海賊版の流入
の増加に伴う、企業ブランドの信用・信頼の毀損及び模倣品を真正品と誤認した需要者の
被害、反社会的勢力の資金源化、模倣技術の高度化等の問題に対処すべく、不正競争防止 法による模倣品・海賊版に対する保護内容の明確化を行うものとして、①2 条 1 項 2 号の 10年目の検証、②2 条 1 項 3 号の 10 年目の検証、③2条 1 項 2 号及び 2 条 1 項 3 号への
刑事罰の導入に関する検討、水際取締り実施のための 不正競争防止法違反物品に対する
水際差止制度の導入に関する検討、 データベースやタイプフェースのデッドコピー等の
新た 模倣行為に対する対策の検討、 産業界 ら、不正競争防止法に関する要望、商品
形態の保護法制に関する要望に関して検討を行い、不正競争防止法の改正の可能性を検討 した
1.2 条 1 項 2 号の10 年目の検証
本号の規定は、著名 商品等表示につ 、商標登録 されてい い商品分野及びサ
ービス分野における保護を図るもの あり、偽ブランド品対策として重要 規定 ある 導入後 10年間の判例の検証においては、原告 2 条 1 項 1 号と 2 号の適用を選択的に
主張しており、また、裁判所も著名性を検討した上 これ 認められ った場合に周
知性を判断して 1号の適用を検討している例 多く、1号と 2号の立法趣旨は異 るも
のの、適用の連続性 認められた
本委員会においては、防護標章制度の在り方との関係も含め、本号の規定については、
今後とも制度の在り方に関する検討を続けること 望ましいとした
2.2 条 1 項 3 号の10 年目の検証
本号の立法趣旨は、立法時の産業構造審議会の資料 は、他人の投資による成果への
タダ乗りを規制し、先行者の利益を保護すること あるとされている 、論者により根
拠とするところ 必 しも同様 は く、本号の在り方に関する議論に影響している
本調査研究においては、特に以下に関して判例の検証を含めた具体的検討を行い、そ
れ れの方向性をまとめた
1 権利者の範囲としては、ヌーブラ事件の判例 述べるとおり、 自己の利益を守
るために、模倣による不正競争を阻止して先行者の商品形態の独占を維持すること 必
要 あり、商品形態の独占について強い利害関係を有する者 についても原告適格を認
めてよいと解される
2 保護期間の延長に関しては、実務上、3 年 ら 5 年程度への延長を支持する意
見もある 、意匠制度 改革のための検討の俎上にあること ら、このよう 意匠制度
の改革を踏まえた対応を行うこと 適切 あるとの意見 多 った
3 保護開始時期の明確化に関しては、 営業上の利益 の侵害の有無の問題 あり、
特に明確化の必要性は いとの意見 多 った
4 最初に発売された日 の意義に関しては、国内への参入時期及び訴訟時の立証
の容易性を考慮すると、日本国内において最初に販売された日を 最初に販売された日
として、明確化すること 相当 ある
5 商品の形態 の意義に関しては、商品の内部の形態のうち需要者 通常の使用
において認識可能 部分には、保護を及ぼし得ることについて大方の合意を得た 、 商
品の形態 の定義規定を設けて明確化することについては統一した見解は得られ っ
た
6 通常有する形態 の意義に関しては、 通常有する形態 とは、分析的には結
局 あり れた形態 及び 当該商品の機能を確保するために不可欠の形態 を意味す
るもの あること ら、この趣旨を踏まえた明確化を検討すること 望ましい
7 模倣の意義 に関しては、立法時の趣旨としても、本号規定は飽くま も デ
ッドコピー を保護するもの あり、判例においても、模倣とは 他人の商品形態を真
似て 同一又は実質的同一 の形態を作り出すこととの解釈 定着しているため、これ
を定義規定として明確化し、 見可能性を高めること 望ましい
3.2 条 1 項 2 号への刑事罰の導入
本委員会においても、刑事罰の導入に際しては慎重 あるべ との意見もあった 、
現状の模倣品被害の実態を踏まえ、特に悪性の高い行為に限定して刑事罰を導入するこ
と 望ましいとした
具体的には、2号の立法趣旨に ん み、 信用若しくは名声を利用して不正の利益を
得る目的 や、 信用若しくは名声を害する目的 同号該当行為を行う場合につ 、
刑事罰を導入するべ あるとした
4.2 条 1 項 3 号への刑事罰の導入
商品形態のデッドコピーに関する規定は平成 5 年の不正競争防止法の改正によって導
入された 、近年 は、技術的模倣手段に関しても高度化しており、いわゆる マーク
外し 事案等、模倣品流通の手口も悪質化している また、模倣品の流通 国際化する
傾向にあることや、これ 反社会勢力の資金源と っている事情を考慮すると、民事的
保護 は対応に限界 あり、これに刑事的措置を導入して警察の調査能力や執行能力に
期待せ るを得 い状況 生 ている さらに、本規定は工業デザインの保護という点
、意匠法を補完する関係にある 、意匠権侵害行為に対しては既に刑事罰 定められ
ており、このよう 意匠法の補完を完全にするためにも、商品形態模倣行為についても
刑事罰を導入すること 必要 ある
そこ 、本委員会 は、同号に刑事罰規定を導入するに当たっては構成要件の明確化
重要 あること ら、2において説明した定義規定の明確化等によって構成要件の明
確化を図り、加えて他人の商品形態を模倣した商品を販売することによって、他人の先
行投資や知的営為を冒用し、不正 利益を得る目的を有する者のみを規制の対象とする
こと る主観的要件として、 不正の利益を得る目的 を規定すること 望ましいと
した
5.不正競争防止法違反物品に対する水際差止制度の導入
意匠権侵害物品及び商標権侵害物品は、関税定率法に基 く水際措置の対象とされて
いる 、事案として極めて類似したケース あっても、不正競争行為組成物品は、水際
措置の対象とはされてい い し し、模倣の技術の高度化及び模倣品流通の国際化に
伴い、模倣品・海賊版の国内流入による被害は増加しており、水際措置の実効性を上 る
為には、不正競争行為組成物品をも水際措置の対象とすること 望まれる た し、税
関における水際措置は、差し止められたものの事業に大 影響を与えること ら、国
際的 ルールとの整合性や手続保障にも配慮した上 、制度設計を行うこと 必要 あ
る
そこ 、本委員会においては、3及び4において説明した刑事的保護のための構成要
件の限定による対象行為の明確化を前提として、不正競争行為組成物品に対しても関税 定率法 21条における輸入禁制品に追加し、更にその運用を実効化するため、不正競争行 為組成物品を輸入差止申立制度 関税定率法第 21 条の 2 の対象にも追加すること 望 ましいとした
6.データベースのデッドコピーについて
不正競争防止法においては、データベースの保護に関して特段の規定 定められてお
ら 、著作権法においても、創作性の認められ いデータベースは保護の対象とはされ
てい い し し、データベースの作成、更新に際しては、多大 投資 必要とされる
場合 あり、法的に保護され い場合には、製作者のインセンティブを削 、経済活動
を阻害することと るとの指摘もある EUや韓国においては、近年データベースの保
護法制 整備されて ており、これら海外法制も踏まえた上 、 国において最も望
ましいデータベース保護法制について検討を続けること 必要 ある
7.新た 模倣類型に対する不正競争防止法の可能性について
半導体集積回路の論理回路模倣行為等、の新た 模倣行為類型について、著作権法、
半導体回路配置法、海外法制等との比較を含めた検討の下、不正競争防止法への一般条
項の導入や、不正競争行為類型への追加及びその併用等について今後、議論すべ は
い との示唆 された
8.不正競争防止法改正に関する産業界の要望
本委員会における議論の基礎として、また、今後の不正競争防止法に関する課題とし
て、産業界各方面 らの協力により、具体的 被害実態に照らした模倣品・海賊版の保
護に対する不正競争防止法の保護の在り方に関して、様々 意見、要望 広範囲にわた
り提示されたため、これを紹介する
.不正競争防止法 2 条 1 項 3 号による工業デザインの保護
2 条 1 項 3 号による工業デザインの保護の可能性とその限界として、 1 工業デザイ ンの現状、 2 工業デザインと不正競争防止法 2 条 1 項 3 号、 3 工業デザインの保 護に対する考察、 4 工業デザインの権利保護制度の充足、の観点の下、工業デザイン の創出の実態及び保護の現状、著作権法、意匠法との関係に関して具体的に検討を行い、
その在り方に関する提案 された
また、企業における 2 条 1 項 3 号の活用戦略の可能性と、その工業デザイン保護戦略 全般における位置付けとして、(1)企業におけるデザイン保護の現状、(2)知的財産法 と商品価値について、(3)意匠法と不正競争防止法の対比、 4 工業デザイン保護戦略 における 2 条 1 項 3 号の活用戦略と位置付け、の観点の下、企業における活用戦略の具 体例や、意匠法への期待と、意匠法を補完する不正競争防止法の活用の可能性に関して
提案 された
は めに
平成16年5月に公表された 知的財産推進計画2004 においては、不正競争防止法に関連
する事項として、技術者等を通 た技術・テウハウ等の営業秘密の海外への漏洩の防止に
対して被害実態を踏まえた検討を行うこと、民事保護の強化として平成16年度7月に改正さ
れた営業秘密 わる裁判における秘密保持命令の導入や裁判の公開停止等を見据え、
刑事裁判おける憲法の公開原則に照らした営業秘密の保護に関する検討を行うこと、また、
商品の内部の構造の模倣を形態模倣とすることや保護期間の見直し、著作権 保護され
い創造性の いデータベースの保護の可能性、模倣品・海賊版等の海外 らの流入への水
際措置の適用による取締りの強化の検討 掲 られている
本調査研究は、以上の状況を踏まえ、不正競争防止法を活用した知的財産の保護強化 営
業秘密の保護と模倣品・海賊版対策 に関する調査研究として、 1 営業秘密の刑事罰規
定の強化に わり、刑事裁判の非公開審理の適用の可能性、及び国外犯、退職者、法人
処罰、懲役と罰金の強化及びその併科を含めた処罰の可能性等に関して検討を行うべく 営 業秘密の保護の在り方に関する調査研究委員会 と、 2 模倣品・海賊版への対策に わり、平成5年の不正競争防止法の改正に伴い導入された著名商標の冒用行為(2条1項2号) 及び商品形態の模倣行為(2条1項3号)の10年目の検証、新た 模倣類型 データベース、タ
イプ・フォント、半導体集積回路の論理回路の模倣等 に対する不正競争防止法の適用の
可能性、著名商品等表示の冒用行為(2条1項2号 、商品形態の模倣行為(2条1項3号)への 刑事罰の導入の可能性、不正競争防止法侵害物品に対する関税定率法を念頭に置いた水際
差止措置の導入の可能性等に関して検討を行うべく 不正競争防止法を活用した模倣品対
策等に関する調査研究委員会 の二つの委員会を設置し、平成16年8月 ら12月ま 集中的 検討を行った
本研究報告書は、上記二つの委員会における調査研究の結果をまとめたもの あり、今
後の不正競争防止法による保護の適正化に対する議論の一助と れ 幸い ある
最後に、本調査研究の遂行に当たり、 指導・ 協力いた いた委員の方々をは め、
具体的事例等を 紹介下さった企業、団体の方々、委 元の経済産業省知的財産政策室の
方々、他関係者の方々に対して、この場を借りて深く感謝申し上 る次第 ある
平成17年3月
財団法人 知的財産研究所
営業秘密の保護の在り方 に関する調査研究委員会 委員名簿 敬称略
委員長
山口 厚 東京大学 大学院法学政治学研究科 教授 委 員
赤松 耕治 社団法人電子情報技術産業協会 法務・知的財産権総合委員会 経済法規専門委員会 委員長
富士通株式会社 法務・知的財産権本部 法務部 法務第三部 担当課長
石田 正泰 社団法人日本経済団体連合会 知的財産部会長
凸版印 株式会社 専務取締役 広報本部長兼法務本部長 大渕 哲也 東京大学 大学院法学政治学研究科 教授
加藤 泰助 知的財産協会 常務理事 株式会社東芝 知的財産部長 齋藤 憲道 経営法友会 副代表 事
松下電器産業株式会社 法務本部法務グループ グループマネージャー 酒巻 匡 京都大学 大学院法学研究科 教授
笹田 栄司 海道大学 大学院法学研究科 教授 島田 聡一郎 上智大学 法学部 助教授
曒 亙 森・濱田松本法律事務所 弁護士 高山 佳奈子 京都大学 大学院法学研究科 助教授
寺島 重男 シャープ株式会社 知的財産権本部 本部長
徳田 俊之 日本知的財産協会 フェアトヤード委員会 副委員長
新日本製鉄株式会社 知的財産部 知的財産法規グループ マネージャー 丸島 儀一 キボテン株式会社 顧問 弁理士
日向寺 勲 財団法人 知的財産研究所 主任研究員
オブザーバ
田 孝之 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 室長 奈須野 太 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 課長補佐 飯田 聡 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 調査員 樫原 哲哉 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 企画係長 但馬 敏郎 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 係長 中尾 雄一 内閣官 知的財産戦略推進事務局 主査
村中 孝一 法務省 刑事局付 水嶋 春彦 警察庁 生活安全局生活環境課 生活経済対策室 警察庁警部 千代 光一 前経済産業省 製造産業局 模倣品対策・通商室 室長補佐 藤原 豊 経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課 政策企画官 神谷 健一 経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課 課長補佐 坂本 聡生 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 権利保護係長
望月 孝洋 経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 知的財産権係長 伊藤 政道 特許庁 総務部 総務課 制度改正審議室 審議企画係長
渡辺 真幸 経済産業省 大臣官 総務課 法令審査専門官
事務局
日向寺 勲 財団法人 知的財産研究所 主任研究員 加藤 暁子 財団法人 知的財産研究所 研究員 田口 昌浩 財団法人 知的財産研究所 研究部長
不正競争防止法を活用した模倣品対策等 に関する 調査研究委員会 委員名簿 敬称略
委員長
土肥 一史 一橋大学 大学院国際企業戦略研究科 教授 委 員
飯塚 也 森・濱田松本法律事務所 弁護士
一色 秀夫 社団法人電子情報技術産業協会 法務・知的財産権総合委員会 運営委員 株式会社日立製作所 知的財産権本部 主管 IPビジネス本部 著作権センタ長 発明管理本部 シニアマネージャー
糸井 久明 九州大学 マーザーサイ゠ンス機構 研究企画支援部長 特任教授 井上 由里子 神戸大学 大学院法学研究科 教授
植松 豊行 松下電器産業株式会社 パヂソニックデザイン社 社長 臼井 清文 社団法人日本経済団体連合会 知的財産部会 委員
セイコー゠プソン株式会社 知的財産本部 部長 企画担当 小薗江 健一 株式会社バンダイ プロダクト保証部 知的財産権・法務担当
デピュティ・ゴネラルマネージャー
清水 哲夫 日本知的財産協会 フェアトヤード委員会 第1小委員長 友ガム工業株式会社 法務知的財産部 主査
鈴木 將文 名 屋大学 大学院法学研究科 教授 竹田 稔 竹田稔法律事務所 弁護士 弁理士 日高 一樹 日高国際特許事務所 弁理士
平嶋 竜太 筑波大学 社会科学系 企業法学専攻 助教授 牧野 利秋 マアサハラ法律特許事務所 弁護士
松尾 和子 中村合同特許法律事務所 弁護士 弁理士 三村 量一 東京地方裁判所 民事 46 部 総括判事
本橋 繁 株式会社三宅デザイン事務所 総務・知的財産 取締役 山地 克郎 財団法人 ソフトウ゠ア情報センター 専務理事
日向寺 勲 財団法人 知的財産研究所 主任研究員
オブザーバ
田 孝之 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 室長 奈須野 太 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 課長補佐 飯田 聡 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 調査員 樫原 哲哉 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 企画係長
但馬 敏郎 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 係長
倉谷 泰孝 内閣官 知的財産戦略推進事務局 参事官補佐
村中 孝一 法務省 刑事局付
和田 澄男 法務省 民事局付 検事
水嶋 春彦 警察庁 生活安全局生活環境課 生活経済対策室 警察庁警部 鶴巻 嘉一 財務省 関税局 業務課 知的財産専門官
千代 光一 前経済産業省 製造産業局 模倣品対策・通商室 室長補佐
中村 大紀 経済産業省 製造産業局 デザイン・人間生活システム政策室 室長補佐 村越 正毅 経済産業省 製造産業局 デザイン・人間生活システム政策室 室長補佐 藤原 豊 経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課 政策企画官
神谷 健一 経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課 課長補佐 坂本 聡生 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 権利保護係長 木島 暢夫 経済産業省 商務情報政策局 情報振興課 係長
望月 孝洋 経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 知的財産権係長 木本 直美 特許庁 総務部 総務課 制度改正審議室 室長補佐
関根 裕 特許庁 総務部 国際課 地域政策班長
伊藤 宏幸 特許庁 審査業務部 意匠課 意匠制度企画室 課長補佐 原田 信彦 特許庁 審査業務部 商標課 商標制度企画室 審査官
事務局
日向寺 勲 財団法人 知的財産研究所 主任研究員 加藤 暁子 財団法人 知的財産研究所 研究員 田口 昌浩 財団法人 知的財産研究所 研究部長
目 次 要約
は めに 委員名簿
・ 営業秘密の保護の在り方に関する調査研究委員会 委員名簿
・ 不正競争防止法を活用した模倣品対策等に関する調査研究委員会 委員名簿
本 編
第一部 営業秘密の保護の在り方に関する調査研究・・・・・・・・・・・ 1
Ⅰ.総括-営業秘密保護の課題- 山口委員長 ・・・・・・・・・・・・ 3
Ⅱ.は めに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 1.営業秘密をめぐる動向について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2.営業秘密の刑事的保護の見直しの必要性について・・・・・・・・・・・・ 4 3.営業秘密の保護の在り方に関する調査研究委員会の開催について・・・・・ 5
Ⅲ.営業秘密の刑事的保護の強化に対する企業の認識・・・・・・・・・ 6 1.営業秘密の保護の在り方に関するアンケートの実施・・・・・・・・・・・ 6 2.営業秘密に関する認識度及び管理の現状・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 3.営業秘密の更 る刑事的保護の必要性について・・・・・・・・・・・・・ 7 4.刑事訴訟上の営業秘密の保護について・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
Ⅳ.刑事的保護の強化の可能性と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 1.営業秘密の刑事訴訟上の取扱いについて・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 2.営業秘密の国外使用・開示行為について・・・・・・・・・・・・・・・・ 39 3.退職者による営業秘密の使用・開示行為について・・・・・・・・・・・・ 62 4.二次的関与者による営業秘密侵害について・・・・・・・・・・・・・・・ 98 5.両罰規定による法人処罰の導入について・・・・・・・・・・・・・・・・ 102 6.営業秘密侵害罪の刑罰水準の見直しについて・・・・・・・・・・・・・・ 118
.資料編
1.営業秘密民事判例リスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 125 2.営業秘密の刑事的保護に関するアンケート 経営法友会 結果・・・・・・ 165
第二部 不正競争防止法を活用した模倣品対策等に関する調査研究・・・ 179
Ⅰ. 総括 土肥委員長 ・・・・・・・・・・・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 181
Ⅱ. は めに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 183 1.現在の問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 183 2.知的財産推進計画2004・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 183 3.本調査研究の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 183
Ⅲ. 不正競争防止法 2 条 1 項 2 号 の 1 0 年 目 の検証・・・・・・・・・・ 185 1.趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 185 2.著名性の意義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 185 3.不正競争防止法2条1項1号との関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 186 4.防護標章制度との関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 187
Ⅳ. 不正競争防止法 2 条1 項3 号の10 年目の検証・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 189 1.趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 189 2.不正競争防止法 2 条 1 項 3 号の立法趣旨の整理・・・・・・・・・・・・・ 189 3.権利者の範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 192 4.保護期間の伸張・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 196 5.保護開始時期の明確化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 199 6. 最初に発売された日 の意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 201 7. 商品の形態 の意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 202 8. 通常有する形態 の意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 206
. 模倣 の意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 209
. 著名表示冒用行為に対する刑事罰の導入・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 213 1.問題の所在・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 213 2.既存の法令に基 く刑事罰の限界・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 214 3.検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 214 4.想定事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 216 5.諸外国の例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 217 6.参考判例 2号導入前の1号 適用された事例 ・・・・・・・・・・・ 218 7.統計・世論調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 218
. 商品形態模倣行為に対する刑事罰の導入・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 219 1.問題の所在・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 219 2.検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 221 3.想定事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 223 4.統計・世論調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 224
. 不正競争防止法違反物品に対する水際差止制度の導入・ ・ ・ ・ ・ ・ 225 1.問題の所在・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 225 2.理論的問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 226 3.差止対象の明確化と適正手続 の保障・・・・・・・・・・・・・・・・・ 230 4.結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 231 5.想定事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 231 6.諸外国の例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 232 7.統計・世論調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 233
. データベースのデッドコピーについて・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 235 1.問題の所在・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 235 2.検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 236 3.結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 241 4.諸外国の例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 242 5.参考判例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 243
. 新た 模倣類型に対する不正競争防止法の可能性について・・・・ 244 平嶋委員
1.現行不正競争防止法の構造的特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 244 2.具体的 模倣行為類型例と法的保護の現状・・・・・・・・・・・・・・・ 245 3.不法行為法による対応と限界・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 253 4.立法論としての一般条項の可能性について・・・・・・・・・・・・・・・ 256 5.新た 模倣類型に対する不正競争防止法の方向性-考え得る対応策・・・・ 259
. 不正競争防止法改正に関する産業界の要望・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 261 1.不正競争防止法の見直しについての意見 経団連:臼井委員 ・・・・・・ 261 2.商品の内部の形態を 商品の形態 として保護する必要性・・・・・・・・ 262
株式会社バンダイ:小薗江委員
3.水際差止及び保護期間の伸張について Y 株式会社 ・・・・・・・・ 267 4.模造品対策の事例及び要望 アディダス ジャパン株式会社 ・・・・・・・ 269 5.不正競争防止法に関連する偽ブランド品対策の諸問題・・・・・・・・・・ 272
V ジャパン株式会社
6.不正競争防止法における著作物性の いデータベースの保護について・・・ 274
株式会社T C
7.タイプフェイス・フォントについて 日本タイポグラフィー協会 ・・・・ 280 8.半導体集積回路の回路模倣について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 285
EITAの要望を受け経済産業省情報通信機器課 作成
デI. 不正競争防止法 2 条 1項3 号による工業デザインの保護・・・・・ 288 1.2条1項3号による工業デザインの保護の可能性とその限界 日高委員 ・ 288 2.企業における2条1項3号の活用戦略の可能性と、
その工業デザイン保護戦略全般における位置付け 糸井委員 ・・・ 298 デⅡ. 資料編・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 305 1.知的財産推進計画 2004 抜粋 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 307
2.特許庁資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 311 3.世論調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 337 4.統計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 345 5.2条1項2号判例リスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 367 6.2条1項3号判例リスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 385
第 一 部
営 業 秘 密 の 保 護 の 在 り 方 に 関 す る
調 査 研 究
Ⅰ . 総 括 - 営 業 秘 密 保 護 の 課 題 - 山 口 委 員 長
営 業 秘 密 は 、現 在 、不 正 競 争 防 止 法 に お い て 一 定 範 囲 の 保 護 を 受 け て い る こ れ は 、 平 成 2 年 の 民 事 的 保 護 の 導 入 、 平 成 1 5 年 の 刑 事 的 保 護 の 導 入 と 段 階 的 に 拡 充 さ れ て た も の あ る し し ら 、現 行 法 上 の 刑 事 罰 規 定 は 、営 業 秘 密 と い う 情 報 を 刑 事 罰 に よ り 保 護 す る 初 め て の も の あ っ た こ と も あ り 、そ れ に よ る 保 護 は お 限 定 的 も の に と ま っ て い る し た っ て 、 営 業 秘 密 の 保 護 強 化・拡 充 と い う 観 点 ら は 、検 討 を 要 す る 幾 つ の 課 題 そ こ に 存 在 し て い る の
あ る
ま 、 実 体 法 罰 則 上 の 課 題 と し て は 、 ① 営 業 秘 密 の 国 外 の 使 用 ・ 開 示 へ の 対 処 、② 退 職 者 に よ る 営 業 秘 密 の 使 用 ・ 開 示 へ の 対 処 、③ 営 業 秘 密 侵 害 の 二 次 的 関 与 者 へ の 対 処 、 法 人 処 罰 の 導 入 、 刑 罰 水 準 の 見 直 し 挙 ら れ る
① に つ い て は 、国 外 の 使 用・開 示 行 為 へ 罰 則 の 適 用 を 拡 大 す る 必 要 性 認 め ら れ る 一 方 、罰 則 適 用 の 過 度 の 拡 張 を 避 け る た め 、そ れ を 適 切 に 限 定 す る 方 策 求 め ら れ る ② に つ い て は ,営 業 秘 密 保 護 の 見 地 ら は 処 罰 の 拡 充 求 め ら れ る も の の 、職 業 選 択 の 自 由 へ の 配 慮 不 可 欠 あ り 、そ れ を い に 調 整 す る
問 わ れ る こ と に る さ ら に 、③ に つ い て は 、現 在 の 共 犯 規 定 の 適 用 に よ る 解 決 ら 、い る 範 囲 処 罰 を 拡 張 す る 課 題 と る に つ い て は 、法 人 の 業 務 に 関 し て 行 わ れ る 営 業 秘 密 侵 害 行 為 に つ い て そ の 必 要 性 は 認 め ら れ る も の の 、法 人 被 害 者 的 立 場 等 に 立 つ 場 合 等 を 処 罰 の 対 象 ら 除 く こ と 要 請 さ れ る こ と ら 、導 入 の 範 囲 に つ い て は 検 討 を 要 す る 問 題 あ る に つ い て は 、類 似 し た 罰 則 と の 均 衡 等 を 考 慮 し ら 、適 正 法 定 刑 を 画 定 し て い く こ と 必 要 あ る と 言 え よ う
次 に 、手 続 法 上 の 課 題 と し て は 、刑 事 手 続 に お け る 営 業 秘 密 の 取 扱 い 、特 に 憲 法 上 の 裁 判 の 公 開 原 則 と の 関 係 重 要 検 討 課 題 と る 民 事 事 件 と 異 る 特 性 と し て 、刑 事 事 件 に お い て は 、公 開 裁 判 を 受 け る 権 利 憲 法 上 被 告 人 に 認 め ら れ て い る こ と 挙 ら れ 、こ の こ と ら 、公 開 制 限 は 極 め て 困 難 問 題 と っ て い る の あ る
本 委 員 会 は 、こ れ ら の 問 題 す べ て に つ い て 、構 成 メ ン バ ー に よ り し く つ 熱 心 検 討 加 え ら れ た 本 報 告 書 は 、そ の 成 果 を 取 り ま と め た も の あ り 、今 後 こ の 問 題 の 検 討 に 当 た り 有 用 知 見 を 提 供 す る も の と 思 わ れ る
Ⅱ . は め に
1 . 営 業 秘 密 を め ぐ る 動 向 に つ い て
営 業 秘 密 の 保 護 に つ い て は 、平 成 2 年 に 不 正 競 争 防 止 法 改 正 さ れ て 、営 業 秘 密 に わ る 不 正 競 争 に 対 し 差 止 請 求 権 を 認 め る 等 の 法 整 備 行 わ れ た
し し 、刑 事 的 保 護 に つ い て は 、従 来 、不 正 ア ク セ ス 禁 止 法 や 刑 法 の 背 任 罪 等 認 め ら れ る 範 囲 に お い て の み 保 護 さ れ て い る に す っ た
営 業 秘 密 自 体 を 保 護 の 対 象 と す る 刑 事 法 制 に つ い て は 、 昭 和 4 0 年 代 ら 5 0 年 代 に け て 検 討 さ れ た 改 正 刑 法 草 案 の 中 も 検 討 さ れ 、企 業 秘 密 漏 示 罪 の 導 入 検 討 さ れ た 、 労 働 者 の 退 職 ・ 転 職 の 自 由 、 報 道 の 自 由 、 内 部 告 発 の 自 由 を 制 約 す る お そ れ あ る と の 懸 念 あ り 、実 現 に は 至 ら っ た 一 方 、ア メ リ カ 、 ド イ ゼ 、 フ ラ ン ス 、 韓 国 、 中 国 等 の 諸 外 国 に お い て は 、 無 体 物 あ る 営 業 秘 密 自 体 を 客 体 と す る 刑 事 罰 整 備 さ れ た
一 方 、グ ロ ー バ ル 競 争 激 化 す る 中 、企 業 中 期 的 に そ の 競 争 力 を 維 持 し て い く た め に は 、 企 業 そ れ れ に 持 つ 強 み を 維 持 ・ 強 化 し 、 供 給 ・ 開 発 ・ 販 売 力 等 に お い て 他 社 の 追 随 を 許 さ い こ と 鍵 あ る
こ の た め 、ま 企 業 と し て は 、自 ら の 強 み を 明 確 に 認 識 し て 戦 略 的 投 資 を 行 う と と も に 、強 み の 源 泉 た る 営 業 秘 密 の 流 出 防 止 に 向 け た 自 衛 策 を 講 る こ と 必 要 あ り 、政 府 と し て も こ の よ う 企 業 の 取 組 を 滑 化 す る 組 み を 整 備 す る こ と 必 要 あ る
こ の よ う 観 点 ら 、改 正 刑 法 草 案 検 討 の 際 の 留 意 事 項 に 配 慮 し つ つ 、平 成 1 5 年 に 不 正 競 争 防 止 法 の 一 部 を 改 正 し 、 営 業 秘 密 の 刑 事 的 保 護 を 導 入 し た と こ ろ あ る
2 . 営 業 秘 密 の 刑 事 的 保 護 の 見 直 し の 必 要 性 に つ い て
し し ら 、東 ア ジ ア 諸 国 の 急 速 経 済 発 展 の 中 、国 際 競 争 力 の 更 る 維 持 ・ 強 化 の 観 点 ら 、営 業 秘 密 の よ り 一 層 の 保 護 に つ い て 検 討 を 求 め る 声 増 大 し て い る
特 に 、 国 の 不 正 競 争 防 止 法 に お け る 営 業 秘 密 の 刑 事 的 保 護 に つ い て は 、 営 業 秘 密 の 刑 事 罰 を 導 入 し て い る 諸 外 国 と 比 べ 、以 下 の 点 カ バ ー さ れ て い い 等 の 問 題 点 あ る
1 営 業 秘 密 の 国 外 流 出 米 ・ 独 ・ 仏 ・ 中 ・ 韓
営 業 秘 密 を 国 外 使 用・開 示 し た 場 合 に つ い て 、 国 の 不 正 競 争 防 止 法 は 処 罰 さ れ い 可 能 性 あ る
2 退 職 者 を 通 た 営 業 秘 密 の 流 出 米 ・ 仏 ・ 中 ・ 韓
営 業 秘 密 を 持 っ た ま ま 退 職 し た 者 、そ の 営 業 秘 密 を 不 正 に 使 用・開 示 し た 場 合 に つ い て は 、 国 の 不 正 競 争 防 止 法 は 、営 業 秘 密 記 録 媒 体 の 領 得 又 は 複 製 を 伴 っ た 場 合 し 処 罰 さ れ い
3 営 業 秘 密 を 不 正 取 得 し た 法 人 の 処 罰 米 ・ 中 ・ 韓
営 業 秘 密 を 企 業 ぐ る み 不 正 取 得 し た 場 合 、 国 の 不 正 競 争 防 止 法 は 、 個 人 に 対 し て は 処 罰 の 対 象 と る 、法 人 に 対 し て は 処 罰 の 対 象 と は ら い
国 際 的 知 的 財 産 紛 争 増 加 す る 中 、営 業 秘 密 に つ い て も 、企 業 の 有 す る 無 形 資 産 に つ い て 国 際 的 侵 害 行 為 ら 守 り 、適 正 競 争 環 境 を 維 持 す る た め に は 、国 際 的 水 準 を 踏 ま え つ つ 、営 業 秘 密 の 保 護 を 強 化 す る べ あ る
3 . 営 業 秘 密 の 保 護 の 在 り 方 に 関 す る 調 査 研 究 委 員 会 の 開 催 に つ い て
こ う し た 問 題 意 識 ら 、よ り 実 効 性 の あ る 営 業 秘 密 の 刑 事 的 保 護 の あ り 方 に つ い て 検 討 す る た め 、 営 業 秘 密 の 保 護 の 在 り 方 に 関 す る 調 査 委 員 会 委 員 長 山 口 厚 東 京 大 学 教 授 を 開 催 し た
本 報 告 書 は 、本 委 員 会 に お け る 検 討 の 結 果 を ま と め た も の あ り 、今 後 の 不 正 競 争 防 止 法 に 関 す る 議 論 の 一 助 と れ 幸 い あ る
最 後 に 、本 委 員 会 の 実 施 に 当 た り 、御 指 導 を い た い た 委 員 の 方 々 を は め 、 協 力 を い た 関 係 者 の 方 々 に 対 し て 、こ の 場 を 借 り て 深 く 感 謝 す る 次 第 あ る
Ⅲ . 営 業 秘 密 の 刑 事 的 保 護 の 強 化 に 対 す る 企 業 の 認 識
1 . 営 業 秘 密 の 保 護 の 在 り 方 に 関 す る ア ン ケ ー ト の 実 施
営 業 秘 密 の 刑 事 的 保 護 に 関 し て 、 平 成 1 5 年 5 月 に 不 正 競 争 防 止 法 改 正 さ れ 、 本 年 1 月 1 日 よ り 実 施 さ れ た
こ れ に 伴 い 当 委 員 会 は 、今 後 の 営 業 秘 密 の 保 護 の 在 り 方 を 検 討 す る に 当 た り 、経 営 法 友 会 の 協 力 を い た 、営 業 秘 密 の 刑 事 的 保 護 の 強 化 に 対 す る 実 務 に 携 わ る 業 界 の 意 識 を 把 握 す る 為 、 ア ン ケ ー ト 調 査 を 実 施 し た
具 体 的 に は 、経 営 法 友 会 会 員 9 0 6 社 に 対 し て ア ン ケ ー ト を 送 付 し 、2 0 0 4 年 9 月 3 0 日 ら 1 0 月 3 1 日 ま に 回 答 の あ っ た 3 6 3 社 回 答 率 4 0 % ら の 回 答 結 果 に 基 、 企 業 の 認 識 に つ い て 述 べ る
2 . 営 業 秘 密 に 関 す る 認 識 度 及 び 管 理 の 現 状
本 ア ン ケ ー ト は 、 第 一 に 、 議 論 の 前 提 と る 営 業 秘 密 に 関 し 、 そ の 周 知 度 や 要 件 の 必 要 性 等 に 関 す る 質 問 を 実 施 し た
1 営 業 秘 密 の 3 要 件 に つ い て ( 問 1 )
最 初 に 、 営 業 秘 密 の 3 要 件 秘 密 管 理 性 、 有 用 性 、 非 公 知 性 の 周 知 度 に つ い て 質 問 し た そ の 結 果 、営 業 秘 密 の 3 要 件 に つ い て は 、回 答 企 業 の 9 6 %
認 識 し て い た
2 秘 密 管 理 性 に つ い て ( 問 2 )
次 に 、 営 業 秘 密 の 3 要 件 の う ち 営 業 秘 密 特 有 の 要 件 あ る 秘 密 管 理 性 に 着 目 し 、秘 密 管 理 性 に つ い て 、判 例 厳 格 に 求 め ら れ て い る ① ア ク セ ス 制 限 と ② 客 観 的 認 識 可 能 性 の 要 件 に つ い て 質 問 し た
そ の 結 果 、ア ク セ ス 制 限 、客 観 的 秘 密 認 識 可 能 性 共 に 、現 行 判 例 に よ る 厳 格 要 件 を 保 つ べ と の 回 答 い れ も 6 0 % 強 あ り 、 判 例 の 立 場 を 維 持 す る 意 見 多 数 を 占 め た
3 営 業 秘 密 の 管 理 状 況 に つ い て ( 問 3 )
次 に 、 各 企 業 の 営 業 秘 密 の 管 理 状 況 に つ い て 質 問 し た
そ の 結 果 、現 行 法 に 照 ら し て 、営 業 秘 密 の 要 件 を ほ と ん す べ て 管 理 て い る と の 回 答 は 1 6 % あ る の に 対 し 、 要 件 を 満 た し て い い も の も 多 く
あ る と の 回 答 7 6 % あ り 、 実 際 の 管 理 の 現 場 は 、 十 分 管 理 て お ら 、 ま た 企 業 と し て も そ の 点 を 認 識 し て い る と い う こ と 分 っ た
4 営 業 秘 密 侵 害 罪 の 周 知 状 況 に つ い て ( 問 4 )
次 に 、 平 成 1 5 年 の 不 正 競 争 防 止 法 の 改 正 に よ り 導 入 さ れ た 営 業 秘 密 侵 害 罪 に つ い て 、 各 社 の 周 知 策 に つ い て 質 問 し た
そ の 結 果 、 具 体 的 周 知 策 を 実 施 し て い る 企 業 の 中 は 、 社 内 報 や イ ン ト ラ ネ ッ ト 等 に 、 営 業 秘 密 の 刑 事 的 措 置 に つ い て 具 体 的 内 容 を 掲 載 し て い る と 答 え た 企 業 最 も 多 く 2 1 % 、 以 下 、 社 員 法 務 部 ・ 知 的 財 産 部 以 外 に 所 属 向 け の 研 修 の 一 環 、営 業 秘 密 の 刑 事 的 措 置 に つ い て 具 体 的 に 説 明 し て い る ( 1 9 % ) 、 社 員 法 務 部 ・ 知 的 財 産 部 に 所 属 向 け の 研 修 の 一 環 、営 業 秘 密 の 刑 事 的 措 置 に つ い て 具 体 的 に 説 明 し て い る ( 1 5 % ) と 続 い た
一 方 、営 業 秘 密 侵 害 罪 に つ い て 特 に 何 も し て い い と 回 答 し た 企 業 約 半 数 4 9 % を 占 め た
3 . 営 業 秘 密 の 更 る 刑 事 的 保 護 の 必 要 性 に つ い て
次 に 、本 調 査 研 究 検 討 さ れ る 事 項 に 対 す る 企 業 実 務 者 側 ら の 意 見 を 知 る た め 、 営 業 秘 密 の 更 る 刑 事 的 保 護 の 必 要 性 に 関 す る 質 問 を 実 施 し た
1 国 外 使 用 ・ 開 示 行 為 に つ い て ( 問 5 )
本 研 究 会 に お い て 検 討 事 項 と っ た 、国 外 使 用・開 示 行 為 の 処 罰 に つ い て は 、 8 0 % 以 上 の 企 業 、 日 本 国 外 使 用 又 は 開 示 す る 場 合 あ っ て も 、 日 本 国 内 管 理 さ れ て い た 営 業 秘 密 を 持 ち 出 し て い る 場 合 に は 、日 本 国 内 に お け る 使 用 又 は 開 示 行 為 と 同 様 に 処 罰 す べ あ る と 回 答 し た
一 方 、諸 外 国 多 く 立 法 さ れ て い る よ う 、国 外 の 使 用 ・ 開 示 行 為 を 重 罰 化 す る よ う 立 法 を 求 め た 企 業 は 約 1 0 % に と ま っ た
2 善 意 取 得 後 、 不 正 使 用 開 示 行 為 に つ い て 問 6
電 子 メ ー ル の 誤 送 付 に よ る 偶 然 の 入 手 や 、名 簿 業 者 ら の 購 入 等 の 善 意 取 得 に よ る 営 業 秘 密 を 、不 正 の 競 争 の 目 的 使 用 ・ 開 示 す る 行 為 に つ い て は 、 約 6 割 の 企 業 、 秘 密 の 流 出 の 原 因 に わ ら 、 他 人 の 営 業 秘 密 あ る と 知 り ら 不 正 の 競 争 の 目 的 使 用 又 は 開 示 し た 者 は 処 罰 す べ あ る と 回 答 し た 一 方 、 約 3 割 の 企 業 処 罰 に 否 定 的 意 見 あ っ た
3 外 部 ら の 教 唆 行 為 に つ い て 問 7
部 外 者 に よ り 、現 役 の 社 員 や 役 員 等 の 内 部 者 に 対 す る 営 業 秘 密 の 漏 洩 の 教 唆 に つ い て は 、飽 く ま 不 正 使 用・開 示 さ れ た 場 合 に 共 犯 と し て 処 罰 さ れ る に す い
こ の よ う 行 為 に 対 す る 独 立 し た 処 罰 規 定 の 必 要 性 に つ い て は 、約 7 割 の 企 業 、 部 外 者 に よ る 漏 洩 を そ そ の す 行 為 を 抑 制 す る た め に も 、 そ の よ う そ そ の し 行 為 自 体 に つ い て 独 立 の 処 罰 規 定 を 設 け る べ あ る と の 回 答 あ っ た
4 約 束 行 為 の 処 罰 に つ い て 問 8
現 役 の 社 員 や 役 員 等 の 内 部 者 、退 職 者 や 取 引 先 等 の 部 外 者 に 対 し て 営 業 秘 密 の 漏 洩 を 約 束 す る こ と は 、約 束 自 体 は 処 罰 の 対 象 と ら 、あ く ま 不 正 開 示 さ れ た 場 合 に 処 罰 さ れ る に す い
こ の よ う 行 為 に 対 す る 独 立 し た 処 罰 規 定 の 必 要 性 に つ い て は 、 約 束 行 為 自 体 に つ い て 、内 部 者 、部 外 者 に わ ら 処 罰 る 独 立 の 規 定 を 設 け る べ あ る と 回 答 し た 者 と 、 約 束 成 立 し た 段 階 の 処 罰 規 定 を 設 け る 必 要 は い と 回 答 し た 企 業 共 に 約 3 割 最 も 多 っ た ま た 、 約 束 の 中 も よ り 悪 質 類 型 に つ い て の み 処 罰 規 定 を 設 け る べ あ る と の 回 答 約 2 割 あ っ た
5 退 職 者 に よ る 営 業 秘 密 の 不 正 使 用 ・ 開 示 に つ い て 問 9
本 調 査 研 究 に お い て 検 討 事 項 と っ た 、退 職 者 に よ る 営 業 秘 密 記 録 媒 体 の 取 得 ・ 複 製 を 伴 わ い 不 正 使 用 ・ 開 示 行 為 に つ い て 質 問 し た
そ の 結 果 、約 半 数 4 8 % の 企 業 秘 密 保 持 契 約 等 存 在 す る 一 定 期 間 に 限 り 、 退 職 者 あ っ て も 営 業 秘 密 の 使 用 又 は 開 示 行 為 を 処 罰 す べ あ る と 回 答 し 、 営 業 秘 密 取 得 漏 洩 目 的 の 転 職 等 の 悪 性 の 強 い 事 案 に 限 り 、転 職 を そ そ の し た も の を 含 め て 処 罰 す る 規 定 を 設 け る べ あ る と 回 答 し た 企 業 3 0 % と 合 わ せ て 、 8 割 近 く の 企 業 、 何 ら の 限 定 を 付 し た 上 、退 職 者 に よ る 営 業 秘 密 記 録 媒 体 の 取 得 ・ 複 製 を 伴 わ い 不 正 使 用 ・ 開 示 行 為 を 対 象 に す べ と の 意 見 あ っ た
6 個 人 に 対 す る 罰 則 水 準 に つ い て 問 1 0
現 行 法 の 個 人 に 対 す る 罰 則 は 、3 年 以 下 の 懲 役 又 は 3 0 0 万 以 下 の 罰 金 あ る 、 こ の 罰 則 水 準 の 引 上 に つ い て 質 問 し た
そ の 結 果 、 す べ て の 営 業 秘 密 に 関 す る 刑 事 罰 に 関 し て 、 特 許 権 や 著 作 権
他 の 知 的 財 産 権 5年 以 下 の 懲 役 又 は 5 0 0 万 以 下 の 罰 金 及 び そ の 併 科 と 同 様 の 水 準 ま 引 上 る べ あ る と 回 答 し た 企 業 最 も 多 く 3 9 % 、
営 業 秘 密 の 使 用 又 は 開 示 行 為 に つ い て は 、罰 則 の 水 準 を 引 上 る べ あ る 2 5 % 、 刑 法 の 窃 盗 罪 1 0 年 以 下 の 懲 役 と 同 様 の 水 準 ま 引 上
る べ あ る 9 % と 回 答 し た 人 を 合 わ せ る と 、 7 割 以 上 の 企 業 罰 則 の 引 上 に 肯 定 的 あ る こ と 判 明 し た
7 両 罰 規 定 に よ る 法 人 処 罰 に つ い て 問 1 1
本 調 査 研 究 に お い て 検 討 事 項 と っ た 、営 業 秘 密 侵 害 罪 に 対 す る 両 罰 規 定 の 導 入 に つ い て は 、 約 7 割 の 企 業 、 営 業 秘 密 の 使 用 ・ 開 示 行 為 に お い て は 、雇 用 者 被 害 者 と る こ と 多 い の 両 罰 規 定 は 基 本 的 に は 不 要 あ る
、営 業 秘 密 の 漏 洩 を そ そ の す 行 為 類 型 を 導 入 す る 場 合 、こ の よ う 類 型 に つ い て は 、競 業 者 組 織 的 に 他 社 の 営 業 秘 密 の 取 得 を 行 う こ と を 抑 止 す る た め 、 両 罰 規 定 を 導 入 し て も よ い と 回 答 し た
内 部 者 に よ る 不 正 使 用・開 示 に 対 す る 過 失 責 任 と し て の 法 人 処 罰 に 対 し て は 、反 対 意 見 多 い 一 方 、他 社 の 営 業 秘 密 を 組 織 的 に 奪 取 す る よ う 外 部 者 に つ い て は 、 一 定 の 範 囲 法 人 処 罰 の 導 入 を 是 認 す る と い う 結 果 あ っ た
4 . 刑 事 訴 訟 上 の 営 業 秘 密 の 保 護 に つ い て
最 後 に 、刑 事 訴 訟 に お け る 営 業 秘 密 の 保 護 の 在 り 方 に つ い て 、産 業 界 の ニ ー ゲ を 調 査 す る た め 、営 業 秘 密 侵 害 の 被 害 者 と っ た 場 合 の 具 体 的 対 処 方 法 及 び 求 め ら れ る 保 護 法 策 に つ い て の 質 問 問 1 2 を 実 施 し た
ま 、営 業 秘 密 侵 害 罪 の 被 害 者 と っ た 場 合 に 、実 際 に 告 訴 す る 否 に つ い て は 、 民 事 的 保 護 に 加 え 、悪 質 と 考 え ら れ る ケ ー ス に の み 、告 訴 を 行 い 、 刑 事 的 保 護 を と る と 回 答 し た 人 最 も 多 っ た 4 6 % ま た 、 約 4 分 の 1 の 企 業 、 基 本 的 に は 刑 事 的 保 護 ・ 民 事 的 保 護 の 両 方 対 応 す る 2 4 % と 回 答 し た こ と と 合 わ せ る と 、多 く の 企 業 、悪 質 営 業 秘 密 侵 害 罪 に 対 し て は 毅 然 と し た 姿 勢 臨 む と い う こ と 分 っ た
一 方 、2 3 % の 企 業 民 事 的 保 護 に 加 え 、既 に 営 業 秘 密 広 く 開 示 さ れ て し ま っ た 等 、こ れ 以 上 秘 密 に し て も 意 味 の い ケ ー ス に の み 、告 訴 を 行 い 、刑 事 的 保 護 を と る と 回 答 し て い る こ と ら 、少 く と も 、訴 訟 に お け る 営 業 秘 密 保 護 方 策 い こ と を 理 由 に 、告 訴 を 躊 躇 す る 企 業 も 少 く い こ と 判 明 し た
次 に 、 刑 事 訴 訟 に お け る 営 業 秘 密 の 保 護 の た め に 有 効 措 置 に つ い て 質 問
問 1 3 し た
そ の 結 果 、 約 6 割 の 企 業 、 平 成 1 6 年 の 改 正 に よ り 営 業 秘 密 侵 害 に 関 す る 民 事 訴 訟 に お い て 導 入 さ れ た 営 業 秘 密 問 題 と る 訴 訟 に お け る 公 開 停 止 、
秘 密 保 持 命 令 の 導 入 を 回 答 し た
営 業 秘 密 侵 害 罪 の 被 害 者 あ る 企 業 の 立 場 ら は 、民 事 訴 訟 に お け る 営 業 秘 密 の 保 護 と 同 様 の 措 置 を 求 め る 声 高 い こ と 分 っ た
Ⅳ . 刑 事 的 保 護 の 強 化 の 可 能 性 と 課 題
1 . 営 業 秘 密 の 刑 事 訴 訟 上 の 取 扱 い に つ い て
1 訴 訟 に お け る 営 業 秘 密 の 保 護 の 現 状
ⅰ 現 状
営 業 秘 密 や 特 許 権 等 の 侵 害 訴 訟 に お い て は 、侵 害 行 為 の 有 無 等 を 証 明 す る た め の 証 拠 に 営 業 秘 密 含 ま れ る 場 合 あ る し し 、営 業 秘 密 を 含 ん 証 拠 を 提 出 す る こ と は 、公 開 裁 判 に よ り 営 業 秘 密 開 示 さ れ 、更 る 被 害 に つ る お そ れ あ る こ と ら 、 提 出 困 難 に る 場 合 あ る
こ の 点 、 知 的 財 産 戦 略 大 も 、 国 裁 判 の 公 開 原 則 強 く 意 識 さ れ て い る た め 、裁 判 に お い て 営 業 秘 密 公 開 さ れ 、 え っ て 権 利 者 の 不 利 益 生 る こ と も あ る こ と ら 、現 実 に は 営 業 秘 密 に 関 す る 訴 訟 は 少 い と の 指 摘 さ れ て い た と こ ろ あ る
こ の よ う 事 態 を 避 け 、侵 害 行 為 の 立 証 を 容 易 化 す る 観 点 ら 、民 事 訴 訟 に つ い て は 、平 成 1 6 年 通 常 国 会 に お い て 、 裁 判 所 法 等 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 成 立 し 、秘 密 保 持 命 令 導 入 さ れ る と と も に 、営 業 秘 密 問 題 と る 訴 訟 に お け る 公 開 停 止 の 要 件 ・ 手 続 規 定 整 備 さ れ た
一 方 、刑 事 訴 訟 に つ い て は 、他 の 訴 訟 手 続 よ り 裁 判 公 開 の 要 請 強 く 求 め ら れ て い る こ と も あ り 、営 業 秘 密 を 保 護 す る た め の 特 段 の 措 置 は 執 ら れ て い い
こ の 点 に 関 し 、 平 成 1 5 年 2 月 に 公 表 さ れ た 産 業 構 造 審 議 会 知 的 財 産 部 会 不 正 競 争 防 止 小 委 員 会 発 表 し た 不 正 競 争 防 止 法 の 見 直 し の 方 向 性 に つ い て に お い て 、 営 業 秘 密 は い っ た ん 公 開 さ れ る と そ の 価 値 を 失 っ て し ま う た め 、・ ・ ・ 中 略 ・ ・ ・ 刑 事 の 訴 訟 手 続 に お い て も 営 業 秘 密 に 配 慮 し た 手 続 の 導 入 を 検 討 す べ と し て 、産 業 競 争 力 強 化 の 観 点 ら 、上 記 検 討 会 に お い て 前 向 議 論 を 行 い 積 極 的 に 推 進 す べ と の 強 い 意 見 寄 せ ら れ て い た
ⅱ 知 的 財 産 推 進 計 画 の 要 請
営 業 秘 密 の 刑 事 訴 訟 上 の 取 扱 い に つ い て は 、 今 年 5 月 2 7 日 に 小 泉 総 理 を 本 部 長 と す る 知 的 財 産 戦 略 本 部 策 定 し た 知 的 財 産 推 進 計 画 2 0 0 4 に お い て も 、 2 0 0 4 年 度 ら 、 刑 事 訴 訟 に お け る 営 業 秘 密 の 保 護 の 在 り 方 に つ い て 、憲 法 上 の 公 開 原 則 に も 配 慮 し つ つ 、産 業 界 等 の ニ ー ゲ を 調 査 す
る と さ れ て い る
[ 知 的 財 産 推 進 計 画 2004] 第 2 章 保 護 分 野
Ⅰ . 知 的 財 産 の 保 護 の 強 化 4 . 紛 争 処 理 機 能 を 強 化 す る
2 証 拠 収 集 手 続 を 拡 充 す る
ⅱ ま た 、 2 4 年 度 ら 、 刑 事 訴 訟 に お け る 営 業 秘 密 の 保 護 の 在 り 方 に つ い て 、 憲 法 上 の 公 開 原 則 に も 配 慮 し つ つ 、 産 業 界 等 の ニ ー ゲ を 調 査 す る 経 済 産 業 省
こ れ ら の 状 況 を 踏 ま え 、本 委 員 会 は 、紛 争 処 理 機 能 を 強 化 す る こ と に よ る 一 層 の 知 的 財 産 の 保 護 を 図 る 観 点 ら 、刑 事 訴 訟 に お け る 営 業 秘 密 の 保 護 の 在 り 方 に つ い て 、産 業 界 等 の ニ ー ゲ を 調 査 す る と と も に 、憲 法 上 の 公 開 原 則 に も 配 慮 し つ つ 法 制 的 側 面 ら 検 討 し た
2 論 点 の ま と め
ⅰ 憲 法 上 の 問 題
民 事 訴 訟 手 続 と 同 様 の 営 業 秘 密 保 護 措 置 を 刑 事 訴 訟 手 続 に 導 入 す る 場 合 、憲 法 の 裁 判 公 開 の 原 則 と 、公 開 停 止 措 置 と の 関 係 最 大 の 論 点 と る
① 民 事 訴 訟 手 続 と 憲 法 と の 関 係
平 成 1 6 年 改 正 法 は 、憲 法 8 2 条 の 定 め る 裁 判 の 公 開 原 則 の 趣 旨 に つ い て 、 裁 判 を 一 般 に 公 開 し て 裁 判 公 正 に 行 わ れ る こ と を 制 度 と し て 保 障 し 、 い て は 裁 判 に 対 す る 国 民 の 信 頼 を 確 保 し よ う と す る こ と に あ る と 解 さ れ て い る 最 大 判 平 成 元 ・ 3 ・ 8 民 集 4 3 巻 2 号 8 9 頁 と し て い る
そ の 上 、営 業 秘 密 と の 関 係 裁 判 の 公 開 を 困 難 と す る 真 に や む を 得 い 事 情 あ り 、 つ 裁 判 を 公 開 す る こ と に よ っ て え っ て 適 正 裁 判 行 わ れ く る と い う 、い わ 極 限 的 場 合 に つ い て ま 、憲 法 裁 判 の 公 開 を 求 め て い る と 解 す る こ と は 、こ の よ う 場 合 は 、同 条 2 項 に 言 う 公 の 秩 序 又 は 善 良 の 風 俗 を 害 す る 虞 あ る 場 合 に 該 当 す る と 解 さ れ る と し て 、最 終 的 に は 、適 正 裁 判 を 実 現 す る た め 不 正 競 争 に よ る 営 業 上 の 利 益 の 侵 害 又 は 特 許 権 等 の 侵 害 を 理 由 と す る 訴 訟 に お い て 、公 開 停 止 を 行 う 場 合 の 要 件 と 手 続 を 憲 法 の 認 め る 範 囲 内 明 確 に 定 め る こ と と す る 旨 の 取 り ま と め と っ た も の あ る
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近 藤 昌 昭 司 法 制 度 改 革 概 説 ② 知 的 財 産 関 係 二 法 労 働 審 判 法 ミ 3 6