2D-torus 3D-torus
図2.22: ウェーハ間最大結線数(Cmax )
0 1 2 3 4 5
2D-torus TESH 3D-torus Hyper-Cube
Ratio
1.0 1.01 1.34
5.2
図2.23: レイアウト面積A(N=4096)
第
3章
3
次元階層型ネットワーク
3.1
はじめに
ウェーハスタック構造は、大規模超並列計算機システムの構築を可能にするWSIの手 法である。しかし、ウェーハ間の結合に用いるマイクロブリッジには数百mの幅が必要 である。このため、ウェーハ間結線は数mで実現可能なウェーハ内のリンクのと比較し て、非常に大きな面積を必要とする。そのため、ウェーハ間結線を減少させる必要があ る。しかしウェーハ間結線を減少させることによって直径が増加すると、通信遅延の増大 によって超並列計算機システムの性能が大きく制限される。そのためウェーハスタック構 造では、直径の増加を抑えつつ、ウェーハ間結線を減少させる必要がある。本章では、こ れらの要求を満たすネットワークとして3次元階層型ネットワークの提案を行なう。
3次元階層型ネットワークは、基本モジュールを用いて階層結合したネットワークで、
直径の増加を抑えつつ、ウェーハ間結線数を減少させることが可能である。本論文では、
3次元階層型ネットワークとして、3次元階層型トーラスと3次元階層型メッシュの2つ のネットワークを提案する。この2つのネットワークは、基本モジュールを用いた結合 を行なうという点は等しいが基本モジュールと階層間の結合に用いるネットワークが異な る。3次元階層型トーラスは、特に階層間の結線を抑えたネットワークで、階層化の規模 も大きく、大規模な超並列ネットワークを目的としている。基本モジュールには42424 の3D メッシュを用い、階層間の結合には3Dトーラスを用いている。3次元階層型メッ シュは、 間通信の際に基本モジュール間のリンクに起こる通信の集中を低減させるた
42424の3Dトーラスを用い、階層間の結合には424の2D メッシュを用いているた め、階層化の規模は小さい。
本章では3次元階層型ネットワークの提案とネットワーク特性の検討を行なう。更に、
第2章で検討したネットワークとの比較を行ない、その有効性を議論する。
3.2 3
次元階層型トーラス結合
3.2.1
ネットワーク構造
3次元階層型トーラスは基本モジュール(3Dメッシュ)間を3Dトーラスで結合して階 層化を行なったネットワークである(図3.2.1)。TESHと同じように基本モジュールをレ ベル1として、以降、階層化を行なう毎にレベルを1ずつ増加させる。
基本モジュール
基本モジュールは、図3.2.1に示すように42424の3次元メッシュである。基本モジュー ルのアドレスは4進数を用いて以下のように表す。
A=(a
z )(a
y )(a
x ) (a
z
;a
y
;a
x
=0;1;2;3) (3:1)
また、アドレス(az )(a
y )(a
x
)のPEをPE(az
;a
y
;a
x
)で表す。基本モジュールは全階層レ ベルへのリンクを持つ。階層間のリンクを行なうゲートPEにはay
= a
x
= 0;3を用い る。この4つのPEを各レベルに反時計回りに割り当てる。レベル2階層へのゲートPE をPE(az
,0,0)とすると、レベル3階層へのゲート PEはPE(az
,0,3)、レベル4階層への ゲートPEはPE(az
,3,3)、レベル5階層へのゲートPEはPE(az
,3,0)となる。また階層レ
ベル毎にaz
=0;1;2の3つのゲートPEを割り当て、az
=0をz軸方向のリンク、az
=1
をy軸方向のリンク、az = 2をx軸方向のリンクに用いる。各ゲートPEから出るリン クは2本とする。これによって、各レベルには3つのゲートPEからz,y,x軸にそれぞれ
2本のリンクが割り当てられる。これによって、階層間を3次元トーラスで結合できる。
この結合方式の利点は階層間の移動の際に、同階層の同軸上ならば基本モジュール内部で の移動量は0になることである。また軸の移動の際にも基本モジュール内での移動量は1 で良い。
レベル2〜5階層
3次元階層型トーラスは階層間を42424の3次元トーラスで結合する。レベルL階層
における総PE数は以下のようになる。
N =64 L
(3:2)
3次元階層型トーラスのレベルLi階層のアドレスは基本モジュールのように4進数を用い て以下のように表す。
A L
i
=(a L
i
z )(a
L
i
y )(a
L
i
x ) (a
L
i
z
;a L
i
y
;a L
i
x
=0;1;2;3) (3:3)
レベル2階層は基本モジュール間を42424の3次元トーラスで結合したネットワーク である。同様にレベル3階層は、レベル2階層間を42424の3次元トーラスで結合した ネットワークである。ただしレベル3階層のサブネットワークであるレベル2階層には、
複数の基本モジュールが含まれるため、結合する基本モジュールを選択す必要がある。3 次元階層型トーラスではTESHと同じようにサブネットワーク内のアドレスが等しい基 本モジュールの結合を行なう。つまりレベル3ではレベル2の基本モジュールの数に等し い64個の3Dトーラスで階層間の結合が行なわれる。同様にレベル3以降もサブネット ワーク内のアドレスが等しい基本モジュール同士を3次元トーラスで結ぶ。
gate PE for upper-level z-gate PE
y-gate PE x-gate PE
y x
Level 2 z
Level 3
Level 4 Level 5
図3.1: 3D階層型トーラスの基本モジュール