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School improvement process of basic schools in Zambia

7. Suggestion for Further Study

The major limitations of this study are the small sample size and limited research area. For clarifying the process of improvement, a larger scale study is needed, with a larger sample size, and surveying other provinces and areas with different conditions. The small sample was nevertheless useful in providing deeper insights into how leadership and actions undertaken by head teachers to enforce discipline could enhance student outcomes. A possible obstacle is that nding continuously improving schools is not easy. Not all district of ces had data on pass rates for the past ve years. Furthermore, the pass rates provided by schools and by the government are often miscalculated and not reliable.

Notes

1) This is the average pass rate of 16 public basic schools in the district, excluding private schools and secondary schools. The pass rates in the whole country also showed improvement.

2) KW (Kwacha, Zambian currency) 5,000 is nearly equal to US$ 1.

References

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School improvement process of basic schools in Zambia

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Itaru Shibuya, Kyoko Taniguchi and Yukiko Hirakawa

アフリカ教育研究 第3号(2012) 73-82

ザンビアの子どもたちの生活から学校教育を問い直す

(東京未来大学)

中和 渚

1

.問題提起と本稿の目的

本稿はザンビア共和国(以下、ザンビア)における教科教育(数学教育)に関する フィールドワークのサイドストーリーである。本稿の問題背景として次の2点を挙げ る。第一に「開発途上国教科教育の発展・深化を考える上で当地の社会的・文化的文 脈を考慮すべきである」というステイトメントはもはや新しい見方ではない。1984年 のMathematics for All(Damerow et al. 1984)から数十年経て、そこで主張された社 会文化的視点の重要性は色褪せておらず、今なお開発途上国の教育を考える上で参考 になる。教育は周知の通り西洋諸国の輸入品としてアフリカに渡った経緯があるが、

各国の教育の目標レベルでは少なくとも国や地域に合うような教育の志向が謳われて いるし、国の社会文化を理解する国民の育成が目指されている(例えばMinistry of Education in Zambia 1996)。しかしながら教育の方法に目を向けると「子ども中心主義」

に代表されるように先進諸国で練り上げられたものが開発途上国全般でもポピュラー である。本稿で取り上げるザンビアでもそれは例外でない。この風潮に真っ向から批 判するわけではないしその価値はある種ユニバーサルなものとして共有されるであろ うが、教科教育の最終的な目標は人間の陶冶であろう。そのような意味においては先 進国の理論や考え方を取り入れると同時に、子どもたちの置かれている生活から学ぶ ことで教科教育の方法を再考できる視点が得られるかもしれない。

第二に教員の子ども理解と子どもの置かれた状況についてである。第一の点とも関 連するがザンビアの教員がクラスにいる問題児や勉強ができない子どもを語る場合、

家庭環境の悪さや両親の意識の低さを指摘することが多い。またある子どもの成績が 悪い場合「その子どもがなまけている」「もともとの才能がない」という言葉で状況 を片付けることもある。本稿のフィールドワークの主テーマとして数学の学習指導に ついて調査を行った結果(中和2011b)、生徒らの学習差は確かに大きかった。その理 由を考えるとき我々教科教育研究者たちはまず教授学的問題が目に入るし、教師たち が家庭や社会などの外部要因に言及することが多い。この視点の置き方は問題を分析 的に把握できるという良さはある一方で、問題を細かく切り取るような視野の狭さと いう弱点もあるのではないか。

ザンビアの公立の基礎学校(第1−9学年対象)では生徒の住所、年齢、部族、保 護者といった基本的な情報は年度初めに担任教師が集約する。それ以外に家庭訪問や ホームルームの時間は基本的にないため、教師同士のネットワークにより教師たちは 子どもの学校外の様子や家庭の様子を把握している。この教員の個人的な努力は学校 教育の制度の足りない分を補足するものだが、果たしてそれらの情報はどれだけ子ど もたちの正確な姿を捉えているのであろう。

この2つの課題意識により、学校における子どもたちの様子だけでなく学校外の子 どもの様子も踏まえて教科教育を捉え直す視点は、教科内における議論とともに重要 であるという視座に立つ。本稿ではザンビア基礎学校の第5、6学年の子どもたち4 名の学校外の生活や住環境の観察を通して、教科教育を問い直し、また教員や研究者 を含む我々大人たちの「子ども」理解について考察を試みる。教科教育といっても科 目や教科が広範に及ぶため数学教育に着目する。

2

.先行研究

学校教育と子どもの生活との関わりを述べた代表的な研究として澤村や内海の研究 を挙げる。アフリカの教育を考えるにあたり、澤村ほか(2010)はアフリカの教室の 状況は政策とはかけ離れていることが当たり前だと述べている。また学校教育を考え ていく上で澤村は学校と子どもの生活を切り離してはいけないことを述べており、一 連の研究では子どもの生活や置かれている立場から学校教育をとらえなおしている

(澤村2007;澤村ほか2010)。また内海(2011)もアフリカの教育研究において「子 どもや教師の生活というものを見つめなくてはいけないことと子どもたちと長期的に 関わることがとても大切である」(内海2011、17頁)と述べている。

澤村(2007)によればアフリカの大半の先行研究を政策・学校・家庭レベルと分け たとき、家庭レベルから学校レベルを見るような研究はデータがとりにくかったり効 率的な調査が難しかったりする理由からほとんどない。だからといってその類の研究 が不要なのではないことを氏は同様に主張している。また生徒や教師一人ひとりのラ イフヒストリーや生活の内実を追わなければ、多様な社会における教育のあり方を分 析・検討することはできないことを氏は指摘している(澤村2007、244頁)。

これらのことからも教室の中で生起する現象を考察するだけでは限界があり教室外 の子どもの生活や文脈から教室の営みを見直したり捉えなおしたりする視点は欠かす ことはできない。このことは教科教育においても抜け落ちがちでかつ掬い取ることが 困難である。しかし同時に重要な視点である。

3

.研究の枠組み

本研究で用いる概念的フレームワークとして教育の質をとらえる枠組みを参考に したい。教育の質については「万人のための教育(Education for All:以下EFA) 後,ユニセフ(United Nations Children's Fund:以下UNICEF)やユネスコ(United Nations Educational, Scienti c and Cultural Organization:以下UNESCO)を中心と して包括的な議論が展開されており、斎藤(2008)はそれらを時系列で整理してい る。ここで詳しくは述べないが、他にも教育の質を表すモデルの一例としてAnderson

(2004)のフレームワーク(学習、カリキュラム、指導、教師の特性、生徒の特徴、教室)

がある。また図1に示すUNESCO(2004)のモデルでは教育の質を「結果」だけで はなく「学習者の特徴」、「インプット」、「学習過程」も影響するとしている。

中和 渚

図1 教育の質をとらえる枠組み

(注)筆者訳

(出所)UNESCO (2004)

それら「学習」に関連するファクターを下支えする「文脈」もモデルに明示される。

この枠組みは本研究では有効であると考える。なぜならば他のモデルでは要素間の関 係が線で結ばれているのに対し、このモデルは授業前後の時間的な流れとともに、そ れを下支えする「文脈」の対応関係が明示されているからである。

これまでに当該地の数学教育の改善に取り組んできた際にはモデルの上の部分(「学 習者の特徴」「インプット」「結果」)を中心軸に添え、適宜教材を作成したり授業を 実施したりする際に見られる子どもの特徴や制度的・社会的文脈の関連性を論じた(中

和2011b)。それに対して本稿の視点としてモデル下部分の「文脈」から教授学習過程

の向きに伸びる逆方向の矢印に着目したい。また「文脈」といっても広義であるため 本稿では特に「教師や学習者の立ち位置」「親のサポート」「学校と宿題に時間を充て ること」といった点に着目する。

4

.調査の方法

ザンビアではルサカ州ルサカと中央州カブウェの2都市を選んだ1。これら2都市 選定の最初の理由は首都(ルサカ)と中都市(カブウェ)の数学教育の様相の地域差 を調べる意図があった。地域の中で2校は都市部の大規模校でかつ国家試験の成績は 平均的であり、地域における位置づけは類似している2。ルサカは首都で人口は最も 多い。カブウェはルサカから約100km離れた中都市である。それら都市部の基礎学 校に通う子どもたちを対象にルサカでの調査を2009年1−2月、カブウェでの調査を 同年4−6月に行った。

調査したルサカの都市部のL学校はルサカの繁華街近くにある。1964年のザンビ ア独立前からこの学校は存在しており、首都ルサカの経済活動が活発に行われている

ザンビアの子どもたちの生活から学校教育を問い直す

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