scannerコマンドは、終了するまで新しいボリュームを要求してきます。索引を完全 に再作成するには、保存セットIDを含むボリュームをすべて走査する必要があります。
4. nwrecoverプログラムを使用して、リカバリするファイルのファイル索引をブラウズ します。
保存セット全体を LSM Server にリカバリする方法
保存セット全体をディスク・ボリュームに直接リカバリするには、次のオプションを指定し てscannerプログラムを起動します。
scanner -S save-set-id device-name | uasm -rv
このコマンドは、保存セットIDに関連するすべての情報をボリュームから読み込み、バッ クアップ・ボリュームが保存されたときとまったく同じようにこのデータのコピーをLSM
Serverに置きます。つまり、保存セットID番号で指定された保存セットが、scannerコマ
ンドによってLSM Serverのハード・ドライブにリカバリされます。
実際に実行する前にこのアクションが適切かどうかを確認するには、uasmコマンドに-n フラグを追加します。-nフラグは、scannerの出力を/dev/nullに送り、保存セットに含 まれているファイル名をすべてリストします。
ボリュームから 1 つのファイルを直接リカバリする方法
ボリュームから1つのファイルをリカバリするには、次のコマンドのどちらかを実行しま す。
scanner -S save-set-id device-name | uasm -rv filename または
scanner -S save-set-id device-name | uasm -rv -m source=dest filename
uasmの-mオプションは、リカバリしたファイルをsourceディレクトリからdest(宛先)
ディレクトリにマップ(再配置)します。
Scanner
scannerプログラムは、LSMメディア(バックアップ・テープ)から直接読み込み、ボ リュームの内容の確認またはボリュームからの保存セットの抽出、LSMオンライン索引の再 作成を行います。このコマンドは、Administratorのみが実行できます。デバイスを指定す る必要があり、通常は、LSM Serverで使用するデバイス名の1つを指定します。デバイス が磁気テープ・ドライブの場合は、巻戻ししないタイプである必要があります。
UNIX上のscanner
scannerプログラムをオプションなし(または-vオプションのみ)で実行すると、指定し たデバイス上のボリュームが走査され、目次が生成されます。目次には、ボリューム上で見 つかった各保存セットに関する情報が含まれています。デフォルトでは、ボリュームで見つ かった保存セットごとに1行の情報が標準出力に書き込まれます。情報では、クライアント 名および保存セット名、保存時間、レベル、サイズ、ファイル、保存セットID、フラグが 提供されます。
scannerプログラムで使用可能な形式とオプションを次の例で説明します。
scanner [ -Bimnpqv ] [ -s server ] [ -S ssid ] [ -c client ] [ -N name ] [ -f file ] [ -r record ]
[ -t type ] [ -b pool ] device [ -x command argument-list ]
■ -b pool オプションは、ボリュームが所属するプールを指定するために使用します。こ のオプションは、メディアにプール情報を格納しないLSMバージョンでバックアップ されたボリュームのみ適用されます。
■ -Sオプションを指定しない-Bオプションは、テープでブートストラップ保存セットの 開始位置をすばやく走査するために使用します。テープ全体が走査されたときは、最新 のブートストラップ保存セットの保存セットIDとテープ・ファイル位置が標準出力に 表示されます。
■ -c client オプションは、clientで指定したマシンでバックアップした保存セットのみを 処理することをscannerに指示します。1つのコマンド・ラインに複数のクライアン ト名を指定できます。-cオプションを-Nオプションとともに使用することもできます が、その場合は-iまたは-xオプションも指定する必要があります。
■ -f fileオプションは、指定したメディア・ファイル番号から走査を開始するために使用 します。メディア・ファイル番号を特定する方法は、(man mminfoコマンドを使用し て)オンライン・マニュアルのmminfoを参照してください。
■ -iオプションは、読み込まれたボリュームからクライアント・ファイル索引とメディ ア・データベースの両方を再作成することをscannerに指示するために使用します。
-S ssid オプションで単一の保存セットを指定した場合は、指定した保存セットのエン
トリのみがクライアント・ファイル索引に作成されます。
■ -mオプションは、読み込まれたボリュームのメディア・データベースのみを再作成す ることをscannerに指示するために使用します。
■ -nオプションは、クライアント・ファイル索引またはメディア・データベースを再作 成しないでscannerを実行するために使用します。このオプションは、クライアン ト・ファイル索引またはメディア・データベースを変更しないでメディアをチェックす る方法を提供します。
UNIX上のscanner
■ -N name オプションは、指定した名前と一致する保存セットのみを処理するために使用 します。nameの値はリテラル文字列である必要があります。このオプションを-c
client オプションとともに使用するときには複数の名前を指定できますが、その場合は
-iまたは-xオプションも指定する必要があります。
■ -pオプションは、各保存セットを処理するときに、それに関する情報を出力するため に使用します。
■ -qオプションは、エラー・メッセージまたは重要度のメッセージを表示するために使 用します。
■ -r record オプションは、指定したメディア・レコード番号から走査を開始し、未使用
の情報が走査される可能性を回避するために使用します。メディア・レコード番号を特 定する方法は、(man mminfoコマンドを使用して)オンライン・マニュアルの mminfoを参照してください。
■ -s server オプションは、記憶域ノード上でscannerプログラムを実行するときに、
LSM Serverの制御を指定するために使用します。
■ -S ssid オプションは、ssidで指定した保存セットを抽出するために使用します。このオ
プションを-iまたは-xオプションとともに使用するときは、複数のssid値を指定で きます。選択した保存セットは、-cおよび-Nオプションを使用して選択されたものの 他に追加されます。-Bオプションも指定されている場合は、ssidの値がブートストラッ プ保存セットであると想定されます。この場合は、ssidを1つしか指定できません。
■ -x command オプションは、コマンド引数のオプション・リストとともに使用し、走査
される個々の保存セットに対して実行するUNIXコマンドを指定します。このオプショ ンは、scannerコマンド・ラインあたり1回のみ、デバイス指定の後に指定できます。
scannerコマンドの使用方法の例と共通エラー・メッセージのリストは、manページ scanner(1m) を参照してください。
レコード・サイズのエントリに対する scanner プログラム要求
-sオプションを指定し、-iまたは-mオプションを指定しないでscannerプログラムを使 用すると、次のメッセージが表示されます。
please enter record size for this volume ('q' to quit) [xx]
大カッコ[xx]の数値は、最後の問合せからのエントリです。
scannerコマンドは、常にテープを巻き戻してボリューム・ラベルを読み込み、ブロック・
サイズを判断します。ボリューム・ラベルが破壊されているか読込み不能な場合は、ブロッ ク・サイズ(キロバイト単位)の入力を求めるメッセージが表示されます。
ブロック・サイズを入力します。32以上の整数を指定してください。32より小さい整数を 入力した場合は、次のメッセージが表示されます。
illegal record size (must be an integer >=32)