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1 Mkwaya 橋

ドキュメント内 Microsoft Word - DF/R.\.. (ページ 70-130)

電力プログラムの構成 (1)構成

 電力プログラムは、開発調査及び無償資金協力からなり、そのほとんどがダルエスサラーム市の

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送配電網に集中している。ダルエスサラーム市以外のものには、キリマンジャロ州のものがある

(Appendix 1

参照)。

(2)妥当性

 タンザニア国の電力セクターは、水力発電に大きく依存しており、発電側の問題も大きいが、日 本の援助は送配電に集中し、発電サイドは世銀に大きく依存している。電力プログラムは、世銀の 援助計画のもと、デマケーションがきちんとなされており、日本の担当も明確であり、妥当であっ た。

 しかしながら、

TANESCO

の料金徴集をはじめとする経営改善の側面に対する日本の関与は薄く、

プリペイド式電力料金カードは、南アより導入されている。また、

TANESCO

の民営化問題に関し ても、日本がどのように関与していくのか、また、これまでの日本の技術協力・無償資金協力との 連携が明確にされていない。

通信プログラム

(1)

構成

通信プログラムは、前述のように

TRP

下においてドナー分担が効率的に行われ、日本はダルエ スサラーム市を中心に、無償資金協力を二波にわたって行っている。最初の無償は、現ニエレレ道 路周辺の通信設備改善を対象とし、次の無償は中央局のディジタル交換機及び周辺加入者回線を対 象とするものであった

(Appendix 1

参照

)

(2)妥当性

 TRPのもと、上位計画との整合性が高い援助が行われてきている。しかし、

TTCL

が直面して いる課題は複雑で多様であり、電話加入者数を地方においても伸ばさなければならないという途上 国固有の課題を持つ一方、インターネット・

ISDN

等のデータ通信網や携帯電話等の付加価値の高 いサービスを供給しなければならないという今日的な課題も抱えている。

TTCL

は民営化への進展が比較的早い企業であり、携帯電話においては既にライセンス供与に よる民ベースでのサービス供給が始まっており、

ODA

ベースの協力は、民営化後の

TTCL

には馴 染まないものとされている。しかし、基本的な通信サービスをどのようにユニバーサルに供給する かの目途は立っておらず、どのような支援が必要かつ可能かさらに模索する必要がある。

4-58

水資源プログラム

(1)

構成

水資源プログラムは、5つの開発調査と1つの無償資金協力とからなる

(Appendix 1

参照

)

(2)妥当性

個別プロジェクトはそれぞれの時期に対応して妥当なものであった。しかしながら、プログラム全 体で見ると、都市水道、地下水開発、総合水資源開発と、連係性のないプロジェクト群となってし まっている。

JICA

によって実現されたものはカゲラ州の1案件であり、これも難民対策関連とし て緊急かつ単発的な案件に留まっている。

しかしながら、開発調査自体に対する評価は高く、ダルエスサラーム市給水施設整備調査(

1989-91

年)は、他の調査が行われた後、近年に世銀による実現が決まっている。ルブ川水資源開発調査

(1993-94年)は、キドゥンダ・ダムについて、世銀に要請中である。

廃棄物プログラム

(1) 構成

 廃棄物管理は、開発調査「ダルエスサラーム市廃棄物管理計画(

1996-97

年)」とそれに続く無 償資金協力(

1997-98

年)から構成される

(Appendix 1

参照

)

(2) 妥当性

 タンザニア国の中でも、ダルエスサラーム市は他を抜きん出て大きな人口を擁し、近年は生活水 準も向上していることから、廃棄物問題に着手することは緊急の課題であった。また、直接のカウ ンターパートであるダルエスサラーム市は、財政基盤が弱く、廃棄物の収集処理に様々な問題を生 じており、援助として取り組む対象としては非常に妥当なものであった。

 開発調査の結果、

F/S

対象案件の内部収益率は、

20

25%

と非常に高いものであったが、前提条 件が8つ必要とされ、その内いくつかが満たされておらず実現にいたっていない。その一方で、開 発調査終了後、市政が大きく改革され、コミッショナー制によって、様々な事業が民営化の対象と された。清掃事業に関しては、

BOT

ベースとすることが必要とされ、開発調査による提案と整合 しなくなってしまっている。

4-59

b. 効率性

運輸プログラム

都市道路サブプログラム

各プロジェクトがサブプログラムの中で連係されて行われており、効率性が高い。ただし、開発 調査の中で提案されたプロジェクトのうち、道路工事ばかりが、無償資金協力を用いられて実施さ れており、交通マネジメント等、ソフト分野の提案プロジェクトについては、どれも実現にいたっ ていない。

また、実施した道路事業はほとんどが、拡幅を含む現道改良であり、用地取得等も比較的小規模 なものであり、実施をスムーズに運ばせてきたものと考えられる。

一方、幹線道路としても分類される、モロゴロ道路、新バガモヨ道路だけではなく、地区内の生 活道路ともいうべき地区(

Ilala

地区等

DRIP Phase I

分)についても無償の対象とされている。全体 の資源の分配という観点からは、援助の予算が限られているのに、受益者の少ない地区道路の整備 を行えば、公共性の高い部分の整備ができなくなるため、効率的ではなかった2

道路整備による外部経済性の発現は明らかで、幹線道路に沿って様々な商店や市場が軒を連ねて いる。また、運送事業者にとって新たなミニバス事業の参入機会を提供することとなった。

地域住民への社会的なインパクトも顕著である。キノンドニ、テメケ両地区では、道路整備によ って、児童の小学校への通学時間が半減された地区もあり、小学校の在籍児童が増加し、遅刻等も 減っている事実がある

((株)国際開発アソシエイツ .2000, pp.6-1)。

幹線道路橋梁サブプログラム

1989

年から

5

10

年にわたる橋梁専門家派遣事業は、それまでの外国援助依存から脱却する方 向で、約1年1橋の直営橋梁建設を計画し、技術移転を図ってきた。実際に1989年から2000年迄、

6橋が日本のノンプロ無償等を受けながら、建設されて来た。

一方、タンザニア側の構造調整の進展により、

MOW

が直営事業型官庁から、契約マネジメント 型官庁に移行することとなり、道路の維持補修と同様、橋梁建設についても、内部的に技術者を抱 えるよりは、外部との契約を管理する体制となってきている。

これにより、当初からの5期

10

年にわたった長期派遣専門家による技術移転が効率的に活かさ れなくなっている。橋梁部門の自国予算は、災害復旧等の緊急を要する案件に回ってしまい、外国 援助依存から脱却できていない。橋梁計画部門の業務は、諸外国への援助要請が主体となり、援助

2なお、本記述に関しては、JICA無償資金協力部業務第4課からコメントがあった。コメントの内容は本章章末p.4-98 を参照されたい。

4-60

要請の妥当性・要請資料の作成が主な業務となってしまっている。

無償資金協力による4橋梁の建設はこうした政策転換や、タンザニア国の予算不足に対応したも のであり、技術的な難易度の高い橋梁建設を行うことにより、現場経験を補完するものとなってい る。ただし、他の区間の道路が完成していないという外部的な要因ではあるものの、結果的に通過 交通量の少ない区間に、これだけのフル規格の橋梁を架けることが効率的であるとはいえない3

電力プログラム

最大都市のダルエスサラーム市の送配電網に集中したことによって、極めて効率性の高い援助を 実施してきている。また、他ドナーの案件とも技術的な整合性も含めて、効率的な分担を行ってい る。

進行中の案件は、ダルエスサラームだけでは無く、地方都市(アルーシャ、モシ)も対象とする ものであり、現状に即して効率的である。

電気通信プログラム

プログラム自体は、他ドナーとの協調もなされており、プログラム内部での連係も高く、効率的 であった。

日本の供与したディジタル交換機は、

20,000

回線あり、それに

AfDB

の資金によって

10,000

回線

分加えた

30,000

回線分が、ダルエスサラーム市の中央交換局の交換機容量となっている。しかし

ながら、上記

20,000

回線の内、

13,000

回線しか使われていないと同時に、市の一部(工業地帯)

では、旺盛な通信需要によって、当初の日本の援助にもかかわらず積滞も生じており、一定の非効 率さが認められる。

電気通信は費用回収が比較的容易であることから、無償援助による交換機によって全体の生産性 を高め、新たにサービスを供給することが期待される。

水資源プログラム

全体として水資源プログラムとして括ることができても、プログラム内部の連係は弱く、他ドナ ーとの連係も希薄であり、結果として効率的ではない。カウンターパートも、上水公社、水資源省、

地方開発総局と、それぞれの課題に応じて個別のカウンターパートが選ばれている。

廃棄物プログラム

3なお、本記述に関しては、JICA無償資金協力部業務第4課からコメントがあった。コメントの内容は本章章末p..4-99 を参照されたい。

ドキュメント内 Microsoft Word - DF/R.\.. (ページ 70-130)

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