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hyperbolic Gauss map と調和写像

ドキュメント内 少人数クラス学習内容 (ページ 56-61)

はめ込みψ= (N, h) : ΣS21×Rで,N: ΣS21L3が沈め込み,すなわち,dN が各点で線型同型と なるものを考える.ψについて,H2×Rの場合と同様にhyperbolic Gauss mapを定め,それが特別な場合 には調和となることを示す.

まず,= 0であることを示そう.

補題4.3. N が沈め込みである場合,= 0である.

Proof. u= 0なる点が存在したとしよう.⟨dψ, η⟩= 0 =⟨N, η⟩より,

⟨Nz,Nˆ=⟨N¯z,Nˆ= 0,

⟨N,Nˆ=0 (4.2)

である.dN は線型同型より,NuNv は一次独立だから{N, Nu, Nv}L3 を張る.よって,式(4.2)よ りNˆ = 0が分かる.すると,u= 0なる点で,η= (0,0) となりη が単位法ベクトルであることに矛盾する.

ゆえに,N が沈め込みであるときには,= 0である.

以上のことから,uの正負と曲面の向きを対応づけられる.以降は u >0 となる向きを標準的な向きとし よう.

さて,

ξ= 1

u(η+N) : ΣN3 と定めると,ξ

N3={x∈L4|⟨x, x⟩= 0, x0>0} に値をもつことが分かる.これを示そう.まず,ξが光円錐に入るのは

⟨ξ, ξ⟩= 1

u2(⟨η, η⟩+ 2⟨η, N⟩+⟨N, N⟩)

= 1

u2(1 + 1) = 0

となるからである.次にξの第1 座標が正であることを示そう.まずO(1,3)GL4 を,L4 の擬計量を保 つ行列の集合としよう.さらにO+(1,3)⊂O(1,3) を特にH3 を保つような行列の集合とする.O+(1,3)の 行列はH3 だけでなく,N3 も保つ.

ここでη∈H3 の第1座標は正だから,ある A∈O+(1,3)で,A(1,0,0,0) =η となるものが存在する.

するとAx=ξとなるような,x∈L4がとれる.このとき,

1

u=⟨ξ, η⟩=(1,0,0,0), x⟩=−x0

となり,xの第1 座標x0>0が分かる.ゆえに,ξ∈N3が得られる.

特に,ξの第4座標は常に 1であるから,ある写像G: ΣH2H3を用いて,ξ= (G,1)L3×R 表せる.

定義4.4. 上のように得られた G: Σ→H2 ψ: ΣS21×Rhyperbolic Gauss mapとよぶ.

H2×Rの場合と同じようにこのξが調和となる場合があることを示そう.

定理 4.5. CMC 1/2 はめ込み ψ: Σ S21×R で,N が沈め込みであるものを考える.このとき ψ の hyperbolic Gauss mapG: ΣH2は,その正則点の集合がΣの稠密開部分集合のとき,調和写像となる.

Proof. いま,

⟨Gz, Gz=⟨ξz, ξz

=⟨ξz,1

uz+Nz) + (1

u )

z

uξ⟩

=⟨ξz,1

uz+Nz)

=1

uz+Nz) + (1

u )

z

uξ, ξz (1

u )

z

uξ⟩

=1

uz+Nz),1

uz+Nz)

= 1

u2(⟨ηz, ηz+⟨Nz, Nz+ 2⟨ηz, Nz) である.ここで,ηzNzは(4.1)により以下のように計算できる:

⟨ηz, ηz=⟨−Hψz2p

λψ¯z+AN ,−Hψz2p

λψ¯z+AN⟩

=2Hp+A2,

⟨Nz, Nz= (

12|hz|2 λ

)

ψz2h2z

λ ψz¯+Aη, (

12|hz|2 λ

)

ψz2h2z

λ ψz¯+Aη⟩

=2h2z (

12|hz|2 λ

)

−A2, 2⟨ηz, Nz=2⟨−Hψz2p

λψz¯+AN , (

12|hz|2 λ

)

ψz2h2z

λ ψ¯z+Aη⟩

=2Hh2z2p (

12|hz|2 λ

)

であるから,

⟨Gz, Gz=1 u2

(

2Hp2h2z (

12|hz|2 λ

)

+ 2Hh2z2p (

12|hz|2 λ

))

=1

u2(p+h2z) (

2H2 + 4|hz|2 λ

)

=1

u2(p+h2z)(

2H1 +u2)

式(C’.4)より

=p+h2z H =1 2 より

=Q

が成り立つ.ただし,QψのAbresch-Rosenberg differentialである.Qは正則であるので,

⟨Gz, Gz= 0

である.これは,Gの正則点においてGz がH2 に接する成分をもたないことを表す.仮定よりGの正則 点の集合はΣの稠密開部分集合だから,Gz の連続性よりΣ全体で Gz はH2 に接する成分をもたない.

ゆえに,Gは調和写像となる.

ξを介することで,CMC 1/2はめ込みψ: ΣS21×Rhyperbolic Gauss mapは必ずWeierstrass data をもつことが分かる(3.2節参照).

定理 4.6. CMC 1/2 はめ込み ψ: Σ S21×R で,N が沈め込みであるものを考える.このとき ψ の hyperbolic Gauss mapG: Σ→H2 は,その正則点の集合がΣの稠密開部分集合であるとする.このとき,

調和写像GはWeierstrass data{Q, λu2}をもつ.

Proof. いま,

µ=2⟨Gz, Gz¯

=2⟨ξz, ξz¯

= 2

u2(⟨ηz, ηz¯+⟨ηz, Nz¯+⟨Nz, ηz¯+⟨Nz, Nz¯) であるから,これを定理4.5の証明と同様にして計算すると,

⟨ηz, η¯z=⟨−Hψz2p

λψz¯+AN ,−p

λψz−Hψ¯z+ ¯AN⟩

=H2λ

2 +2|p|2 λ +|A|2

=λ

8 +2|p|2

λ +|A|2,

⟨Nz, N¯z= (

12|hz|2 λ

)

ψz2h2z

λ ψz¯+Aη,−2h2z¯ λ ψz+

(

12|hz|2 λ

)

ψz¯+ ¯Aη⟩

= (

12|hz|2 λ

)2

λ

2 +2|hz|4 λ − |A|2

=λ

2 2|hz|2+4|hz|4

λ − |A|2,

⟨ηz, N¯z=⟨−Hψz2p

λψz¯+AN ,−2h2¯z λ ψz+

(

12|hz|2 λ

)

ψ¯z+ ¯Aη⟩

=−Hλ

2 +H|hz|2+2ph2z¯ λ

=−λ

4 +|hz|2

2 +2ph2¯z λ ,

⟨Nz, η¯z=⟨ηz, Nz¯

=−λ

4 +|hz|2

2 +2¯ph2z λ である.ゆえに,

µ=2⟨ξz, ξ¯z

=2

u2(⟨ηz, ηz¯+⟨ηz, Nz¯+⟨Nz, η¯z+⟨Nz, Nz¯)

=2 u2

(λ

8 +2|p|2

λ − |hz|2+4|hz|4

λ +2ph2z¯

λ +2¯ph2z λ

)

=2 u2

(2

λ(|p|2+ ¯ph2z+ph2z¯+|hz|4) + (λ

8 − |hz|2+2|hz|4 λ

))

=4|Q|2 λu2 + 2

u2 (λ

8 −λ

4(u2+ 1) +λ

8(u2+ 1)2 )

Q=p+h2z と式(C’.4)より

=4|Q|2 λu2 + λ

4u2(12(u2+ 1) + (u2+ 1)2)

=4|Q|2 λu2 +λu2

4

となるので,{Q, λu2}GのWeierstrass dataである.

CMC 1/2 はめ込みψ: ΣS21×Rhyperbolic Gauss mapGはWeierstrass data{Q, λu2} をもつこ とが分かった.ここで,2τ =λu2とおこう.これと式(C’.4),u >0 をあわせると,

λ=2τ+ 4|hz|2>0, u=

τ

−τ+ 2|hz|2

が分かる.それではQ, τ を用いて(C’.1)と(C’.2)を書き換えてみよう.

補題4.7. hzz, hzQ, τ を用いて,

hzz=(logτ)zhz+Q

−τ+ 2|hz|2

τ ,

hz=1 2

τ(−τ+ 2|hz|2)

と書き表せる.

Proof. (C’.1)と(C’.2)をQ, τ を用いて書き換える.

hzz=(logλ)zhz−pu

= (

log2τ u2

)

z

hz(Q−h2z)u

=(logτ)zhz2uz

uhz(Q−h2z)u

=(logτ)zhz+ 2hz

u (hz

2 +2p λh¯z

)

(Q−h2z)u (C’.3)より

=(logτ)zhz+h2z

u +4p|hz|2

λu (Q−h2z)u

=(logτ)zhz+h2z

u +Q−h2z

u (u2+ 1)(Q−h2z)u (C’.4)より

=(logτ)zhz+Q u

=(logτ)zhz+Q

τ

−τ+ 2|hz|2, hz=−Hλu

2

=−λu 4

= τ 2u

=1 2

τ(−τ+ 2|hz|2)

となる.

この補題の式は,次の節において重要な役割を果たす.

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