Scheme 26
9
tNN
7 YOMOM
以上のように、今回筆者は、テダノリド(1)の全合成研究の一環として、合成計画段階で合 理的な分子力場計算を行い、あらかじめ閉環容易な誘導体を分子設計する新規方法論を展開す
るとともに、その結果に基づき、最重要行程である18員琢構築を効率的に達成した。
一37一
鑛欝
*)DMAP存在下でのカルボン酸無水物によるアシル化反応においては・ベンゼン・トルエ ンなどの無極性溶媒を用いることによ販応が速やかに進行することがSt・glichらにより報告さ れている33㌦そこで本反応についても・ベンゼンのみを使用して検討したところ・期待に反し 7は山口試薬とまったく反応せず・混合酸無水物を生成しなかった,。
このことについては、第一章の分子力場計算結果から・無極性溶媒であるベンゼン中では・7 のカルボキシレートアニオンがC16 位水酸基と安定な分子内水素結合を生成するため・山口試 薬に対する求核性が低下したものと推測される(Figure 21)・
1
3
hydrogen bonding
5
7
9
15 13
11
17
Figure 21
一38一
NMR
こ 9k コ、小 w一 ヨ 髭 妻本研究において利用した分子力場計算の{言轍を精査するために・前章において得られたラ
クトン誘導体(6)、およびセコ酸誘導体(7)よ曙馴こ導かれるメチルエステル体σ5)に ついて(Scheme 27)、iH NMRのカップリング定数とNOESY測定結果を計算結果と比較し
た。
DMP
。。人。 M。M 。
HOi 357多ノ11
MOMO
7
t) 2,4,6−CbC6 H2Coc.1!?1,,一!!1{5,1!1ETEA, THF
D讐
,O.A X. 9MOi!(ti, 2一,
i3>:一Cl s¥17¥一lt
OH 23
o
addltion 70q/o
MeO 1 Y 3
MOMO
DMP o人。。MOM O
9
5 7 ク 11
75
ノ
DM
g−Xg 9MOM., 2一i
13bP517ク嚢、
ow 23
Scheme 27
先ずiH NMRのカップリング定数について、18自適内のプロトンに関し、第一章のラクトン 計算モデル(2)とメチルエステル計算モデル(3}から得られる理論値*}と、6および75の実 測値を比較した。その結果、C7位の保護基の違いにより、 C 6位メチル基との立体反嬢が変
化し、二面角に差を生じでいると考えられるメチルエステル体のC6−C7位間を除き、計算
値と実測値はおおよそ一致した(Table 1、 Tab皇e 2}。
Tab le 1, Vicinal proton coupling constants (J;Eiz)
of the lactone derivative
J H−H obs. calod.
2−3
34
4−5 5−6 6−7 9−10 12−13 13−14
1415
15−16 16−16t
85
1.5 1.O
o
10.5 8.5 8.5;6.0
2.0 1.5 10.5
1 .5 ;O.5
8.2 1.8 2.7
0
12.2
9.1;2 .0
1.8 2.1 12.2 2.8;05
Table 2. Vicinal proton coupling constants (J ; HZ)
of the seoo acid methyl ester
JH.H obs.
calod
2−3
34 45
5−6 6−7 9−10 12−13 13−14
董4・15 15−16 16−16t
9.0 1.5 1.0 10.O
o
9.0 8.5;4.0
2.0 1.5 10.0 4.5;2.0
8.2 2.5 2.2 10.0
5.7
9.2;3.3 2.6 2.4 10.9 4.2;2.3
*)計算モデルの理論値ついては、各コンホマーの存在比を考慮し、計算より求められる Boltzmann分布に従った二面角の平均値からKarplus式34)に基づいて算定した。
一39一
さらに6および75のN・ESY測定においては・Figu・e 22に示したようにそれぞれ計算結果を 矛盾なく説明し得る水素問にNOEが観測された・