ジュールを計装CPUに交換することによって,最新のFA-M3計装機能を備えた 制御ユニットに生まれ変わる事ができます。ここでは,astnex制御ユニットの計 装アプリケーション(計装ブロック並びにラダーブロック)をASTMAC/VDS
のFA-M3計装へ変換する手順について説明します。
astnexでは,計装ループ(制御ブロック)を実行する計装CPU(F3VP30/35+ F3PP08)とシーケンス処理を実行するシーケンスCPU(F3SP20/25/30/35)で制 御機能を実現していましたが,FA-M3計装では,計装ループ(制御ブロック)お よびシーケンス処理(ラダーブロック)を1枚の計装CPU(F3SPV8)で実行す るように改善しました。
ただし,astnexをFA-M3計装に置き換えるには,シーケンス処理(ラダーブロッ
ク)のデバイス割り付けの変更と,一部のロジック(制御ブロックのアクセス関 連処理)の変更を伴います。
本節では,astnex制御ユニットをFA-M3計装制御ユニットに置き換えるための,
シーケンス処理(ラダーブロック)のデバイス割り付けの変更と,一部のロジッ ク(制御ブロックのアクセス関連処理)の変更について説明します。
(1) システム構成( CPU 構成)
●計装
CPU
(F3SPV8
)計装CPUは, F3SPV8-6Sを使用します。
計装CPUでは,制御ブロック(PID演算を含む)およびシーケンス制御を実行し ます。
電源 SP
35 VP
35 PP 08
電源 I/O
SP V8 I/O
PP 08 I/O
astnex
FA-M3計装 I/O I/O
図 3.3-1 astnex制御ユニットをFA-M3計装制御ユニットへ
(2) 用意するもの
●ソフトウェア
・ ASTMAC/VDSソフトウェア
・ ASTMACまたはVDSの基本ライセンス+FA-M3計装フルタイムライセンス
< A3. バリューアップのパターン>
A-36
TI 34P02J02-01 2011.03.04-00
●ハードウェア
・ 既存のastnexのコントローラ(ベース,電源,Ethernet通信,各種I/O)
・ 計装CPU(F3SPV8-6S)
(3) WideField2 (または WideField3 )上の作業( 1 )
●
WideField2
(またはWideField3
)で,以下の操作を行います。1. astnexのシーケンス処理のラダープロジェクトを開きます(またはCADM3
ファイルを開きます)。
2. プロジェクトの名前を付けて保存します(プロジェクト名を変更)。
3. プロジェクトの名前を付けて保存したプロジェクトを開きます。
4. CPU機種変更・プロパティで,CPU機種を変更します(例F3SP35→ F3SPV8-6Hまたは6S)。
※コンフィギュレーションは初期化されます。変更前に必要な情報は控えておいてください。
5. ラダーブロックで使用するデバイスを,FA-M3計装CPUのアプリケーション 用デバイス領域へ移動します(FA-M3 計装パッケージ IM34P02J01-01 参照)。
具体的には,プロジェクト置換で,以下の置換作業を行います。
・ 内部リレー:I00001~I14336 → I16385~I32768(一部ローカル内部リレーで 使用)
例,置換前:I00001,置換後:I16385,置換点数:使用点数(最大14336点)
・ データレジスタ:D00001~D07168 → D16385~D32768(一部ローカル内部リ レーで使用)
例,置換前:D00001,置換後:D16385,置換点数:使用点数(最大7168点)
・ ファイルレジスタ:B000001~B032768 → B016385~B262144(一部ローカル 内部リレーで使用)
例,置換前:B000001,置換後:B016385,置換点数:使用点数(最大32768点)
・ タイマ(10msec):T00001~T03072 → T00513~T02048(一部ローカルタイ マで使用)
例,置換前:T00001,置換後:T00513(※),置換点数:使用点数(最大点1536点)
※タイマの割り付けは,10msタイマ(T0257~T1024),100msタイマ(T1025~T1920),100ms継続タイマ
(T1921~T2048)です。用途に応じて置換後(先)を変更してください。
・ カウンタ:C00001~C03072 → C00257~C1024(一部ローカルカウンタで使 用)
例,置換前:C00001,置換後:C00273,置換点数:使用点数(最大752点)
・ インデックスレジスタ:V001~V032 → V033~V064
例,置換前:V001,置換後:V033,置換点数:使用点数(最大32点)
6. プロジェクトを閉じます。
●
Windows
上で,以下の作業を行います。・ エクスプローラなどを用いて,テンプレートフォルダの
APMAIN.YBLK/YSIGを,上記のWideField2(またはWideField3)プロジェ クトのフォルダへコピーします。
テンプレートフォルダ(F3SPV8-6H/S共通):
[ASTMAC(またはVDS)インストール先]\VDS\System\Control\VxBuilder\Template\TmpltV8S
< A3. バリューアップのパターン>
A-37 (4) 制御ユニットビルダ上の作業( 1 )
●
astnex
の制御ユニットビルダで,以下の操作を行います。1. 表形式ファイル(1)を出力します。
●
STARDOM
のVP35
用制御ユニットビルダで,以下の操作を行います。1. 表形式ファイル(1)を入力します。
2. 表形式ファイル(2)を出力します。
●
STARDOM
の(FA-M3
計装用)制御ユニットビルダで,以下の操作を行います。
1. (VP35版)表形式ファイル(2)を入力します。
2. CPU共通定義を開き,以下の設定を行います。
・ ローカル内部リレー開始番号:30721
・ ローカルデータレジスタ開始番号:30721
・ ローカルファイルレジスタ開始番号:49153
・ ローカルタイマ開始番号:257
・ ローカルカウンタ開始番号:257
3. 入出力モジュール定義で,以下の項目を設定します。
・ ラダーブロックが使用している入出力モジュール
4. 制御ブロック定義(詳細)で,以下の項目を再設定してください。
・ 入出力(IN,OUTなど)端子(サブユニット上のI/Oチャネルを指定してい る場合)
5. ラダーブロック定義で,WideField2(またはWideField3)のプロジェクトを 設定します。
※まだ,ラダーブロックの登録はしないでください。
6. 名前を付けて保存します。
7. コンパイルします。
8. 信号名定義を出力します。
< A3. バリューアップのパターン>
A-38
TI 34P02J02-01 2011.03.04-00
(5) WideField2 (または WideField3 )上の作業( 2 )
●
WideField2
(またはWideField3
)で,以下の操作を行います。1. WideField2(またはWideField3)プロジェクトを開きます。
2. 制御ブロックをアクセスするラダーブロックを以下のように修正します。
なお,ラダーブロックの参照信号定義に「共通信号定義」を選択します。
元々ブロック信号定義を使用していた場合は,ブロック信号定義の内容
(ローカルデバイスを除く)を共通信号定義へ移してください。
・ PV,SV,MV,MODEの参照(R0001~R0256) R0001~R0064 →タグ名_PV(信号名)
R0065~R0128 →タグ名_SV(信号名)
R0129~R0192 →タグ名_MV(信号名)
R0193~R0256 →タグ名_MODE(信号名)
・ ALRMの参照(E0001~E1024)
E0001~E1024 →タグ名_ASTS(信号名)
FA-M3計装の制御ブロックのASTSは,16ビット分のアラームステータスを
まとめたデータレジスタです。個々のアラームを判定するには,タグ名
_ASTSをMOV命令で一度内部リレーに展開するか,ビット指定命令(LDW
など)を用いてください(FA-M3計装パッケージ IM34P02J01-01参照)。
・ CPU間結合機能(VP→SP)などの設定用結合レジスタ経由のデータ参照
(R0449~R0640)
R0449~R0640 →タグ名_アイテム名(信号名)
・ CPU間結合機能(SP→VP)などによる参照用結合レジスタ経由のデータ設定
(R0909~R0960)
R0909~R0960 →タグ名_アイテム名(信号名)
データ転送要求リレー(E1613~E1664)およびデータ転送完了リレー
(E1229~E1280),単発/連続データ転送の指定(ビルダ指定)は不要です
ので,削除してください。
MOV命令などの実行タイミングでデータ転送タイミングを制御してください。
・ レジスタアドレス指定方式データ設定機能によるデータ設定(R0897~ R0908)
アドレス指定レジスタ(R0897~R0907の奇数アドレス)→タグ名_アイテム 名(信号名)
データ設定レジスタ(R0898~R0908の偶数アドレス)は使用せず,直接,設 定先へ設定します。
書き込み要求リレー(E1537~E1542)および書き込み完了リレー(E1153~
E1158)は不要ですので,削除してください。
MOV命令などの実行タイミングでデータ転送タイミングを制御してください。
3. ラダーブロックAPMAINで,ACT命令により個々のラダーブロックを起動 するように修正します。
4. 文法チェックを行います。
5. プロジェクトを閉じます。
< A3. バリューアップのパターン>
A-39
重 要
・ PROGブロックおよびBSETブロックの一時停止はF3VP30/35ではCASモー ドですが,F3SPV8ではHLDモードに変わりました。このため,MODEに対 する設定値は5(CAS)ではなく,9(HLD)に修正してください。
・ インデックス修飾を用いている場合,デバイスの検索で該当箇所を検索でき ない場合があります。
・ スキャン周期は10msec固定です。
(6) 制御ユニットビルダ上の作業( 2 )
●
STARDOM
の(FA-M3
計装用)制御ユニットビルダで,以下の操作を行います。
1. ラダー定義で,以下の操作を行います。
・ ラダーブロック一覧からAPMAINおよび必要なラダーブロックを登録ラダー ブロックに追加します。
2. コンパイルし,ダウンロードします。
●チューニングパネルで,以下の操作を行います。
・ VP35版パラメータ復元ツールで収集したパラメータは,FA-M3計装の計装
CPUには復元できません。チューニングパネルから各パラメータを再設定し てください。
・ NLブロックの折れ線定義は,ビルダ指定からチューニングパネル指定に変更 になります。チューニングパネルから折れ線パラメータを設定してください。
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i
Part-B
オペレータステーションの移行FA-M3 計装パッケージ/ astnex 移行ガイド
PART-B オペレータステーションの移行
TI 34P02J02-01 6版
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< B1. エンジニアリングデータの保存 >
B-1
B1. エンジニアリングデータの保存
astnexからASTMAC(またはVDS)へシステムを移行するには,まず現状の astnexで作成したデータベースを保存し,ASTMAC(またはVDS)へ移す必要が あります。
B1.1 定義ファイルのテキスト化
エンジニアリングデータをバックアップする際,データによってはテキスト形式 で保存しておかなければならないものがあります。これらは,バックアップに先 立ち,あらかじめテキスト化しておきます。
B1.1.1 制御ユニットビルダ
ASTMAC(またはVDS)の計装パッケージでは,F3SPV3/V8用の制御ユニット ビルダの他に,VP35用制御ユニットビルダを用意しています。astnex制御ユニッ トビルダのデータベースファイル(*.bdf)は,そのままではASTMAC(または VDS)のVP35用制御ユニットビルダでは読み込めないので注意してください。
astnex制御ユニットビルダで定義した情報は,表形式で保存することによって,
ASTMAC(またはVDS)のVP35用制御ユニットビルダでインポートすることが
できます。
手順:
(1) astnexの「制御ユニットビルダ」を起動します。
(2) メニューの[データベース]-[開く]でデータベースファイルを開きます。
(3) メニューの[データベース]-[表形式ファイルの出力]を選択します。
(4) 制御ブロック定義(拡張子BXT),実装モジュール定義(拡張子MXT),
レジスタ情報(拡張子RXT),CPU間結合定義(拡張子CXT)の4つの表 形式ファイルが作成されます。
なお,パラメータ復元ツールでセーブしたパラメータファイルは,ASTMAC(ま たはVDS)でもそのまま使うことができます。
B1.1.2 FIX システム構成設定
FIXのシステム構成設定で定義した内容は,定義ファイルそのままでも,また,
テキスト化しても,ASTMAC(またはVDS)では使うことができません。しか し,起動プログラムの情報や,アラームプリンタ定義の情報など,作業者が読む ことによって後で役に立つ情報が含まれています。このため,システム構成設定 の定義内容をレポート出力によってテキスト化しておきます。
手順:
(1) インテルーションFIXの「システム構成定義」を起動します。
(2) メニューから[ファイル]-[レポート]を選択します。
(3) ファイル名を付けてレポートファイル(拡張子RPT)を保存します。