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Z-5F GNH

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 77-80)

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図4-4 半値幅と磁化率の相関。赤丸:r101、青四角:h101。磁化率は300 Kの磁場増加

時M-H測定より得られた。

4.1.3 積層数と磁化率

図4-5に、グラファイトの層間に由来する002ピークの例を示す。このようなピークか ら00nピークの半値幅を求めた。nは2の倍数である。ここで、XRDの測定点は離散的で あるので、図のようにピークトップの両サイドの測定点を直線的に補完してピークトップ の位置を決定した。また半値幅はピークトップ強度の2分の1の強度になるQの値から求 めた。表4-1に結果をまとめる。 は002のピーク位置、 は004のピーク位置、 は 006のピーク位置、 は六方晶(h)系(AB積層構造)の100ピーク位置。 は002 の半値幅である。

図4-5 球状黒鉛SG-BH8の回折パターンの002ピーク。赤実線でピークを補完して、半

値幅およびピーク位置を求めた。

1.86 1.88 1.9 1.92 1.94 002ピーク強度

Q(1/Å)

Intensity (arb. unit)

-9 -8 -7 -6 -5

0 1 2 3

x 10

-6

( emu /g/ Oe )

1/⊿Q(101) (10

2

Å)

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表4-1 XRD回折パターンの面間ピークの解析。球状黒鉛SG-BL40では006ピークは見 られなかった。

試料

Graphite powder 1.869 3.737 5.607 0.012 2.946

人造黒鉛 1.877 3.753 5.628 0.016 2.963

球状黒鉛SG-BL40 1.893 3.778 5.665 0.012 2.971

鱗片状黒鉛 1.881 3.763 5.639 0.016 2.961

鱗状黒鉛SRP7 1.894 3.781 5.667 0.011 2.974

球状化黒鉛 1.881 3.761 5.641 0.014 2.963

球状黒鉛SG-BH8 1.889 3.777 なし 0.012 2.975

GNH-XXZ 1.889 3.775 5.662 0.015 2.973

GNH-XZ 1.891 3.777 5.664 0.018 2.975

鱗片状黒鉛Z-5F 1.892 3.780 5.666 0.015 2.975 ハードカーボン 1.732 なし なし 0.398 なし

Vulcan 1.776 なし なし 0.277 なし

ケッチェンブラック 1.806 なし なし 0.319 なし

図4-6に、002ピークの半値幅 の逆数と磁化率の相関を示す。 が大きいほど、積層 方向の結晶性が低く、層数の少ないグラファイトであるといえる。よって、層数の増加に 伴い反磁性磁化率が増加する傾向がわかる。特に、反磁性が小さいハードカーボン(HD)、 ケッチェンブラック、バルカンの は非常に大きく、かつABおよびABC積層構造に由来 するピークは見られない。また100ピークがブロードであることから面方向の結晶サイズ も小さいこと、すなわち小さな結晶の乱雑積層の構造を有することが推測される。よって、

ハードカーボン(HD)、ケッチェンブラック、バルカンの小さな反磁性は、このような小 さな結晶サイズおよび結晶の乱雑さに由来する可能性が示唆される。

図4-6 002ピークの半値幅 の逆数と磁化率の関係。磁化率は300 Kにおける磁場増加 時のM-H測定より得られた(表3-1)。

-12 -10 -8 -6 -4 -2 0

0 20 40 60 80 100

x(10-6 emu/(gOe))

1/⊿Q002 (Å)

300 K

HD

kechen Black Vulcan

グラフェン GNH

SG-BL40 鱗状黒鉛SRP7

79 4.1.4 Z-5FとGNH炭素の磁化率

以上述べたように、ハードカーボン(HD)、ケッチェンブラック、バルカンを除く炭素 材料では、その反磁性は、ABC積層構造の含有率に比例して大きくなることが分かった。

しかし、GNH炭素は例外であり、この傾向から顕著にずれている。このことは、GNH炭 素は他の材料と比較して特別な構造的特徴を有する可能性を示唆するが、図4-7に示すよう にGNH炭素のXRDパターンはZ-5F炭素のそれと極めて近く、このような特徴は見られ ない。Z-5F炭素の方がABC積層構造の含有率が僅かに大きいものの、これにより両者の 間の反磁性磁化率の違いを説明することは不可能と思われる。すなわち、他の原因の存在 が考えられる。本研究では、XRD測定では検出できない結晶欠陥や不純物の混入の可能性 を指摘したい。

実際、磁化率の解析で示したようにGNH炭素は、他試料と比較して10倍以上の大きな 残留磁化を持つ。また、低温で大きな常磁性帯磁率を与えるキュリー定数も大きい(低温 で磁化が10分の1以下に減少する)。このことは試料中に混入している不純物や結晶欠陥 などが他試料より大きいことを示唆する。このような不純物によりキャリア注入が起こり、

フェルミ準位がシフトして反磁性磁化率が減少した可能性が考えられる。このように考え ると、図4-4の101ピークより見積もられた層間構造の結晶サイズtはシェラーの式

より求められる。その結果、101面の厚さ となったが、この範囲においては磁 化率と101面の結晶サイズとの相関性は見られなかった。

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図4-7 101ピーク近傍のXRD回折パターン。上から、GNH-XXZ、GNH-XZ、Z-5F試料

(見やすいように上下方向にシフトさせている)。図中にそれぞれの指数を表記した。例:

AB(100)はAB積層由来の100ピーク。

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