2500 mg/kg b.w.
> 2500 purity not reported Limit test
Löser 1982
Oral (gavage)
♂ CD rats Not given 568
(434 – 705)a
purity = 98%; 2,6-DNT impurity = 2%
Vehicle: peanut oil
Lee et al., 1975
♀ CD rats Not given 650
(520 – 743)a
purity = 98%; 2,6-DNT impurity = 2%
Vehicle: peanut oil
♂ rats Not given 270
(180 – 400)a
purity not reported Vernot et al., 1977 10 ♂ Wistar
rats/dose
125, 200, 315, 500, 800 and 1000 mg/kg b.w.
400 (305 – 520) purity not reported Vehicle: sesame oil
Hoechst 1977a
10 ♀ Wistar rats/dose
200, 315, 500, 800 and 1000 mg/kg b.w.
474 (376 – 586) purity not reported Vehicle: sesame oil
Hoechst 1977b
5 rats per sex and group
100, 500, 800, 1500 and 2000 mg/kg b.w.
893 (620 – 1190)
purity not reported Vehicle: lutrol
Löser 1981
♂ albino Swiss mice
Not given 1,954
(1,848 – 2,178)a
purity = 98%; 2,6-DNT impurity = 2%
Vehicle: peanut oil
Lee et al., 1975
♀ albino Swiss mice
Not given 1,340
(1,205 – 1,500)a
purity = 98%; 2,6-DNT impurity = 2%
Vehicle: peanut oil
Mice Not given 1,630
(1,180 – 2,240)a
Method not reported. Vernot et al., 1977
a 95% confidence limits
Table 4.1.2.2.1-2: Summary of acute toxicity of 2,4-DNT in cats
Route Species Dose Comments Ref.
Oral (gavage) Cats 10 and 50 mg/kg bw in lutrol
At 50 mg/kg bw:
1/1 died (renal insufficiency)
↑ Methaemoglobin (42%) within 7 hours after treatment, but decreased to basal levels after 48 hours.
↑ Heinz-bodies within 48 hours after treatment (55%).
Löser and Schmidt., 1984
Intraperitoneal Cats 10, 20, 30, 40 mg/kg bw in poppy oil
1/2 cats at 40 mg/kg bw died dose-related increased methaemoglobinaemia level (7-82%) within 5 h after treatment, but decreased within 24h after treatment
Bredow et al., 1942
吸入
急性吸入試験のデータは、得られていない。
経皮 ラット
Löser, 1982
雌雄5匹ずつのWistarラットに、2,4-DNT(純粋2,4-DNT、量的純度は記載されていない)が、
2500 mg/kg 体重の用量で経皮適用された。被験動物は全て(10/10 匹)、毒性の徴候を示す
ことも無く、適用後の 14 日間の観察期間を生残した。この試験は、GLP に準拠していな い。
経口
ガイドラインに沿って実施された試験のデータは得られていない。Lee et al.(1975)の試験 は、実質的に、現行の試験ガイドラインに準じている。
ラット
Lee et al., 1975
この毒性試験に用いられた 2,4-DNT 溶液は、ピーナツ油に 2,4-DNT(2,4-DNT の純度 98%、
不純物2,6-DNT が2%)を飽和させて調製し、最終濃度はそれから化学的分析を行って測定
した。2,4-DNT 調製物は強制経口投与された。試験した用量に関する情報は得られておら ず、具体的な影響が認められたのは様々な試験用量のどこであったのかについても情報が 得られていない。各用量に割り当てられた動物の数や性別は、示されていない。被験動物 は、遅延型の死亡が起こるかおよび毒性徴候が現れるかどうか、14 日間観察された。CD ラットの急性経口 LD50(95%信頼区間)は、雄が 568(434~705) mg/kg 体重、雌が 650(520
~743) mg/kg 体重であった。ほとんどの場合、認められた毒性徴候は中枢神経系の抑制だ けであり、これから運動失調、呼吸抑制および死亡が数時間以内に生じた。死亡は、通常 最初の 24 時間以内に起こり、それ以外の死亡例は無かった。生残動物は、48 時間以内に 完全に回復した。死亡した動物には、投与に起因するとできるような肉眼病理所見は認め られなかった。
Vernot et al., 1977
雄ラットにおける 2,4-DNT の単回経口LD50(95%信頼区間)は、270(180~400) mg/kg 体重 であった。これ以上詳しい情報は、得られていない。
Hoechst, 1977a
各用量群 10 匹ずつの雄の Wistar ラットに、ゴマ油を媒体として、2,4-DNT(純度の報告無 し)が、125、200、315、500、800 ないしは 1000 mg/kg 体重の用量で投与された。投与後 の観察期間は 14 日間であった。雄の Wistar ラットにおける LD50(95%信頼区間)は、400
(305~520) mg/kg体重であった。
Table 4.1.2.2.1-3: Mortality of male rats treated with 2,4-DNT (Hoechst, 1977a)
Dose (mg/kg) Deaths a
125 0/10
200 2/10
315 2/10
500 8/9
800 7/10
1000 10/10
a Number of deaths / number of animals tested
Hoechst, 1977b
各用量群 10 匹ずつの雌の Wistar ラットに、ゴマ油を媒体として、2,4-DNT(純度の報告無 し)が、200、315、500、800ないしは1000 mg/kg体重の用量で投与された。投与後の観察 期間は 14 日間であった。雌の Wistar ラットにおける LD50(95%信頼区間)は、474(376~
586) mg/kg体重であった。
Table 4.1.2.2.1-4: Mortality of female rats treated with 2,4-DNT (Hoechst, 1977b)
Dose (mg/kg) Deaths a
200 2/10
315 2/10
500 6/10
800 8/10
1000 10/10
a Number of deaths / number of animals tested
Löser, 1981
各用量群雌雄 5 匹ずつのラットに、ルトロールを媒体として、2,4-DNT(純度の報告無し)
が、100、500、800、1500 ないしは2000 mg/kg体重の用量で投与された。投与後の観察期 間は 14 日間であった。ラットにおける LD50(95%信頼区間)は、893(620~1190) mg/kg 体 重であった。
Table 4.1.2.2.1-5: Mortality of rats treated with 2,4-DNT (Löser, 1981)
Dose (mg/kg) Deaths a
100 0/10
500 2/10
800 4/10
1500 7/10
2000 10/10
a Number of deaths / number of animals tested
マウス
Lee et al., 1975
この毒性試験に用いられた2,4-DNT溶液は、ピーナツ油に2,4-DNT(2,4-DNTの純度98%、
不純物2,6-DNT が2%)を飽和させて調製し、最終濃度はそれから化学的分析を行って測定
した。2,4-DNT 調製物は強制経口投与された。試験した用量に関する情報は得られておら
ず、具体的な影響が認められたのは様々な試験用量のどこであったのかについても情報が 得られていない。各用量に割り当てられた動物の数や性別は、示されていない。被験動物 は、遅延型の死亡が起こるかおよび毒性徴候が現れるかどうか、14 日間観察された。アル ビノSwissマウスの急性経口LD50(95%信頼区間)は、雄が1,954(1,848~2,178) mg/kg体重、
雌が 1,340(1205~1,500) mg/kg 体重であった。ほとんどの場合、認められた毒性徴候は中
枢神経系の抑制だけであり、これから運動失調、呼吸抑制および死亡が生じた。死亡は、
通常最初の 24 時間以内に起こり、それ以外の死亡例は無かった。生残動物は、48 時間以 内に完全に回復した。死亡した動物には、投与に起因するとできるような肉眼病理所見は 認められなかった。
Vernot et al., 1977
マウスにおける単回経口 LD50(95%信頼区間)は、1,630(1,180~2,240) mg/kg 体重であった。
これ以上の詳細な情報は得られていない。
ネコ
Löser et al., 1984
2匹の雄ネコに、2,4-DNT(純度99%)が、ルトロールを媒体として、10または50 mg/kg体 重の用量で強制経口投与された。高用量で毒性影響が認められた。メトヘモグロビンの数 値が、投与後 7 時間以内に 42%まで増加したが、投与後 48 時間後には基準値まで減少し た。しかし、投与後48時間以内にハインツ小体形成が認められている(55%)。また、高用 量を投与されたネコ1匹が投与の1週間後に死亡したが、その死因は腎不全であった。
Table 4.1.2.2.1-6: Haematological data of male cats after single oral administration of 2,4-DNT (Löser et al., 1984) Time after treatment
Dose (hours)
Parameter mg/kg b.w. 0 3 7 24 48
Met-Hb 10 3 3 3 2 No data
(%) 50 † 2 39 42 10 3
Heinz bodies 10 9 7 9 7 No data
(%) 50 10 12 28 51 55
†: High-dose cat died 1 week after treatment.
腹腔内投与 ネコ
Bredow and Jung, 1942
1 群 2 匹ずつのネコに、2,4-DNT(純度の情報無し)が、ケシ油を媒体として、20、30 ない
しは40 mg/kg体重の用量で投与された。また、別のネコ1匹に、2,4-DNTが、ケシ油を媒
体として、10 mg/kg 体重の用量で投与された。投与後数時間以内に、メトヘモグロビンの 数値が用量依存的に上昇し、10、20、30、40 mg/kg体重群でそれぞれ7%(n = 1)、36%(n =
2)、53%(n = 2)、77%(n = 2)と測定されたが、投与の24時間後までには減少していた。被
験動物において、ハインツ小体形成は認められなかった。40 mg/kg体重の2,4-DNTを投与 された2匹の内、1匹が死亡した。
Table 4.1.2.2.1-7: Haematological data of cats after single administration of 2,4-DNT by intraperitoneal injection (Bredow and Jung, 1942)
Cat identity
Dose of 2,4-DNT Hb MetHb Methaemoglobin Time of maximum
toxicity (mg/kg bw) (mol·10-5 /
kg bw)
(eq·10-4/kg bw)
(eq·10-4/kg bw)
(% with respect to initial Hb
value)
(hours)
40 K m 10 5.5 5.6 0.4 7 3
41 K F 20 11 2.6 1.0 40 6
42 K n 20 11 4.5 1.4 32 22
43 K m 30 16.5 4.6 2.3 50 2
44 K l 30 16.5 3.5 1.9 55 6
45 K E 40 22 7.5 5.3 71 6
46 K D 40 22 5.3 4.4 82 10 †
Hb: haemoglobin, eq: equivalent weight, †: dead animal
4.1.2.2.2 ヒトのデータ
データは得られていない。
4.1.2.2.3 急性毒性の要約
急性毒性試験のデータは、ラット、マウスおよびネコのものが得られている。
リスクの総合評価を行う上では、げっ歯類での経口投与試験から得られたある程度信頼性 がある数値は、LD50だけである。文献中に報告されているLD50の範囲は、ラットでは180
~893 mg/kg体重、マウスでは1,340~1,954 mg/kg体重である。したがって、2,4-DNTは、
ラットにとっては有毒とされる境界線上の物質(T)であり、マウスにとっては有害物質
(Xn)である。ただし、げっ歯類を用いた急性経口毒性試験の多くは、その質に難があり、
被験物質の純度についての言及を欠いている。Lee et al.(1975)の試験は、実質的に、現行 の試験ガイドラインに準じており、唯一純度(98%)についても報告がなされている。この 試験における急性経口 LD50(95%信頼区間)は、雄の CD ラットでは 568(434~705) mg/kg 体重、雌のCD ラットでは 650(520~743) mg/kg 体重であり、雄のアルビノ Swissマウス では1,954(1,848~2,178) mg/kg体重、雌のアルビノSwissマウスでは1,340(1,205~1,500)
mg/kg 体重であった。これに基づけば、2,4-DNT は、ラットにおいてもマウスにおいても
有害(Xn)に分類されるべきである。La and Froines(1992b)による試験の結果は、この分類 を支持するものである。この試験では、375 mg/kg 体重の 2,4-DNT(純度 97~99%)がラッ トに強制経口投与されたが、死亡は認められていない(変異原性の項参照)。
経皮曝露に関しては、ラットの急性毒性試験 1
件のみからデータが得られている。2,4-DNTを2500 mg/kg体重適用された全てのラットが、その後14日間の観察期間を生残し、
毒性徴候を示すことも無かった。この試験のデータに基づくと、2,4-DNT は経皮急性毒性 に関して分類されるべきではない。さらに、ラットを用いて 2,6-DNT のトキシコキネティ クスを調べたデータが得られているが、それによると皮膚を介して取り込まれる量は、適
用用量の 5~7%である。2,4-DNT
の経皮吸収に関するデータは得られていないが、2,6-DNTの経皮吸収データから2,4-DNTの経皮吸収を類推することは、両異性体が等しい分子 量を有することと、ほぼ等しい物理化学的性質を示すことから、適切であると考えられる。
したがって、2,4-DNT の経皮吸収率は、10%と判断される。経口投与と経皮適用との間に 認められたラットの急性毒性に関する差異は、吸収率の違いから説明付けられると考えら れる。
吸入曝露に関しては、げっ歯類における急性毒性データは得られていない。しかし経口吸 収率も吸入吸収率も 100%であると推定されることから、経口試験で得られたデータから 急性吸入毒性を類推することは妥当であると考えられる。
したがって、2,4-DNT は、吸入曝露および経口投与による急性毒性に関し、有害(Xn;
R20/22)と分類されることになる。
また、ネコを用いた急性毒性試験では、2,4-DNT(純度 99.9%)の単回経口投与により、50
mg/kg 体重の場合にはメトヘモグロビンとハインツ小体の両方の増加が認められたが、10
mg/kg 体重ではそうした所見は認められなかった。メトヘモグロビン値の上昇は、20~40