第 7 章 適用例
7.1 波紋表現による話題の広がりの可視化
7.1.2 Weblog 記事のリンク関係の波紋表現
注目を集めたWeblog記事8 に対してトラックバックによりリンクされたWeblog記事のリ ンク関係を波紋表現で可視化した.この記事は,2005年12月28日に作成された記事であり,
2007年1月28日現在までに,直接リンクだけで,109件のトラックバック記事がある.記 事内容は,トラックバックスパム対応策導入にともなうトラックバックの仕様変更について 書かれている.一般に,トラックバックに関しては様々な論争があり,この Weblog 記事を 発端に,トラックバックについて言及したWeblog記事が比較的大量にリンクされている.
この Weblog記事をルートして,4step 目までのリンク記事を671 件取得した.これらリ
ンク記事群は,そのWeblog記事が掲載されているTrackback Ping Server が,リンク記事 の一覧取得の要求に応答した場合のみ取得したものだけである.つまり,「?__mode=rss」を
付加したTrackback Ping URIによるHTTP GETによるリンク記事取得を行なった.なお,
重複している記事やRDFに準拠していない記事などは省略している.
話題の広がりを可視化
ルート記事が書かれてから 7 日目のリンク関係を図 23に示す.1 日目(一番外側の波紋 上)に比較的多くのWeblog記事がリンクされたが,2日目以降からリンク数が減少している.
図 23に矢印で示した記事Xに注目すると,この記事Xがリンクされた数日後にリンク数が 増えていることが,図 24から読み取れる.それと同時に,初期の頃にリンクされたWeblog 記事XとYに注目すると,14日目までに2tepまでリンクが伸びている.さらに, 21日目
(図 25)になると,記事Xと記事Yから始まったリンク記事群が次々に広がっていること 1
n
エッジ角
類似度が低い 類似度が低い
類似度最高
トラックバック記事
(数字は類似度の順位)
ニュース 記事
角度範囲
(90°)
2 3 n-1 2
が読み取れる.すなわち,記事Xと記事Yから話題が伝わっていることを示している.
このような,話題となるトピックを提起したWeblog記事の投稿者は「TopicFinder」と呼 ばれる.また,記事Yにリンクした記事Zは,比較的多くのリンク記事を有しており,話題 の中心となっている記事と言える.こうしたWeblog記事の投稿者は「Opinion Leader」と 呼ばれる[11].
Weblog記事のリンク関係の波紋表現を行なうことで,時系列に沿った話題の伝わりや反響
が現れる前後のリンク構造の変化などが,視覚的に分析することが可能となる.
角度の決め方
エッジの角度は,前節と同様に類似度を対応づけることも可能であるが,本節では,特に 時系列の変化を観察しやすいように,トラックバックされた時間に対応づけられている.す なわち,各時刻に一定に記事がリンクされているとしたら,第4象限から第1象限にかけて らせん状にノードが並ぶ.エッジの長さと角度がそれぞれ時間に対応していることで,二つ の尺度で時間の経過を意識できる.
図 23 Weblog記事間のリンク関係の波紋表現(7日目)
図 24 Weblog記事間のリンク関係の波紋表現(14日目)
記事 X
記事 X
ルート記事
記事 X のリンク後に 追加された記事群
記事 Y
記事 Z
図 25 Weblog記事間のリンク関係の波紋表現(21日目)
記事 X
記事 Y
記事 X から 始まったリンク記事群
記事 Y から 始まったリンク
記事群 記事 Z