第1回航空機関連分野 技術に関する施策・事業評価検討会
資料6-3
'2/2(
第Ⅱ章 US-2 民間転用
1. 事業の目的・政策的位置付け………Ⅱ-1 1-1. 事業の目的………Ⅱ-1 1-2. 政策的位置付け………Ⅱ-1 1-3. 国の関与の必要性………Ⅱ-2 2. 研究開発目標………Ⅱ-4 2-1. 研究開発目標………Ⅱ-4 2-2. 全体の目標設定………Ⅱ-4 2-3. 個別要素技術の目標設定………Ⅱ-5 3. 成果、目標の達成度………Ⅱ-6 3-1. 成果………Ⅱ-6 3-1-1. 全体成果………Ⅱ-6 3-1-2. 個別要素技術成果………Ⅱ-8 3-1-3. 特許出願状況等………Ⅱ-85 3-2. 目標の達成度………Ⅱ-86 4.事業化、波及効果………Ⅱ-87 4-1. 事業化の見通し………Ⅱ-87 4-2. 波及効果………Ⅱ-87 5. 研究開発マネジメント・体制・資金・費用対効果等………Ⅱ-89 5-1. 研究開発計画………Ⅱ-89 5-2. 研究開発実施者の実施体制・運営………Ⅱ-91 5-3. 資金配分………Ⅱ-93 5-4. 費用対効果………Ⅱ-93 5-5. 変化への対応………Ⅱ-93
1. 事業の目的・政策的位置付け 1-1. 事業目的
航空機産業は、先端技術や高度な素材・部品のシステム統合'摺り合わせ(を行い、他産 業を含めた広い技術波及をもたらすものであり、多大な部品点数と広い裾野産業を有するこ とから雇用吸収力も大きい等の特色を持ち、産業政策上極めて重要な産業である。また、安 全保障上も重要な技術基盤となる。
そのため、各国とも積極的な開発支援に取り組んでおり、我が国においても航空機産業 の自立的発展基盤の確保及び一層の高度化推進の観点から、我が国主導の航空機開発 の実現を図ることが重要な課題である。
小型民間輸送機等開発調査は、「機体・エンジンの完成機開発能力の獲得」を目的とし、
国の補助事業として実施されている。これにより、我が国航空機産業の生産・技術基盤を強 固なものにすると共に、戦略的な研究開発を通じて、我が国航空機産業の基盤技術力の強 化を達成することとなる。
また、航空機産業の持つ軽量化技術、全機インテグレーション技術、低コスト化技術等の 関連技術は、その波及効果によって環境をはじめ、情報、材料等の他産業分野の発展に寄 与することが期待されている。
1-2. 政策的位置付け
防衛省では、新型救難飛行艇を開発し、現在では次期輸送機と次期固定翼哨戒機の開 発を行っている。また、経済産業省では、防衛調達等を通じた航空機産業の高度化が重要 と位置付け、防衛省機及び防衛省機開発で蓄積した技術の有効活用を図るために、防衛 省機民間転用のための調査・研究を、航空機分野の技術戦略マップで策定し、これに基づ き事業を実施している。'図1-2.1参照(また、関連する施策方針等を以下に示す。
➢防衛調達等を通じた航空機産業の高度化'平成 21 年度技術戦略マップ 2009 より(
・ 効率的な研究開発や生産に向けたインセンティブ等を通じて我が国の航空機産業・
技術基盤の維持・育成にも資する防衛調達・研究開発が実現するよう、引き続き関係 省庁と連携することが重要である。
・ 防衛機の民間転用を円滑化するための制度整備等について、関係省庁と連携するこ とが重要である。
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1-3. 国の関与の必要性
航空機産業は、その時代の最先端の技術をシステム統合するハイテク産業であることから、
広範かつ高度な技術力を有する限られた国においてのみ自国産業として成立が可能であり 又、技術的困難性に加え、巨額の開発・販売コスト、長期の開発期間及び、資金の回収期 間を必要とし、開発・事業コストが極めて高いという特徴がある。
このため各国は、航空機産業を戦略産業として位置付け、直接・間接に積極的な支援を 行っている。
欧米では、冷戦崩壊後の軍事支出縮減傾向に伴い、防衛依存度が低下する一方、民需 分野における技術の更なる高度化、機体開発費の高騰等を背景として、企業体力・技術開 発力の強化を目指した大規模な合併や買収による企業統合に進展している。その結果、
中・大型機分野'大手エアライン機(では米国と欧州の巨大メーカー2 社が市場を2分してい る状況である。また、小型機分野'リージョナル・エアライン機(では 90 年代の激しい競争を
図 1-2.1 航空機分野の導入シナリオ
経て、カナダ及びブラジルの有力企業が急激に成長した。航空機用エンジンについては、
欧米の有力企業が市場の 7 割を占めている状況である。
即ち、世界の航空機市場では、これら尐数の大企業が激しい国際競争を展開していると ころである。加えて、欧米等先行諸国のみならず、ロシア及び、中国をはじめとしたアジア諸 国においても航空機産業を強化する動きが見られ、今後一層の競争激化が見込まれており、
今後 10 年のうちに世界の航空機産業の地勢図が固まると懸念される。
このような状況の下、各国・企業は、リスク回避の観点から国際共同開発方式が世界的趨 勢になっている航空機開発市場において、開発プロジェクトを主導し又は、高いレベルで参 画していくために、一層の高度な技術力やリスク分担能力を獲得することが課題となってい る。
以上のような航空機産業の特徴及び背景を踏まえ、他の先進国と比べて後発である我が 国航空機産業が、先行諸国と伍しつつ途上国の追い上げにも対応し得る基盤技術力を強 化していくためには、技術の優位性を確保し、我が国主導の機体開発の実現を目指すこと が必要である。
そのため、「中核的要素技術力の保持」、「機体・エンジンの完成機開発能力の獲得」及 び、「国際共同開発への参画」に対し官民が一体となって取り組むことが必要である。
また、「機体・エンジンの完成機開発能力の獲得」に当たっては、防衛省における新型機 開発で蓄えられた技術を民間転用することにより、効率的な民間機の開発を推進することが 可能である。現在、防衛省は、新型救難飛行艇を開発し、更に次期輸送機と次期固定翼哨 戒機の開発を行っている。
その中で、新型救難飛行艇は、救難捜索のみならず、離島の医療支援・保全活動、森林 火災消火等の用途に転用することにより、国家・国民の安全保障や国際的な災害支援活動 への貢献が期待される飛行艇である。従って、今後は、新型救難飛行艇に関しては、民間 転用研究から実証機の研究等、国家プロジェクトとしての早期の計画推進が日本の国際貢 献において必要と考える。
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2. 研究開発目標 2-1. 研究開発目標
世界では、乾燥した気候に起因する森林火災が多発大規模化する傾向にあり、火災の 季節には連日のように消防機による航空監視および消火活動が行われている。また、周囲 を海に囲まれている我が国では、飛行艇は、海難事故における捜索救難や離島における急 患輸送に使用されている。
我が国の救難飛行艇は、耐波性、外洋着水能力、長距離飛行能力などの優れた性能を 有しており、民間転用することにより、航空消防、離島における国民生活の利便性の向上、
国土保全、国際緊急援助活動などの用途に活用することができる。また、航空機産業の自 立的発展基盤の確保および一層の高度化推進の観点から、我が国主導の航空機開発の 実現を図ることが重要であり、防衛省機である救難飛行艇の民間転用に必要な課題を抽 出・検討し、民間飛行艇の実現可能性を検討する。
2-2. 全体の目標設定
救難飛行艇の民間転用機開発に向けて、市場要求の調査検討、防衛省機の民間転用 方法の検討を行うとともに、民間転用機の機体構想、システム研究、事業性等の機体成立 性について検討する。全体目標、設定根拠等を表2-2.1に示す。
表 2-2.1 全体の目標 目標・指標
'事後評価時点(
目標・指標
'中間評価時点(
設定理由・根拠等 飛行艇の 民間転用に 向け
て、防衛省機の民間転用プ ロセス、民間転用機の耐空 性、機体構想、要素技術、
事業性等の調査研究を行 い、民間転用機としての飛 行艇の技術的成立性の確 認、事業性の評価を行う。
市場要求調査により飛行艇 の用途、需要を検討し、開 発対象とする飛行艇の用途 を想定するとともに、機体の 技術的成立を検討する。ま た、民間転用に要求される 法的基準等を調査し明確に する。更に、飛行艇の特殊 マーケットにおける事業の概 要を検討する。
消防飛行艇を始めとして、
ニッチではあるが世界には 飛行艇マーケットが存在し ている。また、防衛省機の民 間転用についても米国等で 例が存在するが、我が国で は民間転用の基準、例等が 無く、本研究によって民間 転用機開発のプロセス及び 可能性を研究するが必要で ある。
2-3. 個別要素技術の目標設定
前項の全体目標を達成するために、以下のような項目について、表2-3.1のように個別 の目標を設定した。
表 2-3.1 個別要素技術の目標 要素技術 目標・指標
'事後評価時点(
目標・指標
'中間評価時点(
設定理由・根拠等 機体構想の検討 設 定 し た 飛 行 艇 の
用 途 に つ い て 詳 細 に検討する。
飛 行 艇 の 各 種 用 途 に つ い て 機 体 構想を検討する。
市場ニーズの把握と、そ れを実現する方策を明ら かにするため。
民間転用プロセス の検討
民間転用プロセスの 提 言 を ま と め る 。 ま た、開発費回収負担 について検討する。
防 衛 省 機 の 民 間 転用に関する現状 の 規 定 を 調 査 す る。
国内で防衛省機が民間 転用された前例がないた め、海外における規定を 調査する必要がある。
耐空性の検討 消防飛行艇の民間 耐空性への 適合性 について検討する。
防 衛 省 機 の 民 間 耐 空 性 基 準 へ の 適合性を調査し、
適否を検討する。
US-2 の民間耐空性基準 への適合性を明らかにす るため。
消火技術の検討 最 適 な 消 火 活 動 を 行うための消火シス テムと運用方法を研 究する。
各国の消火方法、
他機例を調査し、
運 用 方 法 の 評 価 手法を検討する。
空中消火に対する知識、
ノウハウを取得するため。
事業化計画検討 民転飛行艇の事業 化 計 画 と 事 業 性 の 評価を行う。
民 転 飛 行 艇 の 事 業 化 構 想 を 作 成 する。
民間転用飛行艇の事業 化の見通しを得るため。