Fig.49 電気抵抗の温度依存性 0
20 40 60 80 100 120 140 160
0 50 100 150 200 250 300
Resistance/Ω
Temperature/K J: 2.3at%
K: 1.5at%
3 3.5 4 4.5 5 5.5
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 1/T
lnR
Fig.50 試料の活性化エネルギー
J: 2.3at%
K: 1.5at%
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幾つかの傾きがあることが分かる。そこで、高温域(300K~150K:点線)と低温域(20K~4K: 破線)について接線を引き、傾きから活性化エネルギーを求める。その結果は Table.10 に 示す。
Table.10 ADDの活性化エネルギー
試料名 NAl/at% 高温域/meV 低温域/meV
J 2.3 12.7 0.0264
K 1.5 7.87 0.0275
ダイヤモンドやBDDの活性化エネルギーはそれぞれ5.5eV、0.37eVでありADDはそれに 比べ非常に小さい値であるといえる。Table.10より室温付近の最大活性化エネルギーが
10meV程度のオーダーで非常に小さく、Al3pがフェルミ準位にかかっている結果と矛盾し
ない。また、室温(300K )の熱エネルギーが26meVで同程度である。
Fig.46のAl3pの結果からアルミニウム濃度上昇に伴いADDは、より金属的になると分
かっているが電気抵抗測定ではそうならない。これは試料の品質に問題があると考えられ る。Fig.51に試料J、Kのラマンスペクトルを示す。
Fig.51よりSi(基板)、ダイヤモンド、グラファイト以外にピークは観られない。しかし、
試料Kに比べ試料Jはグラファイトが多く出来てしまっていることが分かる。今回測定さ れた電気抵抗はADDとグラファイトの重ね合わせであり、グラファイトが多いとADD本 来の電気抵抗を得られない。従って、試料Jはこの場合おいて品質が悪いと考えられる。
今後は、試料Kほどグラファイトを抑制したADDで電気抵抗測定を行う必要がある。
0 500 1000 1500 2000 2500
Fig.51 抵抗測定に用いた試料のラマンスペクトル
Intensity_a.u.
Raman Shift/cm-1
◆ Si ★ Graphite
● Diamond
◆
★
●
●
★
J: 2.3at%
K: 1.5at%
- 56 - 8.まとめ
バルクでのADDの作製に成功した。EPMAのC-Kα線とAl-Kα線の測定結果より、今回 作製をしたADDのアルミニウムのドープ量は0.6~3.0 at%だった。EPMAのAl-Kα線の 観測から Al-Kα線はアルミニウム濃度の上昇に従って低エネルギー側にシフトしているこ
とからAl-1sとAl-2pの各エネルギー準位は変化していると考えられる。これは、ADD中
のアルミニウムがカーボンと結合することによりAl-1sのエネルギー準位が浅くなったか、
Al-2pのエネルギー準位が深くなった可能性がある。
ESCA による Al-2p の測定結果より、アルミニウム濃度上昇に伴うエネルギーの変化が
あまり観られなかった。このため、アルミニウム濃度によるAl-Kα線のエネルギーの変化は アルミニウム濃度のよりADD中のAl-1sのエネルギー準位が浅いほうに変化していること が要因であると考えられる。また、フェルミ面近傍の Al-3p 準位の電子状態を予想したと
ころ Al-3p 準位の一部がフェルミ面にかかっており、金属絶縁体転移が生じていることを
示唆している。この結果よりBDDと同様に不純物ドープにより生じたキャリヤーとダイヤ モンドのフォノンとの電子格子相互作用によりADDがBCS超伝導体となる可能性を示し ている。
ADD の電気抵抗測定より試料の温度変化による電気抵抗の振る舞いを観測したところ ADD は半導体的な振る舞いを示しており、ADD が金属絶縁体転移している結果と矛盾し ているようだがBDD も同様であり(Fig.13)、試料の活性化エネルギーは非常に小さいこ とからAl3p の結果と矛盾しない。また、4Kまでの温度領域ではADD の超伝導は確認で きなかった。今後はさらに高濃度な試料の作製及び電気抵抗測定を行い金属的な振る舞い を観測、ADDの超伝導の観測することが課題である。
- 57 - 9.参考文献
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