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TQT試験における活用事例

ドキュメント内 Cupid/MEDAS-Vの概念図 (ページ 30-53)

 TQT試験の概要

 活用事例の試験デザイン及びテストデータ

 TQT試験で求められる解析

TQT試験の概要

 TQT試験とは(下線部はE14ガイドライン抜粋)

薬物による心室の再分極遅延の可能性を評価するための臨床試験

⇒つまり、トルサード・ド・ポワンツ(以下TdP)発生のバイオマ ーカーであるQT間隔の延長と薬物の関連性を評価する臨床試験

概ね全身に影響を及ぼす新医薬品に対して適用される。

平成22年11月1日以後に申請される医薬品に添付される資料は、

本ガイドラインに基づいたものであること。

⇒適用対象となった新医薬品については、ICH-E14ガイドラインに 従った臨床試験を実施する必要がある。

海外臨床試験データ等の利用可能性については、薬剤の特性により 個別に判断される

民族差についてのデータは限られているが、民族的要因はQT/QTc 評価試験の成績に影響することはないと考えられている。

⇒国内での実施の是非については、個々の薬剤についてPMDAと相

TQT試験の概要

 TQT試験の位置づけ

この試験は通常、健康な志願者(丌整脈の危険性が高い集団ではな く)を対象に実施され、医薬品開発の後期に、目標とする患者集団 において当該薬剤のQT/QTc延長作用を入念に調べる必要性がある か否かを決定するために用いられる。

⇒開発の早期に健常人を対象に実施される

⇒TQT試験の結果により、開発の後期段階において心電図に関して 収集すべき情報が異なる

QT/QTc間隔が著明な延長を示す場合には、丌整脈が実際に記録さ れたか否かにかかわらず、薬剤の丌承認、あるいは臨床開発の中止 の根拠となり得る。

薬剤のQT/QTc間隔延長の可能性に関して適切な臨床評価を行って いない場合も同様に、製造販売承認が遅れたり、拒否されたりする

TQT試験の概要

 TQT試験のデザイン

クロスオーバー試験の利点

クロスオーバー試験では被験者自らが対照ともなるため、個体 間変動に関連する差のバラツキが少なく、一般的に並行群間比 較試験より少人数の被験者で実施できる。

クロスオーバー試験では、被験者ごとのデータに基づく心拍数 での補正がし易い場合がある。

並行群間比較試験が好ましい状況

消失半減期が長く、定常状態あるいは完全な消失を達成するの に長い時間間隔が必要な薬物の場合

持ち越し効果が他の理由により顕著な場合、例えば非可逆的な 受容体への結合、または活性代謝物の半減期が長いなどの理由 による場合

複数用量群または多くの治療群を比較する場合

TQT試験の概要

 TQT試験の評価及び解釈

治療において予想される最大曝露量の相当倍までを使用してその薬 物を検査するべきである。

最高血中濃度(Cmax)となる周辺の時点で心電図を記録するよう 注意すべきである。

⇒プラセボ群、被験薬群(臨床用量、最高用量)及び陽性対照群の 4群の構成が推奨され、本稿でも同様の群構成を想定する。

QT/QTc評価試験が陰性とは、その薬剤のQTc間隔への時間を一致 させた平均効果の最大値に対する95%片側信頼区間の上限が10ms を下回る場合を指す。

⇒本稿では、95%片側信頼区間の代わりに両側90%信頼区間を算 出して同様の解釈を行う。陽性、陰性は上記のように定義されるが

、「陽性なら即開発中止」ではなく、その後の開発段階で収集する

本活用事例の試験デザイン

 本活用事例の試験デザインの要約

 ホルター心電図データ収集ポイント(例)

Day 1の9:00に投不する場合

項目 内容

試験デザイン 並行群間比較試験

主要評価項目 時間を一致させたQTcF間隔のベースラインからの変化量の被験薬群とプラセ ボ群の平均値の差

投不方法 単回投不(朝1回投不)

群構成 Placebo、Active 1(臨床用量)、Active 2(最高用量)、Positive Control(陽 性対照)

症例数 各群50例

評価時点(QT) Day -1(投不前): 投不23.5,23,22,20,18,16,14,12,8,0.5時間前 Day 1(投不後): 投不0.5,1,2,4,6,8,10,12,16,23.5時間後

評価時点(PK) Day 1: 0(投不前), 投不0.5,1,2,4,6,8,10,12,16,23.5時間後

本活用事例のテストデータ

 テストデータ(データセットTQT)の構造

各被験者・評価時点ごとに3レコードが格納されている

変数名 内容 イメージ

ID 被験者ID

VISIT 評価時点(100番台:投 不前,200番台:投不後) SEQ 連番

TREAT

投不群(1:プラセボ, 2:臨床用量,3: 最高用量 ,4:陽性対照)

GENDER 性別(1:男性,2:女性)

TQT試験で求められる主な解析

 QT間隔の補正式について

QT間隔は心拍数と負の相関を有するので、ベースラインと比較し て延長したか否かを決定するため、測定されたQT間隔は一般的に 心拍数で補正される。

最適な補正法については意見が分かれているため、全ての申請にお いて、QT及びRR間隔の未補正データ、心拍数のデータ並びに

Bazett補正法及びFridericia補正法を用いて補正したQT間隔データ を提出するとともに、また他の式を用いて補正したQT間隔データ があればそれも提出しなければならない。

Bazett補正法は一般に、増加した心拍数では過大な補正、毎分60 拍を下回る心拍数では過小な補正となることから、理想的な方法で はない。Fridericia補正法は、そのように心拍数が変化する被験者 においてはBazett補正法より正確である。

⇒QTcFを主要評価項目とし、他の補正式の解析結果も提出する(

TQT試験で求められる主な解析

 QT間隔の補正式について

主な補正法

補正法 補正式 備考

Fridericia補正法 QTc = QT/RR0.33 E14ガイドラインで推奨されている。

Bazett補正法 QTc = QT/RR0.5 理想的な補正法ではないとされているが、結果 を提示する。

個体別補正法 QTcIi = QT/RRλi λiは各被験者の以下の回帰式における回帰係数 log(QT) = aii *log(RR)

試験別補正法 QTcSS = QT/RRλ λは全被験者のλiの中央値または平均値

TQT試験で求められる主な解析

 QT間隔の補正式について

QT間隔の補正式の算出及び当てはまりを確認する。

data _QTREG ;

set TQT(where=(VISIT < 201)) ; *--- 投与前に絞込み ; if RR > 0 then _LOGRR = log(RR/1000) ; *--- msec=>sec ; if QT > 0 then _LOGQT = log(QT) ;

run ;

*--- QTcIの回帰係数 ;

proc reg data=_QTREG outest=_EST(keep=ID _LOGRR rename=(_LOGRR=_QTcIEXP)) ; by ID ; model _LOGQT = _LOGRR ;

run ; quit ;

*--- QTcSSの回帰係数(QTcIの中央値) ;

proc summary data=_EST ; var _QTcIEXP ;

output out=_OUTSS(drop=_TYPE_ _FREQ_) median=_QTcSSEXP ; run ;

*--- QTcF, QTcB, QTcQTcI, QTcSSの算出 ; data TQT_C ;

merge TQT _EST ; by ID ; if _n_=1 then set _OUTSS ; QTcF = QT / (RR/1000)**0.33 ;

QTcB = QT / (RR/1000)**0.5 ;

TQT試験で求められる主な解析

 QT間隔の補正式について

SGSCATTERプロシジャで各QT/QTcの補正方法の当てはまりを確認

QTcB間隔に比べて、QTcF間隔やQTcI間隔ではQT間隔が適切に補正され

ている。

*--- QT, QTcF, QTcB, QTcQTcI, QTcSSの対数変換 ; data _QTcCHK ;

set TQT_C ;

array _QTc{*} QT QTcF QTcB QTcI QTcSS ;

array _LOGQTc{*} _LOGQT _LOGQTcF _LOGQTcB _LOGQTcI _LOGQTcSS ; if RR > 0 then _LOGRR = log(RR/1000) ;

do I = 1 to dim(_QTc) ;

if _QTc{I} > 0 then _LOGQTc{I} = log(_QTc{I}) ; end ;

label _LOGRR="Log(RR)" _LOGQT="Log(QT)"

_LOGQTcF="Log(QTcF)" _LOGQTcB="Log(QTcB)"

_LOGQTcI="Log(QTcI)" _LOGQTcSS="Log(QTcSS)" ; run ;

*--- 対数変換後の散布図 ;

TQT試験で求められる主な解析

 中心傾向の解析

被験薬がQT/QTc間隔へ不える作用の解析は、最も一般的には、時 間を一致させた被験薬群とプラセボ群の平均値の差(ベースライン 値による調整後)の、収集の全期間を通じた最大値を用いて行われ る。

⇒ΔQT/QTcを従属変数、性別と投不群を独立変数、対応する

QT/QTc間隔のベースライン値を共変量とした共分散分析モデルに 基づいて評価を行い、全ての時点において90%CIの上限が10msを 下回れば試験は陰性。

ΔQTc = μ + Treatment + Baseline + Gender + ε

(分析感度については)効果が5msより大きい(即ち、片側95%

信頼区間の下限>5ms)陽性対照を用いる方法。

⇒上記同様のモデルを用いて、少なくとも1時点において調整済み 平均値の群間差の片側95%信頼区間の下限が5msを超える場合に

、当該試験において5ms程度のQT延長を検出できる分析感度が証

TQT試験で求められる主な解析

 中心傾向の解析

調整済み平均値の群間差及び両側90%CIを算出

ΔQTc = μ + Treatment + Baseline + Gender + ε

*--- データセットTQTよりベースラインからの変化量を算出しておく ; ods output diffs=_DIFF ;

proc mixed data=TQTMAIN ; where _NAME_="QTcF_M" ; by _NAME_ VISIT ;

class TREAT GENDER ;

model _DIFF = TREAT _BASE GENDER / solution ; lsmeans TREAT / diff=control("1") cl alpha=0.1 ; run ;

ods output close ;

*--- 計算結果出力用データ作成 ; data _DIFF2 ;

set _DIFF ;

X1="Estimates" ; X2=" SE" ;

TQT試験で求められる主な解析

 中心傾向の解析

解析結果を格納したデータセット

TQT試験で求められる主な解析

 中心傾向の解析

調整済み平均値の群間差及び両側90%CIのフォレストプロット

scatter + markercharオプションで値そのものをシンボルとして出力する

offsetmin, offsetmaxオプションで各グラフの余白を調整

options nobyline ;

title "#BYVAL1 #BYVAR2: #BYVAL2 " ; proc sgplot data=_DIFF2 noautolegend ; by _NAME_ TREAT ;

scatter x=Estimate y=VISIT /

xerrorlower=Lower xerrorupper=Upper

markerattrs=(color=black symbol=circlefilled) ; scatter x=x1 y=VISIT / x2axis markerchar=Estimate ; scatter x=x2 y=VISIT / x2axis markerchar=StdErr ; scatter x=x3 y=VISIT / x2axis markerchar=DF ; scatter x=x4 y=VISIT / x2axis markerchar=Lower ; scatter x=x5 y=VISIT / x2axis markerchar=Upper ; refline -5 0 5 10 / axis=x lineattrs=(pattern=2) ; refline 20 / axis=x lineattrs=(pattern=1) ;

yaxis values=(201 to 210 by 1) discreteorder=unformatted ;

TQT試験で求められる主な解析

 中心傾向の解析: フォレストプロット

xaxis values=(-10 to 20 by 5) offsetmax=0.4 ;

scatter x=x1 y=VISIT /

x2axis markerchar=Estimate ; scatter x=x2 y=VISIT /

x2axis markerchar=StdErr ; scatter x=x3 y=VISIT /

x2axis markerchar=DF ; scatter x=x4 y=VISIT / x2axis markerchar=Lower ; scatter x=x5 y=VISIT / x2axis markerchar=Upper ;

scatter x=Estimate y=VISIT / xerrorlower=Lower

xerrorupper=Upper markerattrs

=(color=black

symbol=circlefilled) ;

markercharは有用!!

TQT試験で求められる主な解析

 中心傾向の解析:結果

臨床用量:陰性、最高用量:陽性、陽性対照:分析感度有

試験の結果は陽性⇒当該薬剤について今後の対応を検討する必要有!

TQT試験で求められる主な解析

 薬物濃度とQT/QTc間隔の関連性の検討

薬剤濃度とQT/QTc間隔の変化との関係が確立されれば、心室再分 極を評価する試験の計画及び解釈に役立つ情報がさらに得られるで あろう。この領域では、現在活発に研究が行われている。

ΔQT/QTcと薬物濃度の推移図及び散布図

ΔQT/QTcを応答変数、薬物濃度を固定効果、被験者を変量効 果とした混合効果モデルを用いて、各被験薬群の被験者のCmax の中央値にそれぞれ対応する各ΔQT/QTc の点推定値、標準誤 差及び両側90%信頼区間をそれぞれ算出する。

ΔQTc = μ + β*Concentration + γ*Subject + ε Concentrationは薬物濃度、Subjectは被験者を表す。

ヒステリシス(薬物濃度とΔQT/QTcの変化のずれ)の有無の 確認

ドキュメント内 Cupid/MEDAS-Vの概念図 (ページ 30-53)

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