第4章 .ケース分析
5. TDABC と他の管理方式の併用
5.3 TDABC と TOC
5.3.5 TOC による生産の改善
検出したキャパシティ利用率が高い工程は、TOCを用いて業務を改善する。
TDABCでコストを配賦する
各活動のキャパシティ利用率を 計算する
利用率が高い:ボトルネック 利用率が低い:未利用キャパシテ
ィ
TOCにより改善する 原因を分析し、解決策を探す
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稲垣(1997)はTOCによる生産改善は主に五つのステップあり、それぞれは、制約条件 を見つけること、制約条件を徹底的に活用すること、制約条件以外を制約条件に従属さ せること、制約条件の能力を向上させること、惰性に注意しながら繰り返すことである と主張した。図9はこれら五つのステップを示している。
図9 TOCによる生産改善
(稲垣,2002, p.115)
ステップ1の制約条件は既に TDABC の実施により発見されているため、次は隠れた生 産能力を引き出すことを目的とする。B 企業運送部門現在のキャパシティ利用率は 87.93%であるが、次の目標は経費と投下したコストを増やすことなく利用率の向上を目 指すことである。ステップ3は在庫の最小化を目指すものである。稲垣(1997)はこのス テップこそ、TOCと従来の発想の最も異なる箇所であると指摘した。その理由は従来の発 想では、全体のコストを最小限に抑えるため、各工程のコストを最小にすることが重要 であったから、工程ごとの能率の指標を設定し、管理することになってしまうそうする と、仕掛品が増加する可能性があるため、スループットに悪影響を与える。図10のよう に、ある製品の生産がA、BおよびCの三つの工程があり、工程Bがボトルネックと仮定 する。従来のように工程ごとに最適な指標を設定すると、実際に工程 B が全体を制約し ているため、工程AとB の間に仕掛品が発生する。そして工程Cに未利用キャパシティ が発生する可能性がある。
制約条件を見つける
制約条件を徹底的に活用する
制約条件以外を制約条件に従属させる
制約条件の能力を向上させる
惰性に注意しながら繰り返す
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図10 生産工程
TOCは、スループットを最大化するために、他の工程がボトルネックに合わせた生産を 行わなければならないということを指摘した。ステップ2では、制約条件を活用した上、
更に制約条件を強化するため、設備投資を行い、工程を改善することを目指している。最 後のステップ5は企業の継続的な改善に対して極めて重要なものである。それは前の 4 ステップにより、企業のボトルネックが変化するかどうかを確認し、改善作業を繰り返 すことを示している。
企業は以上の五つのステップにより、制約条件を意識し、スループットの向上を目指 して、行動する。
A B(ボトルネック) C
仕掛品 未利用キャパシティ
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