203-3-2試験におけるTCRCSの解析結果は,6 DU群及び12 DU群ともにプラセボ群に 対して有意差が認められた。
MT-06試験におけるTCRCSの解析結果は,12 DU群はプラセボ群に対して有意差が認 められた。6 DU群対プラセボ群のp値は0.011であったものの,解析計画において重要な 副次評価項目の多重性は,以下の項目の順序*で階層的検定により調整することとしており,
TCRCSの6 DU群における改善は検証的なものではなかった。
*:アレルギー性鼻炎のDSS→アレルギー性鼻炎のDMS→総合RQLQスコア→TCRCS
表 2.5.4-7 重要な副次評価項目及び一部の副次評価項目の解析結果
(203-3-2試験)
アレルギー性鼻炎のDSS,アレルギー性鼻炎のDMS,TCRCSは線形混合効果モデルによる解析 QOLの総括的状態(5段階評価)はWilcoxon順位和検定による解析 項目 解析対象
集団 投与群 例数 調整平均値 調整平均値の差
(95% CI)
調整平均値の比
(95% CI) p値 アレルギー
性鼻炎の DSS
FAS
(851例)
プラセボ 285 4.75 - - -
6 DU 285 3.69 -1.05(-1.49;-0.61) 0.78(0.70;0.86) <.0001 12 DU 281 3.87 -0.87(-1.32;-0.43) 0.82(0.73;0.90) 0.0001 アレルギー
性鼻炎の DMS
FAS
(851例)
プラセボ 285 0.15 - - -
6 DU 285 0.11 -0.04(-0.10;0.02) 0.73(0.44;1.18) 0.1931 12 DU 281 0.10 -0.05(-0.11;0.01) 0.68(0.40;1.11) 0.1244 TCRCS FAS
(851例)
プラセボ 285 6.64 - - -
6 DU 285 5.13 -1.52(-2.21;-0.83) 0.77(0.69;0.87) <.0001 12 DU 281 5.30 -1.34(-2.04;-0.65) 0.80(0.71;0.90) 0.0002 QOLの
総括的状態 FAS
(851例)
0晴れ晴れ 1 2 3 4泣きたい
プラセボ 285 4.6% 31.9% 40.0% 22.1% 1.4% - 6 DU 285 9.8% 38.2% 34.4 % 15.1 % 2.5% 0.0028 12 DU 281 11.4% 37.4% 32.0% 17.4% 1.8% 0.0026 引用元:表2.7.3.3-18
2.5.4 有効性の概括評価
表 2.5.4-8 重要な副次評価項目の解析結果(MT-06試験)
線形混合効果モデルによる解析 項目 解析対象
集団 投与群 例数 調整平均値
(95% CI)
プラセボに対する 絶対差(95% CI)
プラセボに対する
減少率(95% CI) p値
アレルギー 性鼻炎の
DSS
FAS-MI
(992例)
プラセボ 338 3.31(3.20;3.43) - - -
6 DU 336 2.94(2.81;3.06) 0.38(0.01;0.74) - 0.042 12 DU 318 2.84(2.73;2.96) 0.47(0.11;0.82) - 0.01 FAS-OC
(879例)
プラセボ 298 3.30(2.84;3.80) - - -
6 DU 297 2.90(2.46;3.38) 0.40(0.03;0.76) 12.1%(1.1%;22.0%) 0.032 12 DU 284 2.76(2.34;3.22) 0.54(0.18;0.89) 16.2%(5.8%;25.7%) 0.003
アレルギー 性鼻炎の
DMS
FAS-MI
(992例)
プラセボ 338 2.86(2.68;3.05) - - -
6 DU 336 2.23(2.06;2.39) 0.63(0.11;1.15) - 0.017 12 DU 318 2.32(2.17;2.48) 0.54(0.01;1.07) - 0.045 FAS-OC
(879例)
プラセボ 298 2.83(2.27;3.44) - - - 6 DU 297 2.13(1.66;2.67) 0.69(0.18;1.20) 24.5%(7.2%;38.9%) 0.008
12 DU 284 2.22(1.73;2.78) 0.60(0.08;1.13) 21.4%(3.2%;36.6%) 0.024 総合
RQLQ スコア
FAS-OC
(711例)
*
プラセボ 240 1.58(1.39;1.76) - - -
6 DU 242 1.45(1.26;1.64) 0.13(-0.05;0.31) 8.1%(-3.4%;18.5%) 0.162 12 DU 229 1.38(1.20;1.57) 0.19(0.02;0.37) 12.3%(1.2%;22.3%) 0.031 TCRCS
FAS-OC
(754例)
**
プラセボ 257 9.12(7.87;10.47) - - - 6 DU 256 7.74(6.56;9.02) 1.38(0.32;2.45) 15.2%(3.7%;25.5%) 0.011#
12 DU 241 7.91(6.72;9.21) 1.21(0.13;2.28) 13.2%(1.5%;23.7%) 0.029 重要な副次評価項目の多重性は,階層的検定により上記の項目の順序で調整した(CTD 5.3.5.1-2のPanel 6-1参照)。
#:総合RQLQスコアの6 DU群において有意差が認められなかったため(p=0.162),TCRCSの6 DU群においてp=0.011であ ったものの,階層的検定の手順により,TCRCSの6 DU群における改善は検証的なものではなかった。
*:一部の国( )において各国語版の有効なRQLQ質問票を入手することが
できなかったため,これらの国の被験者をRQLQの解析から除外した。
**:一部の国( )において既定の点眼薬が供給不可であったため,これらの国の被験者をTCRCSの解析
から除外した。
引用元:表2.7.3.3-19
3) 効果発現時期
203-3-2試験ではTCRS 及びアレルギー性鼻炎のDSS の推移から,アレルギー性鼻炎の症 状は投与開始 12 週後から改善し始めるものと考えられる結果であった(図 2.7.3.3-3 及び図 2.7.3.3-4参照)。
MT-06試験ではプラセボ群に対してTCRSの有意な改善は投与開始14週後から認められ,
203-3-2試験と同様の結果であった(図2.7.3.3-7参照)。
4) 203-3-2試験とMT-06試験の結果の比較のまとめ
203-3-2 試験及び MT-06 試験の被験者背景において,民族起源,平均身長,平均体重,喘
息合併例の割合,平均年齢,HDM特異的IgE Classの分布等に差異が見られた。
被験者背景において多少の差異が見られたものの,両試験の有効性の主要評価項目である
「治験薬投与最終8週間におけるTCRS」の解析結果は同様であった。
また,比較対象として選択したその他の評価項目(両試験で重要な副次評価項目とされた アレルギー性鼻炎のDSS及びMT-06試験で重要な副次評価項目とされたアレルギー性鼻炎の DMS,QOL,TCRCS)に関しても多少の差異はあるものの,両試験は同様の成績であり,さ
2.5.4 有効性の概括評価
える。
(3) 部分集団における結果の類似性 1) 年齢
203-3-2試験は12~64歳の被験者を対象に実施されたものであるが,年齢区分ごと(18歳 未満,18~29歳,30~39歳,40~49歳,50歳以上)の期間AのTCRSの調整平均値は,い ずれの投与群においても同様であった。したがって,TO-203舌下錠は 12~64歳のいずれの 年齢層においても同様の有効性を示すことが確認された(表2.7.3.3-20参照)。
2) HDM特異的IgE Class
203-3-2試験において,Der far及びDer pte特異的IgE Class別のTCRSの調整平均値は,プ ラセボ群のClass 6の値が他のClassと比較して低い値であったが,その他の値はいずれの投 与群においても各Class で同程度であったことから,TO-203舌下錠はいずれのClass におい ても同様の有効性を示すものと考えられた(表2.7.3.3-21,表2.7.3.3-22参照)。
(4) 有効性の長期維持と耐薬性の発現
52週間の投与が行われた203-3-2試験における6 DU群,12 DU群及びプラセボ群のTCRS は,
投与前と比較して,投与の継続とともに低下したが,6 DU群及び12 DU群とプラセボ群のTCRS の差は投与期間が長くなるに従って大きくなった。この結果はアレルギー性鼻炎のDSSにおい ても同様であった(図2.7.3.3-3,図2.7.3.3-4,表2.7.3.5-1参照)。
アレルゲン免疫療法は一般的に治療期間が長期になるほどその有効性が高まると言われてい る。Ohashiら20)は HDMアレルゲンエキスを用い,HDM アレルギー性鼻炎患者を対象とした SCIT による10年間の臨床研究を実施した。その結果,鼻炎症状は治療期間が長くなるほど改 善すると報告している。
また,Pichlerら21)22)は,HDMアレルゲンエキスを用い,成人のHDMアレルギー性鼻炎又は 喘息患者を対象としたSCITによる臨床試験において,鼻炎症状及び喘息症状が,治療前と比較 して,治療1年目に有意に改善し,2年目,3年目は更に改善したと報告している。
203-3-2試験の52週間投与の結果及びHDMアレルゲンエキスを用いたSCITによる長期投与 試験の報告から,TO-203舌下錠を長期間投与しても,効果の減弱はなく,長期間投与した方が その有効性が高まることが示唆された。
2.5.4.8 有効性の結論
• TO-203舌下錠の6 DU群及び12 DU群はプラセボ群と比較して,鼻炎及び結膜炎の症状を 有意に改善させるとともに,無症状日数を有意に増加させ,重度の症状日数を有意に減少 させた。さらに,プラセボ群と比較してQOLを有意に改善させた。また,レスキュー薬の 使用量はプラセボ群と比較して,鼻炎に対して有意に減少させることはなかったが,結膜 炎に対して有意に減少させた。
• HDMアレルギー性鼻炎患者に対する有効性はTO-203舌下錠の6 DUと12 DUで同程度で あった。
• TO-203 舌下錠は 12~64 歳のいずれの年齢層においても同様の有効性を示すことが確認さ
2.5.4 有効性の概括評価
れた。
• TO-203舌下錠はHDMアレルギー性鼻炎の症状に対して投与開始12週後から効果を発揮す るものと考えられた。
• TO-203舌下錠を長期間投与しても,効果の減弱はなく,長期間投与した方がその有効性が
高まることが示唆された。
• 203-3-2試験とMT-06試験の有効性の成績を比較すると,主要評価項目である「治験薬投与 最終8週間におけるTCRS」の解析結果は同様であり,その他の評価項目(アレルギー性鼻 炎のDSS,アレルギー性鼻炎のDMS,QOL,TCRCS)に関しても多少の差異はあるものの,
両試験は同様の成績であった。したがって,203-3-2試験とMT-06試験の有効性の成績はよ く一致した結果であったと言える。
• TO-203舌下錠の6 DU及び12 DUのプラセボに対する優越性が検証された。
2.5.5 安全性の概括評価
2.5.5 安全性の概括評価
TO-203舌下錠の安全性は,TO-203舌下錠又はTO-203舌下錠と同一製剤であるALK HDM錠が 投与され,約1年間の評価が行われた国内試験2試験及び海外試験3試験を対象として評価を行 った。
本項に記載した安全性評価に用いた臨床試験の概略を表 2.5.5-1に示した。これらの試験の詳細 は,CTD 2.7.4及びCTD 2.7.6に示した。
表 2.5.5-1 安全性評価に用いた臨床試験の概略 資料分類
添付資料 番号
治験実 施計画 書番号
治験の種類
目的 実施国 対象 デザイン 投与量
被験者数
投与 期間
評価資料 5.3.5.1-1
203-3-2
検証試験 有効性 安全性
日本
12~64歳のHDM アレルギー性鼻炎 患者
HDM特異的IgE: Class 3以上
無作為化 プラセボ対照
二重盲検 多施設共同 並行群間比較
プラセボ:319 6 DU:313 12 DU:314
52週間
参考資料 5.3.5.1-2
MT-06
検証試験 有効性 安全性
オーストリア,ボ スニア・ヘルツェ ゴビナ,クロアチ ア,チェコ,デン マーク,フランス ドイツ,ラトビア ポーランド,ルー マ ニ ア , セ ル ビ ア,ウクライナ
18~66歳のHDM アレルギー性鼻炎 患者
HDM特異的IgE: Class 2以上
無作為化 プラセボ対照
二重盲検 多施設共同 並行群間比較
プラセボ:338 6 DU:336 12 DU:318
約12ヵ 月間
参考資料
5.3.5.4-1
203-3-1
その他の 臨床試験
安全性
日本
18~64歳のHDM アレルギー性喘息 患者
HDM特異的IgE: Class 3以上
無作為化 プラセボ対照
二重盲検 多施設共同 並行群間比較
プラセボ:274 6 DU:274 12 DU:276
最長19 ヵ月
参考資料 5.3.5.4-2
MT-04
その他の 臨床試験
安全性
オーストリア,ド イ ツ , デ ン マ ー ク,スペイン,フ ランス,イギリス クロアチア,リト アニア,ラトビア オランダ,ポーラ ンド,セルビア,
スロバキア
17~83歳のHDM アレルギー性喘息 患者
HDM特異的IgE: Class 2以上
無作為化 プラセボ対照
二重盲検 多施設共同 並行群間比較
プラセボ:277 6 DU:275 12 DU:282
最長18 ヵ月間
参考資料 5.3.5.4-3
MT-02
その他の 臨床試験
安全性
デンマーク,ドイ ツ,イタリア,ス ペイン,イギリス スウェーデン,フ ランス,ポーラン ド
14~74歳のHDM アレルギー性喘息 患者
HDM特異的IgE: Class 2以上
無作為化 プラセボ対照
二重盲検 多施設共同 並行群間比較
プラセボ:143 1 DU:146 3 DU:159 6 DU:156
約12ヵ 月間
引用元:表2.7.4.1-1