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TCP Reno と TCP Vegas を競合させた場合の差別化の効果

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第 6 章 シミュレーション・実機実験

6.4 シミュレーション実機実験結果 2

6.4.1 TCP Reno と TCP Vegas を競合させた場合の差別化の効果

基本的なTCP差別化の効果を明らかにするため、TCP RenoとTCP Vegasを各1フロ ー競合させた実験を行った。なお、実験環境2ではDelayed ACKが結果に大きく影響して くるため、シミュレーションにおいてはDelayed ACKがありの場合となしの場合、それぞ れについて評価を行った。シミュレーション・実機実験のスループット、cwnd・RTTの結 果をそれぞれ図6.17~6.21、図6.22~6.24に示す。

0 5 10 15 20 25 30

差別化なし 差別化あり

T hr oug hp ut (M bp s)

Vegas Reno

図6.17 スループット結果(シミュレーション、Delayed ACKあり)

図6.18 差別化なしの場合のcwnd、RTT結果(シミュレーション、Delayed ACKあり)

図6.19 差別化ありの場合のcwnd、RTT結果(シミュレーション、Delayed ACKあり)

0 5 10 15 20 25 30

差別化なし 差別化あり

Throughput(Mbps)

Vegas Reno

図6.20 スループット結果(シミュレーション、Delayed ACKなし)

図6.21 差別化ありの場合のcwnd、RTT結果(シミュレーション、Delayed ACKなし)

0 5 10 15 20 25

差 別 化 な し 差 別 化 あ り

Throughput(Mbps)

V e g a s R e n o

図6.22 スループット結果(実機)

図6.23 差別化なしの場合のcwnd、RTT結果(実機)

図6.24 差別化ありの場合のcwnd、RTT結果(実機)

図6.17より、シミュレーションでは、TCP 差別化をすることで、TCP Vegas は差別化 なしの場合よりも約6倍のスループットを得ることができている。また、図6.21より、実 機では、TCP差別化をすることで、差別化なしの場合よりも約3倍のスループットを得る ことができている。これはDelayed ACKが有効になっている場合の結果である。Delayed ACKがない場合、受信側でTCP RenoとTCP VegasのACKが同じバッファを共有してい るため、受信側でバッファリング遅延が増大し、その影響でTCP Vegasはスループットを 下げてしまうことが考えられる。図6.20,6.21より、差別化しても差別化なしの場合に比べ

て TCP Vegas のスループットの改善は小さく、遅延も大きな改善が見られない。一方で、

Delayed ACKが存在する場合、データパケット2個に対して1個のACKを返すため、受

信バッファに溜まるACKの個数が大幅に減少することになる。そのため、バッファリング 遅延の影響が低減され、TCP差別化をすることでTCP Vegasは比較的高いスループットを 得ることができている。

図6.19,6.24より、シミュレーションと実機ともに差別化ありの場合はDelayed ACKの

効果で、TCP Vegasは比較的遅延を小さく抑えることができている。cwndも高い値を維持

できている。差別化なしの場合は、図6.18,6.23より、実験環境1と同様にTCP Vegasの cwndが非常に低くなっている。このように、受信端末が1台の場合は、Delayed ACKが TCP差別化に大きな影響を与えることがわかる。つまり、Delayed ACKが有効である場合 は、TCP差別化をすることで、TCP Vegasは非常に大きいスループットの改善効果が得ら れることが言える。

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