4.3. 結果及び考察
4.3.1. TACOF1 の合成
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1H NMRスペクトルから(Figure 4. 5)は7.68 ppmと8.56 ppmにピークが観測され、これ はフェニル基のHaとHbに帰属される。またこのシグナルの積分値が1:1であることから等 価なプロトン (6H) として観測された。
ESI-MSチャート (positive mode) をFigure 4. 6.に示す。m/z = 585.5にピークが観測され、
[M+CH3CN+H]+の理論値と一致した (m/z calculated = 584.9)。
以上の結果から、S1は目的物のTBPTであると判断した。
Figure 4. 5. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ ppm, 8.62 (d, 6H), 7.73 (d, 6H) spectrum of S1.
Figure 4. 6. ESI-MS spectrum of S1.
52 2,4.6-Tris(4-formylphenyl)-1,3,5-triazine(TFPT)の同定
S2の1H NMRスペクトルをFigure 4. 7.に示す。δ ppm = 10.20 (s, 3H), 8.96 (d, 6H), 8.14 (d, 6H) にシグナルが見られており、この化学シフトはFigure 4. 7.に示すTFPTの各Hに帰属 できた14。
Figure 4. 8.に示すESI-MSチャートから目的物 ( [M+NH4]+ : m/z calculated = 411.1 ) に帰属 されるシグナルが410.2 に観測された。
Figure 4. 7. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ ppm, 10.20 (s, 3H), 8.96 (d, 6H), 8.14 (d, 6H) spectrum of S2.
Figure 4. 8. ESI-MS spectrum of S2.
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S2と反応物であるTBPTのFT-IRスペクトル(Figure 4. 9.)から、1700 cm-1 付近にTBPT のスペクトルでは観測できなかった新たなピークが見られた。このピークは(C=O)結合の 伸縮振動に由来し、目的物のアルデヒド基に帰属できる。
以上の結果から、S2は目的とするTFPTと同定された。
Figure 4. 9. FT-IR spectra of TBPT (black line) and S2 (red line).
54 TACOF1の評価
TACOF1のFT-IRスペクトル(Figure 4. 10a)において、1620 cm-1 に原料のモノマーで見 られなかった新たなピークが観測された。これは (N=N) の伸縮振動に帰属できる。また原 料のBTAとhydrazineのアルデヒド基 (1700 cm-1) とアミノ基 (3340 cm-1) に由来するピー
クはTACOF1 ではほぼ観測されていないことから、アジン結合が効率的に生成していると
考えられる。
TACOF1のPXRDパターンから(Figure 4. 10b)、3.7º、6.1º、7.0º、9.3º、12.5º、25.9ºに回 折ピークが観測され、この結果は、シミュレーション結果5と良い一致を示した。それぞれ (100) 、(110) 、(200) 、(120) 、(320) 、(001) の結晶面の回折に帰属される。以上よりTACOF1 の結晶構造が形成されていることがわかった。N2ガス吸着等温線(Figure 4. 10c)はIUPAC の分類による type IV の曲線となり、高圧領域(p/p0 > 0.4)で吸脱着にヒステリシスが観測 された。このヒステリシスは、毛管凝縮による多層吸着を起こすメソ孔が存在する際に観測 されることが報告されている8。また低圧領域(p/p0 = 0 — 0.1)での屈曲点を有した特異な 吸着挙動は、多段階の吸着が起こることを示唆しており、メソ孔とともにミクロ孔が存在す ることを示唆する結果9が得られた。BET法から算出された比表面積は1635 m2.g-1 となり、
高い値を示した。NLDFT法による細孔分布解析(Figure 4. 10d)では2.14 nmと 1.61 nm の ポアサイズに該当するピークが観測された。主ピークとして観測された2.14 nm はTACOF1 の細孔サイズの理論値5(2.4 nm)に近い値となった。また、サブピークとして観測された
1.61 nmのピークは、TACOF1の2次元シートの積層構造内で部分的にズレが生じた部分に
よるものであると推察される10。
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Figure 4. 10. (a) FT-IR spectra of the reactants TFPT (blue), hydrazine (red), and TACOF1 (black).
(b) PXRD pattern of TACOF1. (c) N2 adsorption-desorption isotherm and (d) pore size distribution calculated by NLDFT method of TACOF1.
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