6.3.2 CL測定測定測定測定
EPMA 装置を用いて行ったカソードルミネッセンス測定の結果を示す。電子線の加速電
圧は15.0 kVで測定を行った。CL測定結果をFig. 6.3.2に示す。
CL測定の結果、PL測定のスペクトルと同様に1.96 eVに黄色の発光を目視で確認した。
半値幅は~0.7 eVである。この発光はナノワイヤー中の欠陥準位からのディープな発光であ
ると思われる。
6.3.3 光吸収測定光吸収測定光吸収測定光吸収測定
分光光度計を用いて光吸収測定を行った。測定試料のSEM画像をFig. 6.3.3(a)に、光吸収 測定結果をFig. 6.3.3(b)に示す。
室温での光吸収測定の結果、バンドギャップエネルギーが3.50 eVであることが確認され、
SnO2ナノワイヤーで報告されている値(3.7~3.8 eV)よりも0.2 eVほど小さな値になった。
5)
2.5 3.0 3.5 4.0
Photonenergy (eV) (lnT)2 (arb. units)
Fig. 6.3.3(a) 測定試料のSEM画像 Fig. 6.3.3(b) 光吸収測定結果
径:100~150 nm T = 300 K
Fig. 6.3.2 CL測定結果
1.0 2.0 3.0 4.0
Photon energy (eV)
C L I n te n si ty ( a rb . u n it s)
T=300 K
6.3.4 励起光強度依存測定励起光強度依存測定励起光強度依存測定励起光強度依存測定
次にレーザーの強度を変化させてフォトルミネッセンス測定を行った。まず測定条件を 示す。
励起光源 : Nd:YAG pulse laser
(波 長 : 355 nm、pulse幅 : 5 nsec、 繰 り 返 し 率 : 10Hz) 光学フィルタ : レーザー前 : HOYA B340、NDフィルタ スリット幅 : 0.1 mm
露光時間 : 1.0 sec
スポット面積 : 1.0 mm2
測定結果をFig. 6.3.4(a)に、レーザー強度と発光強度をプロットしたものをFig. 6.3.4(b)に示 す。
測定には径が~100 nm程度で非常に高密度にSnO2ナノワイヤーが成長している試料を用 いて測定を行った。
測定の結果、He-Cdレーザーの励起では確認することができなかった~3.19 eVに励起光強 度を増加させることにより新たに発光を確認した。励起強度が~0.5 MW/cm2までは半値幅が
約118 meVとややブロードな発光であったが、~0.5 MW/cm2以上になると半値幅が~30 meV
程となりシャープなピークが確認された。ややブロードな発光は自然放出によるもので、
シャープなピークは誘導放出によるものだとされている。
6)
またレーザー強度と発光強度を プロットしたFig. 6.3.4(b)では、~0.5 MW/cm2付近から発光強度が急激に増加するような関 係が確認された。また閾値~0.5 MW/cm2に関して、報告されている値(0.28 MW/cm2)よりも やや高い値で確認された。
7,8)
2.8 3.0 3.2 3.4
In te n si ty ( a rb . u n it s)
Photon energy (eV) SnO
2nanowire
T=300 K
Fig. 6.3.4(a) 励起光強度依存測定結果 Fig. 6.3.4(b) レーザー強度-発光強度
0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0
1 2 3 4
Pumping energy (MW/cm2)
P L I n te n si ty ( a rb . u n it s)
参考文献 参考文献 参考文献 参考文献
1) T. Gao, and T. Wang, Materials Reserch Bulletin 43, 836 (2008).
2) Y. X. Chen, L. J. Campbell, and W. L. Zhou, J. Cryst. Growth 270, 505 (2004).
3) Y. Chen, X. Cui, K. Zhang, D. Pan, S. Zhang, B. Wang, and J. G. Hou, Chem. Phys. Lett. 369, 16 (2003).
4) Z. Ying, Q. Wan, Z. T. Song, and S. L. Feng, Mater. Lett. 59, 1670 (2005).
5) S. Luo, J. Fan, W. Liu, M. Zhang, Z. Song, C. Lin, X. Wu, and P. K. Chu, Nanotechnology 17, 1695 (2006).
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7) H. Y. Yang, S. G. Yu, S. H. Tsang, T. P. Chen, J. Tao, and T. Wu, Appl. Phys. Lett. 95, 131106 (2009).
8) H. Y. Yang, S. F. Yu, S. P. Lau, S. H. Tsang, G. Z. Xing, and T. Wu, Appl. Phys. Lett. 94, 241121 (2009).
第 第
第 第 7 章 章 章 章 結論 結論 結論 結論
本論文では、ガス輸送気相法でZn2SnO4ナノワイヤーの作製し、走査型電子顕微鏡、X線 回折測定、PL測定(温度依存)、CL 測定、光吸収測定(温度依存)、励起光強度依存測定によ ってZn2SnO4ナノワイヤー評価を行った。
第2章では各測定装置、方法の基本原理を述べた。
第3章ではZn2SnO4ナノワイヤーの作製方法、基板処理、金属触媒の蒸着について述べた。
第4章ではZn2SnO4ナノワイヤーの作製に2パターンの混合粉末を使用し作製を行った。
まず、Zn と SnO の 混合粉末 を使用した 作製では成長 温度を変化 させて作製し てみたが Zn2SnO4のみのワイヤーを成長させることはできなかった。
次に、ZnOとSnOの混合粉末を使用し各条件を変化させて作製を行った。成長温度を変 化させて成長を行った結果、成長温度が高くなるにつれてワイヤーの直径が増加する傾向 にあることが確認された。成長温度が900℃近辺から高温になるとワイヤー状のものだけで はなくベルト状の構造をしたものも観察された。キャリアガスの流量を変化させて作製を 行った結果、キャリアガスを流さない試料ではワイヤーの成長は見られなかった。キャリ アガスを多く流すことでワイヤーも密に成長することが確認された。Au膜変化では、蒸着 してない部分では全くワイヤーの成長が見られなかった。成長時間を変化させて作製を行 った結果、成長時間の増加に伴いワイヤーの直径が増加していく傾向が見られ、成長時間
が 3.0 h から成長時間を減らしていくことで徐々に ZnO のピークも小さくなり 1.5 h で
Zn2SnO4のピークのみとなった。これらの結果をふまえて、ソース比 ZnO:SnO=2:1、
温度890℃、金の膜厚20 Å、キャリアガス流量は500 sccm、成長時間1.5 hの条件が最も良 いものと考えている。
第5章ではZn2SnO4ナノワイヤーの光学測定を行った。PL測定では2.0 eVに不純物準位 からの発光を確認した。PL温度依存測定の結果から2.0 eVの他に室温では見られなかった
3.36 eVに発光ピークを確認した。またフィッティングの結果から3.324 eV、3.348 eV、3.361
eV、3.373 eV、3.38 eVの4つのオリジンからなることが分かった。CL測定では1.75 eVに
ピークを持つ橙色の発光を目視で確認した。光吸収測定では室温でバンドギャップエネル
ギーが3.46 eVとなり温度を下げていくことにより高エネルギー側にシフトしていく様子が
見られ15 Kではバンドギャップエネルギーが3.60 eVであることが確認された。励起光強
度依存測定では励起光強度を上げることにより、室温では見られなかった3.24 eVでの発光 を確認した。
第6章ではSnO2ナノワイヤーの作製及び光学特性について述べた。金触媒を使用せずに SnO2ナノワイヤーの成長に成功した。PL測定では2.1 eVに発光を確認した。CL測定では
1.9 eVに橙色の発光を確認した。光吸収測定ではEgが3.50 eVとなった。励起光強度依存測
定では~3.19 eVにエキシトンからの誘導放出を確認した。