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T 型金属管内の欠陥検出

金属管が途中で分岐してT 字のような形状をしているT型金属管の欠陥検出を行う。

用いる炭素鋼製のT型金属管の概要図を図6.4に示す。

(a)

(b)

Object

50-Unit: mm

Ω

6.4 T型金属管: (a)測定の概要図, (b)寸法

金属管は,炭素鋼製の直線金属管をT型の管綱手にそれぞれ3本接続する。金属管の

300 mm,500 mmとした。欠陥として,厚さ4.9 mm,二面幅9.9 mm,ネジ径5.0 mmの 鉄製六角ナットを用いた。このナットを給電プローブから距離400 mmに配置して欠陥検 出を行う。給電プローブにはVNAを接続し,終端プローブには50Ωの終端抵抗を接続 する。測定結果を図6.5に示す。

-140.0 -120.0 -100.0 -80.0 -60.0 -40.0

-3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0

Reflected wave [dB]

Time [nsec]

w/o defect w/ defect

-95 -90 -85 -80 -75

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

defect position:

0.04 nsec

6.5 T型金属管の反射波

周波数分散を補正した距離は給電プローブより410 mmである。異物による反射波の変 化が4 dB以上生じているのが0.04 nsecであるため,(2.63×108)(0.04×10−9)/2= 0.005 m となる。これに補正した距離 410 mm を加算すると,欠陥の位置は給電プローブから

415 mmであると推測できる。実際に設置した位置は400 mmであるため概ね位置の把握

ができたといえる。しかし,ほかの金属管の異物検出と比較して異物の有無による反射波 の変化が小さい。これはT型金属管のように途中で分岐が存在している金属管では電磁 波が分岐して伝搬しまうため起きた事象だと思われる。シミュレーション解析で 77%の 電磁波は直進するのに対して,残りの 23%しか分岐を曲がらないことがわかっている。

このため,複数分岐が存在するような金属管では検出精度が低下し,より小さな欠陥の検 出が困難になる。

第 7

結 論

本研究では,電磁波を用いた金属管内の簡易な検査法を提案すべくプローブを作成し,

それを用いて円形の金属管を対象に欠陥検出の評価および多様な形状の金属管への応用ま でを遂行した。本研究をまとめると以下のようになる。

直線金属管の欠陥検出

まず,シミュレーションおよび実験で反射波の変化の差から円形の直線金属管内の欠陥 検出を行った。その結果,異物の位置や規模の推測ができることを確認した。また,2 のプローブ上下対称に管内に直接配置することで,管内の伝搬モードを分けて欠陥検出を 行うことができるようになった。これにより各モード系の表面電流の違いからき裂の方向 を判断することができるようになった。異物の検出は,管内に異物が混入することを想定 して行ったが,同程度の大きさであれば管の変形も検出することができると期待される。

多様な形状の金属管の欠陥検出

実際に使用されている金属管は直線以外の形状も多数あるため,それらを想定して屈曲 金属管とT型金属管の欠陥検出を目指した。その際,給電プローブから欠陥までの距離が

長いと周波数分散性の影響で欠陥検出の精度が下がってしまうことがわかった。そこで周 波数分散性を考慮したうえで,屈曲金属管とT型金属管の欠陥検出を行い,異物の位置の 推測ができることを確認した。

本研究によって,直線金属管だけでなく多様な形状の金属管でも欠陥を検出するに至っ た。電磁波を管内に直接伝搬させることで内部の異物やき裂の方向を判定する手法である ため,金属管の長さに依らずに評価が可能である。また,対象が露出せずに壁や断熱材に 覆われている場合でも欠陥検出が行えるメリットがある。本成果は実際に工場や発電所な どに使用されている金属配管などの欠陥を検出し事故防止の実現へとつながるものである と期待される。

参 考 文 献

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7) H. Hara,K. Motojima,and M. Matsubara: Electromagnetic Wave Propagation in Shallow Dent Waveguide , IEICE Trans. C, Vol.J93-C, No.9,pp331-334(2010-9) (inJapanese)原  弘和・本島邦行・松原雅昭:「変形導波管内における電磁波伝搬解析」,信学論C. J93-C,9,pp331-334(2010-9)

8) K. Sato,K. Motojima,and M. Matsubara: Electromagnetic Wave Propagation through a Circular Waveguide with Partial Deformity , IEICE Trans. C, Vol.J94-C,

No.7,pp193-196(2011-7) (inJapanese)佐藤和也・本島邦行・松原雅昭:「変形部を有する円形導波

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謝 辞

本論文は,筆者が群馬大学大学院理工学府博士前期課程に在籍し,この間の研究成果を まとめたものです。

本研究の遂行および論文作成にあたり,終始懇切なるご指導とご鞭撻を賜りました群馬 大学電子情報理工学科教授・本島邦行先生に深甚なる謝意を表します.

研究を進めていく上で的確な助言やご指導をしていただいた群馬大学電子情報理工学科 助教・羽賀望先生には心から感謝の意を表します。

金属管加工の技術的な相談,実験環境の提案など群馬大学理工学技術部・薊知彦氏には 多大なる便宜を図っていただきました。心から感謝いたします。

金属管の加工やプローブの作成にご協力していただきました群馬大学理工学技術部・尾 池弘美氏,金属管の加工や相談にご協力いただいたマシンショップの職員の方々に深く感 謝いたします。

また,修士学位論文の主査を快く引き受けて下さった小林春夫教授ならびに副査を引き 受けてくださった弓仲康史准教授に厚く御礼申し上げます。

加えて御力添えを頂いた研究室の先輩,同輩,後輩のみなさまに感謝いたします。特 に,研究メンバーであった鶴淵健太氏,廣木星也氏には様々な形で助けていただき,研究 期間中も楽しく充実した日々を過ごさせていただきました。また,津久井直樹氏,米田佑 樹氏の作成したプローブやソフトウェアは本研究を遂行する上では欠かせないものでし た。御礼申し上げます。

本論文は以上の方々をはじめ,多くの方々のご支援・ご協力がなければ完成しなかった でありましょう。心より感謝するとともに,今後一層精進することにより,皆様のご恩に 報いたいと思います。

最後に,本研究の一部は,JSPS科研究費26420382(基盤研究(C))の助成を受けたもの であることを付記し,関係各位に心より感謝いたします。 

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