第 3 部 各国の伝統的知識の保護に係る国内法令等、
21. Saving of customary rights
(1) Subject to the provisions of sub-sections (3) and (4), nothing in this Decree shall be deemed to prohibit or restrict:
(a) On native land, not including native land in a forest reserve or in a nature reserve,- (i) the exercise of any rights established by native custom to hunt, fish, or collect fruits
and vegetables growing wild;
(ii) the cutting or removal by any native in accordance with native custom of forest produce which may be necessary for the permanent abode of himself and his family, for the construction of temporary huts on any land lawfully occupied by him, for the upkeep of his fishing stakes and landing places, for the construction and upkeep of any work for the common benefit of the native inhabitants of his village or for firewood to be consumed for domestic purposes;
(b) On alienated native land, with the consent of the lessee of such land; the cutting or removal in accordance with native custom of forest produce which may be necessary for the purposes specified in paragraph (a) (i).
(2) Fees or royalties shall not be payable by any native in respect of any forest produce cut or removed in accordance with sub-section (1).
(3) The Minister may by notice in the Gazette prohibit the felling or removal of timber of a class, description or dimension specified in such notice in any area and for such period of time as specified in the notice. Such notice may specify that the felling or removal of such timber shall not be allowed in accordance with native custom.
(the rest is omitted)
⑤データベース26
フィジーにおいて伝統的知識のデータベースは整備されていない。
伝統的知識のデータベースに直接関連する情報は得られなかったが、
2004
年からフィジ ーの先住民文化に関する情報収集(culture mapping program)が進められている27。26 伝統的知識のデータベースの整備状況は、本調査研究における質問票調査に基づく。
27 SPCウェブサイトに掲載された、ワークショップ(2015年5月に実施)「Fiji Cultural Industries Training: Intellec
フィジー
4.2.
伝統的知識の保護の事例フィジーにおける伝統的知識の保護の事例の情報は得られなかった。
4.3.
伝統的知識の不正使用と主張された事例フィジーにおける伝統的知識の不正使用と主張された事例の情報は得られなかった。
tual Property Rights and Protection」のレポートのp9を参照した。http://www.spc.int/hdp/index2.php?option=co m_docman&task=doc_view&gid=645&Itemid=4(最終アクセス日:2017年12月14日)
南アフリカ
5.
南アフリカ<概要>
南アフリカでは、遺伝資源に関連する伝統的知識が「2004年第
10
号国家環境管理:生 物多様性法」により保護されている。特許出願時の伝統的知識の出所開示義務が、2005 年に改正された特許法に規定されている。先住民及び地域社会の伝統的知識を保護する法 令として、「2013年第28
号知的財産の法の一部を改正する法律」が成立し、また、「2016 年先住民知識体系の保護、促進、開発及び管理に関する法案」が成立に向けて審議されて いる。この法案は、従来の知的財産制度の枠組みではなく、独自(sui generis
)のアプロ ーチにより先住民知識の知的財産を保護することを目的としている。5.1.
伝統的知識の保護に関する法整備5.1.1.
伝統的知識の保護に関する条約及び締約国となった経緯1,2南アフリカは、1996年
1
月31
日にCBD
の締約国となった3。また、2014年10
月12
日に名古屋議定書の締約国となった4。南アフリカが
CBD
の締約国となった経緯として、ブラジル、インドネシアに次いで南 アフリカが世界で3
番目に生物多様性が豊かな国であることが挙げられる。南アフリカの 国土は全世界の2%であるが、世界の植物の 10%、哺乳類、鳥類及び爬虫類の 7%、知ら
れている海洋生物の15%を保有し、かつ特有の品種の数も多く、これらの保全は世界の生
物多様性の保全にとっても重要である。また、生物多様性に起因して南アフリカには自然科学の研究及び商業利用が可能な海水、
淡水及び地上の動物、植物及び微生物に係る様々な可能性があること、及びバイオテクノ ロジーの登場とともに、世界の生物資源、特に植物、昆虫及び微生物が医薬品及び農業の 研究用の生体成分となってきたことから、生物多様性及び生物資源の高い経済的価値が認 められるようになってきた。
さらに南アフリカの地域社会や個人は、医療、栄養学及び介護のための先住民の生物資 源の利用に関する豊富な伝統的知識を有し、それらの保有者又は利用者である先住民の生 物資源の持続可能な利用、及び生物資源に関する生物資源探索から得られる利益の公正か つ衡平な配分を促進するために
CBD
の締約国となった。CBD
の締約国となった後に、生物多様性の商業的利用又は科学的研究にあたり、生物 資源の持続可能な利用及びその利用から得られる利益に関し、南アフリカに対する公正か つ衡平な配分を確実なものとするために名古屋議定書の締約国となった。1 CBD及び名古屋議定書の締結に関する情報はCBDウェブサイトの「South Africa - Country Profile」の情報を参照し た。https://www.cbd.int/countries/default.shtml?country=za(最終アクセス日:2017年10月17日)
2 CBD及び名古屋議定書の締約国となった経緯については本調査研究における質問票調査及びヒアリング調査に基づく。
3 1993年6月4日に署名し、1995年11月2日に批准し、その後、締約国となった。
4 2013年1月10日に批准し、その後、締約国となった。
南アフリカ
5.1.2.
伝統的知識の保護の枠組南アフリカの伝統的知識の保護に関する法的枠組としては、以下のものがある5。
表1 南アフリカの伝統的知識の保護に関する法的枠組及び所管官庁
保護の枠組み 関連する法令等
所管官庁
遺伝資源のABSに関する法令等
・2004年第10号国家環境管理:生物多様性法6
・2008年生物探索、アクセス及び利益配分規則7
・南アフリカBABS規則枠組み(提供者、ユーザー及び管理者のための ガイドライン)8
・環境省バイオプロスペクティング、アクセス及び利益配分局
(Bio-Prospecting, Access and Benefit-Sharing Office(略称:BABS)
Department of Environmental Affairs)
・南アフリカ国家生物多様性機構(South African National Biodiversity Institute)
特許出願時の出所開示義務に 関する法令等
・1978年特許法(2005年20号法により改正)9
・1978年特許規則10
・貿易産業省(Department of Trade and Industry(略称:DTI))
・知的財産庁(Companies and Intellectual Property Commission(略 称:CIPC))
先住民及び地域社会の伝統的知 識に関する法令等11
・2013年第28号知的財産の法の一部を改正する法律12
・2016年先住民知識体系の保護、促進、開発及び管理に関する法案13
・貿易産業省(DTI)
・科学技術省(Department of Science and Technology(略称:DST))
-国家先住民知識法制局14(National Indigenous Knowledge Systems Office(略称:NIKSO))
伝統的知識に関する統一されたデータベースは整備されていないが、科学技術省(以下、
「DST」という。)でデータベースの準備は進められている15。
5 伝統的知識の保護に関する法的枠組は、本調査研究における質問票調査及びヒアリング調査に基づき関連法の法目的等も 参考に分類した。なお南アフリカでは「伝統的知識の保護を主目的とした法令等」に該当するものがないため、表1か ら割愛した。
6 英語名称は「National Environmental Management: Biodiversity Act 10 of 2004」英語版の条文は以下のウェブサイト の情報を参照した。2009年第617号通知及び2013年第530号通知により改正された。
7 英語名称は「Regulations on Bio-Prospecting, Access and Benefit-Sharing 2008」2015年第447号通知により改正され た。
8 英語名称は「South Africa’s Bioprospecting, Access and Benefi t-Sharing Regulatory Framework(Guidelines for Providers, Users and Regulators)」
9 英語名称は「Patents Act 57 of 1978, specifically Patents Amendment Act 20 of 2005」
10 英語名称は「Patent Regulations 1978」2006年R.1181号及び2007年R.1226号等により改正された。
11 この法的枠組みには、部族の慣習法等で伝統的知識を保護するものも含む。
12 英語名称は「Intellectual Property Laws Amendment Act 28 of 2013(略称:IPLA法)」
13 英語名称は「Protection, Promotion, Development and Management of Indigenous Knowledge Systems Bill 2016(通 称:IK 法案)」
14 上記の先住民知識知識体系の保護等に関する法案において科学技術省に設置された組織である。
15 本調査研究における質問票調査及びヒアリング調査に基づく。
南アフリカ
5.1.3.
各枠組における保護の態様16①遺伝資源の
ABS
に関する法令等<背景17>
伝統的知識の保護に関連する法令として、「2004年第
10
号国家環境管理:生物多様性 法」(以下、「生物多様性法」という。)及び「2008
年生物探索、アクセス及び利益配分規 則」(以下、「生物多様性規則18」という。)がある。生物多様性法は
2009
年第617
号通知により改正され、さらに2013
年第530
号通知に より改正された19。また、生物多様性規則は2015
年第447
号通知により改正された。さらに生物多様性法及び生物多様性規則のガイドラインとして、「南アフリカバイオプ ロスペクティング、アクセス及び利益配分に関する法令の枠組み(提供者、利用者及び管 理者のためのガイドライン)20」(以下、「BABSガイドライン」という。)が発行されてい る。
前述のとおり南アフリカは
1996
年にCBD
にの締約国となり、その後当該CBD
の目的 を遵守するため、南アフリカ政府は生物多様性法を制定した。また、この法律は南アフリ カ憲法第24
条に規定された、環境保全の推進、生態系の持続可能な開発及び天然資源の 利用等による環境保護の考えにも沿うものである。憲法21
第
24
条 環境すべての者は以下の権利を有する。
a.
自分たちの健康又は健やかであることを害さない環境に対するものb.
以下に挙げる合理的な法律及び他の手段により、現在及び将来の世代の利益となる ように環境が保護されることi.
公害や生態系の破壊を防ぐことii.
保全を推進することiii.
生態系の持続可能な開発がなされ、並びに公平な経済的及び社会的発展を促進16 伝統的知識の保護の態様については以下の情報を参照した。
-国立遺伝学研究所ABS学術対策チームウェブサイトの「各国情報(南アフリカ))」http://nig-chizai.sakura.ne.jp/ab s_tft/report/qrca/%E5%8D%97%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB/(最終アクセス日:2018年 2月16日)
-一般社団法人日本国際知的財産保護協会「平成20年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業(各国・地域における 伝統的知識の保護制度に関する調査研究報告書)」https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/zaisanken_kou hyou/h20_report_01.pdf(最終アクセス日:2018年2月22日)
17 生物多様性法及び生物多様性規則の法改正の経緯及び伝統的知識の保護との関係については、本調査研究における質問 票調査及びヒアリング調査に基づく。
18 生物多様性規則の施行日は2008年4月1日である。WIPOウェブサイトの情報を参照した。
http://www.wipo.int/wipolex/en/details.jsp?id=5775(最終アクセス日:2018年3月1日)
19 改正の通知の英語名称はそれぞれ「National Environmental Management Laws Amendment Act 14 of 2009 (N OTICE 617 OF 2009)」、「National Environmental Management Laws Amendment Act 14 of 2013 (NOTICE 530 OF 2013)」である。
20 当該ガイドラインは南アフリカ環境省ウェブサイトに掲載のものを参照した。https://www.environment.gov.za/sites/d efault/files/legislations/bioprospecting_regulatory_framework_guideline.pdf(最終アクセス日:2017年12月7日)
21 南アフリカ憲法の関連する条文の日本語訳は、本調査研究における仮訳である。また、原文は南アフリカ政府ウェブサ イトに掲載のものを参照した。https://www.gov.za/documents/constitution/chapter-2-bill-rights(最終アクセス日:2017 年10月21日)