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SaaS が変えた中小の技術投資 !

ドキュメント内 AmericanVentures (ページ 34-60)

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ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS:ソフトウェアをユーザーの端末で動作させ ずに、インターネット経由で利用するサービス形態)の流行はどの業界にも強い影響を与え ているが、特に中規模の企業の技術投資のあり方を大きく変えている。!

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大企業にとってみれば、どんな技術でも、新しい技術を導入する費用はとにかく巨額に なる。経済的な費用だけでなく、人的なコストも大きい。というのも、往々にして大企業は 各部門が連携を持たない縦割り構造で、社員がそれぞれの立場や権益を守ることに固執しが ちになるからだ。それが、どんなに企業の経営を非効率にしていたとしても、である。企業 の規模が大きくなれば大きくなるほど、意思決定は中央集権的になるものだ。!

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対して中規模の企業は、中央集権的か否かにかかわらず、なによりも経済的費用に敏感 だ。新しい技術の導入に時間がかかるとすれば、それはその企業にとって経済的なコミット メントが負担になるからである。財務的な負荷が低くなれば、中規模の企業はコストカット に貢献しそうな技術を積極的に試すようになる。SaaSは、そんな企業の強い味方だ。!

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消費者向け商品活用!

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 今、多くの中規模ビジネスは従来の法人向けソフトウェアやサービスにまつわる経済 的、及び人的コストを回避するため、法人向けではなく個人消費者向けの製品に落ち着いて いる。例えば、ウイルス対策ソフトの法人ライセンスを取得してそれにまつわる様々なコス トに悩まされるよりも、技術管理者が近所の電気店に行って人気のウイルス対策ソフトを複 数購入してしまうというわけだ。!

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もうひとつ中規模ビジネスと大企業の間に溝があるとすれば、それは会計部門によく表 れている。合衆国では、会計ソフト市場はイントゥイット社の独占状態にある。80年代から 会計ソフトを提供し続け、時価総額は190億ドルと言われる。しかし、そのイントゥイット社

が今、もっとシンプルな会計・財務管理プラットフォームを提供するSaaS型スタートアップ の挑戦を受けている。!

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大企業の会計の複雑さは、中小企業のそれとは違う次元の話だ。従来の大企業を対象 にした会計ソフトを採用することは、合衆国ではイントゥイット社のソフトウェアの枠組み と、それに伴う高額の支払いに長期的に縛られることを意味する。中規模のビジネスにとっ ては割に合わない。結局、市場を牛耳る伝統的なソフトウェア提供企業であっても、二君に 仕えることはできないということだ。!

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そこに、大規模ソリューションにとって替わる、Xero(ゼロ)のようなリーズナブルな サービスが支持される理由がある。ゼロを使えば、シンプルなオンライン上のダッシュボー ドから、複雑な手続きなしに売掛金・買掛金が請求通り回収・支払できているかを確認する ことができる。特に、規模の小さなビジネスが中規模に拡大する過程ではこうしたシステム が欠かせない。ゼロは、合衆国のほとんどの銀行・金融機関からデータを直接読み込み、ま た書き出しもできる点が特徴だ。つまり、ゼロのAPIがあれば、銀行からデータを引っ張っ てきて自動的にキャッシュ・フロー計算書に数字を並べられる。画期的なサービスだ。!

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試行錯誤し成長!

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SaaSが他の何よりも秀でているのは、サービスに相互運用性を与えているところだ。

従来の法人向けソフトウェアが、製品ラインアップを用意してそのすべてに企業を縛りつけ ようとするのとは対照的に、SaaSは、可能な限りたくさんの外部サービスと連携できるよう に作られるのが常だ。!

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SaaSの提供社は、利用する企業の望みが単独のサービスの枠には収まらないだろうと いうことを始めから想定している。顧客企業はソフトウェアありきでビジネスを組み立てて いるわけではないのだから、ソフトウェアを提供する方が組織に対して継ぎ目のない連携を 保証する必要がある。つまり、他の大手ソフトウェアプロバイダとの簡単な連携方法に加え、

プラットフォームから外部にデータを出力しやすい手段をも備えなければならない。!

 信頼性では従来のソフトウェアに劣ると考える企業もあるかもしれないが、SaaSは それを使いやすさと、「逃げやすさ」で補っている。つまり、サービスが気に入らなければ、

すぐに支払いをやめて、データを取り戻し、使うのをやめればよい。対して、法人契約で購 入して何百台ものパソコンにインストールしてしまったウイルス対策ソフトを途中で放り出 そうとしてもそう簡単にはいかない。!

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 実際、SaaSを使えば、企業はサービスに慣れるまで試行錯誤し、自分のペースで成 長していくことができる。サービスの拡張性と相互運用性というSaaSに特有の性質は、中規 模の企業にとってはまさに有益だ。組織が大きくなれば、その分サービス提供社に払う額を 増やし、もし組織縮小の場合には減らすことができる。また、豊富な製品ラインアップの利 用を強要されることがないため、他のプラットフォームとの連携によって情報を連結・強化 することができる。!

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 こうした試行錯誤は、画一的な導入を目指す大企業においてはよしとされないもの だ。従来のソフトウェアを利用することは、企業が単独のプラットフォームに事業を預ける ことを意味する。会計ソフトの場合であれば、大企業が事業を預ければ法人向けの巨額の利 用料がそこに生まれるわけだ。!

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ビデオ会議システム!

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もうひとつ例を挙げれば、従来はシスコ社によって提供されてきた法人向けのビデオ会 議システムが、多くの企業でスカイプやブルージーンズ・ネットワークといったサービスに 切り替えられているという。ブルージーンズ・ネットワークはシスコの製品と競合するだけ でなく、シスコとの相互運用が可能な作りになっている。!

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SaaS は、中規模の企業に選択肢を与える。これらの企業にとって最高の投資は、まず

今利用している従来製品と相互運用が可能なSaaS プラットフォームを採用することだろう。

そして、徐々にその考え方と利便性を社内に吸収していけばよい。!

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日本のスタートアップは、大手のシステムと連携可能なSaaS をどんどん生み出すべき だ。そして、自分たちの解決できる問題をオンライン広告で直接中規模の企業に対して訴え かけていく必要がある。近いうちに多くの企業が、従来のライセンス料を支払うのがいかに お金の無駄かということに気がつくのだから。!

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米企業の資金調達法 VC モデルに陰り !

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スタートアップ企業の資金調達方法に大きな変化が生まれている。不特定多数の人から プロジェクトに対する資金を募るクラウド・ファンディングのような仕組みで、アメリカの スタートアップは、今や、個人投資家から直接資金調達することができるようになった。こ れまでテクノロジー業界の成長に大きな貢献をしてきた従来のベンチャーキャピタル(VC) モデルに終わりが来るかもしれない、そんな大転換だ。!

複数の個人投資可能!

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VCのモデルは、裕福な個人出資者と、彼らのお金をプロの管理運用者に渡す投資ファ ンドから成り立つ。通常、VCと呼ばれるのはその管理運用者のことであり、どのスタート アップ企業に支援の価値があるか見出し、決断する専門家だ。VCは、無限責任パートナー であるのに対し、個人出資者は有限責任のみ負うリミテッドパートナーである。専門家とし ての知識を提供するのと引き換えに、VCは投資ファンドから通常、年2%の管理報酬を受け 取り、それに加えて、資産価値の上昇に合わせてその20%程度を成功報酬として受け取る。!

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ところが、VCがスタートアップに対して行なう投資の90%が失敗するというのが現 実。そこで、成功した1、2社はその他すべての失敗した投資を補うためによほど大きな成功 をおさめなければならない。その結果、VCにとって5000万ドルから1億ドル程度で売却され るであろう「小規模の」スタートアップは興味の対象外になってしまう。しかし、これらの スタートアップに大きな関心を寄せる投資家もいる。自らの所有する資金を投資する個人投 資家、すなわちエンジェル投資家と呼ばれる人たちである。!

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Angel List(エンジェルリスト)は、こうした裕福な個人投資家と、財源を求めるス タートアップ企業を結び付けるサイトだ。以前は、スタートアップは無料でリストに掲載さ れ、リストに掲載された企業にアクセスしたい個人投資家も適格投資家としての証明を得る ために少額の手数料を支払うのみだった。個人の出会いを生み出すデーティングサイトと同 じような仕組みを提供するサービスというわけだ。!

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しかし、エンジェルリストは昨秋「シンジケート」という新サービスを発表し、その 仕組みが大幅に変わった。シンジケートは、エンジェル投資家が直接企業に投資するだけで はなく、伝統的にVCが用いてきたのと同じような手法で、複数の個人がシンジケートを組ん で投資することを可能にした。!

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例えば、エンジェル投資家として著名なエヴァン・ウィリアムズが私の始めたスタート アップに投資しようと考えたとすると、彼は個人的にそのうちの25%を引き受け、残りをシ ンジケートに割り当てることができる。エヴァンと共同投資家の拠出した資金はファンドに プールされ、エヴァンは、シンジケーターとして20%程度の成功報酬を投資利益から受け取 ることができる。!

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お分かりの通り、これはまさにVCが採用してきたモデルと同じだ。これまでVCに資金 運用を預けてきた富裕層は、実績のあるエヴァン・ウィリアムズのようなエンジェル投資家 を直接後押しすることができるようになる。彼らエンジェル投資家は、実際にスタートアッ プを創業する起業家たちと親しいことが多いのも特徴だ。!

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JOBS!

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こうした資金調達を可能にしたのが、2012年にオバマ大統領の署名したJumpstart Our

Business Startups Act、通称JOBS法だ。これによって、スタートアップ企業やVCは、現在資

金を募っているということを公言できるようになった。JOBS法以前であれば、企業が証券発 行を通じて資金調達をする場合、その金額に関わらず1930年代に成立した法律に基づいて証

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