標準化ストレージの可用性
地域医療連携における診療情報レポジトリ
医療情報の継続性の担保
• 異なるベンダ間のシステム更新時の継続的なデータ蓄積
マルチベンダシステム間の情報共有
• 統一的な手法で患者基本情報他を共有可能
システム障害時のバックアップ(BCP対策)
• 過去の診療情報参照手段
データ二次利用
• 複数施設において統一的手法で解析、比較が可能
(事例) PMDA(医薬品医療機器総合機構)による発売後
薬品副作用調査
地域医療連携における診療情報レポジトリ
標準化ストレージ
HL7メッセージ など標準化され た情報を格納
拡張ストレージ
XMLやDOC、
PDF、画像、音 声などを格納
・患者基本(病名含 む)・入退院・食事
・処方・注射
・検体検査・放射線 検査・内視鏡検査
・生理検査
退院時サマリ、
看護記録、
読影レポート、
紹介状、
麻酔記録 等
情報提供医療機関
患者 レジストリ 地域医療連携
センター
情報参照医療機関
ID Linkは標準化ストレージ、
拡張ストレージに対応しています
地域医療連携に関わるITI統合プロファイル全体像
(ご参考)地域医療連携に用いるIHE 統合プロファイル
•
PIX(Patient Identifier Cross-reference)• PIXは患者IDの提供、及び、患者IDの問合せ/更新通知を実現するための統合プロファイルである
•
地域医療連携システムに患者を登録したり、患者が連携システムに参加しているかを確認する際に使用 する•
PDQ(Patient Demographics Query)• PDQは患者情報サーバに対して、ユーザが指定する検索基準に基づく患者リストを照会し、患者基本情 報を取得するための統合プロファイルである
•
地域連携システムから患者情報を取得するために使用する。患者の検索も可能である•
XDS.b(Cross Enterprise Document Sharing)• XDSは地域連携システムに参加する複数の医療機関の間で、患者の診療記録を文書として共有する 仕組みを提供する
•
各医療機関に存在する診療情報を取得するために使用する•
XDS-i.b(Cross Enterprise Document Sharing for Imaging)• XDSの画像版
•
XCA、XCA-i(Cross-Community Access)• XCAは他のコミュニティ(地域医療連携システム)で管理されている患者の診療情報を問い合わせ、取 得するための手段を提供している
• 地域医療連携システム内でPIX、PDQ、XDSが採用されていなくても利用可能
マルチベンダシステム間の情報共有
•
標準化ストレージ、拡張ストレージに格納されている情報は、新たなインターフェイスを開発しなくても受け渡しが可能
•
部門システムを追加導入する際に、導入費用を抑えることができる 電子カルテサーバ標準化ストレージ
(既設)
部門システム (新規購入)
アクセス権限を付与す れば、参照が可能
FileMakerからのデータ利用も可能
FileMakerのマクロでフォルダ構造にアクセスが可能
•
画面例•
患者基本情報を取得するためのマクロ例cmd.exe /c copy ¥
ストレージのパス¥
ストレージ名¥¥” & Left(ID ; 3 )& “¥¥” &
Middle( ID ; 4 ; 3 ) & ” ¥¥“ & ID & “¥-¥ADT-00¥*_1 D:patient_data.txt
システム障害時のバックアップ(BCP対策)
標準化ストレージとビューアがあれば、災害発生で基幹システムが 使用できなくなった場合でも、基本的な診療情報を参照可能
事例① The Geminiプロジェクト
• 全国42国立大学・46大学病院で遠隔バックアップシステムを構築
発災時は自施設のバック アップデータをマウントして、
ネットワーク経由で参照す ることが可能
スマートフォンでも参照が できる
事例② 浜松医大様 災害時バックアップシステム(TB5)
全患者のSS-MIX2標準化ストレージと、過去1カ月分の画像データを 可搬型ディスクに格納する。(可搬型ディスクは30台)
発災時や、ウィルス事故やネットワーク障害で基幹サーバにアクセスができ ない際に、ノートPCと可搬型ディスクをセットで診療現場に搬送し、
診療を継続可能とする。
電源さえ生きていれば 利用可能。
災害対策訓練時の様子
(丸枠内が可搬型ディスク)
データ二次利用
事例 PMDA 医療情報データベース基盤整備事業
•
厚生労働省が選定した、10グループの協力医療機関に保有される電子的な医療情報を 網羅的に収集する「医療情報データベース」を構築し、医薬品等の安全性情報を把握する ために利活用する。(日本版センチネル事業)•
医療情報は「SS-MIX2標準化ストレージとして各医療機関内に保有」されている。各医療 機関にて定められたプロトコルに基づいた検索・分析を行い、その結果を収集する。•
協力医療機関一覧
東北大学病院
千葉大学医学部附属病院
東京大学医学部附属病院
浜松医科大学医学部附属病院
香川大学医学部附属病院
九州大学病院
佐賀大学医学部附属病院
北里大学・北里研究所附属病院(グループ)
NTT病院(グループ)
徳洲会病院(グループ)4.課題と展望
SS-MIX、SS-MIX2標準化ストレージを利用するに当たって 留意しておきたいこと
SS-MIX標準化ストレージとSS-MIX2標準化ストレージの混在
同一施設で複数のシステムから標準化ストレージを生成する場合 の問題
利用目的と相互運用性レベル
何が入っているの?
SS-MIX標準化ストレージとSS-MIX2標準化ストレージの混在
標準化ストレージを実装している施設は 2016年3月末で996施設
内、630施設では患者基本情報のみでは なく処方歴、検査結果歴も出力している
地域連携で標準化ストレージを診療情報レポジトリとして利用する場合、地域 内でHL7 Ver.2.4準拠のSS-MIX標準化ストレージと、Ver.2.5準拠のSS-MIX2標 準化ストレージが混在している可能性が高い
連携アプリケーション側で両仕様に対応するか、地域内でどちらかに統一する か、事前の協議が必要になる 同一施設で複数のシステムから標準化ストレージを生成する場合の問題
*1 患者基本情報等の 日付管理できない情報は 診療日に「-(ハイフン)」を
設定したフォルダーに 格納する
データ種別(一部抜粋)
処方(OMP-01)や検体検査 結果(OML-01)などは日付毎 にフォルダが分かれるが、患者基本 情報は1フォルダしか存在できない
1施設内の複数システムからHL7メッセージを送る場合の問題
ADT-01レコード
標準化ストレージ
医科システム 患者登録、医科病名登録 歯科システム
歯科病名登録
上書き
ADT-01を更新する可
能性があるシステムが複
数存在する場合は標準
化ストレージを分ける必
要がある
利用目的と相互運用性レベル
相互運用性(Interoperability)を担保するために何が必要か 1.交換規約の標準化•交換するデータ項目と属性、記述ルール 例) 氏名 姓名:鈴木 太郎 姓:鈴木 , 名:太郎
生年月日 19600223 S350225 23/02/1960 •交換するためのプロトコル
2.フォーマットの標準化
•画像フォーマット(DICOMフォーマット、JPEG、BMP)
•波形フォーマット(心電図、脳波計)
3.用語・コードの標準化
•コード 例) ALT と GPT この2つは名称は違うが、同じ検査項目
•用語 共通コードが付与されていれば名称が違っても同一と解釈可能
4.データ正規化
例) (+-) と ±、 5100(単位:
μ
g/ml)と 5.1(単位:mg/ml) 相互運用性レベル
レベル 形態 説明 事例
1
非電子化 人手で運搬が必要。簡便。人が目で見て解釈で きる。紙カルテ、紹介状 X線フィルム
2
電子化 電子的な伝達が可能。意味理解は人が見て判 断しなければならない。テキストメール スキャンデータ
3
構造化 構造化データで、標準に準拠しないコンテンツを 含むもの。項目に分離ができるので異なるシステ ム間で再構成が可能となる。XML
HL7メッセージ
4
電子的解釈可能 構造化データで、標準準拠コンテンツであるもの。異なるシステム間で項目の意味まで解釈が可能
上記+標準コンテン ツ(コード等)
5
電子的比較可能 構造化データで、標準準拠コンテンツであり、正 規化されたもの。異なる施設やシステム間で項目 の比較や計算が可能上記+標準コンテン ツ+正規化
推奨 あってもよい
↑経済産業省 H16~H19 医療情報システムにおける相互運用性実証事業成果より抜粋
地域医療連携に必須
今後要求が高まる相互運用性レベル
標準化ストレージがあれば、何にでも利用可能! ではない。
利用目的を定めて、求められる相互運用性レベルを満たすことが重要 です
•
地域連携 レベル3 (レベル4が望ましい)•
永続的な保管 レベル4•
有害事象調査 レベル4•
施設間比較 レベル5 施設間データ比較などを目的とした、高い相互運用性レベルを要求す る場合は、導入コストも大きくなる。(データの正規化が必要)
利用目的を明確にして導入することが望ましい。
何が入っているの?
•
標準化ストレージはデータ種別で「何が入っているか」が判別できる。では、拡張ストレージは?
•
地域連携や医療介護連携では 種々の情報が拡張ストレージに 格納されることが予想される拡張ストレージにも データ種別はある データ種別には各施設で
決めた文書コードを格納する