2-1 世界、大陸及び主要地域の人口(中位推計)
グラフの具体的な数値及び資料出所については, 「第2-1表 総人口」(p.55)を参照。
20世紀初頭に約15億人であった世界人口は, 1950年以降飛躍的に増加し, 1974年以降は 増加率が低下したものの, 2000年には61億人に達し, 2011年に70億人を超えた。
国連が隔年ベースで公表する『世界人口予測』の2017年改訂版(本書の資料出所)による と, 2015年半ばに73億人であった世界人口は, 中位推計で2030年に85億人, 2050年に97億 人に増加し, 2100年には111億人に達する見通しである。
このうちアフリカの人口は2017年の13億人から2050年には25億人へと倍増する勢いであ る。2017年に世界の人口の60%をインド, 中国の属するアジアが占めているが, 2050年に その割合は54%へと低下する。これに代わり, アフリカの割合が17%から26%へと高まる。
日本の人口は2017年の1億2,700万人から2050年に1億900万人, 2100年には8,500万人へ と減少すると推計されている。
2017~2050年の人口の増加は,ウガンダ, エチオピア, コンゴ民主共和国, タンザニア, ナイジェリアのアフリカ諸国に加え, アメリカ合衆国, インド, インドネシア, パキス タンの9か国に集中する見込みとなっている。
アフリカ ラテン アメリカ
・カリブ 北アメリカ
アジア ヨーロッパ オセアニア 日本(右軸)
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4
0 20 40 60 80 100 120 140
1950 1980 2000 2017 2030 2050 2100(年)
日本(億人)
大陸、地域(億人)
2人口・ 労働力人口
2-2 人口増加率
グラフの具体的な数値及び資料出所については, 「第2-2表 人口増加率」(p.56)を参照。
国連の『2017年版世界人口予測』によると, 全世界の人口は, 2015年の73億人から, 2030 年に85億人, 2050年には97億人に達し, この35年間に約24億人増加すると予測(中位推計)
されている。
世界の人口増加率は寿命の伸長に伴って上昇し, 1965~1970年には年率2.05%のピーク に達した。その後, 人口増加の速度は, 主に先進地域における出生率の低下によって減速 した。2005~2010年は1.23%に低下し, 2045~2050年には0.63%まで落ち込むと予測され ている。
上のグラフをみると, ヨーロッパ地域の人口増加率は2010~15年に年率0.10%, 2015~
20年に0.07%と低水準を続けた後はマイナスとなり, 2045~50年は-0.17%になる見通し となっている。日本の増加率はこれを上回るスピードで低下し, 2010~15年に-0.09%, 2015~20年に-0.23%とマイナスを続け, 2045~50年には-0.58%となる見込みである。
アジア地域, 北アメリカ地域及びラテンアメリカ・カリブ地域の増加率も2015年以降は いずれもゼロ%台にとどまる。世界の人口増加の中心となるのはアフリカ地域で, 2010~
15年に2.59%, 2015~20年に2.49%, 2025~30年に2.25%と2%台の増加率で推移すると予 測されている。
2005~2010(年) 2010~2015 2015~2020
2045~2050
‐1.0
‐0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
全世界 アフリカ ラテン アメリカ
・カリブ
北アメリカ アジア ヨーロッパ オセアニア 日本
(年率、%)
2-3 老年人口比率(65歳以上人口)
グラフの具体的な数値及び資料出所については, 「第2-5表 老年人口(65歳以上人口)」(p.59)を参照。
出生率の低下と平均寿命の伸長によって高齢化が進展し, 総人口に占める65歳以上の人 口の割合(老年人口比率)が増加している。国連の『2017年版世界人口予測』によると, 全 世界の老年人口比率は, 2015年の8.3%から2050年には15.8%に増加すると予測されてい る。とりわけ先進地域における高齢化の進展が顕著で, 老年人口比率は2015年の17.6%か ら2050年には26.6%へと増加する。日本の高齢化はさらに急速で, 2015年に26.0%であっ た老年人口比率が, 2050年には36.4%に達する見通しである。2015年, 2030年, 2050年の いずれの推計でも欧米先進諸国を上回っており, 極めて老年人口比率の高い国になると予 測されている。
他方, 現在は比較的出生率が高い発展途上地域でも, 今後, 高齢化が急速に進展すると 予測されており, 2015年は6.4%に過ぎない老年人口比率が, 2050年には14.2%に達する見 通しである。上のグラフからも, 中国やインドの高齢化が先進諸国より急速であることが わかる。
1980 2000
2015 2030
2050(年)
0 5 10 15 20 25 30 35 40
日本 アメリカ イギリス ドイツ フランス イタリア 中国 インド (%)
2人口・ 労働力人口
2-4 65歳以上男性の労働力率
グラフの具体的な数値は下部(参考)欄, 資料出所については, 「第2-11表 性別・年齢階級別人口・労 働力人口・労働力率」(p.67)を参照。
65歳以上男性の労働力率は, 北米, EU諸国では概して低く, 日本, シンガポールなどの アジア地域は欧米諸国より高い水準にある。経済発展の度合いだけではなく, 地域性・国 民性の違いなども反映したものといえるだろう。
EU諸国では, 経済不況や若年失業者の増加により, 1980年代に早期退職制度が定着した ことも高齢者の労働力率が低い一因である。しかし, 近年は, 高齢化の進展により, 社会 保障制度の担い手を確保する必要性から, 高齢者の雇用促進が政策課題となっている。日 本の場合, 他国と異なる点として, 引退すべきであると考えられている年齢が高いことが 挙げられる。高齢者の労働意欲は高く, これが高齢者の労働力率を引き上げているひとつ の要因となっている。
(参考)65歳以上男性の労働力率(%)
日本 アメリカ カナダ イギリス ドイツ フランス イタリア 香港 シンガポール 1985(年) 37.0 15.8 11.8 8.5 5.1 5.3 8.4 26.7 25.9 2016 31.7 24.0 17.9 14.4 9.3 3.9 6.7 15.6 37.0
0 10 20 30 40
日本 アメリカ カナダ イギリス ドイツ フランス イタリア 香港 シンガ ポール
(%) 1985 2016(年)
2-5 年齢階級別女性労働力率
グラフの具体的な数値及び資料出所については, 「第2-11表 性別・年齢階級別人口・労働力人口・
労働力率」(p.67)を参照。
女性の年齢階級別労働力率をみると, 日本では20歳代後半から30歳代にかけて比率が落 ち込むいわゆるM字カーブを描いていることが特徴的である。結婚・出産・育児等のため に労働市場からいったん退出し, その後育児が落ち着いた後に再び労働市場に復帰すると いう女性労働者の就労行動の特徴が, M字カーブに反映されている。これはアメリカや ヨーロッパでも1970年代にはみられた現象だが, 今日ではほとんどみられなくなり, 台形 型となっている。しかしながら, 日本においても時系列でみれば, M字カーブの底の位置 の上昇と底にあたる年齢の高齢化が観察される。晩婚・非婚化の進行や共働きの増加など が要因であろう。特に25-29歳における労働力率の上昇が顕著であり, 1975年に42.6%であ ったものが, 2016年には81.5%に上昇している。それ以外の年齢階層の労働力率も全般的 に上昇傾向にある。
(参考)日本の女性労働力率(%)
15-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65~(歳) 1975(年) 21.7 66.2 42.6 43.9 54.0 59.9 61.5 57.8 48.8 38.0 15.3 2016 17.0 71.5 81.5 73.0 72.0 75.7 78.3 77.0 71.0 51.8 16.0 資料出所 総務省統計局「労働力調査(基本集計)」
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
15‐19 20‐24 25‐29 30‐34 35‐39 40‐44 45‐49 50‐54 55‐59 60‐64 65+
(%)
(歳)
日本 アメリカ
イギリス ドイツ
フランス スウェーデン
香港 シンガポール
(2016年) 2
人口・ 労働力人口
2-6 就業率
グラフの具体的な数値及び資料出所については, 「第2-12表 就業率(15~64歳)」(p.76)を参照。
就業率とは, 生産年齢人口(本書では15~64歳とする)に占める就業者の割合である。経 済成長の促進, 高齢化への対応, 社会的統合の強化等を背景にEUは, 就業率の向上──具 体的には, 2020年までにEU全体で75%(20~64歳)に引上げること──を戦略目標に掲げ ている(2016年時点で71.1%)。就業率の向上と失業率の低下は同義のように思われるが, 必ずしもそうではなく, 失業率は労働力人口に占める失業者の割合であり, 失業者が求職 活動を止め, 非労働力化すると低下する。EU諸国では高齢者の早期退職を促すことで失業 率の引き下げが図られていたが, 就業率という観点からはこうした政策は意味がないこと になる。他方, 就業意欲を促進する政策を採ると, 労働供給を増やすため, 失業率に関し ては悪化を招く可能性もあるが, 就業率の向上につながる。このように, 就業率を重視す る政策上の意味は, 労働需要の確保のみならず, 仕事と家庭の両立を可能とする環境作り など, 労働供給面の対策を通じて, 就業促進を図っていく点にある。
上のグラフをみると, 2016年の日本の就業率は男女計が74.3%で, イギリス(74.3%), ドイツ(74.7%)と同水準であり, アメリカ(69.4%), フランス(64.6%)を上回っている。
しかし, 男女別にみると, 日本の男性の就業率は82.5%と, 最高水準であるものの, 女性 は66.0%と低水準である。日本の女性就業率は向上する余地があり, 中途採用機会の拡大, 仕事と家庭の両立支援, 短時間正社員制度の普及などを通じた構造的な問題の解決が求め られている。高齢者, とりわけ男性高齢者の就業率が高いことも日本の大きな特徴として 挙げられる(「第2-13表 性別・年齢階級別人口・就業人口・就業率(p.78)」参照)。
日本 アメリカ
イギリス
ドイツ
フランス 55
60 65 70 75
1995 2000 2005 2010 2015
(%)
(年)
0
(百万人/millions) 1950年 1980 2000 2015 2017 2030 2050 2100
全世界 World 2,536 4,458 6,145 7,383 7,550 8,551 9,772 11,184
アフリカ Africa 229 480 818 1,194 1,256 1,704 2,528 4,468
169 364 526 632 646 718 780 712
北アメリカ Northen America 173 254 313 356 361 395 435 499
アジア Asia 1,404 2,642 3,730 4,420 4,504 4,947 5,257 4,780
ヨーロッパ Europe 549 694 727 741 742 739 716 653 オセアニア Oceania 13 23 31 40 41 48 57 72 日本 JPN 83 118 128 128 127 122 109 85 アメリカ USA 159 230 282 320 324 355 390 447
カナダ CAN 14 25 31 36 37 41 45 52
イギリス UK 51 56 59 65 66 71 75 81
ドイツ DEU 70 78 81 82 82 82 79 71
フランス FRA 42 54 60 64 65 68 71 74
イタリア ITA 47 56 57 60 59 58 55 48
スウェーデン SWE 7 8 9 10 10 11 12 13
ロシア RUS 103 138 146 144 144 141 133 124
中国 CHN 554 994 1,283 1,397 1,410 1,441 1,364 1,021
香港 HKG 2 5 7 7 7 8 8 8
韓国 KOR 19 38 47 51 51 53 50 39
シンガポール SGP 1 2 4 6 6 6 7 5
マレーシア MYS 6 14 23 31 32 37 42 42
タイ THA 21 47 63 69 69 70 65 48
インドネシア IDN 70 147 212 258 264 296 322 306 フィリピン PHL 19 47 78 102 105 125 151 173
インド IND 376 697 1,053 1,309 1,339 1,513 1,659 1,517
ベトナム VNM 25 54 80 94 96 106 115 108
オーストラリア AUS 8 15 19 24 24 28 33 42
ニュージーランド NZL 2 3 4 5 5 5 6 6
ブラジル BRA 54 121 175 206 209 225 233 190 UN(2017.6)World Population Prospects: The 2017 Revision
(注) 国連による推計。2017年以降は出生率・死亡率とも中位で推移した場合の予測値。
資料出所
ラテンアメリカ・カリブ Latin America, and the Caribbean
第2-1表 総人口
Table 2-1: Total population
(千人/thousands)
2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
126,838 126,532 126,177 125,773 125,325 124,836 124,310
2024 2025 2030 2035 2040 2045 2050
123,161 122,544 119,125 115,216 110,919 106,421 101,923 資料出所 国立社会保障・人口問題研究所(2017.4)「日本の将来推計人口(平成29年推計)」
(注) 中位推計値。各年10月1日現在の総人口(日本における外国人を含む)。
2015年 2023
127,095 123,751
参考表 日本の将来推計人口
Reference table: Population prospects of Japan
2人口・ 労働力人口