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(ボランティアコーディネーター、健康相談員な ど)がうみ出されています。乳がんチーム医療 では、社会的にも一目おかれている医師から、

「医者は万能ではない、間違いをおこす、だから、

患者も自分できちんと医師の話や情報に目を向 け、学んでいく必要がある」といったアンチテー ゼ的な発言から、チーム医療のパートナーとし ての患者の立場が明確化され、そしてチーム医 療へ向けての力の集結がはじまっています。こ のことが、〈参与者の真剣な努力を生み出すた めの能力獲得と信頼・つながり〉を創りだして います。

3 ) Capacity building

個々人において、またコミュニティにおいて 潜在する能力や資源、可能性、

わざを高めるプロセスをいう

コミュニティメンバー間における相互学習のニー ズから、新しい(学び型)乳がんサポートプログ ラムが運用されるようになりました。市民のニー ズヒアリングから生まれた市民参加型の高齢者 転倒予防教室など、いくつかのプロジェクトで 協働的パートナーシップによる、知恵や技や潜 在力の相互交流が起こってきています。乳がん サポートグループでは、グループ内で共有する 価値やめざす目標などをともに作っていくことが すすんでいます。それを通して、それぞれの女 性が相互に学び、成長できるという変化がおこっ ています。最終的には、ケアを受ける側の人々が、

自分達に資するためのケアシステムの変化に主 体的に参与したり、乳がん予防対策など社会全 体で取り組むべき提言などが発信されていく可 能性があります。

People-Centered Care

4 ) Empowerment

エンパワーメント :

改善・向上のため社会の力を理解し、

コントロールするための

コミュニティの能力(成し得ること)

いくつかの試みが始まっています。

〈協働・連合を継続するための意思決定と潜在 する資源の活用と活性化〉

遺伝看護のプロジェクトでは、自助グループとの インフォームドチョイスの資料共同制作がすす んでいます。また、転倒予防教室、介護相談な ど、そこに参与する高齢者や家族、行政職の人々 などが中心になって市民のニーズに焦点化した 高齢者介護地域基礎ネットワークづくりがおこっ てきています。こどもが「からだをわかる学習プ ログラム」の共同制作では、関心のある核とな る市民が、他のコミュニティメンバーに、こども にとってからだの働きを学ぶことの重要性を広 げていく情報や価値の連動が起こり始めていま す。そこから更に広いコミュニティに広げていく ために、医療職者と関心のある市民(ボランティ アなど)とのオープンな情報、信頼、知恵のや り取りが必要となります。

〈情報のオープンなやり取り、同等のパワー、

関心や目標、持てる力の包含〉

コミュニティの健康問題に関心をよせる、立場 の異なる人々が、力をあわせて問題解決に移っ ていくためには、具体的な活動(例えば、共同 研究など)に参与して、企画、実施・運営、評 価のプロセスをともに辿ることが望まれます。

このような活動を通して、互いのもつ力や資源 の相互移転や循環が起こっていくものと考えら

れます。

慢性病をもつこどもと家族を支える地域ケアシ ステム作りのグループでは、教師、保護者、専 門職がその地域で活用できる資源をともに検討 しており、これは、エンパワーメントへ向けての 大きなステップといえます。その先の段階に進 めるために、保護者や教師が研究のワーキング グループとして参与し、異なる視点からの意見 を交わしたり、ともに具体的な目標達成のため に計画を練り、実行に移すような協働活動が計 画されています。いのちの教育やからだを知ろ うプロジェクトにおいても、保護者に早い段階 から関わってもらうことを試みています。活動の 一環として、学校全体と協働することにも大き な力を注いでいます。学校全体に関わってもら うことにより、より組織立った活動をすすめるこ とができます。例えば、学年が上がるごとにそ の学年にふさわしい新しい情報(からだに関す る知識)を提供していくことができ、成長・発 達に則したいのちの教育、からだの教育の手が かりを得ることができます。それらの成果は他 の授業でも広げていける可能性があります。こ のようなひとつの学校での試みが、学校教育や 地域保健活動の提言へつながることにより、地 域性を越えて全国レベルでのこどもの健康教育 へと広がっていくことが望めます。

5 ) Products

成果 : 具体的な成就・達成

組織、資源、理念・目的、具体的活動がコミュ ニティにおいて持続可能な方法で生活に取り込 まれていく。例えば、患者が舵取りする新しい 乳がんチーム医療システム、乳がん女性がヘル スリソースとして参与する新しい乳がん予防シス テムを実現化するために、モデル事業案、資金、

組織、エビデンス、そして大切なそれを成し遂 げるビジョンを提案することです。また、ある企 業に臓器 T シャツの制作を委託して、コミュニ ティに販売するなど、他の資源を使って、これ までの成果を利用することもできるでしょう。企 業とのビジネス連携、看護ネットでの広告などに よっても、今後活動を続ける資金を得るように

People-Centered Care

People-Centered Care のコア要素と具体的目標

することも考えられます。

「看護ネット http://www.kango-net.jp/」は、各 プロジェクトがコミュニティの人々とともに創り だした健康に寄与する知恵や技を市民が手軽に アクセスでき、役立つ健康情報として必要時相 互交信できるメタ・データベース・システムです。

これはプロジェクト全体からうみだされたプロダ クトの一例です。この他、医療を利用する人々 にとって手の届きやすい、理解が容易な健康情 報は、〈医療の意思決定ツール〉〈不妊女性を支 えるガイド〉〈がんとともに歩むセルフケアガイ ド〉など、多数作成されています。これらの健 康情報は観点は多様ですが、意思決定の支援、

セルフケア促進といったプロジェクト共通のゴー ルに向かって集積されておりコミュニティ全体の 健康を促進する上での重要な Health Literacy になるものです。

6 ) Policy/procedure change

政策的 / 進行上の変革 : 政策の変革を作り出すための 他の組織への影響

すでに、いくつかのプロジェクトでは、活動に参 与している市民の方々と協働して、区や都など 行政にむけて協力依頼や政策提言を行っていま す。中央区の民生委員や PTA 役員の方々など、

一般市民よりも行政との距離が近い方々に、市 民と行政との stakeholder の役割を担っていた だき、こどもや高齢者の安全と健やかさをはぐ くむまちづくりの提言へと結びつけることが期待 できます。

この他、さまざまな政策提言をすることもでき ると思います。例えば、性暴力被害者の医療に おける支援策、新しいがんチーム医療について、

従来の医療とのコストやケアの質の比較などを 厚生労働省に提言することもできると考えます。

7 ) Community work

コミュニティにおいて、あるビジョンが みいだされ、それらの実現に向けての 資源やパワーが動員され、

人々の健康を支える組織的活動がおこる コミュニティの人々からの切実な要請を反映した 健康問題が浮かび上がり、それらの実現化にむ けての資源開発や具体的な活動が、継続的に 組織的におこることが、COE プログラムの最終 ゴールであります。この組織的な活動には、コ ミュニティに所属するボランティアの活動が不可 欠です。はじめは、健康問題をもつ当事者やそ の関係者が、ボランティアとして、草の根レベル から、広く社会へ向けて解決すべき健康問題の 重大性やその解決策への主体的参与の重要性 を、広めていくことが必要と思われます。いくつ かのプロジェクトでこのような持続的なコミュニ ティワークが始まりつつあります。乳がんチーム 医療や家で死ねるまちづくりでは、その活動の 中核となるボランティアが自主的な活動を広める ためのワークショップやワーキンググループが立 ち上がり、年間計画にそった長期的な活動を推 進し始めています。

5. 今後の課題

以 上のように、People-Centered Care の主要 な概念を検討しました。これらを踏まえると、

People-Centered Care は、プロダクトとしての 医療・ケアを活用する受益者が主役―いわゆる 消費者主権の考え方が根底にあります。専門家 が主導権を握るのではなく、「主役の賢明さが活 かされなければ、わが国の医療・ケアの閉塞感 は打破できない」、また「医療者と市民がそれぞ れのもつ知恵や技、そして信頼や尊敬をオープ ンにやり取りする」というこれまでの医療とは異 なるスタンスに立つということです。それによっ て、生老病死の体験から備わる暗黙知を市民と の協働研究により効率的にフィードバックさせ、

コミュニティ全体の健康を高めるというプロダク

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