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2.5 臨床に関する概括評価

2.5.3 臨床薬理に関する概括評価

2.5.3.3 PK/PD 解析

2.5.3.3.1 遊離 C5 及び溶血活性の母集団 PK/PD モデリング

遊離C5 及び溶血活性の解析用のデータセットには、ECU-MG-301 試験のエクリズマブ投与患

で、トラフ時の来院全てでC5の完全な阻害(遊離C5濃度が0.5 μg/mL未満)が認められた(M

5.3.4.2.1 ECU-MG-Adult PK-PD Modeling Report Appendix 10.6.2)。cRBC溶血活性の分析法は半定

量分析であり、cRBC 溶血活性が 20%未満であれば終末補体が完全に阻害されたことを示す。

ECU-MG-301試験では、エクリズマブ投与患者の大部分(54/62例、87%)で、トラフ時の来院全 てで終末補体が完全に阻害された。なお、1 例(患者番号:ECU-MG-301- -001)の初回投与 後の疑わしい検体は除外した。C08-001試験では、エクリズマブ投与患者13例中10例(77%) で、トラフ時の来院全てで終末補体が完全に阻害された(M 5.3.4.2.1 ECU-MG-Adult PK-PD Modeling Report Appendix 10.6.7)。

2.5.3.3.1.1 遊離 C5

遊離C5について種々のモデルを検討した。最終遊離C5モデルは、阻害作用のシグモイド最大 効果(Emax)混合効果モデルである。この Emaxモデルは、ベースライン(E0)の個体間変動が組 み込まれ、実測値を適切に記述した(図 2.5.3.3.1.1-1)。

最終モデルから、50%阻害濃度(IC50)は33.1 μg/mLと推定され(表 2.5.3.3.1.1-1)、これはエ クリズマブと遊離C5の結合キネティクスと一致する(エクリズマブ1分子は遊離C5 2分子と結 合する)。IC50(33.1 μg/mL)では、85.0 μg/mLの遊離C5がエクリズマブに結合すると考えられた。

これはエクリズマブ投与患者のベースラインの遊離 C5 濃度(範囲:74~195 μg/mL)の中央値

(118 μg/mL)の約70%、最大値の約44%である(M 5.3.4.2.1 ECU-MG-Adult PK-PD Modeling Report, Table 10.10.1)。

表 2.5.3.3.1.1-1 ECU-MG-301試験データに適用した最終遊離C5モデルのパラメータ推定値 パラメータ Typical Value (RSE%) ω (RSE%)

E0 (μg/mL) 120.7 (2.9) 26.7 (9.5)

IC50 (μg/mL) 33.1 (2.0) NA

IC95 (μg/mL)a 64.2 NA

IC99 (μg/mL)a 93.1 NA

H 4.4 (6.3) NA

誤差モデル

σ (μg/mL) 6.0 (2.6) NA

a IC50及びH推定値から算出

略語:C5 = 補体成分C5E0 = ベースライン値、H = Hill係数、ICX = 最大効果のx%の効果を示す濃度、NA =

用なし、RSE = 相対標準誤差、σ = 残差標準偏差、ω = 個体間変動の標準偏差

出典:ECU-MG-Adult PK-PD Modeling Report Table 24

出典:ECU-MG-Adult PK-PD Modeling Report, Figure 17

図 2.5.3.3.1.1-1 ECU-MG-301試験のエクリズマブ濃度に対する遊離C5濃度のプロット及び 最終モデルによりあてはめた回帰曲線

2.5.3.3.1.2 溶血活性

C08-001試験(赤)及びECU-MG-301試験(青)で規定の時期に測定されたエクリズマブ濃度

と溶血%の関係を図 2.5.3.3.1.2-1 に示す(実測値を左図、分析法換算係数による補正値を右図)。 また、各試験のデータ及び併合データの局所重み付き散布図平滑化曲線を実線で示す。図には、

エクリズマブ濃度が0~200 μg/mLの範囲内における値をプロットした。2試験間にみられた差(左 図)は、分析法換算係数による補正後(右図)に、ノイズレベルにまで顕著に縮小した。

溶血活性について種々のモデルを検討した。最終溶血活性モデルは、阻害作用のシグモイドEmax

混合効果モデルである。このEmaxモデルは、E0及びIC50で共通の個体間変動が組み込まれ、実測 値を適切に記述した(M 2.7.2 表2.7.2.3.4.3.3-1)。

最終モデルで推定されたIC50は40.8 μg/mL(RSE:3.1%)、Hill係数は4.1(RSE:5.4%)であ り、IC95は 83.6 μg/mL、IC99は124.9 μg/mL と推定される(表 2.5.3.3.1.2-1)。試験固有の IC50推 定値を組み込んだ最終溶血活性モデルは、C08-001 試験のエクリズマブ濃度に分析法換算係数を 適用した後の併合データに適用した。

C08-001 IC ECU-MG-301 IC

した分析法換算係数が支持される。

分析法換算係数による補正前 分析法換算係数による補正後

C08-001 試験のエクリズマブ濃度は実測値を示

す。

黒の実線は併合データの局所重み付き散布図平滑 化曲線を示す。

C08-001 試験のエクリズマブ濃度は分析法換算係

数による補正値を示す。

×ECU-MG-301試験;○:C08-001試験

C08-001試験(○)及びECU-MG-301試験(×)で規定の時期に測定されたエクリズマブ濃度(Cecu)と溶血%

関係。実線は、C08-001試験(赤線)ECU-MG-301試験(青線)及び両試験を併合したデータ(黒線)の局所重 み付き散布図平滑化曲線を示す。エクリズマブ濃度が0200 μg/mLの範囲内における値をプロットした。

出典:ECU-MG-Adult PK-PD Modeling Report, Figure 16

図 2.5.3.3.1.2-1 C08-001及びECU-MG-301試験の溶血%とエクリズマブ濃度の関係

表 2.5.3.3.1.2-1 併合データ(C08-001及びECU-MG-301試験)に適用した最終溶血活性モデ ルのパラメータ推定値

母集団PDパラメータ モデル3

Typical Value (RSE%) ω (RSE%)

E0 (% hemolysis) 91.7 (3.2) 28.0 (8.8)

IC50 (μg/mL) 40.8 (3.1) 18.8

IC95 (μg/mL)a 83.6 NA

IC99 (μg/mL)a 124.9 NA

H 4.1 (5.4) NA

誤差モデル

σ (% hemolysis) 6.2 (2.3) NA

a IC50及びH推定値から算出

略語:E0 = ベースライン値、H = Hill係数、ICX = 最大効果のx%の効果を示す濃度、NA = 適用なし、PD = 薬力学、

RSE = 相対標準誤差、σ = 残差標準偏差、ω = 個体間変動の標準偏差

出典:ECU-MG-Adult PK-PD Modeling Report Table 25

2.5.3.4 有効性の探索的解析

2.5.3.4.1 MG-ADL 、 QMG 及び MGC

MG-ADL総スコア及びベースラインからの変化量には、エクリズマブ群、プラセボ群ともに個

体間変動が認められた。MG-ADL総スコアは、プラセボ群よりもエクリズマブ群の方がベースラ インから大きく減少する傾向が認められた(図 2.5.3.4.1-1)。QMG及び MGCの総スコア及びベ ースラインからの変化量についても同様の傾向が認められた(ECU-MG-Adult PK-PD Modeling

Report, Figure 29)。全般的にみると、エクリズマブ曝露量が高いほど有効性が高いことを示す明

らかな傾向は認められず、臨床用量で終末補体が完全に阻害されるということと一致していた。

注:各ポイントは個々の患者のMG-ADLのベースラインからの変化量を示す。AUCは母集団PK最終モデルの

posthocパラメータを用いて算出した。

略語:AUC = 薬物血中濃度時間曲線下面積、MG = 重症筋無力症、MG-ADL = Myasthenia Gravis Activities of Daily Living profileMGC = Myasthenia Gravis Composite scorePK = 薬物動態

出典:ECU-MG-Adult PK-PD Modeling Report Figure 29

図 2.5.3.4.1-1 ECU-MG-301試験のWeek 26におけるMG-ADLのベースラインからの変化量を 指標とした曝露-反応関係

2.5.3.4.2 臨床的悪化

プラセボ群で16/63例(25%)、エクリズマブ群で7/62例(11%)に1件以上の臨床的悪化が認 められた。したがって、臨床的悪化の発現率はエクリズマブ群の方がプラセボ群よりも低かった。

また、エクリズマブ群で、エクリズマブの曝露量と臨床的悪化の発現に関連は認められなかった

(表 2.5.3.4.2-1)。

表 2.5.3.4.2-1 ECU-MG-301試験の臨床的悪化の発現例数

グループ 全症例数 臨床的悪化発現例数

プラセボ群 63 16 (25.4%)

AUCが中央値未満のエクリズマブ投与患者a 31 3 (9.7%) AUCが中央値以上のエクリズマブ投与患者b 31 4 (12.9%) 母集団PK最終モデルのpost-hoc PKパラメータを用いて算出した定常状態のAUC

a 中央値未満のAUC26784152414 μg•h/mL b 中央値以上のAUC153421331098 μg•h/mL

略語:AUC = 薬物血中濃度時間曲線下面積、PK = 薬物動態

出典:ECU-MG-Adult PK-PD Modeling Report, Table 29

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