本試験では、処置期間、追跡観察期間を通じて
PE
が疑われた症例はなかった。•
有効性の結論股関節骨折手術施行後の
VTE
の発現頻度は8
例(21.6%)であった。本試験で発現した
VTE
はすべてが無症候性DVT
であった。手術側の近位DVT
が1
例(2.6%)に発現し、この症例では非手術側の遠位
DVT
も発現していた。遠位DVT
は手術側 が3
例(8.1%
)、非手術側が5
例(12.5%
)に認められた。安全性
安全性に関する事象については、「処置期間(治験薬の初回投与日から最終投与後
2
日目 まで)」及び「試験期間(治験薬の初回投与日からDay23
まで)」を評価対象期間とした。なお、本項では処置期間における結果を記載した。
•
医薬品への曝露手術終了(術創部の縫合終了)時点から治験薬の初回投与までの経過時間を表
2.7.6-243
に示した。治験実施計画書の規定どおり、治験薬の初回投与は全例が術創縫合後24±2
時間 の時点で行われていた。表 2.7.6-243 手術終了から治験薬の初回投与までの経過時間(SP)
5.3.5.2.4
の表8-1
を改変項目 FPX2.5mg群
(N=48) 平均値±SD 23:26±1:10
中央値 23:11
最小値-最大値 22:03-25:55 注)hh:mm
治験薬の投与期間及び最終投与日を表 2.7.6-244に示した。投与期間の中央値は
13
日間で、規定どおり
Day11
~15
まで投与された症例が約9
割を占めた。表 2.7.6-244 治験薬の投与期間(SP)
5.3.5.2.4
の表8-4
を改変項目 FPX2.5mg群
(N=48) 平均値±SD 12.0±2.6
中央値 13.0
期間 (日)
最小値-最大値 2-14
<Day11 5 (10.4)
最終投与日1
例数 (%) Day11-15 43 (89.6) 例数(%)
1. Day1:手術実施日
•
出血性有害事象本試験では、治験責任(分担)医師により出血性有害事象として判断された事象はなかっ た。
•
その他の出血関連事象 出血治験責任(分担)医師により臨床的に異常な出血であると判断された症例はなかった。
輸血
輸血を受けた時期別の該当例数と輸血量を、それぞれ表
2.7.6-245
、表2.7.6-246
に示した。輸血を受けた症例は少数であり、治験薬投与前に
4
例(8.3%)、処置期間に1
例(2.1%)であった。
表 2.7.6-245 各期間の輸血症例(SP)
5.3.5.2.4
の表8-21
を改変項目 FPX2.5mg群
(N=48)
合計 4 (8.3)
自己血輸血 0
投与前
同種血輸血 4 (8.3)
合計 1 (2.1)
自己血輸血 0
処置期間
同種血輸血 1 (2.1) 例数(%)
表
2.7.6-246
各期間の輸血量(SP
)5.3.5.2.4
の表8-22
を改変項目 FPX2.5mg群
(N=48)
該当例数 4
平均値±SD 500.0±200.0
中央値 400.0
投与前 輸血量 (mL)
最小値-最大値 400-800
該当例数 1
平均値±SD 280.0
中央値 -
処置期間 輸血量 (mL)
最小値-最大値 -
注)輸血は全血又は全血由来の赤血球を集計した
•
有害事象有害事象は、治験薬の初回投与日以降に発現した事象について集計した。
処置期間(治験薬の初回投与日~最終投与後
2
日目まで)の有害事象の内訳を表2.7.6-247
に示した。有害事象全体の発現頻度は37
例(77.1%)、治験薬との因果関係が否定されなか った有害事象は4
例(8.3%
)であった。また、治験薬の投与中止に至った有害事象は2
例(4.2%)であった。
重度の有害事象及び重篤な有害事象はそれぞれ
2
例(4.2%
)に発現したが、同一の事象で あり、治験責任(分担)医師により治験薬との因果関係は否定された。表
2.7.6-247
処置期間の有害事象の内訳(SP
)5.3.5.2.4
の表8-23
を改変項目 FPX2.5mg群
(N=48)
有害事象発現例数 37 (77.1)
治験薬との因果関係が否定されなかった有害事象発現例数 4 (8.3)
重度の有害事象発現例数 2 (4.2)
重篤な有害事象発現例数 2 (4.2)
治験薬との因果関係が否定されなかった重篤な有害事象発現例数 0
治験薬の投与中止に至った有害事象発現例数 2 (4.2)
例数(%)
処置期間中に発現した有害事象のうち、発現頻度が
5.0%
以上であった有害事象を表2.7.6-248
に示した。発現頻度が高い有害事象は便秘、不眠症などであり、多くは手術後に通常観察される事象であった。また、発現した有害事象のほとんどが軽度であった。
表 2.7.6-248 処置期間中の有害事象の発現頻度(SP)-発現頻度
5.0%以上-
5.3.5.2.4
の表8-25
を改変有害事象名1 FPX2.5mg群
(N=48)
有害事象発現例数 37 (77.1)
便秘 8 (16.7)
不眠症 8 (16.7)
末梢性浮腫 4 (8.3)
擦過傷 4 (8.3)
接触性皮膚炎 4 (8.3)
落ち着きのなさ 3 (6.3)
発熱 3 (6.3)
血中アルカリホスファターゼ増加 3 (6.3)
以下に、特記すべきと考えられた有害事象の詳細を器官別大分類(
SOC
)別に示した。肝胆道系障害
肝胆道系障害の有害事象は認められなかった。
臨床検査
2
例以上に発現した有害事象は血中アルカリホスファターゼ増加(3例、6.3%)、C-反応 性蛋白増加(2例、4.2%)及び血小板数増加(2例、4.2%)であった。このうち、治験薬と の因果関係が否定されなかった有害事象は、血中アルカリホスファターゼ増加を発現した1
例と、血小板数増加を発現した2
例であった。血液およびリンパ系障害
貧血が
1
例(2.1%)に認められたが、軽度であり、治験薬との因果関係は否定された。なお、臨床的に問題となるような血小板減少症の発現はみられなかった。
•
重篤な有害事象本試験では死亡した症例はなかった。重篤な有害事象はイレウスと大腿骨骨折で、それぞ れ
1
例ずつであった。これらの事象はいずれも処置期間に発現し、入院又は入院延長のため 重篤と判定された。両事象ともに治験薬の投与が中止され、手術が行われ、後遺症なく回復 した。イレウスを発現した症例は胃癌による胃切除術の既往があること、また、大腿骨骨折 を発現した症例は右股関節をひねったことの関連が考えられたことから、治験薬との因果関 係はいずれも治験責任(分担)医師により否定された。•
治験薬の投与中止に至った有害事象治験薬の投与中止に至った有害事象を表
2.7.6-249
に示した。治験薬の投与中止に至った 有害事象は2
例(4.2%)であり、重篤な有害事象と同じであった。表 2.7.6-249 治験薬の投与中止に至った有害事象(SP)
5.3.5.2.4.
の表8-34
を改変有害事象名1 FPX2.5mg群
(N=48) 治験薬の投与中止に至った有害事象発現例数 2 (4.2)
イレウス 1 (2.1)
大腿骨骨折 1 (2.1)
例数(%)
1. MedDRA(ver.9.0):PT
注)治験薬の初回投与日以降に発現した事象を集計した
•
臨床検査値 血液学的検査ヘモグロビン値が
8g/dL
未満まで減少した症例が14
例(29.2%)あったが、2g/dL以上減少しかつ
8g/dL
未満まで減少した症例は2
例(4.2%
)であった。また、血小板数は経時的に上昇し、100×109
/L
未満に減少した症例はなかった。血液凝固系検査
PT
はやや高値で、APTT
及びAT
Ⅲはおおむね基準値の範囲内で推移した。なお、スクリーニング時の
AT
Ⅲ、プロテインC
活性又はプロテインS
が基準値の下限を わずかに下回った症例が4
例あった。そのうち2
例に治験薬が投与され、1例はVTE
陰性、1
例はVTE
評価不能(有害事象発現のため静脈造影未実施)であった。生化学的検査
クレアチニンが
2mg/dL
を超えて上昇した症例が1
例(2.1%)あった。ALT(GPT)、AST
(GOT
)又はγ-GTP
が上昇した症例は少数であり、基準値(上限)の3
倍を超える上昇がみられたのは
γ-GTP
の1
例(2.1%)のみであった。アルカリフォスファターゼの経時的な 上昇がみられたが、基準値(上限)の3
倍を超えて上昇した症例はなかった。バイタルサイン
血圧、脈拍数の変動はわずかであった。
•
安全性の結論出血性有害事象(Major bleeding及び/又は
Minor bleeding)の発現はなかった。
有害事象全体の発現頻度は
37
例(77.1%
)であり、治験薬との因果関係が否定されなかっ た有害事象は4
例(8.3%)であった。また、発現した有害事象のほとんどが軽度であった。重篤な有害事象として「イレウス」と「大腿骨骨折」がそれぞれ
1
例ずつ発現し、治験薬の 投与が中止されたが、治験薬との因果関係は否定された。ヘモグロビン値が減少した症例が
14
例(29.2%)あったが、2g/dL以上減少しかつ8g/dL
未満まで減少した症例は2
例(4.2%
)であり、有害事象(貧血)と判断されたのは1
例のみ であった。その他の臨床上問題となる可能性がある異常又は異常変動を発現した症例は少数 であった。なお、バイタルサイン(血圧、脈拍数)の変動はわずかであった。