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では,PCR 法を用いてイヌ FLG 遺伝子の N 末端領域および C 末端

領域をそれぞれ増幅し,塩基配列解析により上述の配列中に 12 ヶ所の一遺伝

子多型 (SNP)が存在することを証明した。さらに SNPs の相互関係から,イヌ

FLG 遺伝子にはヒトの相同配列と同様に 3 種類のハプロタイプが存在するこ

とを見いだした。CAD 症例と健常犬が保有するハプロタイプの発現頻度を元

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に association study を行ったところ, CAD とハプロタイプとの明らかな関

連は認められなかったものの,ハプロタイプの存在という FLG 遺伝子変異解

析とって重要な情報を得ることができた。さらに,FLG shotgun 法を実施して

イヌ FLG 遺伝子の全塩基配列解析を試みたところ,イヌ FLG repeat 中には

少なくとも 6 ヶ所の SNPs が存在した。これらの組み合わせにより FLG

repeat には 5 種類の塩基配列の組み合わせが存在することを見いだした。さら

にリード数を増やすことでイヌ FLG repeat の内部配列を詳細に解析するため,

次世代シーケンサーを用いてイヌ FLG 遺伝子の塩基配列解析を試みたととも

に,CAD に罹患した 5 症例,健常犬 3 頭を用いて本症に関連する遺伝子変異

の同定を試みた。しかしながら今回検討した全症例で,本症に関与する遺伝子

変異は確認できなかった。

以上をまとめると,イヌ proFLG の予測アミノ酸配列を初めて詳細に解析し,

同配列がヒトやマウスの相同配列よりも反復数の少ない FLG repeat により構

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成されていることを見出した。またイヌ皮膚における FLG の組織学的分布が,

ヒトやマウスにおける分布と同様であることを確認した。さらにイヌ FLG 遺

伝子には SNPs の組み合わせに基づく複数のハプロタイプが存在することを発

見した。これに対し CAD 症例に関連する FLG の発現異常または FLG 遺伝子

の変異を,本研究において証明することはできなかった。

しかしながら,組織学的に FLG の発現異常を解析した CAD 症例は 7 頭の

み,次世代シーケンサーを用いて FLG 遺伝子全体の塩基配列解読と変異の検

索を行った CAD 症例が 5 頭,健常犬は 3 頭のみであったことから,今後は解

析を行う頭数を増やすことで FLG 発現異常に関連する遺伝子変異を特定する

ことができる可能性が考えられた。

本研究で開発した抗イヌ FLG 抗血清,ならびに本研究で用いた分子生物学

的手法は,今後イヌに発症する魚鱗癬などの角化異常と関連する皮膚疾患にお

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ける FLG の発現異常や遺伝子変異を詳細に解析する上で極めて有用であると

考えられた。

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