• 検索結果がありません。

P5 が中央アジア非核兵器地帯条約議定書に署名 ※下線部はリンク部分です。

ドキュメント内 RECNA NPT2014 (ページ 39-51)

RECNA NPT2014

短信 2 P5 が中央アジア非核兵器地帯条約議定書に署名 ※下線部はリンク部分です。

動きの少ない第3回準備委員会であるが、本日(5月6日)午前、明るいニュースが飛び込んできた。

懸案であった中央アジア非核兵器地帯条約(CANWFZ)の議定書に5つの核兵器国(米、露、仏、英、

中)が合意し、国連内で署名式を行ったという。潘基文国連事務総長のスポークスマンによる同日付 の歓迎ステートメントによれば、事務総長は同議定書の速やかな批准に期待を述べるとともに、「核 兵器に抗う世界的規範の強化に貢献し、よって不拡散、地域安全保障、軍縮に資する」と、今後さら なる非核兵器地帯が設立されることに向けた支持をあらためて強調したとされる。

議定書はその第一条で、「条約締約国に対し核兵器あるいは他の核爆発装置の使用もしくは使用の威 嚇を行わないこと」(消極的安全保証)、第二条で 「条約及び議定書締約国によるいかなる違反行為 にも寄与しないこと」を定めている。これまで、P5 のうち米国、英国、フランスの3か国が批判的で あったことから、議定書をめぐって P5 と地帯内国家との協議が継続していた。

2009年3月に発効したCANWFZの締約国は、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニ スタン、ウズベキスタンの 5 か国である。この 地は旧ソ連の一部としてかつて核兵器が存在した地域 であり、また、同国最大の核実験場であったセミパラチンスク(現在はセメイ)の傷跡を残す地域で ある。 さらには北半球最初の非核兵器地帯という側面も持つ。このような様々な意義を持った CANWFZにおける前進は、停滞する核軍縮の動きにはずみをつけるも のとして期待できよう。難航 している東南アジア非核兵器地帯議定書の行方にも注目していきたい。(中村桂子)

RECNA NPT2014

第 7 報 停滞する議論の狭間で-どこに突破口を求めるか?(2014.5.6 午前)

※下線部はリンク部分です。

「旧ソ連が国連に寄贈した、『剣を打ちかえて鋤と成す』という国連の目的を象徴した像」

(ニューヨーク国連本部、2014429日。RECNA撮影)

議事が予定より大幅に遅れているために、5月6日のセッションは、午前中にクラスター3の特定 議題とクラスター2の残りを消化することに充てられた。「消化する」というと、後ろ向きな印象 を拭えないが、議場の雰囲気は相変わらず低調で、機械的に議事が進むという感じである。

クラスター3の特定議題においては、特に北朝鮮を念頭に置いて、脱退について10ケ国が意見を 述べた。イラン、南アフリカ等の非同盟諸国は、条約からの脱退は主権の行使であり、いかなる 制限も、脱退後の責任をも負わされるものでないとしたのに対し、アメリカ、オランダ、フラン ス等の先進諸国は、非核兵器国としてNPTの当事国であった間に、平和目的に限って国際的に提 供された原子力関連技術や物資、資材は、脱退後は返還もしくは廃棄するか、引き続きセーフガ ード下に置かれるべきであり、軍事転用することはNPTの義務違反であると主張した。

結局、北朝鮮の脱退は「主権の行使」として正当化されるが、イスラエルの未加入は NPT の普 遍性を著しく損なうとする非同盟諸国と、イスラエルに対し条約への加入を強制することはでき ないが、北朝鮮の脱退はNPTに深刻な問題を生じさせたとする先進諸国との間で、議論はすれ違 ったままであった。最後に発言したロシアが、この問題を 2015 年の再検討会議でより建設的な 方向で議論すべきという、当然とも思える発言を行ったが、この発言が象徴するように、議事が 進むにつれて、とりあえず議論が対立する問題は、再検討会議へ先送りしようとする雰囲気が強 くなっている。それにしても、本当にNPTの普遍性を確保するために、イスラエルも北朝鮮も同 じく非核兵器国としてNPTに加わるべきという議論になかなか発展しないのが、国と国との交渉 のもどかしいところである。

クラスター2の続きは、文字通り「消化」という感じで、最初は10か国が発言を予定したはずが、

2 か国が発言をキャンセルした模様で、結局発言は8 か国のみであった。内容的にもすでに繰り 返し述べられているIAEAと保障措置の重要性や、中東会議の未開催について触れるなど、新味 のあるものはなかった。

6日の午後および7日の午前は、議長が2015年の再検討会議への勧告を含む最終文書の取りまと めに関し、個別および地域グループの代表と協議する時間を確保するためとして、議事がキャン セルされた。すでに昨日からロマン=モレイ議長はしばしば議場を離れていたが、協議は難航し ている様子である。特に、2015年の再検討会議の議長は、ローテーション通りならば、アフリカ

RECNA NPT2014

から選出される予定であるが、現在までに立候補は無く、打診されたいくつかの国も、議長を出 すことに難色を示しているとの情報も流れている。その理由としては、今回の準備委員会でも明 らかになったように、容易に解決の見通しの立たない問題が山積しており、来年の再検討会議に 対し悲観的な見方が広がっていることが大きいようである。しかし、別の見方をすれば、悲観的 な観測が広がりつつある中だからこそ、例えば北東アジア非核兵器地帯のように、これまであま り取り上げられてこなかった分野でも、確実な前進が見込めるのであれば、停滞する議論の突破 口として浮上する可能性があるとも言えるだろう。

下線にリンク イラン

http://www.reachingcriticalwill.org/images/documents/Disarmament-fora/npt/prepcom14/stat ements/6May_Iran.pdf

米国

http://www.reachingcriticalwill.org/images/documents/Disarmament-fora/npt/prepcom14/stat ements/6May_US.pdf

第 8 報 議長の勧告案が提出される(2014.5.7)

※下線部はリンク部分です。

今日は、午後3時過ぎに開会し、議長のロマン=モレイ大使から、2015年の再検討会議へ向けて の勧告案の作成作業が完了した旨の連絡があり、各国代表に一部ずつ配布された。議長から、明 日8日の午前11時から、コンセンサスでの採択を目指して勧告案の検討に移るので、各国とも配 布された勧告案を、各国の立場の違いではなく、共通点を見出す方向で検討してほしいとの要請 があり、10分ほどで議事が終了した。

議長の勧告案が出たことで、準備委員会は、来年の再検討会議の具体的な準備という後半の議事 に移ることになる。

席上配布された議長の勧告案

http://www.reachingcriticalwill.org/images/documents/Disarmament-fora/npt/prepcom14/do cuments/draft-recommendations.pdf

RECNA NPT2014

短信 3 ウクライナ情勢と NPT

※下線部はリンク部分です。

今回の準備委員会で、議場が最も緊張した場面の一つが、一般討論で、ウクライナに関する議論 が展開された時である。とりあえず時間が限られていたことと、国連安保理でウクライナが議題 としてあがっていたことから、この問題に関し「深入りを避ける」という暗黙の了解が成立して いたようで、各国ともそれぞれの立場を表明するに止まり、本格的な論戦にこそ発展しなかった が、深刻な問題提起が行われたことは事実である。

ロシアは、クリミア半島を中心とするウクライナの問題は、ウクライナの保守的な政権の下での 民族弾圧の問題であり、NPT体制とは無関係との見地から、この問題に言及すること自体、議事 を混乱させるものとして否定した。これに対し、ウクライナは当然のことながら、EU や旧ソ連 から分離独立国々等も、ロシアの行為は、ウクライナが非核兵器国としてNPTに加入する際に、

その条件としてウクライナ、ロシア、アメリカ、イギリスの間で 1994 年に取り交わされた「ブ ダペスト覚書」違反であるとして、批判したのである。

旧ソ連が解体し、ソ連を形成していた各共和国が独立した際には、ウクライナをはじめとして、

いくつかの共和国には旧ソ連軍の核兵器が配備、備蓄されたままであった。当時は、ウクライナ は「非自発的な継承」により、一時的に核兵器国となっているという状況であった。それらの核 兵器をウクライナが放棄、ロシアに移送し、非核兵器国として NPT に加入する代償として、ウ クライナは、領土と主権の保証を求めたのである。

それに対し、ロシア、アメリカ、イギリスは、具体的には、1)ウクライナの独立、主権、国境を 尊重する、2)ウクライナの領土および政治的独立に対し、自衛および国連憲章に基づく場合を除 き、一切の武力の行使もしくは武力による威嚇を行わない、3)ウクライナに対し、自国の利益を 図る目的で経済的な圧力を加えない、4)ウクライナに核兵器による攻撃または威嚇が行われた場 合には、必要な支援を提供するために、ただちに国連安保理において行動を起こす、5)非核兵器 国としてのウクライナに対し、核兵器による攻撃もしくは威嚇を行わない、を骨子とした覚書を 作成し、ロシア、アメリカの大統領、イギリスの首相およびウクライナの大統領が署名すること で、ウクライナに保証を与えることで 1994 年に合意した。これが「ブダペスト覚書」と呼ばれ る文書である。その結果、ウクライナは非核兵器国としてNPTに加わることになった。

今回のクリミア半島の帰属をめぐる問題では、ウクライナやEU は、ロシアの行動が明白な「ブ ダペスト覚書」違反であると激しく批判している。ロシアの今回の行動が、どの程度正当性を持 つものであるかは、NPT の場で議論すべき議題ではないであろう。しかし、「ブダペスト覚書」

が、核兵器を放棄する代償として、核兵器国が共同で政治、軍事、経済を含めて包括的にその安 全を保証することにより、非核兵器国として NPT に加入するインセンティブを作り出そうとす る試みであったことは間違いない。イギリスが指摘したように、ロシアの行動は、様々な意味で NPTに対する信頼を損ないかねない側面を持っており、単にロシアとウクライナの間の、国境と 民族をめぐる地域紛争というだけでは片づけられない。クリミアの情勢自体がまだ流動的であり、

この問題は当分の間国連安保理やOSCEで扱われることになるであろうが、今後の展開によって は、来年の再検討会議に大きな影を落とすことにもなりかねない。(広瀬)

ロシア

http://papersmart.unmeetings.org/media2/2927684/general-debate-russia-eng-_1_.pdf ウクライナ

http://papersmart.unmeetings.org/media2/2927524/ukraine.pdf ブダペスト覚書

http://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=A/49/765

RECNA NPT2014

ドキュメント内 RECNA NPT2014 (ページ 39-51)

関連したドキュメント