ORKA 大杉信雄
M. O.C system大杉信雄
デザインやインターフェースに優れ、使う楽しさにあふ れる製品を集めたショップ「AssistOn」の店主。従来 のカテゴリーでは分類できないようなデジタル製品や雑 貨、知育玩具などを幅広く扱っている。AssistOnは、
東京・原宿の店舗とインターネット(http://www.assi ston.co.jp/)上で営業している。
の製品群は2003年度のグッドデザイン賞を 受賞している。
ディズニーとのコラボレーションで開発さ れたこの「M.O.C. system for Disney」に、従 来のM.O.C systemのパーツを組み合わせるこ とも可能だ。既製のキャラクター玩具から離 れることを目指した製品が、世界を代表する キャラクターの王様と不思議な出会いを果た すとは、誰が予想しただろうか。
九印による、「柔らかいブロック」とでも言 うべき知育玩具「M.O.C. systemモック シス テム」に、この秋 新たな顔ぶれが加わった。ウォルト・ディズ ニー・ジャパン㈱から同社が主催するコラボ レーション展「ディーラボ東 京 」のために、
M.O.C. systemをベースにしたディズニーの キャラクター商品を製作してほしいという依 頼があったのだ。ディズニー側のパタンナーの 力量にも支えられ、ミッキーマウス/ダンボ
/プルート――というおなじみのキャラクター が見事に生まれ変わり、セットで発売された。
オリジナルのM.O.C. systemは、 「Assist-On」で開催された2001年10月の展示会に合
わせて制作されたものだ。瀬戸けいた・なお よが、2人の作品のテーマである「形状の進 化」をモチーフに、既製のキャラクター商品と は一線を画した玩具を目指して製作を進めた。
完成品は、ファブリック素材でできたパーツ を、ボタンでつなげることで自分だけのクリー チャーを作れるぬいぐるみだ。
展示会後の反響は予想を超えて大きく、商 品化の要望も多かった。素材/パッケージ/
販売価格 ――などの難問が山積していたが、
1年かけて発売にこぎ着けた。特にボタン部 分は、熱や衝撃に強いABS樹脂製のものが開 発された。展示会で発表された作品には既製 品が使われていたため、万が一子 供が飲み込んだときに体内で割れ る可能性があったからだ。製品の ラインアップには「アルク」「オヨ グ」「トブ」――という3種類が用 意され、パーツの組み合わせの幅 も広がった。製品名のM.O.C.は
「Make your own Creatures(あな た だ け の ク リ ー チ ャ ー を 作 ろ う!)」というコンセプトを表すフ レーズから付けられた。なお、こ
大杉信雄
Baby Mine
―― by Bonnie Raitt and Was (not was)
from "Stay Awake: Various Interpretations of Music from Vintage Disney Films"('90)
Photo: Shinohara Takashi/Pacia
©2003 Disney All Rights Reserved.
©2003 9brand九印All Rights Reserved.
きゅうじるし
0312̲126̲逸品 04.12.19 4:44 PM ページ 126
100 MacPower 2004 Jan.
■開発・販売元:㈱オーディオテクニカ(http://www.audio-techni-ca.co.jp/)
■取り扱い:AssistOn
■ドライバーユニット : φ28mm、ネオジウムマグネット
■出力音圧レベル : 105dB/mW
■再生周波数帯域 : 14Hz〜24kHz
■プラグ : φ3.5、金メッキステレオミニプラグ
■コード : 0.6m(U型)
■重量: 33g(コードおよびプラグ含まず)
■価格:オープンプライス(AssistOn価格:1万7900円)
■参考商品:「ATH-EM9R」「ATH-EM9D」ともにオープンプライス
(AssistOn価格:1万4900円)
ATH-EW9
大杉信雄デザインやインターフェースに優れ、使う楽しさにあふ れる製品を集めたショップ「AssistOn」の店主。従来 のカテゴリーでは分類できないようなデジタル製品や雑 貨、知育玩具などを幅広く扱っている。AssistOnは、
東京・原宿の店舗とインターネット(http://www.assi ston.co.jp/)上で営業している。
が多い。携帯電話やラジカセのように「若者の ための製品」と言えるものばかりで、音作りも 若年層向けだ。EW9は色合いもデザインも落 ち着いていて、耳に装着しても派手な印象が ない。音楽を楽しむ大人のために、大自然の 中でゆっくりと育まれたマテリアルから作ら れた音響製品だ。
㈱オーディオテクニカから木製のハウジン グを持つ耳掛け式イヤホン「ATH-EW9」(以 下、EW9)が発売された。スピーカーなどの大 型の音響製品に木製のパーツが使われること は珍しくないが、耳掛け式のイヤホンとして は業界初の試みだ。デザインは 、2003年2 月号の本連載で紹介した「ATH-EM7」に基づ いている。鍛造アルミニウム合金製で、シャ ープな印象を持つ製品だった。
このEW9にはアサダ桜が採用されている。
アサダ桜は、細かい加工に適した木材の中で も、最も硬い材質なのだそうだ。また音響機 器のハウジングに木材を使用する際には、木
目が音質に大きな影響を与える。均質で細か いものが理想とされるが、夏と冬では木の生 育の度合いが違うため、通常は夏目と冬目の 間隔がまちまちになる。このような木材を音 響機器に使うと、音が均質に反響せずに粗く なってしまうのだ。その点、アサダ桜は木目 が極めて細かく、夏目と冬目の間隔もそろっ ているため、均質で豊かな音を作り出せる。
一方でアサダ桜材は、入手が極めて難しい 貴重な木材だ。原産地は北海道北中部を流れ る天塩川流域の広葉樹林で、植林はされてい ないため原生林から伐採されたものを手に入 れるしかない。最近では3、4カ月も待つこ ともあるそうだ。
EW9の音質を、ドライバーユニットが同じ でアルミ合金のハウジングを持つ「ATH-EM9R」
やそのオープンエア型の「ATH-EM9D」と比べ てみると、違いは明らかだ。メリハリのはっき りした音を好む人はアルミ合金製のものがい いだろうが、なめらかで繊細な音色を求める なら、EW9を試用してみることをお勧めする。
ヘッドホンやイヤホンには、耳に装着した 場合に過剰にハイテクにデザインされたもの
大杉信雄
New Adventures in Hi-Fi
―― by R.E.M.('96)
Photo: Shinohara Takashi/Pacia
0401̲100̲逸品 04.12.21 3:29 PM ページ 100
MacPower 2004 Feb. 57
■発売・販売:アスミック
■取り扱い:AssistOn
■フォーマット:DVD(日本語版)
■収録時間:本編58分、特典映像29分
■収録作品:「パワーズ・オブ・テン」「パワーズ・オブ・テン:ラフ・スケッチ」「お もちゃの汽車のトッカータ」「ハウス:ケース・スタディ・ハウス#8 5年後の記録」
「カレイドスコープ・ジャズ・チェア」「プラックトップ」―― 計6作品
■価格:3800円
大杉信雄
デザインやインターフェースに優れ、使う楽しさにあふれる製品を集めたショッ プ「AssistOn」の店主。従来のカテゴリーでは分類できないようなデジタル製品 や雑貨、知育玩具などを幅広く扱っている。AssistOnは、東京・原宿の店舗と インターネット(http://www.assiston.co.jp/)上で営業している。
「DCW」('46)や「ラウンジチェア」('56)などのイスをデザインし たことで知られるチャールズ・イームズとレイ・イームズ。2人は ラジオやスピーカーなどの電化製品からおもちゃやハンガーといっ た生活用品まで、さまざまなプロダクトのデザインを手がけた。ま た夫妻はカメラ好きとしても知られており、短編映画も残している。
「EAMES FILMS:チャールズ&レイ・イームズの映像世界」(以下、
EAMES FILMS)は、そんなイームズ夫妻による映像作品6点を収 録したDVDだ。
EAMES FILMSに収録されている「パワーズ・オブ・テン」('68)
は、芝生で寝転がるカップルの映像で始まる。カメラは2人からど んどんズームアウトしていき、街全体、国全体を映し出し、さらに 地球をも離れて銀河系に到達する。画面はそこから一転、今度は銀 河の果てから地球へとズームインを繰り返す。カメラは再びカップ ルを捉えると、2人の細胞の遺伝子へ、遺伝子から原子へ、原子か ら素粒子へと、ミクロの世界に入っていく。つまりこの作品では、
カメラのフレームを10倍ごとに拡大/縮小していったときに、視点 がどのように変わるのかが示されている。天文学や遺伝子学などの 近代科学の成果とは、新しい視点の発見なのだと思えてくる作品だ。
「おもちゃの汽車のトッカータ」('57)の主役は、夫妻が収集した さまざまな鉄道模型だ。これらの機関車は19世紀から20世紀にか けて作られたもので、いずれも木やブリキでできている。160分の 1や80分の1というように統一したスケールに基づいているわけで はないので、大きさもまちまちだ。しかしこの映像作品に登場する 機関車や人形は、まるで現実の世界に存在するかのように整然とジ オラマの中を通り過ぎていく。つまりこの作品では、パワーズ・オ ブ・テンの場合とは相反する、均一化された視点からものを見るこ とができる。
筆者はこの2つの作品によって、「視点」について深く考えさせら れた。イームズ夫妻は、出来上がった家具をすべて写真に収めて、
最終的な仕上がりをチェックしていたという。2人がフィルムを通 してデザインを「見る」という行為を重要視していたことがわかるエ ピソードだ。つまり、「見る」という行為は「考える」ということであ り、再び発見するということであるに違いないのだ。
大杉信雄 大杉信雄
When You See The Light
―― by Pete Yorn from Day I Forget ( 03)
EAMES FILMS
:チャールズ&レイ・イームズの映像世界©2001 LUCIA EAMES DBA THE EAMES OFFICE. ALL RIGHTS RESERVED.
パワーズ・オブ・テン
おもちゃの汽車のトッカータ
0402̲057̲逸品 04.12.21 3:31 PM ページ 57
■メーカー:米ライトウェッジ社(http://www.lightwedge.com/)
■取り扱い:AssistOn
■光源:白色LED(明るさは2段階の調整が可能)
■本体サイズ:「LightWedge Standard」横172×縦235mm、「同 Paperback」横135×縦190mm
■価格:「LightWedge Standard」6800円、「同Paperback」4500円
LightWedge LightWedge
大杉信雄大杉信雄デザインやインターフェースに優れ、使う楽しさにあふ れる製品を集めたショップ「AssistOn」の店主。従来 のカテゴリーでは分類できないようなデジタル製品や雑 貨、知育玩具などを幅広く扱っている。AssistOnは、
東京・原宿の店舗とインターネット(http://www.assi ston.co.jp/)上で営業している。
を含めて240gと軽量であるため、携帯しやす い。また、本のページにはさんでおけば書籍 がプレート部分を保護してくれるだけでなく、
しおり代わりにもなる。光源には高輝度/省 電力を特徴とする白色LEDが採用されており、
単4乾電池4本で40時間まで連続使用でき る。まるでページ自体が輝いているかのよう な光であるため、ベッドの中で読書を楽しむ ときでも横で睡眠をとっているパートナーの 邪魔になることはない。読書のスタイルを変 える製品になりそうだ。
「iPod」や「iTunes」の出現で、音楽を聴くス タイルが大きく変化したという人は多いので はないだろうか。筆者自身も以前にも増して 新譜を購入するようになった。また3000枚を 超えるコレクションをすべてiTunesに納めた ため、未入手のアルバムがはっきりし旧譜の 入手にも弾みがついた。
技術革新は音楽の聴き方を大きく変えたが、
読書のスタイルはどうだろう。インターネット 上で書店や古本屋を利用しやすくなったもの の、読書自体のスタイルには変化はない。電 子ブックも一般的になったとは言えないだろ う。当面は、本や雑誌といった紙メディアを
存分に楽しみたい。
本を読むための「技術革新」ツールとして米 国で登場したのが、「LightWedgeラ イ ト ウ ェ ッ ジ
」だ。「光の くさび」という意味を持つこの製品は、従来の 読書灯と一線を画する。従来は単行本サイズ の「LightWedge Standard」のみが販売されて いたが、日本からの要望に応えるかたちで昨年 末に、新書や文庫本に使える「同Paperback」
が発売された。
私たちが暗がりで読書をする場合、通常は 照明からの明かりが届く位置に本を持ってい く必要がある。照明の光が弱いところでは、読 書する姿勢や本の位置を変えるごとに光の向 きも調節しなければならない。さらに飛行機 やベッドの中では、周囲に光が漏れないよう に気を配る必要がある。
LightWedgeは透明のアクリルでできたプレ ートで、電池ボックスを兼ねたグリップの中に は2つのLEDが組み込まれている。そこから 発せられた光が、アクリル板を通ってページ 全体を照らす構造だ。ライトのスイッチを入 れたら、読みたいページの上に置くだけで文 字が明るく照らし出される。また重さは電池
大杉信雄
Book of Dreams
―― by Suzanne Vega from Days of Open Hand('90)
Photo: Yamazaki Junko/Pacia
86 MacPower 2004 Mar.
0403̲086̲逸品 04.12.21 3:32 PM ページ 86