Input power :300W Light source :Fluorescent
図3-12入力電力を300 W一定にした場合のガス混合比の検討
0 10 20 30 40 50 60
10:0 9:1 3:1 1:1 1:3
Ra te o f d ec rea se in HCHO co n cen tr atio n R [%]
Mixing rate of Ar gas and H
2gas
Only Ar
Input power :200W Light source :Fluorescent
図3-13入力電力を200 W一定にした場合のガス混合比の検討
51
3.3 未処理の酸化チタンと酸素欠損型酸化チタンのホルムアルデヒド分解性 能比較
前述したように酸化チタンは紫外線にのみ反応するので,未処理の酸化チタ ンに紫外線を照射した場合の分解性能を測定するために,紫外線を主に含むブ ラックライトを用いてホルムアルデヒド分解試験を行った。その結果は,水素 マイクロ波プラズマ処理を行った酸素欠損型酸化チタンの,蛍光灯照射下での 分解性能と比較した。
未処理の酸化チタンに紫外光を照射し,ホルムアルデヒド分解試験を行った。
その結果を図 3-14 に示す。比較として,3.2.1 節で示した水素マイクロ波プラ ズマ処理を行って最も光触媒性能が高かったプラズマの入力電力を150 W,プ ラズマ処理時間 2 分の酸素欠損型酸化チタン光触媒の結果も示している。酸素 欠損型酸化チタン光触媒のホルムアルデヒド分解実験は蛍光灯を用いて行った 結果である。
ブラックライトを用いた未処理の酸化チタンのホルムアルデヒド分解実験の 結果,ホルムアルデヒド分解率は60.7 %である。一方,最も性能が高かった酸 素 欠 損 型 酸 化 チ タ ン 光 触 媒 の 蛍 光 灯 を 用 い た ホ ル ム ア ル デ ヒ ド 分 解 率 は 43.4 %である。
すなわち,酸素欠損型酸化チタン光触媒は,実生活で用いられている通常の 蛍光灯が光源であった場合でも,ブラックライトを用いた未処理の酸化チタン の約70 %の光触媒性能を発揮していることが確認できる。
52
3.4 窒素ドープ型光触媒と酸素欠損型光触媒の比較
3.4.1 窒素ドープ型光触媒の作製および光学特性評価13)
酸素欠損型光触媒と比較を行うために可視光応答型光触媒のうち最も代表的な 窒素ドープ型光触媒を作製した。
酸化チタンを作製するために一般的に用いられている溶液状のチタニウムテト ライソプロポキシド(TTIP)6.8 ml ,エタノール40 ml と濃硝酸10 ml を混合し て溶液を調整した。 調整した溶液をスターラーにて10 分間攪拌した後,35 ℃で 30 日間,TTIP の加水分解と縮重合反応を進行させた。その後,300 ℃で 3 時間 焼成し淡黄色の窒素ドープ型酸化チタン粉末を調製した。次に,調整した窒素ドー プ型酸化チタン粉末を用いて基板を作製した。窒素ドープ型光触媒粉末2 gに脱水 エタノール18 gを10 w%になるように溶液を調合し,密閉容器に入れた。その後,
スターラーを用いて撹拌を充分行い,溶液中の粉末が均一に混ざり合うようにした。
撹拌を行った溶液0.1 mlを25 mm × 25 mm × 1 mmt のテンパックスガラス基板
0 10 20 30 40 50 60 70
Ultraviolet lamp TiO₂
Fluorescent lamp TiO₂₋ 150W 2min Ra te o f d ec rea se in HCHO co n cen tr atio n R [%]
x
図3-14 通常の酸化チタン(ブラックライト使用)と酸素欠損型酸化チタン
(蛍光灯使用時)のホルムアルデヒド分解率
53
に塗布をした。その後,電気炉にて 450 ℃で 2 時間焼成を行った後に電気炉内で 自然冷却を行った。作製した窒素ドープ型光触媒の膜厚は10 ± 2 μmである。
元の酸化チタンに窒素をドープした場合の吸収率の増分を図 3-15 に示す。酸化 チタンに窒素をドープすることにより可視光を吸収するようになっていることが わかる。従って,窒素ドープ型光触媒は可視光応答型であることが確認できる。
3.4.2 窒素ドープ型光触媒と酸素欠損型酸化チタン光触媒の分解性能比較
蛍光灯を用いたホルムアルデヒド分解実験を行った場合の窒素ドープ型酸化 チタン光触媒と酸素欠損型酸化チタンの分解性能を図3-16, 3-17, 3-18に示す。
窒素ドープ型光触媒のホルムアルデヒド分解率Rは8.1 %であるのに対し,本 研究で提案する作製した酸素欠損型光触媒の方が光触媒の分解性能が高いこと がわかる。この様に,酸素欠損型酸化チタン光触媒は窒素ドープ型光触媒の最 大5倍以上も分解性能を発揮することがわかる。
-15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35
240 320 400 480 560 640 720 800
Increase in optical absorption [%]
Wavelength [nm]
図3-15 窒素をドープした場合の吸収率の増分