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¾ MAVCAP (マレーシアベンチャーキャピタルマネージメント公社)

代表的な補助金制度であるSMIDECのスキームを以下に紹介する。これらの対 象となるのは以下の条件をクリアする中小企業。

¾ 製造業、および製造業関連サービス産業に従事する中小企業。

— 製造業関連サービス産業とは以下のような事業を指す。

♦ 製品開発サービス

♦ ロジスティックス

♦ 製品のデザイン

♦ マーケティング

♦ 環境マネージメント

♦ この他ガス殺菌、計測機器整備など

— 製造業の場合は年間売上が 2,500 万リンギ以下あるいは従業員数 が150人以下の中小企業が対象。

— サービス産業の場合は年間売上が 500 万リンギ以下あるいは従業 員50人以下が対象。

— いずれもマレーシア資本が60%以上が条件。

— 個人事業者も対象。

¾ 製品改善・製造方法改善のためのマッチンググラント(Matching Grant for Product and Process Improvement)

通常の製造業、製造業関連サービス産業を対象にコストの50%を補助す る。補助限度額は50万リンギと大きい。なおマッチンググラントとは企 業が支出した経費の半額を政府が補助する制度である。SMIDECの補助 金はほとんどがマッチンググラントである。

対象となる支出は以下の通り。

— 技術の導入経費。

— 製品のデザイン・試作。

— 製品のテスト。

— マーケティング経費。

— 機械機器の購入経費。

— 省エネ技術・産業廃棄物の最小化技術。

¾ 認 証 取得 ・国 際 標準 取得 の ため のマ ッ チン ググ ラ ント (Matching Grant for Certification and Quality Management System)

製造業、製造業関連サービス産業およびサービス産業を対象にコストの 50%を補助する。補助限度額は25万リンギ。

対象となる支出は以下の通り。

— ISO13485, ISO14,000, ISO22000取得

— HACCP取得

— MS1500-2004などのハラール認証取得

— TS16949

— 5S, Six Sigma,

— RoHS

— GMP

— 他の認証取得経費およびコンサル料などの付帯経費

¾ 女性企業家のためのマッチンググラント(Special Assistance Scheme For Women Entrepreneurs)

女性の企業家を育成する目的を持ったスキームであり、SMIDECをはじ

め MATRADE、MTDC や他の省庁・政府機関の持つ補助金をパッケー

ジで提供するもの。女性が一定の比率以上の株式を保有し、経営の先端 に立つ中小企業が対象となる。女性の企業家育成を目指すもの。

¾ スキル向上のためのマッチンググラント(Grant for Skill Upgrading ) 中小企業の管理職の従業員のスキルを向上させるプログラム。分野とし ては電気電子、情報技術、工業デザイン、エンジニアリングなどの重要 分野をカバーする。現時点SMIDECは23の訓練センターと12の専門訓 練提供機関を公認している。これらの機関で従業員の訓練を行った場合 は50%がSMIDECから補助される。残りの50%を人材開発基金(Human

Resource Development Fund :HRDF)に基金の利用を申請することも 可能。

¾ ブミプトラ起業マッチンググラント(Matching Grant for Business Start-Ups)

通常の製造業、製造業関連サービス産業およびサービス産業の場合はコス トの50%を補助する。

以下のような支出が対象になる。

— 事業計画作り。

— フィージビリティースタディーの実施。

— 工場や事務所の借料24カ月分。

— 機器のレンタル料。

— 試作に関わる経費など。

ブミプトラ個人事業者の製造業での起業を促すため個人事業者に対して はコストの80%が補助される(ただし2009年の5月31日までの措置)。

いずれの場合も補助限度額は4万リンギ。

・ SMIDEC以外の補助金

¾ 海外販路開拓のための補助金(Market Development Grant :MDG)

MATRADEが管轄する補助金制度。中小企業が海外販路開拓のために支出

した出張費、広告費、見本市参加費などの経費を半額補助する制度。

対象企業はSMIDEC のマッチンググラントと同一。MaTRADEが参加す る海外見本市に出展したりアテンドした場合はその対象となる。

¾ ブランド促進のための補助金(Brand Promotion Grant:BPG)

やはりMATRADEが管轄する補助金制度。マレーシアのイメージアップに

つながるブランドの促進を目的としている。製品やパッケージのデザイン や販売促進活動が対象となる。適格プロジェクトに対しては中小企業の場 合100%の補助金が100 万リンギを上限として支給される魅力的な制度。

大企業の場合は 50%が補助されるマッチンググラントで補助金の上限は 200万リンギ。

¾ 先端技術取得のための基金(Technology Acquisition Fund :TAF) マレ ーシア技術開発公社MTDC(Malaysia Technology Development Fund)の 持つファンドでバイオ、ICT、新素材、代替エネルギー、農業分野など先端 技術を対象とした補助金の制度。51%以上マレーシア資本の企業が対象で あり大企業、中小企業を問わない。50%補助)のマッチンググラントであ り、補助金上限は200万リンギと大きい。

¾ マ ル チ メ デ ィ ア ス ー パ ー コ リ ド ーR&D 補 助 金 (Multimedia Super Corridor Research and Development Grant Scheme: MGS) マルチメデ

ィ ア ス ー パ ー コ リ ド ー の 発 展 を 図 る Multimedia Development Corporation (MDeC)が持つファンド。マルチメディア分野でのプロジェク トに対し最大プロジェクトコストの70%を補助する。限度額は明示されて いない。「少なくとも30%までのマレーシア資本を有するMSCステータス を取得した企業」が条件となっており、外国企業との合弁企業も利用する ことが可能。(MSC ステータスとはマルチメディアスーパーコリドー計画 に参画する企業に与えられるもので最大限の税制上の優遇措置や外国資本 に対しては 100%外資、外国人専門家の無制限のワークパーミット所得な どが認められる)。

¾ R&D 商 業 化 の た め の 補 助 金 (Commercialization of Research and Development:CRDF)

MTDCの補助金制度。大学、研究機関、企業における研究成果を商業化す ることを目的としたマッチンググラント方式の補助金制度。フェーズ1か ら4までの段階があり、マーケットリサーチ段階からデザイン・試作、試 験費用、特許の取得費用、テストマーケティングまでの各段階で50%から 70%までの補助金が支給される。これもMTDCの持つファンドで国家的な 重要性を持つ先端技術を対象とした補助金の制度である。業種的にはバイ オ、ICT、新素材、代替エネルギー、農業分野などが対象。やはり51%以 上マレーシア資本の企業が対象であり大企業、中小企業を問わない。

・ 信用保証制度

信用保証公社(Credit Guarantee Corporation : CGC)担保物件のない中小企業 に対しても、融資を受ける際の保証を提供し、融資を斡旋している。そのうちの 代表的なスキームを紹介する。

¾ Direct Access Guarantee Schemes: DAGS CGCに申請することにより、

最高100%までの必要資金を市中銀行から借り入れる際の保証をCGCがつ ける。

— 対象企業は資本金が5万リンギから 1,000 万リンギまでのマレーシア 人がコントロールする企業

— 期間は5-8年

— 融資額は5万リンギから100万リンギ

— 過去に融資返済で問題を起こしていないこと

— 保証料は0.75から1.5%

— CGCの出資母体になっている市中銀行から融資が行われる

・ ベンチャーキャピタル

¾ Malaysian Venture Capital Management Berhad: MAVCAP 最低5万リ

ンギから最高 4,000 万リンギまでを出資。5年をめどに上場や株式の転売 を図る。役員のポストを要求する。投資対象分野としては通信ネットワー ク、医療健康サービス、バイオテクノロジー・ライフサイエンス、インタ ーネットビジネス、エレクトロニクス、半導体が上げられている。

2-(2) 税制

・ 中小企業に対する法人税の扱い

¾ マレーシアにおける法人税はここ数年下げ続けており、2008年課税年度に おいては26%となっている。さらに2009年度には25%にすることがすで に発表されている。SME に対しては法人税の優遇措置が導入されており、

現在では50万リンギまでの課税対象所得に対してSMEは20%の優遇税率 を従来適用されている。50万リンギを越える部分のみに通常の法人税率が 適用される。なお、この場合の中小企業とは払込資本金250 万リンギ以下 の企業を指す。

¾ さらに 2008 年予算では中小企業の税金の支払いに対し弾力的な取り扱い をする新施策が発表された。従来は予想される収益に基づき毎月分割予納 を義務付けられていたがこれを2年間免除することが打ち出された。操業 を始めたばかりの中小企業にとって事業の収支を見通して想定される法人 税額を予納していくことは簡単なことではない。しかも法人税の予納額が 実際の課税書く定額よりも低すぎた場合はペナルティーが科せられる。今 回の措置により、新規に設立された中小企業は当初2年間、税金のわずら わしさから解放されることになる。

・ 一般的な税制上の優遇措置:

マレーシアにおける一般的な税の優遇措置は以下の通りかなり充実している。

これらは大企業・中小企業を問わず奨励業種に対して適用されるものである。

¾ パイオニアステータス(Pioneer Status)

法人税の 70%から 100%が5年間から 10 年間免除される制度。奨励業種

が対象。この優遇措置を受けると課税対象となる法定所得(経費、基礎控 除を差し引いた所得)の70%が免税となる。すなわち残り30%の所得に対 してのみ課税されることになるので、現行の法人税26%ではなく実質7.8% の減免法人税率が課税されることになる。ハイテク業種や国家戦略的に重 要なプロジェクトについては 10 年間全額免税のパイオニアステータスが 与えられる。されには個別プロジェクトごとに審査し、パッケージでイン センティブを提供する制度があり、この場合は15年の全額免税パイオニア ステータスが与えられた例もある。

¾ 投資税額控除(Investment Tax Allowance: ITA)

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