化の方向が逆向きになると、
偏光面の回転は逆回転に
なる。
Http://www.neomag.jp/magnet_history/ 38
39
電子スピンの方向(↑↓)によ
る情報の記録 巨大磁気抵抗効果を用いた 磁気メモリーの読み出し
巨大磁気抵抗効果(
GMR: Giant Magneto Resistive effect
)普通の金属の磁気抵抗効果(物質の電気抵抗率が磁場により変化する現象)は数
%
だが、1nm
程 度の強磁性薄膜(F
層)と非強磁性薄膜(NF
層)を重ねた多層膜には数十%
以上の磁気抵抗比を示 すものがある。このような現象を巨大磁気抵抗効果と呼ぶ。1987
年にドイツのPeter Grünberg,
フランスのAlbert Fert
らによって発見された。 巨大磁気抵抗効 果は、多層膜の磁気構造が外部磁場によって変化するために生じる。 磁気多層膜以外においても、ペロブスカイト型マンガン酸化物においても見られる。巨大磁気抵抗効果を応用した磁気ヘッドの登 場によって、
HDD
の容量が飛躍的に増大した。Peter Grünberg
とAlbert Fert
はこの発見によって、2007
年のノーベル物理学賞を受賞している。http://ja.wikipedia.org/
磁石の応用:磁気メモリー
http://www.neomag.jp/mailmagazines/200812/ 40
超伝導を利用した磁石と永久電流
超伝導材料で作った永久電流回路スイッチの温度を超 伝導転移温度よりも高い温度にして外部電源をかけ,次 に外部電源をかけたままで転移温度よりも低い温度に永 久電流回路スイッチを冷やしたのち外部電源を切ると,永 久電源回路には減衰することのない電流が流れ続ける。
これを永久電流といい超伝導材料にだけ起こる現象であ る。永久電流を利用すると,磁場を保つための電力を必要 としない電磁石
(
超伝導磁石)
を作ることができる。41
酸化鉄の磁性と地磁気の逆転
外から磁場をかけなくても物質が磁化を持つ場合,その物質は磁 石として振舞う.磁石の用途は様々であるが,ここでは鉄の酸化物が 磁石になることを利用して、今から数十万年前に地磁気の極が逆転 していたことを発見した日本の科学者のことを紹介する.
水中に溶解している鉄イオンは一部、酸化鉄の小さな粒子となって 底に体積していく.
Fe
3O
4やFe
2O
3などの酸化鉄は,磁場がなくても 室温で鉄イオンのスピン同士が互いに整列し,小さな磁石として振舞 うため,湖底や海底に沈殿として堆積するときには地磁気の方向を 向いて沈殿し、やがて堆積岩として固定される.したがって,湖底や 海底に堆積した酸化鉄を含む地層には,古い時代の地磁気の方向 が記録されていることになる.1929
年,日本の地球物理学者の松山基範(1884 – 1958)
は,溶岩 が固まってできた火成岩に含まれる磁石(酸化鉄)の向きを調べ,約70
万年以前の地球の磁場の向きが逆転していることを発見した.発 見当時,地磁気が逆転するなどと考えるのはあまりにも非常識と思 われ,実験そのものに疑いを持たれた.その後,松山博士の後継者達により,琵琶湖の湖底や太平洋の海 底の堆積物に含まれる磁石の方向が詳しく調べられ,約70万年前を 境に地磁気の向きが逆転していることが証明された.今や,世界各地 で古い時代に地磁気が逆転していたことが確認された.
69
万年前か ら243万年前までの時期は,地磁気が逆転していた時期で「松山期」と呼ばれ,日本人の名前が地質年代の区分に採用されている.図に 地磁気の逆転した時期を示す.
新生代後期の地磁気極性。
黒い箇所は現在と同じ極性、白 い部分は現在と逆の極性。
AgeのMaは百万年。今から70
~250万年前は地磁気が殆ど 逆転していた。
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Fe 3 O 4 の結晶構造(逆スピネル構造)
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