4.2 鼻腔形状を用いて検討
4.2.3 Lindemann らの実験結果との比較検討
図 4.6: Mesurement Point of Lindemann’s Experiment
図 4.7: Temperature of Nasal Cavity Wall Comparison: Comparison Including Latent Heat, Excluding Latent Heat and Experimental Data
図 4.8: Temperature of Nasal Cavity Wall: Comparison Including Latent Heat and Excluding Latent Heat
においても,あまり温度の低下は無いが,潜熱を考慮したシミュレーション結果 は,鼻弁付近において,大きく温度が低下している事が確認できる.また,鼻腔 前方部において,鼻腔壁面の温度分布が顕著に違う事が確認できる.これは,蒸 発潜熱により鼻腔壁面の熱が奪われて温度が低下したと考えられる.
4.2.4 まとめ
鼻腔粘膜の厚さは,鼻腔内の部位によって厚さが異なる. 生体現象に則したシ ミュレーションを行うには,鼻腔内の部位によって粘膜の厚さを変更したシミュ レーションを行う事が望ましいが,医療画像から鼻腔粘膜を正確に抽出すること は,困難である.したがって,鼻腔壁面の粘膜の厚さを一定と仮定して,鼻腔壁面 モデルを構築し,実形状においてシミュレーションの結果を検討した.鼻腔粘膜の 厚さを均一と仮定したシミュレーション結果においても,潜熱を考慮した鼻腔壁面 モデルを用いたシミュレーション結果は,Keckの実験における鼻腔内の温度およ び相対湿度の測定結果と概ねの一致を得られる事を示した.さらに,Lindemann らによって測定された鼻腔内壁面の温度とも潜熱を考慮した鼻腔壁面モデルを用 いたシミュレーション結果は概ねの一致を示した.したがって,潜熱を考慮した 温度および湿度交換のための鼻腔壁面モデルは,鼻腔内の温度および湿度を考慮 したシミュレーションを行う事ができると考える.
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第 5 章
鼻腔内流れのシミュレーション
本章では,暖かく湿った空気,暖かく乾燥した空気,冷たく湿った空気,冷た く乾燥した空気を吸気として与えた場合の定常における鼻腔内のシミュレーショ ンをおこない,鼻腔内の流れ,温度分布,相対湿度分布について検討をおこなう.
また,それぞれの吸気における潜熱が温度分布や湿度分布に及ぼす影響について 検討をおこなう.
また,呼吸は,吸気と呼気からなる非定常的な現象である.したがって,定常 のシミュレーションでは,観測できない非定常的な流れの現象が存在する可能性 がある.よって,呼吸を模した流入条件を与えて非定常における鼻腔内流れのシ ミュレーションをおこない,鼻腔内の流れの非定常性について議論をおこなう.最 後に,人間の鼻腔は,年齢,性別,体格などで個体差があることが,予想される.
したがって,年齢,性別,体格などが異なる鼻腔形状を医療画像から再構築し,そ れぞれの鼻腔における流れ,温度分布,湿度分布などにおける個体差の検討おこ なう.