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と矛盾す るとは言えない。 一方、 キナクリンのみでは 、 ほとんど DNAを切断することはできず、 CU 2・を共存させても切断増強部 位は
見あたらなかった(データは示していない)
2 - 5 - 3 考察
C U 2φのみでのDNAの切断パターン(図2- 20 、 レーン6 )とCu2+-1 系での切断パターン (レーン4、 5 )は全く異なっていた。 後者には、
明らか にバンドパターンに波淡が存在し、 特定部位での切断の増強 が示唆される。 しかしな がら、 スーパーコイルDNAの系(2 - 4 )
で示したのと同様に、 1の波j支を上げると切断は抑制された。 即ち、
カチオン性の1の結合 により、 DNAのトータル の負電荷が減少しカ チオン程がDNAに近づきにくくなったのであろう。 このことは、 適 当なカチオンの存在は、 DNAと1の形成する擬環状複合体を安定化
し、 そ の生成を促進するという初めの仮定に相反す るものであ る。
C U 2.のイオン半径は、 Mg2+と非常に近いが、 CU 2+は “かたい" 金属
イオンではないのでポリエチレングリコール鎖や、 DNAのリン酸と のとの強い結合は期待され ない。 これら2つの金属の錯体化学は全 く異なっており、 1の金属共存下でのDNAへの結合を明確にするに
はさらに4会討-が必要である。
図2-20でのCU 2令、 Cu2+-1により切断されたフラグメントの泳動バ ンド は3127日-に明lB:fで 、 しか もそのバ ンド間隔、 位置はMaxam
Gilbert反応のそれと全く一致していた。 さらにDNaseIフ ットプリ ンティ ングのバンドと比較すると半塩基分遅れていた。 これら のこ
とは、 Cu2.+" CU2φ-1系のDNA切断は、 切断箇所の3'末端にリン酸を
残していることを示している。 区I 2 - 2 1にはMaxam-Gilbert反応、
D N a se 1処理後の切断箇所の末端の分子構造を示している。
o CH') 0
5・一一一O-P-OH
。 21tr。
ミケ�N己
0-HO-PニO
0-3' Maxam・Gilbert G反応
O HO-P=O
0-一一3'
DNase由些理
区12・21 Maxam-GiJbert反応(G反応)とDNぉeI処理後のDNAの切断箇所の分子
構造 Maxam-Gilbert反応では塩基のメチル化の後ピペリジンを反応させている.
図2 -2 2にCu2+-1の切断部位と結合音fS位の相関を示す。 両者はかな りの良好な一致を示し 、 本研究開始当初の仮定である CU 2+と1の協 同刃J呆がでていると言っても よ いだろう。 すなわち、 CU 2+ は1 と DNAの形成する擬環状エーテル中に入り、 1とDNAの両方に同時に 結合 し、 ルイス酸触媒として DNAのリン酸ジエステル結 合の加水分
角�f-を助けていると考えることができ る(図2- 1 )。 し か しながら表 子1に示した1の結令定数に与える金属の効来、 図2 -2 0に示した1高 波及:での切断抑制jなどを説明することはできな い。
これ を受けて以下の2つの異なる 切断機栴を考えた。 一つめは、
2 - 4で も述べたとおり1がDNAに結合 する ことで誘起されるDNA のひずみによるものである。 1のビスインターカレーシ ョ ンにより
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図2-22 Cu2・1系でのDNA切断部位と1の結合部 位 1は 区12-20のレーン4 (1共存下) ,2は図2・20のレーン6 (1非 共存下)をデンシトメータでスキャンしたもの. 下の括 弧は7 "Jトプリンティング音!日立を示す.
一一"
3'
そこカ-\C U 2+による DNAへの局所的なひずみの誘起が余儀なくされ、
こ の機構では必ずしもCU 2+は DNA-1複合 加水分解を受け易くなる。
もし1カ-\DN Aのマイナ イ本の形成するを孔内に結合する必wはなく、
ーグルーブから結合していればCU 2+は逆のメジャーグルーブから作 ひずみのかかったジエステル結合は容易に加水分解される。
用し、
トータルの負電荷は減少し、
1の濃度が高すぎるとDNAの しかし
つC U 2・はたとえ1の裏側からであ っ てもDN Aに接近し難くなる。
C u +→Cu2++e-の反 今までの加水分解とは全く異なり、
めの機併は 、
りj三元されて生じた日性酸素松によるラジカル機初である。
応、によ
Aおl{のむきだしにな った部分を効率的に切 DNAの椛造プローブとして使用されて 断することが:知ら才しており、
ドロキシラジカルはD ヒ
いる62-64)。 やはりここ でも1のピスインターカレーシ ョ ンによって 生じたひずみが引金となって近似のリボース環がむきだしになり、
活性酸素程の攻撃を受け易くなる(図2- 1 7 )。 ここで は直接反応に 関与するのは拡散可能な化学砲であるので、 なおさらCU 2+はDNAに 結合する必要はないのであるが、 やはり1の濃度が高くな ると静電 反発のためCU 2+とDNAの平均距離は長くなり、 特に寿命の短いヒド ロキシラジカ ルなどはDNAまで到達できなくなってしまう。 Ba s i 1
らによると50)、 CU 2+によ るDNA (スーパーコイル型)の切断には、
かなりのラジカル杉長打与の関与があるということであるので、 この二 つ目の機構はかなり霊安なものと考えている。 さらに、 図2 -20の Cu2+-1系の切断はDNAバンドが明瞭で、 切断されたフラグメントは 全て一様に3'末端にリン酸を残してい ることがわかった。 実際、 切 断後のプラスミドDNAフラグメントにT4リガーゼ(3'-OH、 シーリ ン酸のみをつなぐことができる)を作用させたところ 、 全くライゲ ーシ ョ ン は起こら なかった(データは示していない) 。 もし非常に 単純 な加水分解であるならば、 5'恒IJと3'似IJにリン酸を残す確率はあ まり変わらないという報告もある50)。
この ように、 ラ ジカル反応説で以上の現象がかなり説明できるの である が、 反応系中には、 ヒドロキシラ ジカルを与え易い過酸化水 素や、 Cu2。の還元剤などを共存させていない のでヒドロキシラジカ
ルの効率的な発生は望めない。 さらに単純なリン酸エステルがCU 2+
でうりj半的に力11水分併されることは古くから多くの削究者によって硲 かめられており川 、 これがDNAのリ ン酸ジエス テルで起こっても
なんら不忠訟はない。 いず れにしてもCu2+-1系のDNA切断機構に満 足な説明を与えるには、 さらに詳細な検討を加える必要がある。
-49-2 - 6 結言
C U 2φとピスアタリジン1の協同的な作用によって温和な条件下、
DNAを切断することができた。 そしてその切断部位選択性は主とし て1のインターカレーシ ョ ン部位選択性に支配されており、 本研究
はDNAの切断においてCu 2φとインターカレータの協同作用を示した はじめての仔』である。
切断機構におい てはリン酸ジエステjレ結合の加水 分解が示唆され たが、 酸化還元反応によるラジカル過程のような他の機構も否定で きない。 リン酸エステルの加水分解は古くから数多く知られて いる が65)、 DNAに関する引先は忌近になるまでほとんど行なわれてい なかった。 本章で述べた手法が制限酵素のよう な選択性をもっDNA
切断試薬の設計において重要な指針となることを願うものである。