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10
0
1 2 3 4 5 6
pH-pNa
図5a. 無処理 粘土及び各溶解処理粘土の pH-pNa とCE Cとの関係 (試料N0 .4 ) 。 ム: 無処理粘土、 圃: シュウ酸ナトリウム処理粘土、
.: クエン酸ナトリウム処理粘土
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CEC (m e/l00g)30 • • • • •
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pH - pNa
図5 b. 無処理 粘土及び各溶解処理粘土の pH-pNa とC E Cとの関係
(試料N0.8 ) 。 ム: 無処理粘土、 田: シュウ酸ナトリウム処理粘土、
.: クエン酸ナトリウム処理粘土
-34-これを平衡溶液の pH - p N a の関数として図5a及び図5 bに示した。
こ こで、 pNa は平衡溶液のナトリウム濃度の逆数の常用対数である。
平衡溶液中の陽イオンとして水素イオンと一価陽イオン(M + )のみが 存在する場合、 CEC はpH - p N a によって一義的に決定されること が示 されている(Wada,1983)。
両試料に共通する特徴は、 すべての pH - pN a値において、 クエ ン酸ナトリウム処理後 CEC が増加していることで、 また、 中間種 割合が高くクエン酸ナトリウム処理でのアルミニウム溶解量が多い試 料No. 8の方で、 その増加割合が大きかった。 このことは、 クエン 酸ナトリウム処理で溶解したケイ素とアルミニウムを含む層間物質が、
パーミキュライト層閣の収縮を妨げると共に、 層聞におけるイオン交 換反応をも妨げていたことを意味する。 しかし、 この層間物質が、
パーミキユライトの層間部位に均一に分布していたのか、 層間の縁辺 部に環礁状に局在していたのか、 あるいはパーミキユライト層の外側 に形成されていたのかは、 判断できない。 一方、 無処理粘土とシユ ウ酸ナトリウム処理粘土とを比較すると、 試料N 0.8では、 両者の CEC に大きな差は認められなかった。 しかし、 試料No. 4の場合、
無処理粘土でみられた、 pH-pNa=4以上での変異荷電性がシュウ酸 ナトリウム処理試料では消失していて、 結果として、 この範囲では無 処理粘土の方がシュウ酸ナトリウム処理粘土よりもCECが大きかっ た。 シュウ酸ナトリウム処理(pH 3 .5、 4時間)で溶解した成分 の S i/ A 1モル比がo . 1以下で、 この処理によっては層聞が収縮し なかったこと(表2 )と合わせて考えると、 シュウ酸ナトリウム可溶
phu qペU
のアルミニウムは層間物質の一部ではなく、 1 4 Å中間種鉱物とは独 立して存在する、 シユウ酸ナトリウム可溶のアルミニウムを含む物質 あるいは1 4 Å中間種鉱物とは独立して存在していたヒドロキシアル ミニウムに由来するものと推測される。 シュウ酸ナトリウム処理
( pH 3 . 5、 4時間)可溶成分には、 その処理液の色から判断して鉄
も含まれていたと考えられることから(測定せず)、 このシユウ酸ナ トリウム可溶のアルミニウムを含む物質は変異荷電性を有し、 アルミ ニウム、 鉄及びケイ素のうち1つないし3つを含むもので、 この物質 がシユウ酸ナトリウム処理によって溶解除去されたことにより、 図
5 aでみられたような無処理粘土の変異荷電性が失われたと推定される。
また、 図5 a及び図5 bでクエン酸ナトリウム処理粘土の変異荷電性も 失われていることから、 クエン酸ナトリウム処理は層間物質と共にこ の物質も同時に溶解除去すると推定される。
2-3-4 赤外吸収スペクトル測定
図6 a 及び図6 bに、 中間種割合の低い試料N Q. 1 0と高い試料 N Q. 8の無処理粘土の赤外吸収スペクトルと、 示差法によって得た両 試料粘土のシユウ酸ナトリウム処理(pH 3 . 5、 4時間)及びクエン 酸ナトリウム処理(2 4時間)可溶成分の赤外吸収スペクトルを示し た。 石英はこれらの処理によっては溶解しないので、 示差法によっ て得た両処理可溶成分のスペクトルに8 0 0 cm - 1 と7 8 0 cm -1 の石 英由来の反射がないことは、 不溶成分に関して試料側と対照側のパラ
-36-試料N 0.1 0
シュウ酸ナトリウム可溶成分
クエン般ナトリウム可溶成分960
ハυ「『JVAUτ
nu Fhd Fhd
970 無処理粘土
1010
1 I I I I I I I I I l I
44 36 28 20 18 16 14 1 2 10 8 6 4
波数、 x 1 0 0 cm -1
図6 a. 無処理粘土の1 Rスペクトル及び示差法による各溶解処理可溶成 分の1 Rスペクトル(試料N o. 1 0 )。
月l町、υ
試料N 0.8
シュウ酸ナトリウム可溶成分
クエン酸ナトリウム可溶成分 970
無処理粘土
3450 3650
1010
「D寸JAU寸phd 「JFhd
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44 36 28 20 18 16 14 12 10 8 6 4
波数、 x 1 0 0 cm- 1
図6 b. 無処理粘土の1 Rスペクトル及び示差法による各溶解処理可溶成
分の1 Rスペクトル(試料N 0.8 )。
-38-ンスが良いこと、 即ち、 両処理操作中での不溶成分の機械的損失がわ ずかであったことを示す。 なお、 天然の14 Å中間種鉱物の層間物質
は、 400 Ocm-1"v8 0 Ocm-1 の領域に3 7 0 0 cm-I の吸収だけを 示すことが( BrydonとKodama,1966)、 また合成した14 Å中間種鉱物 は3 7 0 0 cm-1 の吸収に加えて、 3 5 7 0 cm-1あるいは3 480 cm-1に弱い吸収を示すことが報告されている( BrydonとK0 d am a , 19 66 ; Weismillerら,1967)。
シュウ酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウム可溶成分の赤外吸収 スペクトルは、 特に中間種割合の高いN 0.8のクエン酸ナトリウム可 溶成分の場合、 層状ケイ酸塩に類似した物質の溶解を示した。 この 赤外吸収スペクトルにおいて、 3 6 3 0 cm-1と3400�3450
cm-1 に極大を持つ吸収はO-H伸縮振動に、 9 7 0 "v 9 8 0 cm -1 と 4 3 0 cm -1 の吸収は Si- 0 変角振動に、 9 1 0 cm - 1 の吸収はAl -OH 変角振動に、 また 5 3 0 "v 5 5 0 cm -1 の吸収は Si-
0-A 1 (V 1 ) 変角振動にそれぞれ帰属されている( StubicanとRoy,
1961)。 しかし、 全体のスペクトルは、 既知の2八面体型層状ケイ 酸塩鉱物のどれとも一致しない。 また、 和田( 1986a,1986b)が報告 したカオリン鉱物及び2 : 1型鉱物類似のスペクトルとも一致しない。
今回得られた溶解成分の赤外吸収スペクトルの一つの特徴は、 2八面 体型層状ケイ酸塩粘土鉱物にみられる47 5 cm- I の吸収がないことで ある。 無処理粘土の赤外吸収スペクトルでみられるように、 2 : 1
型層状ケイ酸塩粘土鉱物の47 5 cm-1 の吸収は5 3 5 cm-1 の吸収よ りも強く、 4. 7 5 cm-I の吸収は Si-O-Si結合に帰属されている
円同dn‘υ
( StubicanとRoy,1961)。 したがってこの吸収がないことから、 層
間物質中のケイ素四面体は、 層状ケイ酸塩粘土鉱物でみられるような Si-O-Si結合を持たず、 単量体の形で存在していることが示唆さ
れるo
2-3-5 14Ã中間種鉱物の構造モデル
以上述べた結果から、 対馬In ceptisols中の1 4 Å中間種鉱物の 構造モデルの提案を試みた。 まず、 中間種割合とクエン酸ナトリウ
ム可溶アルミニウムとの相関関係から(図3 a)、 層間物質の主体がア ルミ二ウムであるごとがわかるが、 このときケイ素も共に溶解してい た。 クエン酸ナトリウム処理の時間を変えてアルミニウム、 ケイ素 の溶解と層間の収縮を調べた結果、 アルミニウムとケイ素は同一起源 であること、 従って、 ケイ素も層間物質由来であることが示唆された (図4a及び4b)。 さらに、 pH 3 .0、 2 4時間のシユウ酸ナトリ
ウム処理と短時間のクエン酸ナトリウム処理によるアルミニウム及び ケイ素の溶解と層間の収縮を調べた結果(表2 )、 層聞が収縮するた めには、 アルミニウムと同等にケイ素の溶解も必要なことがわかった。
層間物質の赤外吸収スペクトルを示差法によって測定したところ、 層 状ケイ酸塩鉱物様であるが、 Si-O-Si結合由来の吸収が弱いスペ クトルが得られた(図6 a及び6b)。 これらの観測結果から、 図7 に示した構造モデルを作業仮説として考えた。 このモデルは、 層間 の収縮に対してアルミニウムと同等にケイ素の溶解が不可欠であるこ
-40-八面体層 四面体層
. . . . . " . 層間ロ
四面体層 八面体層
重合ヒドロキシ A 1陽イオンに結合した S i四面体
重合ヒドロキシ Al陽イオン - 交換性陽イオン( A 1を含む)
図7 . 1 4 Å中間種鉱物の構造モデル
-41-と、 及び層間物質の赤外吸収スペクトルにおいて53 5 cm-1 の
Si-O-Al (VI)吸収帯は存在するが、 475cm-1 の Si- 0-S i吸収帯が存在しないことをよく説明する。 2 : 1型層から ケイ 素四面体が反転して、 隣接するヒドロキシアルミニウム層ヘ結合する という考えは、 新しいものではない。 Jackson(1963)、 Rich(1968) が述べ、 KarathanasisとHajek(1983)が模式化したように、 2 : 1型 層状ケイ酸塩粘土鉱物から1 : 1型層状ケイ酸塩粘土鉱物への変換を 説明する際に用いられている。 図7のモデルはその前提として、 パ ーミキユライトが1 4 Å中間種鉱物ヘ変換する際に、 2 : 1型ケイ酸 塩層の AI-O-Si結合が 切断されることを仮定しているo 本
研究で調べた土壌を含め、 1 4 Å中間種鉱物は酸性土壌中で よく生成 していることから、 H令 がAI-O-Si結合を攻撃するという機構 が推測されるが、 このような結合の切断、 ケイ素四面体の反転という ことが、 構造化学的に可能であるかどうかということは議論の残ると ころであり、 今後の課題であるo
図7のモデルは、 和田(1986a,1986b)が提案した “パーミキユラ イトーカオリン中間種鉱物" や “2:1-2:1中間種鉱物" とも異
なるものである。 今回調べた1 4 Å中間種鉱物の層間物質の構造が、
和田の提案した構造の “層間物質" と異なることは、 それらの赤外吸 収スペクトルに類似性がないことや、 和田が調べた1 4 Å中間種鉱物 では “層間物質" の Si/ A 1モル比が1 .0あるいは2.0と一定で あるのに対して、 本土壌中の1 4 Å中間種鉱物の場合には、 中間種割 合が大きい試料ほど Si/ A 1モル比が小さくなることから明らかで
-42
-ある。
一方、 通常の土壌溶液中では、 アルミニウムよりもむしろケイ素 の濃度の方が高いこと、 及びアルミニウム、 特に重合したヒドロキシ アルミニウムイオンはオルソケイ酸と脱水縮合して、 水溶性のヒドロ キシアルミノケイ酸陽イオンを生じること(WadaとWada,1980) が知ら れ ている。 層間物質が主にアルミニウムとケイ素から成ることと合 わせて考えると、 アルミニウムとケイ素が化合物、 即ちヒドロキシア ルミノケイ酸陽イオンとして層間部位に吸着 ・ 固定された可能性も考 えられる。 実際に、 井上ら(1986) と逸見ら(1987) は、 モンモリ ロナイトとヒドロキシアルミノケイ酸陽イオンを反応させることによ
って両者の複合体を合成している。 しかしながら、 それらの複合体 の底面間隔は天然の14 Å中間種鉱物の14.0'"'-'14.2Åよりも明 らかに大きい(15.8'"'-'19 .6Å) 。 図7でもわかるように、
2 : 1型層状ケイ酸塩鉱物の層聞にヒドロキシアルミニウムよりも大 きい化合物が入ると、 底面間隔は14 .2 Åよりも大きくなるのである。
このことと、 1 4 Å中間種鉱物の層間物質の赤外吸収スペクトル (図6 a 、 6 b)とヒドロキシアルミノケイ酸陽イオンの赤外吸収スペク
トル(WadaとWada,1980) に類似点、がみられないことから、 今回調べた 1 4 Å中間種鉱物の層間物質がヒドロキシアルミノケイ酸陽イオンで あるとは考え難い。
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