3. 文系学生への IoT システム教育の提案と実践
3.2. IoT プロトタイプの段階的構築によるアイディア創出方式と実証
3.2.4. IoT プロトタイピング教育手法の実践
(1) 本手法の適用
本研究では,我々は本手法の実施を,こども教育宝仙大学の授業にて行った.本学は,
幼稚園教諭,保育士を養成する幼児教育・保育系の学部で構成されており,その授業カリキ
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ュラムでは,児童心理学や教育学等の教育系授業が主体である.2014年下期の情報系の選 択科目である「暮らしの中のコンピュータ」という全15回の情報学の授業のうち,11回を IoTプロトタイピング教育に割当て,実施した.履修者総数は12名(1年,2年,4年)で あり,男4名女8名の構成であった.これを3つのグループに分け,グループごとに実習 を行った.
3.10 各段階でのプロトタイプ構築内容とアイディア創出
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学生に配布する手順書の実習手順は,授業での順番に合わせることで,学生が授業後に本 資料を見直すことにより,実習作業の復習ができるようにした.我々は特にブレッドボー ドによる回路の作成については,ブレッドボードのどの座標に,何を配線するかを,明確 に記載した.
(2) 本手法の実践
本手法基本構成は,3.2.3章で示したように,4つの段階的システム構築実習,および実 習後のアイディア創出と各段階で創出したアイディアを見直しブラッシュアップする最終 段階で構成した.
本教育手法による実習の状況と学生の特徴的所見を以下に述べる.各段階での実施内容 と実施結果とアイディア創出の関係を図3.10に示す.
段階的システム構築実習の「第1段階実習」では,図3.10(A)に示す通り,目的をIoTデ バイスの製作と動作確認とした.まずセンサとアクチュエータを配線し,回路を作成した.
配線位置を具体的に指定することで,ほとんどの学生が作業を完遂できた.動作の確認では,
学生はArduino上でプログラムを動作させ,センサが取得した値を確認することができた.
学生は,照度センサをハンカチ等で覆ったりすることで,取得した値が変化することに興味 を持った.
「第2段階実習」では図3.10(B)に記すように,学生にセンサデータをArduinoプログ ラムにより,IoTゲートウェイへの送信を行い,Processingプログラムにより受信したセン サデータをグラフ標示させた.学生は,結果が視認できることに感動し,また,照度センサ にハンカチをかぶせて暗くすることで,グラフに変化が起こることに興味を持った.
「第3段階実習」では,図3.10(C)に記すように,学生は,センサデータのクラウドへの 送信と確認を行った.まず,クラウド(Xively)の設定を行った.Xivelyのホームページに ログインし,設定を行ったが,表示が全て英語であったため,作業が進まなかった.次にク ラウドへのセンサデータの送信と確認を実施した.学生は,クラウドに登録したデータを PCや自分のスマートフォンで確認できたことに対して,感動している様子であった.
「第4段階実習」では,図3.10(D)に記すように,クラウドデータの値による,IoTデバ イス上のアクチュエータにフィードバックの確認を目的とした.具体的には,センサの値が 閾値を越えた場合,アクチュエータであるブザーやLEDが動作するプログラムの導入を実 施した.学生は,照度センサに布をかぶせた状態から,取り除くことにより,照度値が閾値 越えた際に,LEDが点灯し,ブザーが鳴動することについて,驚きの表情で実習に取り組 んでいた.
全ての構築作業の完了後に図3.10(E)に示すように,学生たちに,これまで創出したアイ ディアを 1 つ選ばせ,これまでの実習を通じて得た知識を用いてブラッシュアップし,発 表させ,議論した.ほとんどの学生が積極的に質問や意見を出し,議論を楽しんでいた.ま
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た質問や意見を聞くことにより,気付いた内容を,議論後に提出したアイディアに反映した 学生も多かった.