IHSI S53 (1978)
S55 (1980) SUS304
東海2 (1978)
無 IHSI
IHSI, CRC, HSW 外面バタリング CRC, HSW S60 (1985)
H1 (1989)
S62〜H10 (1988〜1998) H12 (2000)
SUS316 敦賀1
(1970)
無
有(4継手)
(注2)無 SHT, IHSI
IHSI IHSI S53 (1978)
S54 (1979) H12 (2000) SUS304
浜岡2 (1978)
ひび割れ発生有無 予防保全
(注1)実施時期 プラント名 材 料
(運開年)
(注1)SHT : Solution Heat Treatment 固溶化熱処理
IHSI : Induction Heating Stress Improvement 高周波誘導加熱応力改善法 CRC : Corrosion Resistant Cladding 内面肉盛工法
HSW : Heat Sink Welding 水冷溶接
(注2)第1回定期点検時(S54)にIHSIを実施した箇所に認められたことから、IHSIの有効性を確認することを
6(1)PWR 事業者によるひび割れ検出実績 及び予防保全対策状況
【健全性評価制度に基づく報告実績】
上記と類似事例
〃
〃 H18.1.6
伊方2号機
H17指示文書に おいて考慮 き裂を切除し
継続使用 原子炉容器入口管台内表面の微小き裂
H17.3.1 伊方1号機
備考 対応
対象部位 報告日
プラント名
【PWR事業者におけるPWSCC発生防止対策の現状】
クラッド:伊方1・2号 WJP:川内1号 内面クラッドによる一次冷却材溶接部の
材料の変更(690系へ)、
応力緩和(ウオータージェットピーニング[WJP])
原子炉容 器冷却材 出口管台
応力緩和( ウオータージェットピーニング[WJP]、 WJP レーザーピーニング[LP])
:美浜1・2・3号、高浜1・2号、大飯1・2号、玄海1号、
川内1 *2号
LP:伊方1・2*2号 *2:J溶接部についても実施済 原子炉容
器炉内計 装管台
(BMI)
高浜3・4号、大飯3・4号、泊1・2号、伊方3号、川内1・2号、
玄海3・4号、敦賀2号 頂部温度低減緩和
美浜1・2・3号、高浜1・2号、大飯1・2号、伊方1・2号、
玄海1・2・4*1号
*1:建設時より690系合金を使用 材料変更(600系Ni基合金から690系
Ni基合金)
原子炉容 器上蓋
適用プラント 予防保全措置
部位
6(2) PWSCC への取組状況
(JNESによる取組み)
①NiSCC事業(平成12〜17年度)
PWR一次系水質環境下におけるNi基合金母材及び溶接金属の定荷重SCC進展速度データを系統的に 取得した。SCC進展速度線図をまとめて、維持規格に反映中。
②NSC事業(平成17〜21年度)
SCC進展評価技術の高度化を図るため、溶接残留応力場の応力状態を考慮したK値制御条件下の SCC進展データ、低K値域及び塑性ひずみを受けた材質のSCC進展データの整備拡充を実施中。
評価手法の確立
(事業者の取組み)
原子炉容器上蓋管台母材部用の検査装置について、超音波探傷技術によるSCC深さサイジング性能、渦流 探傷検査技術によるSCC長さサイジング性能を確認試験を実施中。
(JNESによる取組み)
①Ni基合金溶接部の非破壊検査技術実証(平成14〜20年度)
Ni基合金溶接金属中のPWSCCに対する、検出性及びサイジング精度に関する非破壊検査データの 採取及び評価を実施中。
②容器貫通部狭隘部の非破壊検査技術実証(平成17〜20年度)
容器貫通部母材熱影響部のPWSCCに対する、検出性及びサイジング精度に関する非破壊検査デー タの採取及び評価を実施中。
検査性の向上
●定荷重試験により、600系Ni基合金および690系Ni基合金について、PWSCCの発生する応力レベルを明確 化のための研究開発を実施中。(脚注参照)
●600系Ni合金使用部位の応力、温度条件をもとにPWSCCが発生する可能性について評価を実施している。
なお、溶接部については、事故トラブル事例より、(a)表面仕上げ(バフ仕上げ)より表層部は圧縮応力と考 えられていたが、バフ仕上げが行われていない場合には比較的高い引張り残留応力が発生、(b)管台溶接部 は建設時の手直し溶接により、高い引張り残留応力が発生、との知見が得られている。
発生時間予測
事業者及びJNESによる取組み状況 項 目
(出典:「高浜発電所1号機 高経年化対策に関する報告書 別冊のうち容器の技術評価報告書」 関西電力原子力情報センター)
・600系Ni基合金母材(原子炉容器炉内計装管台の場合):約450MPa
・600系Ni基合金溶接金属:約300MPa
7(1) 健全性評価小委(平成16年6月)の課題への対応
SCCのように高経年化対策が必要な分野に対し ては、産官学の有機的な連携を図る技術情報調
実機での事例や海外の知見が反映でき るよう、国、事業者、メーカー間で広く知
⑤運転管理情報の 共有化
・PD制度の一環として、発電技検等のPD研修セ ンターが発足してUT技術の維持向上が図られて いる
・SUS材に関するPD制度が確立している
・検査員の教育や実務訓練の充実
・PD制度の確立
④検査員に対する 資質の向上とPD制 度の早期確立
・JNES事業「低炭素ステンレス鋼の非破壊検査 技術実証」にて実施中。フェーズドアレイUTによる深さ 測定精度の信頼性を確認中
・また、ECTによる長さ測定についても、H4溶接部 について、信号消失指示長さが精度も良く、過小 評価が少ないことを確認
・深いものも含めたひび割れ寸法の測 定データ蓄積
・新たな検査技術の開発(ECTのシュラ ウド欠陥検出への適用、電位差法によ る再循環系配管の欠陥深さ測定への適 用等)
・非破壊における残留応力測定技術の 開発・導入
③非破壊検査技術 の改良・開発
電気事業者による取組みとして、東北大、JAEA、
電中研の参画を得て、き裂進展メカニズムについ て検討中。発生に関しては事業者中心で研究推進 中。
・機械加工や溶接に伴う硬化層での応 力腐食割れ発生や進展のメカニズム
・溶接金属における応力腐食割れ進展 のフェライト量依存性 等
②SUS316L系材 の応力腐食割れ発 生・進展メカニズム の究明
JNES事業で、PLR配管とシュラウドを対象にした き裂進展試験実施中。
・H18年度:PLR配管進展データ取得完了予定
・H19年度:シュラウド進展データ取得完了予定
・溶接金属内のき裂進展速度データ
・母材硬化部の 〃
・照射を受けたシュラウド胴部の〃
・K値依存性、水質依存性等の考慮
①溶接金属内、母 材硬化部、照射材 等のき裂進展速度 データの拡充
対応状況 課題の概要
課題
7 健全性小委( H16.6 )において課題とされた事項への対応状況 (2) ① 表面硬化層での SCC 感受性上昇のメカニズム
¾ 実機事例調査:
− 原子炉再循環系(PLR)配管溶接ルート部近傍の内表面が硬化 (図1)
− 表面硬化層に粒内型応力腐食割れ(TGSCC)が発生
¾事業者を中心とした研究成果:
表面硬化層でのTGSCCの発生要因として、現状以下の知見が得られている。
− PLR配管開先加工で管内表面も研削 ⇒硬化域形成要因
− 表面加工材に応力を付与した場合、極表層部に高残留応力が存在 (図2)
− 表面引張残留応力が高い程、TGSCCが発生しやすい傾向 (図3)
図3 高温水中SCC試験結果に基づく表面 引張残留応力とTGSCC発生状況2)
図2 表面加工後応力付与した材料の残留応 力の深さ方向分布(溶体化材との比較) 2)
図1 実機PLR配管溶接部近傍の硬さ分布 1)
¾ 原子炉再循環系配管模擬供試体の溶接熱影響から加工した試 験片を用いてSCCき裂進展速度データを取得中。
¾ SCCき裂進展部近傍の硬さが高い場合、そのSCCき裂進展速 度の多くは、JSME維持規格線図(低炭素ステンレス鋼)より大き いが、鋭敏化SUS304鋼の線図を上回るものはない (図1)
⇒ 現在、構造物のき裂進展評価は、JSME維持規格線図(鋭敏化 SUS304鋼)を用いて実施。
⇒ その技術的根拠を明確にするため、低炭素ステンレス鋼のSCC 進展メカニズム検討を実施中。
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20
120 140 160 180 200 220 240 260
ビッカース硬さ, HV0.1 SCC進展速度 (×10-11 ), m/s
直管(F)
直管ティー(T)
エルボ(E) 直管(TP)
Type316L*1)
熱処理材
(620℃×24h)
試験K値範囲:
20〜25 MPa√m
*2)
: 硬さ測定点 深さ0.4mm き裂進展方向
0.2mmピッチ 1.E-09
1.E-08 1.E-07 1.E-06 1.E-05
1 10 100
応力拡大係数 K (MPa√m)
SCC進展速度 (m/s)
JSME維持規格 (低炭素ステンレス鋼) (ECP≧150 mVSHE)
08
12 11 10
09 JSME維持規格(鋭敏化SUS304)
(ECP≧150 mVSHE) 288℃、
ECP≧150mVSHE
HAZデータ(CT&3PB) □ 狭開先(2B)HAZ(HV≧200) ■ 狭開先(2B)HAZ(HV<200) △ 通常開先TIG(1B,2A)HAZ(HV≧200) ▲ 通常開先TIG(1B,2A)HAZ(HV<200) ◇ 通常開先TIG+SMAW(1A)HAZ(HV≧200) 注1)F,TP,T,Eを含む。
注2)3点曲げを含む。 □ 狭開先HAZ(HV≧200)
■ 狭開先HAZ(HV<200)
△ 通常開先TIGHAZ(HV≧200)
▲ 通常開先TIGHAZ(HV<200)
◇ 通常開先TIG+SMAWHAZ(HV≧200)
図1 低炭素ステンレス鋼配管溶接熱影響部のSCCき裂進展速度と 維持規格線図の比較
200 µm
EBSP:Electron Back Scattering Pattern
図3 EBSP法によるき裂周囲の
結晶粒のmisorientation測定例 図5 き裂先端の原子間力顕微鏡観察結果例 図4 SCCき裂近傍の塑性ひずみ
分布例
7(2) ② 低炭素ステンレス鋼の SCC き裂進展メカニズム
JNESにおける安全研究
7(2) ③ 低炭素ステンレス鋼の SCC き裂進展メカニズム(つづき)
¾事業者を中心とした研究成果例:
− 冷間加工により粒界すべり感受性上昇を示唆(20%と30%、HV236とHV319の間)
− 結晶粒界でき裂の進展促進を示唆
⇒ 冷間加工率の増加により結晶粒界が滑りやすくなる
材料:SUS316L (受領まま、冷間加工20%、30%、40%、60%)
試験方法:定ひずみ速度引張試験
7(2) ④ 低炭素ステンレス鋼溶接金属の SCC き裂進展
JNESにおける安全研究
1.E-12 1.E-11 1.E-10 1.E-09 1.E-08
1 10 100
応力拡大係数 K (MPa√m)
S C C 進 展速度 (m / s) HAZデータ
溶接金属データ
溶接金属破面観察結果例
¾ 溶接金属のSCCき裂進展速度は、溶接熱影響部に比べ遅い
¾溶接金属のSCC進展経路は柱状晶境界
¾ 溶接部のSCCき裂進展機構について検討中
図 低炭素ステンレス鋼熱影響部(HAZ)
JSME維持規格
(低炭素ステンレス鋼)
(ECP≧150mVSHE) JSME維持規格
(鋭敏化SUS304)
(ECP≧150mVSHE)
8 知見のとりまとめ (1)
1.事業者によるひび割れに関する検出実績に基づく知見(平成14年〜平成18年4月)
(1)BWR炉心シュラウド
①検査対象となる22プラントのうち、16プラントよりひび割れが検出された。
②ひび割れはH4、H7に多く発生しているが、いずれも健全性評価小委で分類した、胴部溶接線近傍・
リング部溶接線近傍に発生するひび割れ、に分類されるものであった。
③なお、照射量が高いH4については、内外面を比較すると内面が比較的深いひび割れであった。
④実運転年数との関係では、検出までの年数であるが、実運転年数8年程度以降にひび割れが検出 されていることが確認された。
⑤ピーニングによる発生防止効果については、ひび割れ切除部位の8プラント継続検査により、短期間
(1.2年)のデータであるが、その有効性が確認されている。ピーニング等を施した12プラントの今後の 信頼性確認が望ましい。
⑥なお、福島第二2号機で溶接線から離れた位置でのひび割れが検出されたが、これは福島第二2号機 において研磨ディスクによる表面加工を行ったことによる固有の事象であることを確認している。
⑦ひび割れ進展量については、9箇所で、ひび割れ進展のないものから最大1.39mm/年であった。
⑧ひび割れ進展実績とその予測値の比は、最大0.54、平均で0.16で、保守的な評価であることが確認 された。