F : 光学系Fナンバー d : 検出器画素サイズ
上記パラメータより、光学系分解能が観測波長の回折で決定するレーリー関係式より光学 センサが達成可能なGSDについて以下の(1)式が成立する。
(1)
光学系の焦点距離fは幾何学的配置より以下の(2)式が成立する。
(2)
以上の(1)、(2)式より、レーリー関係式より求まるGSDを得るために必要な光学系Fナ ンバーが以下の式で求まる。
D
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(3)
以上の 3 式を元に赤外センサの検討を行う。
(1)軌道高度とGSDの関係
実現可能なGSDの傾向を把握するため、軌道高度と赤外センサ地上分解能(GSD)
の関係を図 3.2.3-1 に示す。実現可能な GSD は(2)式のレーリー分解能で定義するとし、ま た、望遠鏡開口サイズをφ30cm以下、また熱赤外域観測より波長 10μm で検討した。
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
100 300 500 700
軌道高度[km]
GSD[m]
Φ10cm Φ15cm Φ20cm Φ25cm Φ30cm レーリーの分解能
図 3.2.3-1 軌道高度と実現可能なGSDの関係(観測波長 10μm)
図 3.2.3-1 より、望遠高開口サイズを大型化し軌道高度を下げれば赤外センサ地上分解 能(GSD)は向上する。
(2)軌道高度と対地速度の関係
図 3.2.3-1 に示した軌道高度とGSDの関係は赤外センサ単体での光学性能であり、
赤外センサが静止した被写体を観測する場合は図 3.2.3-1 のGSDとなるが、衛星観測で
λ
= ×
≤ 1 . 22 d D
F f
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は対地速度により被写体(地表面)が常に移動するため、検出器1画素積算時間での衛星 移動量が図 3.2.3-1 の赤外センサで実現可能な GSD 以上になると赤外センサの光学性能を 活かせなくなるので対地速度の影響を考慮する必要がある。また、対地速度は軌道高度に より変化し、この傾向を図 3.2.3-2 に示す。
0.9 0.95 1 1.05 1.1 1.15 1.2
100 200 300 400 500 600 700 800 軌道高度[km]
規格化対地速度
軌道高度700kmの対地速度で規格化
(軌道高度 700kmの対地速度 6.76[km/sec]で規格化)
図 3.2.3-2 軌道高度と対地速度の関係
図 3.2.3-2 より、軌道高度 100kmでの対地速度は 700km場合の約 1.15 倍で、軌道高 度変化の影響は極端に大きくないが、以下ではこの影響も考慮し赤外センサの検討を行っ た。
(3)軌道高度と検出器積算時間の関係
上記の結果を踏まえ、プッシュブルーム撮像時に衛星がGSD(像面では検出器 1 画素 サイズ)を通過する時間を検出器 1 画素当りの最大積算時間とした場合、軌道高度と 1 画 素当りの最大積算時間の関係は図 3.2.3-3 となる。
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0.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00 18.00 20.00
0 200 400 600 800 1000
軌道高度[km]
1画素当りの最大積分時間[ms]
Φ10cm Φ15cm Φ20cm Φ25cm Φ30cm
非冷却センサの熱時定数
量子型センサの積算時間
図 3.2.3-3 軌道高度と検出器 1 画素最大積算時間の関係
検出器に量子型を使用した場合、1 画素の標準的な積算時間は 1[ms]以下で、軌道高度 を 100km付近まで下げても図 3.2.3-3 より 1 画素当りの最大積算時間を下回っており赤外 センサ分解能を活かす事が可能である。一方、非冷却(熱型)検出器を採用した場合、図 3.2.3-3 より 1 画素当りの最大積算時間は非冷却検出器の熱時定数以下となり実用に耐え うる観測画像の取得は厳しいと考えられる。したがって、赤外センサに非冷却検出器を採 用した場合、非冷却検出器時定数に達する積算時間を確保する必要があるが、非冷却検出 器では現在のところTDI方式の採用は難しく、衛星ポインティング機能を利用した撮像方 式により積算時間を延ばす必要がある。
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(4)衛星搭載用光学センサでの撮像方式
(3)項より衛星ポインティング機能を利用した撮像方式を検討した。衛星搭載用光学 センサにおける撮像方式は大きく分けて図 3.2.3-4 に示す3つに分類される38)。
図 3.2.3-4 衛星搭載用光学センサにおける撮像方式
(画像出展:ftp://ftp.geo.unizh.ch/pub/rsl2/paper/1997/SPIE3221_97_nieke.pdf)
非冷却赤外センサ素子はエリア型が多く、本検討での撮像方式はステアリング(staring) 型を採用した。
(1)whicskbroom (2)pushbroom (3)staring
アロングトラック
クロストラック (1)whicskbroom (2)pushbroom (3)staring アロングトラック
クロストラック
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ステアリング撮像についてプッシュブルーム(pushbroom)撮像との違いを図 3.2.3-5 に 示す。
図 3.2.3-5 ステアリング撮像とプッシュブルーム撮像との違い
図 3.2.3-5 より、同一のGSDを撮像する場合、ステアリング撮像では1画素積算時 間はプッシュブルーム撮像の数倍に延ばすことが可能で、3.2.3.3 項で述べた非冷却素子 採用において問題となる非冷却検出器時定数に達する積算時間の確保が実現できる可能性 がある。
本検討ではステアリング 1 画素積算時間 ts を「ステアリング×n」と表記し、プッ シュブルーム撮像時の1画素積算時間のn倍(n整数)で定義し、その関係を以下の(4)
式に示す。
ステアリング×n ≡ tS = tP×n (4)
次に、ステアリング撮像を検出器積算時間の確保ではなく、地上分解能向上に割り当て るケースを説明する。
図 3.2.3-5 における、プッシュブルーム撮像での光学センサ視線対地速度VPは以下の(5)
(プッシュブルーム)
光学センサの視線が常に衛星直下を向き、
積算時間はGSDと対地速度により制限される。
(ステアリング)
衛星ピッチ角を制御する事でプッシュブルー ム型に比べ光学センサ視線の対地速度を抑制 する事が可能。
同一のGSD