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医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の規定に基づき承認申請書に 添付すべき資料(CTD 5.3.5.2.6)に対してGCP実地調査を実施した。その結果、全体としては治験が GCP に従って行われていたと認められたことから、提出された承認申請資料に基づいて審査を行うこ とについて支障はないものと機構は判断した。なお、試験全体の評価には大きな影響を与えないもの の、治験依頼者において以下の事項が認められたため、申請者(治験依頼者)に改善すべき事項として 通知した。

〈改善すべき事項〉

治験依頼者

• 重篤で予測できない副作用等の情報のうち一部が、治験責任医師及び実施医療機関の長に適切に 通知されていない

9. 審査報告(1)作成時における総合評価

提出された資料から、本品目のビタミンK拮抗薬投与中の患者における、急性重篤出血時、又は重大 な出血が予想される緊急を要する手術・処置の施行時の出血傾向の抑制に対する有効性は期待され、認 められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考える。本品目は、ビタミンK拮抗薬投与中の 患者における急性重篤出血時、又は重大な出血が予想される緊急を要する手術・処置の施行時の治療選 択肢の一つとして、臨床的意義があると考える。

専門協議での検討を踏まえて特に問題がないと判断できる場合には、本品目を承認して差し支えない と考える。

以上

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審査報告(2)

平成29年2月13日

申請品目

[販 売 名] ケイセントラ静注用500、同静注用1000

[一 般 名] 乾燥濃縮人プロトロンビン複合体

[申 請 者] CSLベーリング株式会社

[申請年月日] 平成28年8月25日

1. 審査内容

専門協議及びその後の医薬品医療機器総合機構(以下、「機構」)における審査の概略は、以下のと おりである。なお、本専門協議の専門委員は、本品目についての専門委員からの申し出等に基づき、「医 薬品医療機器総合機構における専門協議等の実施に関する達」(平成20年12月25日付け 20達第8 号)の規定により、指名した。

専門協議では、審査報告(1)に記載した論点(「7.R.2有効性について」、「7.R.3安全性について」、

「7.R.4臨床的位置づけについて」、「7.R.5 効能・効果及び投与対象について」)に関する機構の判断 は専門委員から支持された。

1.1 用法・用量について

審査報告(1)に示した機構の判断は専門委員から支持された。また、以下のような意見が出された。

・ 本薬の投与により十分な効果が得られない場合の対応が不明確である。

・ 本薬が安易に追加投与されないよう適切な注意喚起を行う必要がある。

・ 臨床試験ではビタミン K 製剤が併用投与されていたことから、ビタミン K 製剤の併用について適 切な注意喚起を行う必要がある。

以上の専門委員からの意見等を踏まえ、機構は、用法・用量等の記載を以下のように整備するよう申 請者に求め、申請者は適切に対応した。また、添付文書において、本薬の投与により十分な効果が得ら れない場合には、患者の状態に応じ、他の適切な治療を行うよう注意喚起することに加え、以下につい て情報提供するよう申請者に求め、申請者は適切に対応した。

・ 本薬の追加投与に対する有効性及び安全性は検討されていないこと。

・ 本薬の追加投与後に血栓塞栓性事象を発現し、死亡した症例が報告されていること。

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【用法・用量】

通常、血液凝固第IX因子として、下記の投与量を単回静脈内投与する。

投与前のプロトロンビン時間

−国際標準比(PT-INR)

投与量

体重100 kg以下の場合 体重100 kgを超える場合

2 ~ <4 25 IU/kg 2500 IU 4 ~ 6 35 IU/kg 3500 IU

>6 50 IU/kg 5000 IU

<用法・用量に関連する使用上の注意>

本剤の投与を受ける患者には、ビタミンK製剤の併用を考慮すること。

1.2 医薬品リスク管理計画(案)について

審査報告(1)の「7.R.7 製造販売後の検討事項について」の項に示した機構の判断は専門委員から 支持された。また、以下のような意見が出された。

・ 本薬は様々な背景の患者に対して、様々な状況下で使用されることが想定される。したがって、本 邦の医療実態下において、患者の背景情報(原疾患、出血/手術・処置の種類等)、併用薬(ビタ ミン K 製剤等)、抗凝固薬の投与再開に関する情報等も含め、詳細に情報を収集する必要がある。

・ 小児に対する投与経験は極めて限られていることから、製造販売後に情報を収集する必要がある。

機構は、以上の点について製造販売後調査で対応するよう申請者に求め、申請者は了解した。

機構は、現時点における本薬の医薬品リスク管理計画(案)について、表1に示す安全性検討事項 及び有効性に関する検討事項を設定すること、表2に示す追加の医薬品安全性監視活動及びリスク最 小化活動を実施することが適切と判断した。

1 医薬品リスク管理計画(案)における安全性検討事項及び有効性に関する検討事項 安全性検討事項

重要な特定されたリスク 重要な潜在的リスク 重要な不足情報

・ショック、アナフィラキシー

・血栓塞栓症

原材料に由来する感染症伝播 小児における安全性

有効性に関する検討事項 使用実態下における有効性

2 医薬品リスク管理計画(案)における追加の医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動の概要 追加の医薬品安全性監視活動 追加のリスク最小化活動

・市販直後調査

・使用成績調査(全例調査)

・市販直後調査

3 使用成績調査計画の骨子(案)

目 的 使用実態下における安全性等の検討 調査方法 全例調査方式

対象患者 本薬が投与された全症例 観察期間 4週間

予定症例数 評価例数として900

主な調査項目 患者背景、使用理由、併用治療、臨床検査値(PT-INR等)、有害事象、有効性

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