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Factorization Property

ドキュメント内 数学メモアール 第4巻, (2004) (ページ 99-108)

第 7 章 Factorization Property と真空の空間 の次元

7.2 Factorization Property

である.

さて各点でのLaurent級数展開によってLie代数としての埋め込み gπD,A)(OC˜D,A(∗SA¯+∗[0A])) M

a∈A¯

g⊗ OD((ξa))g⊗ OD((zA))⊕ ODc gπD,B)(OC˜D,B(∗SB¯+∗[∞B])) M

b∈B¯

g⊗ OD((ξa))g⊗ OD((z−1B ))⊕ ODc

を考えて,その像をそれぞれbgoutD,A,bgoutD,Bとおく. そこでbgoutD,A,bgoutD,BHD(JA¯, j),HD(j, JB¯)への作用 の coinvariantの空間を

VD,A(JA¯, j) = HD(JA¯, j)/bgoutD,A(HD(JA¯, j)) VD,B(j, JB¯) = HD(j, JB¯)/bgoutD,B(HD(j, JB¯))

と定義してVD(JC)とは異なる余真空の層VD,A(JA¯, j),VD,B(j, JB¯)を構成する. このとき ι:HD(JC) −→ M

j∈Pl

VD,A(JA¯, j)⊗ VD,B(j, JB¯) (7.7)

|u⊗vi 7→ X

j

|u⊗ωj⊗vi と言う写像を定義する. ただし,上でωj

ωj=X

i

u0,i⊗ui0∈Vj⊗Vj⊂ Hj⊗ Hj

とし, ここで{u0,i}Vjの基底であり© ui0ª

はその不変内積(p. 45)に関する双対基底とする. 次の補 題の証明は,後の補題7.14と同様である.

補題 7.4. 任意のX∈gに対して

0A(X) +ρB(X))ωj = 0

命題 7.5. (7.7)の写像ιは余真空の層からの写像

ι:VD(JC)−→M

j∈Pl

VD,A(JA¯, j)⊗ VD,B(j, JB¯) を誘導する.

証明. ι(bgoutD HD(JC)) = 0 を示せばよい. u ∈ HD(JA¯), v ∈ HD(JB¯), X ⊗f bgoutD とする. f は 0A=Bで正則であり,f(0A) =f(∞B)である. よって補題7.4より

0A(X⊗f) +ρB(X⊗f))ωj = f(0A) (ρ0A(X) +ρB(X))ωj

= 0 であるので,これを用いて

ι(X⊗f|u⊗vi) = ιµX

a∈A¯

a(X⊗f)u⊗vi+X

b∈B¯

|u⊗ρb(X⊗f)vi

= X

a∈A¯

X

j∈Pl

a(X⊗f)u⊗ωj⊗vi+X

b∈B¯

X

j∈Pl

|u⊗ωj⊗ρb(X⊗f)vi

= X

a∈A∪B

X

j∈Pl

ρa(X⊗f)|u⊗ωj⊗vi

= (X⊗f)X

j∈Pl

|u⊗ωj⊗vi

= 0 を得る.

命題 7.5で定義された写像が同型になることを示すのがここでの目的である. 定理の証明のために チャージ付きの余真空の空間と呼ばれるベクトル空間を導入する. H0(P1A,OP1

A(∗wA¯[0A]))はP1A上 の有理函数で0A に零点を持ち,wA¯にのみ極を持つもの全体とする. Lie代数としての埋め込み

g⊗H0(P1A,OP1

A(∗wA¯[0A])),→M

a∈A¯

gC((ξa))Cc

の像をbgoutwA,0とし,表現空間H(JA¯)上のbgoutwA,0の作用に対するcoinvariantの空間 VwA,0(JA) =H(JA¯)/bgoutwA,0H(JA¯)

をチャージ付きの余真空の空間と呼ぶ. また同様に g⊗H0(P1B,OP1

B(∗wB¯[∞B])),→M

b∈B¯

gC((ξb))Cc の像をbgoutwB,0とし,表現空間H(JB¯)上のbgoutwB,0の作用のcoinvariantの空間

H(JB¯)/bgoutwB,0H(JB¯)も考える. すると真空の伝播(定理5.2)に類似した命題が成立する. そのためにも うひとつ補題を用意しておこう. 補題の証明にはWedderburnの定理を用いる.

補題7.6 (Wedderburnの定理の系). 代数閉体K上の1を持つ有限次元半単純結合代数Aの既約表 現の同型類の完全代表系をVi 'Kni (i= 1, . . .,h)とするとき,K上の代数の同型

A ' HomK(V1, V1)× · · · ×HomK(Vh, Vh) ' Mn1(K)× · · · ×Mnh(K)

が存在する. ここでMni(K)はK上のni次の全行列環である.

補題の証明は[山崎]定理7.30 (p.505)や[寺田原田]定理2.36 (p.159)などを参照せよ.

一般に結合代数A1,A2の直積A1×A2の既約表現はA2が自明に作用するA1の既約表現またはA1

の自明に作用するA2の既約表現に同型になる. よって補題7.6の結論の形の結合代数Aの既約表現は Vi =Kni(i= 1,. . .,h)のどれかに同型である. ただしKni にはMn1(K)× · · · ×Mnh(K)の第i成分 が縦ベクトルの空間とみなされたKniに自然に作用し,他の成分は自明に作用するものとする.

補題7.7. U(g)の両側イデアルI

I={x∈U(g)|xVj= 0 (0≤j ≤l/2)}

とする. このとき,結合代数としての同型

U(g)/I ' M

j∈Pl

HomC(Vj, Vj)

' M

j∈Pl

Vj⊗Vj が存在する.

証明. この証明は[Li]によるものである. まずA =

def U(g)/Iが有限次元の代数である事に注意しよう. なぜならば, U(g)の表現ϕ : U(g) L

j∈PlHomC(Vj, Vj)から(ϕ(I) = 0なので)Aの表現A→L

j∈PlHomC(Vj, Vj)が誘導されるが, Iの 定義よりこの表現は忠実である. 一方,L

j∈PlVjは有限次元表現なので,Aは有限次元代数である. 従っ て補題7.6よりAが半単純結合代数であることと,Aの既約表現がVj(j∈Pl)であることを示せば求め る同型を得る.

まず,M を0でない任意のA加群とするとき, MはあるVj (j ∈Pl)を含むことを示す. r∈Z≥0ErM 6= 0, Er+1M = 0となるようにとる. El+1∈IゆえEl+1M = 0,従ってr≤lである. r= 0のと き,HM = [E, F]M = 0,F M = 1/2 [F, H]M = 0よりMV0を含む. 一方,r6= 0とすると

£Er+1, F¤

= (r+ 1)(H−r)Er

ゆえ,任意のu∈ErMEu= 0かつHu=ruである. 従ってuから生成されるMの部分加群はVr/2

に同型である. 特にMが既約ならば,MVj (j∈Pl)のいずれかに同型である.

Aが半単純であることを示すには, 任意のA加群M が完全可約であることを示せばいい. M0MVj (j ∈Pl)と同型な全ての部分加群の和とする. M =M0を示せばいい. そうでないと仮定すると, 上で証明した事を商加群M/M0 6= 0に適用すれば,M の部分加群WW/M0があるVj (j ∈Pl)に同 型なものが存在する. W/M0, M0上ではE,F の作用は巾零であるので,W 上でE, Fの作用は巾零で ある. 従ってW はg加群として可積分なので, ある既約部分加群M00が存在してW =M0⊕M00とな る. ところでW/M0はあるVj (j∈Pl)と同型であったから,

M00'W/M0'Vj

となり, これはM0の定義に反する. 従ってM は完全可約である. 従って補題7.6より求める同型を得る.

この補題はイデアルIをイデアルhEl+1iで置き換えてもそのまま成立し, 結果としてI=hEl+1iが 示せる. 実際[Li], Prop. 5.1.1ではhEl+1iの場合に同じ証明で補題を証明している.

命題 7.8. 次のベクトル空間の同型が存在する:

H(JA¯)/bgoutwA,0H(JA¯) ' M

j∈Pl

VwA(JA¯, j)⊗Vj (7.8) H(JB¯)/bgoutwB,0H(JB¯) ' M

j∈Pl

Vj⊗ VwB(j, JB¯) (7.9)

ただし,ここでVwA(JA¯, j),VwB(j, JB¯)はVD,A(JA¯, j),VD,B(j, JB¯)のx= (0, wA, wB)∈Dでの特殊化 VwA(JA¯, j) =VD,A(JA¯, j)⊗ODCx

=H(JA¯)⊗ Hj/bgoutwA(H(JA¯)⊗ Hj) VwB(j, JB¯) =VD,B(j, JB¯)ODCx

=Hj⊗ H(JB¯)/bgoutwB(Hj⊗ H(JB¯)) である.

証明. 証明の基本的な部分は定理5.2と同様である. Step 1. まず

A1 = bgoutwA A2 = M

a∈A¯

gC((ξa))g⊗zAC[[zA]]Cc V = H(JA¯)C·1

として補題3.4を用いる. ただし,A2V 上の作用ではg⊗zAC[[zA]]はC·1に自明に作用するものと

する. すると

A1A2 = bgoutwA,0 A1+A2 = M

a∈A¯

gC((ξa))gC((zA))Cc V˜ = H(JA¯)⊗U

U =

def U(bgf0)/(U(bgf0)bgf>0+U(bgf0)(c−l)) である. ただし上で

b gf0

b gf,bgf¤

=gC[zA, zA−1]Ccbgf とする. 補題3.4よりベクトル空間の同型

VwA,0(JA)' H(JA¯)⊗U /bgoutwA(H(JA¯)⊗U) (7.10) を得る. またU

U(bgf0)'U(bgf<0)⊗U(g)C[c]⊗U(bgf>0) を用いてベクトル空間として

U 'U(bgf<0)⊗U(g) となる.

Step 2. H(JA¯)上にはgがX gと|ui ∈ H(JA¯)に対して X|ui=X

a∈A¯

ρa(X)|ui (7.11)

で作用しているが, £

g,bgoutwA,0¤

bgoutwA,0ゆえVwA,0(JA)上にgの作用が誘導される. このときg加群とし ての既約分解が

H(JA¯)/bgoutwA,0H(JA¯) = M

j∈Pl

Vj⊕nj (njZ≥0) (7.12)

となることを示す.

まず,VwA,0(JA)が有限次元であることを定理3.6と同様の証明で示す. A = bgA¯

A1 = bgoutwA,0=g⊗H0(P1A,OP1

A(∗wA¯[0A])) A2 = M

a∈A¯

gC[[ξa]]Cc V = V(JA¯)

として補題3.4を適用する. するとA=A1+A2, A1A2= 0であるので,補題3.4よりベクトル空間 の同型V(JA¯)' M(JA¯)/bgoutwA,0M(JA¯)を得る. 従って M(JA¯)/bgoutwA,0M(JA¯)は有限次元である. 一方, VwA,0(JA)は M(JA¯)/bgoutwA,0M(JA¯)の商ベクトル空間なのでVwA,0(JA)も有限次元である.

よってVwA,0(JA)はgの有限次元表現なので VwA,0(JA) = M

j∈1 2Z≥0

Vj⊕nj (7.13)

と直和分解できる. j 6∈Plのときnj = 0を示せばいい. そこでVwA,0(JA) = Hom(VwA,0(JA),C)とお こう. つまり,

VwA,0(JA) =

½

hΦ| ∈ H(JA¯)

¯¯

¯¯hΦ|X

a∈A¯

ρa(X⊗f) = 0 (∀X⊗f bgoutwA,0)

¾

である. H(JA¯)にはbgfの右表現が定義される. つまりX(n)bgfhΦ| ∈ H(JA¯),|ui ∈ H(JA¯)に対 して

(hΦ|X(n))|ui=X

a∈A¯

hΦ|ρa(X⊗z−n)|ui

とする. この表現においてn <0のときX⊗z−nbgoutwA,0なのでhΦ| ∈ VwA,0(JA)ならばhΦ|X(n) = 0 であり, またn = 0のとき(7.11)で定義したgの表現の双対表現に一致する. 従ってVbwA,0(JA)を VwA,0(JA)から生成されるH(JA¯)の右bgf 部分加群

VbwA,0(JA) =VwA,0(JA)U(bgf) = X

hΦ|∈VwA, 0(JA)

hΦ|U(bgf)

と定義すると

VbwA,0(JA) =VwA,0(JA)U(bgf>0) (7.14) となる. (7.14)よりVbwA,0(JA)の双対表現を考えればそれはcategoryOに含まれる.

さらにVbwA,0(JA)はbgfの可積分表現の双対表現になることを示そう. 任意のa∈A¯に対してHjaが 可積分表現なので,任意のu∈ H(JA¯)に対してnを十分大きくとると

ρa(E⊗z)k|ui= 0 µ

k > n

|A|¯

が成立する. 従って任意のhΦ| ∈VbwA,0(JA)に対して (hΦ|E(−1)n)|ui = (−1)n X

P

ana=n

Qn!

ana!hΦ|Y

a∈A¯

ρa(E⊗z)na|ui

= 0

となる. よってVbwA,0(JA)はbgf の可積分表現である. 従って事実2.34,事実2.48よりVbwA,0(JA)は

VbwA,0(JA) =M

j∈Pl

(Hj)⊕n0j

と直和分解できる. 一方(7.13)より

VwA,0(JA) = M

j∈1 2Z≥0

(Vj)⊕nj

であり, (7.14)より上で全てのjに対してn0j =njが成り立つ. つまりj6∈Plなるjに対してnj= 0で ある.

Step 3. Step 2のgの表現(7.11)はStep 1の同型(7.10)を用いれば H(JA¯)⊗U /bgoutwA(H(JA¯)⊗U)上でX gとu∈ H(JA¯),x∈U に対して

X(u⊗x) =u⊗xS(X) (7.15)

と作用する. ここでS は(2.20)で定義したU(g)の反同型写像である. 実際, x= X1(n1)· · ·Xk(nk) (Xi(ni)bgf)とし,ρA¯=P

a∈A¯ρaとおくとmodbgoutwA(H(JA¯)⊗U)で X(u⊗x) =X(u⊗ρ0A(X1⊗zn1)X2(n2)· · ·Xk(nk))

≡X(ρA¯(−X1⊗zn1)u⊗X2(n2)· · ·Xk(nk)) ...

≡X(ρA¯((−Xk⊗znk)· · ·(−X1⊗zn1))u1)

≡ρA¯(X(−Xk⊗znk)· · ·(−X1⊗zn1))u1

≡ρA¯((−Xk⊗znk)· · ·(−X1⊗zn1))u⊗S(X) ...

≡u⊗x·S(X) である.

Step 4. ベクトル空間の同型

H(JA¯)⊗U /bgoutwA(H(JA¯)⊗U)' H(JA¯)(U/U(bgf0)I)/bgoutwA(H(JA¯)(U/U(bgf0)I)) (7.16) を示す. ここでIは補題7.7で定義したU(g)の両側イデアルである.

任意のu∈ H(JA¯)とx∈U(bgf0), y Iに対してu⊗xy がmodbgoutwA(H(JA¯)⊗U)で0になればい い. しかし, modbgoutwA(H(JA¯)⊗U)によってxuへの左作用とすることができるのでx= 1として も構わない. さらにu∈V(JA¯)について考えれば十分であることを帰納法で示そう. u0 ∈FpH(JA¯)と X(−n)∈bgf(n >0)によってu=ρa(X(−n))u0とする. 各a∈A¯に対して

fa(n)=



(z−wa)−n(−wa)−n a6=∞A

zn a=A

とおくとfa(n)z=wa(またはz=A)にn位の極を持ち,他のA¯の点では正則でz= 0で零点を持 つ有理函数である. 従って

u⊗y=ρa(X(−n))u0⊗y

≡ − X

a06=a,0

ρa0(X⊗fa(n))u0⊗y

となるが,fa(n)z=wa0(またはz=A)で正則なので

ρa0(X⊗fa(n))u0∈FpH(JA¯)

である. 従ってpについて帰納的にF0H(JA¯) =V(JA¯)にまで帰着できる. よってu∈V(JA¯),y ∈Iに 対して

u⊗y≡0 modbgoutwA(H(JA¯)⊗U) を示せばいいが, Step 3のgの表現を用いれば,

u⊗y=S(y)(u⊗1)

である. ここでIは両側イデアルI =hEl+1iなのでy ∈IのときS(y)∈Iであり, この表現はStep 2

より(7.12)の分解を持つので

S(y)(u⊗1)0

である. これで(7.16)の成立が示せた.

Step 5. 補題7.7を用いてベクトル空間の同型

U/U(bgf0)I ' U(bgf<0)(U(g)/I) ' U(bgf<0)µM

j∈Pl

Vj⊗Vj

' M

j∈Pl

Mj⊗Vj

を得る. 実際にはこの同型写像はベクトル空間としての写像であるだけでなく, 左bgf0, 右g加群として の写像である事が容易に確められる. これとStep1の同型(7.10)とStep4の同型(7.16)よりベクトル空 間の同型

VwA,0(JA) ' M

j∈Pl

H(JA¯)⊗Mj⊗Vj/bgoutwA(H(JA¯)⊗Mj⊗Vj)

' M

j∈Pl

¡H(JA¯)⊗Mj/bgoutwA(H(JA¯)⊗Mj

⊗Vj

を得る.

Step 6.j∈Plに対してベクトル空間の同型

H(JA¯)⊗Mj/bgoutwA(H(JA¯)⊗Mj)' H(JA¯)⊗ Hj/bgoutwA(H(JA¯)⊗ Hj) が存在する. この証明は定理5.2の証明で示したj= 0の場合と同様であるので省略する.

Step 7. Step 5, Step 6の同型をまとめて VwA,0(JA) ' M

j∈Pl

¡H(JA¯)⊗Mj/bgoutwA(H(JA¯)⊗Mj

⊗Vj

' M

j∈Pl

¡H(JA¯)⊗ Hj/bgoutwA(H(JA¯)⊗ Hj

⊗Vj

= M

j∈Pl

VwA(JA¯, j)⊗Vj を得る. これで(7.8)が証明された. (7.9)についても同様である.

定理 7.9 (factorization property). 各点x= (0, wA, wB)∈Dに対して同型 ιx:Vπ−1(x),wC(JC)'M

j∈Pl

VwA(JA¯, j)⊗ VwB(j, JB¯) が成立する.

証明. まず,

bgoutwC =

defg⊗H0−1(x),Oπ−1(x)(∗wA¯+∗wB¯)) のLie部分代数bgoutwC,0を次のように定義する:

bgoutwC,0=g⊗H0−1(x),Oπ−1(x)(∗wA¯+∗wB¯[0A=B])).

ただしここで[0A=B]はπ−1(x)上の二重点0A=Bの因子であり,

H0−1(x),Oπ−1(x)(∗wA¯+∗wB¯ [0A = B]))は π−1(x)上のwA¯, wB¯ に極を持つ有理函数ff(0A) =f(∞B) = 0となるもの全体である.

Vπ−1(x),wC(JC) =H(JC)/bgoutwCH(JC) を計算するのに次の完全列を用いる:

0bgoutwCH(JC)/bgoutwC,0H(JC)→ H(JC)/bgoutwC,0H(JC)→ Vπ−1(x),wC(JC)0 (7.17) まずH(JC)/bgoutwC,0H(JC)を計算しよう.

H0−1(x),Oπ−1(x)(∗wA¯+∗wB¯[0A=B]))−→

H0(P1A,OP1

A(∗wA¯[0A]))⊕H0(P1B,OP1

B(∗wB¯[∞B])) f 7→(f |P1

A, f|P1

B)

という自然な同型が存在するのでcoinvariantの空間のベクトル空間の同型

H(JC)/bgoutwC,0H(JC)' H(JA¯)/bgoutwA,0H(JA¯)⊗ H(JB¯)/bgoutwB,0H(JB¯) (7.18) を得る. ここで命題7.8を用いると

H(JC)/bgoutwC,0H(JC)'µM

j∈Pl

VwA(JA¯, j)⊗Vj

µM

j∈Pl

Vj⊗ VwB(j, JB¯)

である. 完全列(7.17)よりVπ−1(x),wC(JC)は上の式のbgoutwCH(JC)/bgoutwC,0H(JC)の作用による商をとれ ばよい.

bgoutwCH(JC)/bgoutwC,0H(JC)を考える. 任意のf ∈H0−1(x),Oπ−1(x)(∗wA¯+∗wB¯))に対して f−f(0A)∈H0−1(x),Oπ−1(x)(∗wA¯+∗wB¯[0A=B]))

である. 従ってX⊗f bgoutwC,|uA⊗uBi ∈ H(JC)に対してmodbgoutwC,0H(JC)で考えると (X⊗f)|uA⊗uBi ≡X

a∈A¯

ρa(X⊗f(0A))|uA⊗uBi+X

b∈B¯

ρb(X⊗f(0A))|uA⊗uBi

となり命題7.8のStep 2 (7.11)で考えたgのテンソル積表現と一致している. 一方命題7.8のStep 3より (7.11)の表現は同型(7.8)を用いるとL

jVwA(JA¯, j)⊗Vj上で(7.15)と作用するので,L

jVwA(JA¯, j)⊗Vj でのuAの像をP

juj⊗φj, L

j0Vj0⊗ VwB(j0, JB¯)でのuBの像をP

j0φ0j0⊗u0j0 とすると (X⊗f)|uA⊗uBi ≡ f(0A)X

j,j0

©ujjS(X))⊗φ0j0⊗u0j0+uj⊗φj0j0S(X))⊗u0j0

ª

を得る. これは各j,j0に対してVj⊗Vj0上のgのテンソル積表現であるので,事実3.7よりこの作用に よる商を考えるとj6=j0のとき0となり,j=j0のときにはCである. 従って,

Vπ−1(x),wC(JC) ' (H(JC)/bgoutwC,0H(JC)). ¡

bgoutwCH(JC)/bgoutwC,0H(JC

' M

j,j0∈Pl

VwA(JA¯, j)⊗¡

Vj⊗Vj0/g(Vj⊗Vj0

⊗ VwB(j0, JB¯)

= M

j∈Pl

VwA(JA¯, j)⊗ VwB(j, JB¯) となり求める同型を得る.

補題7.10. Xを複素多様体,Fを連接OX加群とする. ϕ(x) =

defdimCFxOX,xCx

が定数函数ならFは局所自由である.

証明. 任意のx∈Xに対してϕ(x) =rとする. x∈Xを固定すると,補題6.20よりOX,x加群の全射 準同型

f :OX,xr ³Fx

が存在する. OXrOX自由基底をe1,. . .,erとする. Fxの定義より,xの開近傍Uu1,. . .,ur∈ F(U) および, OU 準同型φ:OUr → F|Uφ(ei|U) =ui(i= 1,. . .,r)かつ,φx=f であるものが存在する.

Fは局所有限生成でφxが全射であるので,U に含まれるxの開近傍Vφ|V :OrV → F|V が全射に なるものが存在する. この証明は命題6.17の証明の(1)と同じである.

K= Kerφ|V とする. K= 0を示そう. 任意の点y∈V に対して完全列 0→ Ky→ OrV,y→ Fy 0 にOV,yCyを適用すると,テンソル積の右完全性より

K ⊗Cy Cr→ FyCy 0

という完全列を得る. ここでϕ(y) =rであるので, φy :Cr→ FyCy は同型写像である. 従って任意 の開集合W ⊂Vs∈ K(W)に対して

s= Xr

i=1

aiei|W (ai∈ OV(W))

とおくと,任意のy∈W に対してai(y) = 0 (i= 1,. . .,r)である. 複素多様体Xは被約1 なので,これ からai= 0 (i= 1,. . .,r)であり,s= 0を得る. よってK= 0であり,つまりFは局所自由である.

7.11. D上の余真空の層に対して次の同型が存在する.

ι:VD(JC)'M

j∈Pl

VD,A(JA¯, j)⊗ VD,B(j, JB¯)

証明. 定理7.9より任意の点x= (0, wA, wB)∈Dに対して同型 ιx:Vπ−1(x),wC(JC)'M

j∈Pl

VwA(JA¯, j)⊗ VwB(j, JB¯)

が存在する. ここで右辺の次元はxに依らず一定であるので,命題7.1と補題7.10よりVD(JC)は局所 自由である. 従って,定理7.9よりιOD加群の同型である.

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