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2. サンプルプログラムの動作確認

2.4 性能概要

2.4.2 FTP サーバ機能

• 性能概要

サンプルプログラムは、FTPサーバの基本機能をRFC959の仕様に基づき実現しています。サンプルプロ グラムは、ユーザが組み込み製品向けに独自のFTPサーバプログラムをT4上で開発する際のベースとなる ことを目的としています。

サンプルプログラムはファイルI/Oを除くと特別なメモリを必要とせずマイコン内蔵メモリのみで動作し ます。処理性能はRAM容量に左右されますが、これを柔軟に設定出来るようにプログラム上で定義してい ます。サンプルプログラムはRX62NのROM/RAM容量に合わせ適切なメモリ設定を行っており、FTPサー バサンプルプログラムで必要なROM/RAMは以下の通りです。

 FTPサーバ 測定対象のファイル r_ftp_server.c

config_tcpudp.c

 通信速度測定条件

MMC Transcend MultiMediaCard 256MB USBメモリ BUFFALO RUF2-K2G クロック設定(共通)

外部クロック 12MHz

ICLK 96MHz

PCLK 48MHz

USB2.0 フルスピード転送(12Mpbs) MMC RSPI 12Mbps

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表17 FTPサーバ性能概要

項目 サンプルのタイプ(※1)

タイプ② タイプ③

ROM (全体) 約 113 Kbyte (※2) 約 73 Kbyte

RAM (全体) 約 89 Kbyte 約 57 Kbyte

スタック 約 4.0 Kbyte 約 3.0 Kbyte 通信速度(ダウンロード) 約 5.4 Mbps 約 6.0 Mbps 通信速度(アップロード) 約 4.8 Mbps 約 3.3 Mbps ROM

(FTPサーバのみ)

約 9.8 Kbyte RAM

(FTPサーバのみ)

約 10.4 Kbyte

( 約 3.2 Kbyte × 同時接続クライアント数 + α) 同時接続数 3 クライアント

【注】※1 タイプ②:WEBコンテンツをUSBメモリに格納するタイプ

タイプ③:WEBコンテンツをMMCに格納するタイプ

※2 RXコンパイラが評価版かつ試用開始60日以上経過の場合、試用制限(リンクサイズ上限 128Kbyte)となります。

• プログラム動作概要

サンプルプログラムは、インターネットで広く使われている一般的なFTPサーバと比べ、実装機能を最小 限にとどめています。また組み込み用途で使いやすいようにノンブロッキングコールを用いて実装されてお り、アプリケーション側は定期的に R_ftpd() 関数を呼び出すのみでFTPサーバの処理が可能です。R_ftpd() 関数ではコマンド通信に使用する通信端点(一般的にはソケットと呼ばれます)を監視し、切断状態になってい たら接続待ちに遷移させます。通信処理はT4のAPI、_process_tcpip()で実行されていて、サンプルプログラ ムではこのAPIをタイマ割り込みとEthernet割り込みの中で呼び出しています。_process_tcpip()は処理完了通 知のためコールバック関数を呼び出します。FTPコマンド解析処理、応答データ生成処理はこのコールバッ クルーチンの中にあります。_process_tcpip()の起動を含むこれらの割り込み処理は送受信ドライバの性能や コールバックルーチンの実装次第で処理時間が大幅に変動するため、必要に応じてこれら割り込み処理の優 先度を下げたり、割り込み禁止にしたりしてアプリケーションの動作を優先させても構いません。

また、コンフィグファイル(r_t4_ftp_server_rx_config.h)の定義を変更することでFTPサーバの挙動をカスタ マイズ出来ます。

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A-1

改訂記録

Rev. 発行日

改訂内容

ページ ポイント

1.01 2016.04.15

-

サンプルプログラムの統合開発環境をHigh-performance Embedded Workshop からe2 studioに変更しました。

- "CubeSuite+"表記をCS+に変更しました。

5

図2,図3で関連するFITモジュールのドキュメント番号を追記 しました。

8~18

「2.1.1 ボード関連準備」 のタイプ別説明の順番を変更しまし た。

20

「2.2.2 DHCPサーバを使用しない場合」IPアドレスの設定範 囲を修正しました

1.00 2014.05.09 ― 初版発行

製品ご使用上の注意事項

ここでは、マイコン製品全体に適用する「使用上の注意事項」について説明します。個別の使用上の注意 事項については、本ドキュメントおよびテクニカルアップデートを参照してください。

1. 未使用端子の処理

【注意】未使用端子は、本文の「未使用端子の処理」に従って処理してください。

CMOS製品の入力端子のインピーダンスは、一般に、ハイインピーダンスとなっています。未使用 端子を開放状態で動作させると、誘導現象により、LSI周辺のノイズが印加され、LSI内部で貫通電 流が流れたり、入力信号と認識されて誤動作を起こす恐れがあります。未使用端子は、本文「未使用 端子の処理」で説明する指示に従い処理してください。

2. 電源投入時の処置

【注意】電源投入時は,製品の状態は不定です。

電源投入時には、LSIの内部回路の状態は不確定であり、レジスタの設定や各端子の状態は不定で す。

外部リセット端子でリセットする製品の場合、電源投入からリセットが有効になるまでの期間、端子 の状態は保証できません。

同様に、内蔵パワーオンリセット機能を使用してリセットする製品の場合、電源投入からリセットの かかる一定電圧に達するまでの期間、端子の状態は保証できません。

3. リザーブアドレス(予約領域)のアクセス禁止

【注意】リザーブアドレス(予約領域)のアクセスを禁止します。

アドレス領域には、将来の機能拡張用に割り付けられているリザーブアドレス(予約領域)がありま す。これらのアドレスをアクセスしたときの動作については、保証できませんので、アクセスしない ようにしてください。

4. クロックについて

【注意】リセット時は、クロックが安定した後、リセットを解除してください。

プログラム実行中のクロック切り替え時は、切り替え先クロックが安定した後に切り替えてくださ い。

リセット時、外部発振子(または外部発振回路)を用いたクロックで動作を開始するシステムでは、

クロックが十分安定した後、リセットを解除してください。また、プログラムの途中で外部発振子

(または外部発振回路)を用いたクロックに切り替える場合は、切り替え先のクロックが十分安定し てから切り替えてください。

5. 製品間の相違について

【注意】型名の異なる製品に変更する場合は、製品型名ごとにシステム評価試験を実施してくださ い。

同じグループのマイコンでも型名が違うと、内部ROM、レイアウトパターンの相違などにより、電 気的特性の範囲で、特性値、動作マージン、ノイズ耐量、ノイズ輻射量などが異なる場合がありま す。型名が違う製品に変更する場合は、個々の製品ごとにシステム評価試験を実施してください。

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