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( n=6 )

例数(%) 例数(%) 例数(%) 例数(%)

I (正常) 4 ( 18.2 ) 1 ( 25.0 ) 4 ( 12.9 ) 0 ( 0 ) II (正常傾向) 5 ( 22.7 ) 2 ( 50.0 ) 6 ( 19.4 ) 1 ( 16.7 ) III (神経症傾向) 9 ( 40.9 ) 0 ( 0 ) 14 ( 45.2 ) 4 ( 66.7 ) IV (神経症) 4 ( 18.2 ) 1 ( 25.0 ) 7 ( 22.6 ) 1 ( 16.7 )

n=63

0 10 20 30 40 50 60 70

0 2 4 6 8 10 12 点数

n=63

視床痛群 PHN CRPS FMS群

身体的自覚症 合計得点

*

n.s.

図3-4-2-a. CMIの結果(身体的自覚症の合計得点と各項目得点の結果)

* : p<0.05

- 63 -

0 5 10 15 20 25

0 1 2 3 4 5 6 7

不適応 抑うつ 不安 過敏 怒り 緊張

点数 n=63

視床痛群 PHN群

CRPS FMS群

精神的自覚症 合計得点

n.s.

図3-4-2-b. CMIの結果(精神的自覚症の合計得点と各項目得点の結果)

n.s.

点数 n=63

視床痛群

図 3-4-3 . HRSD の結果

n.s.

0 5 10 15 20 25

PHN群 CRPS群 FMS群

- 65 - 0

20 40 60 80 100 120

視床痛群 PHN群 CRPS群 FMS群

図 3-4-4 . VAS の結果

n=63 mm n.s.

3-5 半構造化面接において述べられた,慢性痛患者に対して ECT を行う際に関する問題 点

当院では,ペインクリニックに受診する慢性痛患者に対して治療初期(初診時もしくは 2 回目受診時)に心理検査を実施している.実施する心理検査の一環として行っている半 構造化面接の場において,ECT 患者から述べられた意見から以下のような事柄が語られた.

・非常に強い痛みのために,日常生活上の動きが制限されており,食事を摂る動きや,自 分自身で排泄の動作をとることが困難なほどで,日常生活の基本的な動作自体にとても不 自由を感じている

・強い痛みのため自立歩行が困難となり,仕事にも行けなくなってしまい,生活そのもの が破綻してしまって非常につらい

・痛みが強いことから,入眠困難な状態が続いており,睡眠剤を利用して入眠できたとし ても,痛みによる中途覚醒の回数が多く,質の良い睡眠がとれないため,日中も夜間も痛 みだけでなく倦怠感を強く感じている

・強い痛みのために,仕事や家事もできなくなり日々安静にして過ごすことしかできなく なってしまったことから,この先どうなるのかという不安があり,先のことを考えると気 分が非常に落ち込んでしまう

・痛みの症状が常にあるため,活動の幅が狭まってしまい,日常生活上必要な買い物を日々 行うことや,知人や友人との食事に出かけることなどもできなくなってしまったことから,

家に閉じこもっていることが増え,交友関係の幅も極端に少なくなってしまった

・痛みの症状が強く,自分自身の身の回りのことすらできなくなってしまっていることか ら,いつも誰かの手を借りているため,家族や周囲の人々に非常に迷惑をかけてしまって いることがつらく,いつも自責の念を感じている

・恒常的に強い痛みがある状態が,既に何年も継続しており,これまでにも痛みに対する 様々な治療を受けてきているが,何れの治療も奏功を得られずに痛みが改善しないことか ら,生きる希望を失いそうに感じている

- 67 -

これらの事柄から,ECT 患者は持続する強い痛みがあり,それに対する手立てを見いだ せず,痛みによって生活に大きな支障をきたしており,心身ともに疲弊している様子が示 唆された.さらに,痛みに対する治療として ECT を受療することに関連する事柄として,

以下のようなことが語られた.

・身体に対する治療を受けるはずなのに,精神科受診・入院となることに納得していない

・ECT というものがよくわからないため,「電気ショック」を受けるということ自体に不安 を感じている

・ECT を受けることによって,何か悪影響があるのではないかという不安を感じている

・副作用における健忘の程度に関する不安(具体的にどのようなことを忘れてしまうのか など)が大きい

・ECT を受けて痛みがどのように変化するのかということがわからずに不安を感じている

・ECT を受けさえすれば,痛みが消失するという過剰な期待を抱いている

・全身麻酔を短期間で何度もかけることに危険はないのかと不安を感じている

これらの事柄から,患者は,これまでにも痛みに対する様々な治療を受けてきていなが らも痛みが改善しないという経験を積んできているために,これから自分が受けることと なる ECT という治療に対しても多くの不安を抱えている様子が示唆された.また,ECT に 関する説明などを受けていてもその理解が十分ではなく,今後行われる治療そのものにつ いての不安や,受療する環境への不満が大きいことや,治療に対して消極的な気持ちを抱 いている患者もいることが示唆された.痛みを改善する目的として行われる ECT に関して,

患者が正確な情報を知り治療を十分に理解し積極的に治療に参加する意欲を持つことは,

治療上とても重要なことであると考えられる.

これらのことから,ECT は,患者にとって心理的な侵襲度の高い治療であり,かつ精神 科にかかることへの心理的抵抗などもあるために,治療を受けるにあたって葛藤の多い治 療法であることが考えられる.つまり,ECT 患者は,痛みの症状により日常生活に支障を きたしており心身共に疲弊している状態であるにもかかわらず,その痛みの症状を少しで

も改善したいがために,敢えて ECT を受けることを希求せざるを得ないほど,痛みのある 日常生活を送り続けることに関して困窮していることが窺える.ECT 患者にとっては,現 状でも心理的に不安定であるところに加えて,それ以上に葛藤を抱えるであろうことを予 測しうる治療である ECT を受ける決断をしたにもかかわらず,ECT を受けることによって 更に患者が苦悩に曝されるような問題点があるならば,そこにはやはり患者の不安や葛藤 などを取り除くことができるように,医療を提供する側として改善すべき点があるものと 考えられる.

- 69 - 第 4 章 痛みの治療目的の ECT の行われ方の現状

4-1 痛みへの ECT を実施している施設のマニュアルの有無の調査

【目的】

本節では,難治性慢性痛の治療を目的として ECT を実施した経験のある施設における,

痛みの治療の場合に特化したマニュアルもしくはガイドラインの設置の有無とその構成内 容を調査することを目的とした.

【対象と方法】

文献や過去の学会発表の場等で,痛みの治療を目的とする ECT の施行の報告が確認され た施設を調査の対象とした.ペインクリニックを行っている調査対象各施設の麻酔科医に 調査の趣旨を説明し口頭で質問を行った.質問内容は,①貴施設において痛みの治療を目 的とする ECT を施術する際に特化したマニュアルやガイドライン等の何らかのを設けてい るかということと,②規定を設けている場合はその内容の詳細に関して,の 2 点である.

【結果】

痛みに対する治療として ECT を実施している医療機関 10 箇所(当院を含む)について,

精神疾患患者への ECT 実施の際の説明やインフォームド・コンセントとは別に,痛みの治 療として ECT を受ける患者へ特化した説明やインフォームド・コンセントを行うためのマ ニュアルもしくはガイドラインを設けているかどうかを確認した.

調査に協力の得られたすべての医療施設において,精神神経疾患患者に対する通常の ECT 施行のための一般的な規定のほかに,難治性慢性痛患者に対する ECT 施行のための規 定が設けられている施設はみられず,痛みの治療として ECT を受ける患者に対しても精神 疾患への治療として ECT を受ける患者への説明が使用されており,痛みの治療として ECT を行う場合に特化したガイドラインを設けている施設はなかった.

【考察】

ほとんどの施設において,痛みの治療を目的とする ECT の実施数は,一般的な精神症状 の治療目的としての ECT の実施数に比べて圧倒的に少なく,例外的な位置づけとして行わ れていることが多かった.そのためそれらの施設では,痛みの治療を目的として ECT を施 行する際に特化した何らかの規定を設けるに至らなかったものと思われる.

4-2 自施設の痛みの治療目的の ECT 患者への説明等対応の実態の調査

【問題と目的】

当院では,ECT 患者を麻酔科ペインクリニック(当科)と精神科の併科で扱っており,

痛みの治療としての ECT を目的とする他院からの紹介患者が,当科に紹介されてくる場合 と,精神科に紹介されてくる場合がある.本節の目的は,ECT を受療する難治性慢性痛患 者に対して,初診の段階でどのような説明がなされているのかを把握することを目的とし た.

【方法】

難治性慢性痛患者の受け入れに携わる,麻酔科医師 1 名ならびに精神科医師 3 名を対象 に,患者に対してどのような説明を行っているかについて調査を行った.調査の内容は,

(1)痛みの治療として ECT を行う理由の説明があるか,(2)ECT によって痛みがどのように 変化するかの説明があるか,(3)痛みの治療として ECT を行う場合の副作用やリスクの説明 はあるか,(4)痛みの治療として ECT を受療する場合,麻酔科と精神科の併科受診のもとに 行われることの理由の説明があるか,についてである.

【結果と考察】

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