実用化段階モデル(H17 年度)
図 4.2.2-18 アルカリ水電解方式水素ステーション、ワンサイクル運転(1d)試設計値
実用化段階モデル(H17 年度)
表 4.2.2-20 アルカリ水電解方式水素ステーション、ワンサイクル運転(1d)試設計値 水素 1 kg(Fuel Tank)あたりのステーション投入エネルギと CO2排出量
投入エネルギ原単位 投入エネルギ
の種類
投入エネルギ別
原単位 LHV HHV
CO2排出量*
(CO2排出係数) 水(原料) 11.1 kg - - 0 kg
電気 50.5 kWh 182 MJ 0 kg 水素ガスが保有するエネルギ: 127 MJ/kg(LHV)、149 MJ/kg(HHV)
(水素ガスの条件 : 温度 25 ℃ 、圧力 35 MPa)
エネルギ効率η= 69.8 % (LHV)
81.9 % (HHV)
CO2排出量:0 kg-CO2/kg-H2
* CO2の算出は、炭素収支から計算(電力発生分は含まない)
水素供給量:351 kg/d [3900 m
3(nor)/d ]
・計装空気ユニット
・チラーユニット
・冷却水ポンプ
・水ポンプ
・電解液循環ポンプ
■主要電力量消費機器 ※ユーティリティ電力は水素製造装置に含む
圧縮機
ディスペンサ
蓄ガス設備
水道水3965 kg/d
水素製造装置
35 MPa
電力量 16650 kWh/d
電力量 1073 kWh/d
FCV
実用化段階モデル(H17 年度)
図 4.2.2-19 液体水素貯蔵液体水素供給方式水素ステーション、ワンサイクル運転(1d)試設計値
実用化段階モデル(H17 年度)
表 4.2.2-21 液体水素貯蔵液体水素供給方式水素ステーション、ワンサイクル運転(1d)試設計値 水素 1 kg(Fuel Tank)あたりのステーション投入エネルギと CO2排出量
投入エネルギ原単位 投入エネルギ
の種類
投入エネルギ別
原単位 LHV HHV
CO2排出量*
(CO2排出係数) 液体水素 1.00 kg 120 MJ 142 MJ 0 kg
灯油
(補助燃料) 0.22 kg 9.5 MJ 10.2 MJ 電気 3.37 kWh 12.1 MJ 0 kg 水素ガスが保有するエネルギ: 127 MJ/kg(LHV)、149 MJ/kg(HHV)
(水素ガスの条件 : 温度 25 ℃ 、圧力 35 MPa)
エネルギ効率η= 86.3 %(LHV)
87.8 %(HHV)
CO2排出量:0.69 kg-CO2/kg-H2
* CO2の算出は、炭素収支から計算(電力発生分は含まない)
液体水素 ディスペンサ 液体水素
液体水素 貯蔵
回収装置
ボイルオフガス
水素供給量:354 kg/d[3900 m
3(nor)/d]
ローリ
灯油 78 kg/d
圧縮他電力量 1194
kWh/dFCV
ワンサイクル運転(1d)試設計値 ワンサイクル運転(1d)
試設計値
高圧水素 ディスペンサ 液体水素
354 kg/d
42.5 GJ/d(LHV)
50.3 GJ/d(HHV)
FCV
実用化段階モデル(H17 年度)
図 4.2.2-20 液体水素貯蔵液体水素供給方式水素ステーション、ワンサイクル運転(1d)試設計値
実用化段階モデル(H17 年度)
表 4.2.2-22 液体水素貯蔵液体水素供給方式水素ステーション、ワンサイクル運転(1d)試設計値 水素 1 kg(Fuel Tank)あたりのステーション投入エネルギと CO2排出量
投入エネルギ原単位 投入エネルギ
の種類
投入エネルギ別
原単位 LHV HHV
CO2排出量*
(CO2排出係数) 液体水素 1.00 kg 120 MJ 142 MJ 0 kg
灯油
(補助燃料) 0.22 kg 9.5 MJ 10.2 MJ 0.69 kg(3.16 kg- CO2 / kg) 電気 3.73 kWh 13.4 MJ 0 kg 水素ガスが保有するエネルギ: 127 MJ/kg(LHV)、149 MJ/kg(HHV)
(水素ガスの条件 : 温度 25 ℃ 、圧力 35 MPa)
エネルギ効率η= 88.8 %(LHV)
89.9 %(HHV)
CO2排出量:0.69 kg-CO2/kg-H2
* CO2の算出は、炭素収支から計算(電力発生分は含まない)
ディスペンサ
電力量 123 kWh/d 液体水素
353 kg/d
42.3 GJ/d(LHV) 50.1 GJ/d(HHV)
ポンプ 蒸発器
液体水素 貯蔵
回収装置 水素126 kg/d
ボイルオフガス
水素供給量:353 kg/d[3920 m3(nor)/d]
ローリ
灯油 77.7 kg/d
圧縮他電力量 1193 kWh/d
35 MPa
FCV
ワンサイクル運転(1d)
試設計値 ワンサイクル運転(1d)
試設計値
実証水素ステーションでは高圧水素と液体水素の両方を供給しているが、
実用化段階モデルは高圧水素供給のみを対象としている。両者の設計条件は異なる。
クールダウンロス
水素回収の ための加熱用
こうして得られたエネルギ効率結果一覧を、表 4.2.2-23 に示した。JHFC の実証水素ステ ーションではないが、将来有望な次世代技術の解析例として、都市ガス改質(水素分離型*) とナフサ改質(ATR**)の二つの試設計を実施した。
表 4.2.2-23 水素ステーションの効率推算結果 エネルギ効率% LHV (HHV)
H16 年度試設計条件 H17 年度試設計条件 設備方式
定格 ワンサイクル 定格 ワンサイクル 脱硫ガソリン改質 62.1 (68.0) − − − ナフサ改質 63.2 (69.1) − 65.0 (71.0) 57.7 (63.0) LPG 改質 62.4 (68.2) − − − メタノール改質 75.0 (78.3) − 76.6 (79.8) 73.7 (76.8) 都市ガス改質 67.4 (72.3) − − − 都市ガス改質
(水素分離型*) − − 73.0 (78.7) − ナフサ改質
(ATR**) − − 60.2 (65.8) 57.8 (63.3) 灯油改質 61.8 (68.2) − − − オ
ン サ イ ト
アルカリ水電解 − − 71.0 (83.3) 69.8 (81.9) 液水 → 液水 − 86.3 (87.8) 液水 → 高圧 75.4 (77.4) 88.8 (89.9) オ
フ サ イ
ト 高圧 → 高圧 91.1 (92.3) −
* 水素分離型都市ガス改質水素ステーション、平成 16 年度 NEDO 事業成果をもとに試算
** ナフサ内燃式改質水素ステーション(Auto-Thermal Reforming)、起動時間短縮化 による効率改善のための試設計
(4)実用化水素ステーションの二酸化炭素排出量試算
各実用化段階水素ステーションモデルに対し、水素を 1kg 製造する場合に発生する二酸 化炭素(CO2)排出量を試算した。CO2の算出は、炭素収支から計算しており、電力発生分に ついては考慮していない。
(5)実用化水素ステーションの水素製造コスト試算
実用化段階水素ステーションの経済性の検討を実施し、300 m3(nor)/h 規模のオンサイト 改質方式について、水素ステーションの水素製造コストの概算を試算した。主な仮定を表 4.2.2-24 に示した。試算範囲は Charge Tank から Fuel Tank への充填までを対象とした。
表 4.2.2-24 オンサイト改質方式(300 m3(nor)/h 規模)の場合
建設費 4.7〜5.9 億円
償却目標 5〜10 年
原料価格 35〜47 千円/kL
この結果、水素製造コスト範囲は 1100〜2000 円/kg(100 〜 180 円/m3 (nor))となっ た。目標価格(40〜80 円/m3 (nor))を実現するには、技術開発やコストダウン等のさらな る検討が必要であることがわかった。
(6)まとめ
① 実証水素ステーションのエネルギ効率(LHV)を算出した結果、オンサイト改質方式は 54.6〜65.0 %、水電解方式は 60.9 %、オフサイト方式は 89.8〜98.2 %となった。
② 実用化段階水素ステーションの試設計を実施した結果、エネルギ効率(LHV)は、①の実 証水素ステーションの結果に比べ、3.4〜11.6 ポイント向上したことを確認した。さらに各 ステーションごとに CO2排出量を算出した。
(7)振り返り
・2005 年および 2010 年時点の二つの試設計条件を用いて、実用化段階水素ステーション(300 m3(nor)/h)のエネルギ効率と水素製造コストをそれぞれ試算した。さらに各実用化水素ス テーションモデルの CO2排出量を試算した。
・実用化ステーションのエネルギ効率試算結果一式(Charge Tank to Fuel Tank)を効率 検討 WG に提供し、総合効率(Well to Wheel)データの算出に貢献した。
・実用化水素ステーションのエネルギ効率は、時間や費用の制約により全ての設備方式の 検討は実施できなかった。
・水素製造コスト試算は、算定に用いる各種単価の設定等が困難であり、また時間と費用 の制約により、全ての設備方式の検討は実施できなかった。JHFC セミナーで「水素製造コ スト試算」スライド(1枚)を報告したところ、新聞やテレビでも取り上げられる等、大 きな反響があり、水素製造コストへの関心が高いことがわかった。よって Phase2 では本詳 細検討を進めていくと同時に、水素製造コスト低減検討も実施していく。
4.3 液体水素製造設備
(1)設備の概要
液体水素製造設備は水素液化装置が設置されているコールドボックス、液化する際の冷 媒である窒素・ヘリウムを貯蔵する液体窒素貯槽・ヘリウム貯槽、ヘリウム圧縮機、製造 した液体水素を貯蔵する容積10m3の貯槽から構成されている。
水素液化方式 ヘリウムブレイトンサイクル
液体水素製造能力 200 kg/日 (約 2200 m3(nor)/日)(FCV40〜60 台/日充填相当)
なお、水素精製設備は COG 圧縮機、ホットボトル、脱硫塔、水素精製装置から構成され ている。
製造された液体水素の性状は計画通りであることが、試運転にて確認された。表 4.3-1 に試運転時の製造能力、製造された水素性状を示す。
表 4.3-1 製造された水素性状
項目 試運転結果 計画値 評価
製造量 0.242t/日 0.20t/日 計画以上 液体水素圧力 0.1MPaG 0.1MPaG 計画通り
水素純度 99.999vol%以上 99.999vol%以上 計画通り 窒素+アルゴン 1.1ppm以下 10ppm以下 計画値以下 酸素 0.1ppm以下 1ppm以下 計画値以下 一酸化炭素 0.1ppm以下 1ppm以下 計画値以下 二酸化炭素 0.33ppm以下 1ppm以下 計画値以下
純
度
炭化水素 0.02ppm以下 1ppm以下 計画値以下
(2)製造・払い出し実績
液体水素製造設備は平成16年2月から運転を開始し、平成18年3月までに20回の 液化を行い、8,466kg の液体水素を製造した。製造された液体水素は有明ステーションへ輸 送された。
(3)製造効率、輸送効率の検討 a)製造効率の検討例
液体水素の製造実績と製造時の電力、LN2を表 4.3-2 に示し、液体水素の冷熱を考慮しエ クセルギで評価した結果を表 4.3-3 に示す。これらより製造効率は
効率=(製品の持つエネルギ)/(製造に必要なエネルギ)=124/183=66.3%
であった。
表 4.3-2 液化時投入エネルギー
製造実績例(H17.1.5) LH2 1kg製造時の電力、LN2
LH2製造量 (kg/h)
使用電力量 (kWh/h)
使用LH2
(kg/h)
電力 (kWh/kg-H2)
LN2
(kg/kg-H2) 10.34 145 90.6 14.0 8.76
液化時投入エネルギ 14.0+8.76x0.4=17.5kWh/kg →17.5x3.6= 63MJ/kg LN2 1kg=0.4kWh、電力エネルギ 3.6MJ/kWh
表 4.3-3 エネルギーの評価 単位 MJ/kg
製造に必要なエネルギ 製品の持つエネルギ
H2発熱量(LHV) 120 120
顕熱 20-298 K - 3.7
冷熱
潜熱 - 0.4
液化時投入エネルギ 63 -
合計 183 124
b)輸送効率の検討例
液体水素の輸送方法を検討し、液体水素製造設備がある君津から有明ステーション間の 輸送効率の試算を行った。表 4.3-4 に試算結果を示す。
表 4.3-4 液体水素の輸送効率 ケース 輸送量
(kg)
輸送距離 (km)
軽油消費量 (L)
輸送原単位 (MJ/kg)
輸送効率 (%) 有明実績
(H15.7〜11) 尼崎⇔有明
2200 6077
1715.6 L (3.54 km/L)
28.3* 80.9 *
試算ケース (18m3ローリ)
君津⇔有明
1055 180 81.8L
(2.20 km/L)
2.81* 97.7 *
軽油発熱量: 36.3 MJ/kg * 水素発熱量: 120 MJ/kg * 水素密度(液体): 0.0651 t/m3 (@0.2 MPa)
(4)液体水素製造設備の振り返り
液体水素製造設備を建設・運用し、製造効率、輸送効率の試算を行った。製造効率試算 にあたっては液体水素のもつ冷熱エネルギーを評価するためエクセルギによる評価を行っ た。
設備は、液体水素の充填状況から平均月1回の運転が行われたが、今後は運転回数を増 やして設備(特に計測機器)の耐久性の確認が必要である。
* LHVベース