ドイツ・バイエルン州南部のアルゴイ地方にあるケンプテン大学は、世界唯一の運転支援システム修士課程の設立によっ て大きな変革を遂げました。世界中の学生がこのラボに参加しようと列をなし、 OEM やサプライヤもこの新しい「 A ドラ イブリビングラボ」への参入に意欲的です。今回のインタビューでは、コーディネータの Stefan-Alexander Schneider
教授に、このラボの全容について、またそこでの ETAS と ETAS ISOLAR-EVE の役割について説明していただきました。
インタビュー
Prof. Dr. Stefan- Alexander Schneider ケンプテン応用科学大学
(ドイツ)
運転支援システム 修士課程の責任者
や機械工学、さらにIT分野が密接に連 携して関与し、それぞれの専門知識が生 かされています。
RealTimes:「Aドライブリビングラボ」
の「A」は何を表しているのですか。
Schneider教授:まさにあなたが冒頭 におっしゃった3つのもの−アルゴイ
(Allgäu)、支援システム(Assistance Systems)、自動運転(Autonomous Driving)−を表しています。ですが、こ のラボはソフトウェアやシステムの開発 に使用されているVモデルに基づいてい るので、「Vラボ」でもよかったかもしれ ません。ラボは50×10メートルの細長 いV字型になっていて、要求分析から始 まり、機能仕様やシステム仕様の策定か ら各種検証までの各ステップがそれぞれ
「ステーション」として順に並んでいま す。実際の開発工程を再現したオールイ ンワンの環境において学生たちは、知識 や技能を身に付け、研究を行えるのです。
ここではETASからの支援を受けており、
仮想ECUを生成するためのISOLAR-EVE や、ハードウェアインザループシステム のETAS LABCAR、オープンソースソフ トウェアのBUSMASTERなどのプロ用 ツールを提供していただいています。こ のようにして本学の学生たちは、将来の 職場で使用することになるツールチェー ンに慣れ親しむことができるのです。
Learning About Assistance Systems in Bavaria
チャとの通信をさらに深く理解するこ とが必要です。このような場面において
「仮想化」は非常に便利な手法であると いえます。また当然ながら、私たちは常 に現行の開発手法を進化させていく必要 があり、昨今では、新しいファンクショ ンを後から追加できるような「アジャイ ルソフトウェア」の開発がトレンドと なっています。さらに、このような柔 軟性が求められている反面、各ファンク ションの適切な評価と検証も欠かせない ものとなっています。これらのトピック はこの業界における重大な関心事となっ ており、そのことは、「Aドライブリビ ングラボ」設立直後からさまざまなEM やTier 1、Tier 2サプライヤにご参加 いただいているという事実にも現れてい
ます。今後数カ月間でインフラストラク チャの準備が完全に整い、私たちは本格 的に始動できる予定です。
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39RealTimes:仮想ECUの応用分野とし て、どのようなものを思い描いていらっ しゃいますか。
Schneider教授:そうですね、1つ実 現したいと考えているのは、さまざまな ドメインのECUを接続することです。
運転支援システムの場合、パワートレイ ンECUやシャーシECUと環境認識・監 視用センサシステムとの相互作用が重要 です。特に重要な要素となるのは、カメ ラやレーダー、ライダーシステムと仮想 ECUとの協調シミュレーションや、仮 想ECUネットワーク内での協調シミュ レーションですが、これを実現するに は、システム間の相互作用や車両内のリ アルタイムデータ通信について理解を深 め、最終的には車両とインフラストラク
ISOLAR-EVEでADAS ECUを仮想化
ISOLAR-EVEツールは、ECUアーキテクチャのすべてのコンポー ネントを含めた実ECUの挙動をPC上できわめて現実的にシミュ レートすることができるので、ADAS ECUの仮想化を行うのに 最適です。仮想化ECUには、完全なAUTOSAR OSとともに基 本ソフトウェアとアプリケーションソフトウェアがすべて実装さ れます。また、マルチコア構成を現実的にモデリングして、異な る複数のマイクロコントローラやマイクロプロセッサで構成され るヘテロジニアスなアーキテクチャを提示することもできます。
このようにISOLAR-EVEツールは、複数のコネクテッドECUと それらの相互通信のシミュレーションを強力にサポートします。
ETAS ES300シリーズの モジュール同士は 容易に接続可能 詳しい情報はこちら:
www.etas.com/isolarb
新しい計測用ハードウェア −
ES300 シリーズ
2017年、ETASの計測ツール群は、小 型でコストパフォーマンスに優れた計測 モジュール「ES300シリーズ」を新たに 迎え、さらに拡充されました。防水防塵 構造のため、テスト車両のエンジンルー ムやシャーシに設置して使用することが できます。このモジュールで計測した データは共有のCANバス経由で転送で きるので、ES582やES584などのUSB CANインターフェースモジュール経由 でINCAに接続することにより、ECU からのCAN信号と同期して収集するこ とができます。現在、8チャンネルの ES321温度測定モジュール、4チャンネ ルのES313 A/Dモジュール、4チャン ネルのES341デジタル入力モジュール が販売されています。ES313とES341 は、センサに供給するための電源が各 チャンネルに装備されています。
ETAS ISOLAR-B で完成する AUTOSAR ツールチェーン
ISOLAR-BはAUTOSAR準拠の基本ソ フトウェアを設定するツールで、ECUの 統合を担当する「ECUインテグレータ」
を多くのルーチン作業から解放し、ゆと りを生み出します。明確な情報表示や、
反復的開発フローのサポート、高度な自 動化、早期検証、といった機能により、
目標到達までの時間を短縮し、品質も高 めることができます。システム情報をイ ンテリジェントに評価できるので、ECU
インテグレータは接続や関係性をより素 早く把握することができます。システム エクステンションを使用すれば、システ ムディスクリプションと基本ソフトウェ アコンフィギュレーションとの間の隔た りを埋めることができ、設定作業を軽減 できます。ISOLAR-AやRTA- BSW(基 本ソフトウェア)との併用で、シームレ スに調和しバランスのとれたAUTOSAR ソリューションを実現でき、その効果は 40 P R O D U C T N E W S
すでに数々のプロジェクトで実証され ています。ISOLAR-AとISOLAR-Bは AUTOSARのリリースR4.3をサポート し、共有データベースを使用します。こ れにより、ラウンドトリップタイムの短 縮や、設定の簡素化とさらなる自動化 を望めるので、生産用プロジェクトの 効率も大幅に向上します。ISOLAR-Bは Eclipseプラットフォームを採用し、既存 のEclipse開発環境への統合も容易です。
ETAS ISOLAR-B Completes the AUTOSAR Tool Chain
New ES300 Series Measurement Module
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412017年9月に発売されたETAS ES800 システムのひとつであるES820ドライ ブレコーダは、INCA(PC)の代わりに データの計測と記録を行うハードウェア モジュールで、車両電子システムの開発、
適合、検証などの工程における各種計測 作業に利用することができます。ES89x
シリーズやES5xxシリーズのインター フェースモジュールとの併用で、各種 ETK(ETK、XETK、高性能FETK)や 複数の車載バス(LIN、CAN/CAN FD、 FlexRay)を経由してECUをドライブ レコーダに接続することができ、ES400 シリーズやES600シリーズの計測モ
テストシステムの 拡張性を向上
LABCAR HiLテストシステムの拡張性を 高めるためにETASが開発してきた多種 多様なシステムコンポーネントは、多く のユーザープロジェクトで活用されてい ます。これらを用いて、独自のECUテ ストシステムを構成したりHiLテストベ ンチをフレキシブルに構築したりするこ とができ、システムや車両全体の検証に 役立てることができます。
中心的なモジュール群となるのは、19 インチラックに格納できるPCI-Express ES5300プラットフォームとそのプラグ インボードで、ラックの幅は60または
80 cm、高さは24、33、38 Uのもの があります。80 cm幅のラックにはカ バー付き開口部が最大24か所設けられ ており、各種部品(最大300ピンの高 密度ECUコネクタ、バスインターフェー スコネクタ、ヒューズホルダなど)用の プレートを取り付けることができます。
内部配線は側面内部に取り付けられてい るパネルに沿って、最適な長さで設置す ることができます。必要に応じて、信号 経路の切り替えスイッチや、スタンバイ 電流などの供給電流や負荷電流を高精度 で測定するモジュールなどを取り付ける こともできます。
これらのコンポーネントで構成される LABCARシステムは、電磁環境適合性
(EMC)に関するIEC 61326-1規格に 準拠しています。ES53xx I/Oモジュー ルの回路基板レイアウトは、閉ループテ ストの信号遅延を最小限に抑えることは もちろん、EMCについても慎重に考慮 して設計されています。納入されるシス テムは安全規格IEC 61010-1に準拠し たものとなっており、難燃性部品の使用 や、機械的保護テストや静電放電(ESD) 保護テストの実施、といった対策が施さ れています。
ジュールと併用すれば、車両の各種セン サ信号なども高速で取得することができ ます。計測データの記録には、記憶容量 128 GBの内蔵ソリッドステートドライ ブ(SSD)のほか、交換が容易なSSD メモリモジュール(500 GBまたは 1 TB)も使用することができます。
新しい
ドライブレコーダ − ES820
新しいドライブレコーダ− ES820