◇内容
仏人写真家のファビアンが暗室の作業台の上で、自分の撮った写真を友人に説 明する。写真は、東京、パリ、田舎の景色をみつめ、ふたりは都市論を論じるが・・・
写真と説明は次第にずれていく。
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ビデオに登場する写真は、わたしと友人のファビアン(映像で写真の説明をし ている)が 2012 年から撮りためていたフィルム写真である。今回は、主に都市や 建築にまつわるものを選んだ。埋立地、高層マンションや都市開発、踏み切り、廃墟、
ベンチ、工場などである。様々な要素が写真を、そして場所を構成している。
都市に関するビデオを作った理由の1つに、昔から東京の町並みが好きになれ なかったことがある。SA でフランスから帰国した 2012 年から東京を好きになり たいという思いで、東京の町を歩きに歩き、面白い景色を写真に納めた。高層ビ ルから住宅地、さらには廃墟と、多い日だと 20 キロ以上歩いた。東京に、他の町 にない独特な、ポジティブな魅力があるのも確かだったが、「生活する場所」とし て東京を捉えたとき、自分の中でやはり肯定的に捉えられない部分があることも 否めなかった。
"20 世紀の建築は、場所を曇らすために、人々を場所から切り離すために建てら れた。僕たちはもう一度、場所をみつめることからはじめなくてはいけない。"
(隈研吾『「都市」が自壊し、「ムラ」がよみがえる』集英社、2011)
と、建築家の隈研吾(1954 -)も指摘しているように、ビデオを通して、私た ちの生活する東京について改めて考えてみたいと思い、制作に至った。
また、ビデオの中でたまに台詞と映像にズレがある。これはフランスの映画監 督ジャン・ユスターシュ(1938-1981)が『アリックスの写真』(1980)で行ってい た手法だ。もともとズレを出すつもりはなかったのだが、編集過程でズレてしまっ た音源が面白く、そのまま残すことにした。
出口由梨奈、星可菜枝、木村優香、小佐野夏実、野澤宏貴、小島優毅、矢吹 克俊(山根ゼミ)
●発表タイトル
おいてけぼり
小さな町に代々伝わる話。
夕方になるとどこからか奇妙な声が聞こえ、その声を聞いてしまったものは、
その場に何か一つ物を置いていかなければ呪われてしまうという。
初めは話を信じなかった男女であるが、次第に異変が起き始める。
彼らを待ち受けていたものは…。
高田茉友子、福島由衣、高橋優子(大澤・島田ゼミ)
●発表タイトル
「密着!大学生バンドマン!!」
何かを伝えるためのツールとして様々な媒体があるが、私達は半年間ゼミで学 んできた映像という媒体を選んだ。映像を用いることによって、視覚、聴覚のど ちらにも訴えかけることができる。当然のことのように感じるが、この二つをど のように利用するかによって人の心に残るものは大きく変わってくる。
今回は初めてのドキュメンタリー制作に取り組んだ。映像自体の構成はもちろ んだが、撮影場所の手配やインタビューする相手とのアポイントメント取り、実 際の撮影における光の入りや環境音の問題等に困難を要した。完璧を求めてシナ リオ通りに撮りたい気持ちと、撮影中にやってくる思いもよらない良い画や瞬間 の狭間で頭を悩ませながら構成を練っていった。ストーリーを元にしたその時々 の感情や雰囲気によって背景やアングルを考えるオリジナル映画とは違い、リア
ルな表情を追究するドキュメンタリー作品では必ずしも撮影状況に恵まれるとい うわけではない。突然訪れる撮影チャンスを見逃さず、且ついかに冷静にカメラ を回すことができるか、という点で常に緊張感を持って撮影に当たった。
このドキュメンタリー作品のターゲットとなったのは、発表者である私達の友 人の一人でもある稲葉航大くん。身近に数多くいる大学生の中で、学業の傍らアー ティストとして活躍している彼に注目してみた。
法政大学キャリアデザイン学部の三年生である彼は、私達と同じように普段は 大学にて講義を受け、サークル活動に励み、そしてアルバイトをこなす、普通の 大学生。その一方で、放課後のライブハウスでは、普段とは異なるもう一つの顔 を持つ男なのだ。
2013 年、西千葉のガザルというライブハウスにて結成された Helsinki Lambda Club というインディーズバンドをご存知だろうか。結成後、数々のオーディショ ンにて頭角をあらわし始め、ついに 2014 年夏、UK PROJECT 主催のオーディショ ンにて応募総数約 1000 組の中から見事最優秀アーティストに選出された、今最も 注目されているインディーズバンドである。大舞台である新木場コーストで大物 アーティスト達との共演を果たし、更にはワンマンライブまでおこなう程の期待 の新生バンドなのだ。彼らは、独創的な歌詞と、ありきたりではなく、どこか新 しい雰囲気を持ちつつも懐かしさのある曲調、そしてキャッチーなメロディーに よって主に若い世代から人気を博しているが、その最大の魅力の一つが、ベーシ ストである稲葉君の特徴的な動きである。映像を見ればご理解いただけると思う が、彼の動きはただ単純にユーモアセンスが溢れているだけでなく、リズムとテ ンポはもちろんのこと、曲の雰囲気やソロなどに完璧に、そして絶妙にマッチし ているのだ。
近年、野外ライブやフェスなどを中心として、バンドブームが起き始めている。
自身がバンドをやっていたり、関連する仕事をしていたり、という人だけでなく、
誰でも気軽に参加できるアウトドアの一つとなり始めているそうだ。その影響を 受けてなのか、多くの少年少女、更には私達の親世代の中にも、バンドマンを目 指す人は少なくはない。中学生から大人まで、あらゆる世代で人気を得ているバ ンドがたくさんある上に、仕事や学業を行いつつバンド活動をする人が増えてい るが、実際花開くのはほんの一握りである。その夢を掴みかけている稲葉君に、
大変興味を持ち、同時に尊敬の気持ちをもったため、今回のドキュメンタリー制 作に至った。
この作品を通して、私達は稲葉君の活動、活躍を多くの人に広めたい。それが、
映像ゼミを選んだ私達の目的であり、夢でもある。メディアに取り上げられるほ どではないかもしれないが、身近な大学生の中でこのように夢を追いかけ、努力し、
こんなに活躍している人物がいるのだ、ということをこの映像によって一人でも
多くの人に伝えることを願って作成した。
油井花穂、松川友姫、矢田真俊(松本ゼミ)
●発表タイトル