5. 周波数共用のための干渉回避技術の検討
11.2. DSRC ビーコン周波数の検討
11.2.4. DSRC ビーコンから DSRC 受信機への干渉評価
案Aのビーコン周波数(Fb = 5767.5 MHz)に対し、離調周波数が小さいD7チャネル、U7チ ャネルの受信機が最も厳しい干渉を受ける。
このビーコン周波数はDSRC帯域外なので、スプリアス・レスポンス・リジェクション(以下SRR)
の規格を適用する。
SRRの規格は、 24 dB(OBU)、
30 dB(RSU、クラス2)。
規格感度+3dBの値は、 -57 dBm(OBU)、
-72 dBm(RSU、クラス2)。
従って、許容妨害波レベルは、 -33 dBm(OBU)、
-42 dBm(RSU、クラス2)。
更に、DSRC受信機への妨害源として暫定的に
・RLAN、
・ロボット用、
・DSRCビーコン
・V2V、DSRC他局
の4種を想定し、DSRCビーコン起源の妨害波に1/4(-6 dB)を割り当てる。
以上によりDSRCビーコンからDSRC受信機への許容妨害波レベルを下記とする。
-39 dBm(OBU)、
-48 dBm(RSU、クラス2)。
この条件で、OBU受信機及びRSU受信機が受ける干渉レベルは下表の通りである。
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表11.2.4.1-1 案AのときにOBU受信機の受ける干渉
送信スペクトルの広がり による干渉
受信機への突き抜けによ る干渉
DSRCビーコンの送信EIRP(dBm EIRP) 30 30
スペクトラムマスク(dB) 55 −
伝搬損失(dB)、自由空間 X1 X2
受信EIRP(dBm EIRP) A -25-X1 30-X2
受信アンテナ利得(dBi) − 5
水平方向指向性損失(dB) − 0
受信電力(dBm) B − 35-X2
許容干渉電力(dBm EIRP) C -92 −
許容妨害波レベル(dBm) D − -39
所要伝搬損失(dB)* 67 74
所要伝搬距離(m) 9.2 20.6
* A=C又はB=DとなるときのX1, X2
注 最終的には2つの干渉電力の和が受信機への干渉電力となる。
表11.2.4.1-2 案AのときにRSU受信機の受ける干渉
送信スペクトルの広がり による干渉
受信機への突き抜けによ る干渉
DSRCビーコンの送信EIRP(dBm EIRP) 30 30
スペクトラムマスク(dB) 55 −
伝搬損失(dB)、自由空間 X3 X4
受信EIRP(dBm EIRP) A -25-X3 30-X4
受信アンテナ利得(dBi) − 12**
水平方向指向性損失(dB) − -20**
受信電力(dBm) B − 22-X4
許容干渉電力(dBm EIRP) C -92 −
許容妨害波レベル(dBm) D − -48
所要伝搬損失(dB)* 67 70
所要伝搬距離(m) 9.2 13.0
* A=C又はB=DとなるときのX3, X4 ** ETCフリーフローを想定
結論として、DSRCビーコンとDSRCとの離隔距離を約20 mとする必要がある。
11.2.4.2.案Bの場合
案Bのビーコン周波数に対し、離調周波数が小さいOBU受信機のD7チャネルが最も厳し い干渉を受ける。
このビーコン周波数はDSRC帯域内なので、隣接波選択度の規格を適用する。
表11.2.4.2-1 案BのときにOBU受信機の受ける干渉
送信スペクトルの広がりに よる干渉
受信機への突き抜けによ る干渉
DSRCビーコンの送信EIRP
(dBm EIRP)
30 30
スペクトラムマスク(dB) 50 0
伝搬距離(m)(仮設定) 100 100
伝搬損失(dB)、自由空間 87.7 87.7
受信EIRP
(dBm EIRP) -107.7 -57.7
離調周波数(MHz)
OBU-D7 chの中心周波数に対し 0 4.9
OBUの隣接波選択度(dB) 0 7[69]
OBUの等価受信EIRP
(dBm EIRP) -107.7 -64.7
等価受信EIRP
(mW EIRP)
(A) (B)
(A) + (B)、(mW EIRP)
(A) + (B)、(dBm EIRP) ≈-64.7
許容干渉電力-92 dBm EIRPに対するオーバー分 27.3 dB
表から、この条件下で「許容干渉電力-92 dBm EIRPに対するオーバー分」を0にするには、
伝搬距離すなわちDSRCビーコンとDSRCとの離隔距離を約2 kmにする必要があり、現実的 でない。
[69] OBUの隣接波選択度の規格は、10MHz離調で15dBなので、4.9MHz離調では7dBとみる。
© 2016 ITS Info-communications Forum 11.2.4.3.案Cの場合
案Cのビーコン周波数に対し、離調周波数が小さいRSU受信機のU2チャネルが最も厳しい 干渉を受ける。
このビーコン周波数はDSRC帯域内なので、隣接波選択度の規格を適用する。
表11.2.4.3-1 案CのときにRSU受信機の受ける干渉
送信スペクトルの広がり による干渉
受信機への突き抜け による干渉 DSRCビーコンの送信EIRP
(dBm EIRP)
30 30
スペクトラムマスク(dB) 50 0
伝搬距離(m)(仮設定) 100 100
伝搬損失(dB)、自由空間 87.7 87.7
受信EIRP
(dBm EIRP) -107.7 -57.7
離調周波数(MHz)
RSU-U2 chの中心周波数に対し 0 4.9
RSUの隣接波選択度(dB) 0 10[70]
RSUの等価受信EIRP
(dBm EIRP) -107.7 -67.7
等価受信EIRP
(mW EIRP)
(A) (B)
(A) + (B)、(mW EIRP)
(A) + (B)、(dBm EIRP) ≈-67.7
許容干渉電力-92 dBm EIRPに対するオーバー分 24.3 dB
表から、この条件下で「許容干渉電力-92 dBm EIRPに対するオーバー分」を0にするには、
伝搬距離すなわちDSRCビーコンとDSRCとの離隔距離を約1.4 kmにする必要があり、現実的 でない。
[70] RSUクラス2の隣接波選択度の規格は、10MHz離調で20dBなので、4.9MHz離調では10dBと みる。
11.2.4.4.干渉評価のまとめ
DSRCビーコン周波数は、案Aだけが実現可能性がある。
DSRCビーコンからDSRCへの干渉を避けるため、DSRCビーコンとDSRC基地局との離隔 距離を約20 m設ける。
このとき、DSRC基地局とDSRCビーコンの位置関係、RLANとDSRCの共用可能領域の位 置関係は下図。
20 m 5070 m
5090 m
DSRC RSU
DSRCビーコン
DSRC専用領域
RLANとDSRCの 共用領域
高速道路
別紙図 11-5 RSU、DSRCビーコンの位置関係と共用可能領域