1995 年の阪神・淡路大震災以来、集団・災害医 療への関心が年々高まってきています。医療体制が 確保されていれば、防ぎ得た死が相当数あったとの 教訓から平成 8 年厚生労働省は「災害時に初期救 急医療体制の充実強化を図るための医療機関」であ る災害拠点病院を構想し、当院も 1997 年に認定を うけています。災害拠点病院は 24 時間災害に対応 でき、被災地内の傷病者の受け入れ・搬出が可能で ある、充分な資機材を備えた医療救護班(DMAT:
disaster medical assistance team) を 派 遣 で きる、などの要件を満たさなければなりません。
DMAT の活動の目的は災害や大事故の際に多数の患 者を限りある医療資源で診療し、防ぎ得た死をなく すよう活動することです。その任務は災害現場のト リアージや災害拠点病院での治療、患者の広域搬送 を主な業務とします。チーム活動の際食料、水、寝 床などは自給することが求められるため、2 泊 3 日 が活動の限度といわれています。DMAT の出動要請 や出動待機となる状況は次のとおりです。自然・人 的災害における被災地の都道府県や厚労省、文部科 学省からの要請があった場合、また東京 23 区で震 度 5 強以上、その他地域で震度 6 弱以上の地震発生 時、津波警報発令、東海地震注意情報発令、大規模 航空機墜落事故発生時は要請がなくとも待機状態で あることを期待されています。
2006 年 9 月に 2 泊 3 日の集中的な缶詰研修にて 資格を得ました。下記のメンバーが活動しています。
黒木 一彦;脳神経外科医師 杉山 陽一;外科医師 寺田 英子;看護師 大田 博子;薬剤師 竹野 香織;看護師 阿部 伸也;看護師 生田 佑子;看護師 後藤 友美;看護師 三舛 正志;臨床検査技師 高畑 明;診療放射線技師
■これまでの活動内容
………・2011 年 3 月 11 日 14:46 東日本大震災 発生
2011 年 3 月 11 日 22:00 呉より自衛隊輸送艦 にて被災地に向かい、災害拠点病院で救助活動を 行いました。
・2014 年 8 月 20 日 広島緑井・八木地区土砂災害 に対して出動しました。消防との共同で閉じ込め られた方を救出、応急処置を施し、防災ヘリで搬 送をおこないました。(詳細はトピックスで紹介 しています)
現場に出動準備をする DMAT の様子
・2014 年 8 月 30 日 政府総合防災訓練に参加しま した。8 月 29 日 18:00 南海トラフ地震が発生 した想定で、全国で 10 カ所設定された参集拠点 のうち、広島空港に参集して九州方面からの傷病 者受け入れ訓練を行いました。
政府総合防災訓練の様子
この他にも、災害に関する 研修会や技能維持訓練への参 加、看護学校や他施設での講 義などに出向いています。
これからも院内外の訓練に参 加し、一人でも多くの命を救え るよう研鑽を続けていきます。
DMAT
自衛隊機 CH-47 と
活動報告
■チーム概要
………RST とは呼吸療法サポートチーム(Respiratory Support Team)の略称で、呼吸療法が安全で効果 的に行われるようにサポートするチームのことです。
人工呼吸と言えば、気管挿管して行うものが一 般 的 で し た が、 現 在 で は Noninvasive Positive Pressure Ventilation(NPPV) も 普 及 し、 酸 素 療 法もベンチュリーマスクや High Flow Nasal Cannula などさまざまなデバイスがあります。また、
呼吸不全患者さんには呼吸器リハビリテーションや 口腔内の衛生管理、嚥下機能評価・リハビリテーショ ンなどさまざまな職種が関わっています。
■メンバー紹介
………医 師 櫻谷 正明、平田 旭
臨床工学技士 荒田 晋二、田中 恵子
看 護 師 村中 好美
理学療法士 小山 明子
歯科衛生士 石井 真弓
薬 剤 師 吉廣 尚大
管理栄養士 八幡 謙吾
■活動内容
………2011 年 1 月より、RST による病棟ラウンドを開始 しました。患者さんのベッドサイドで人工呼吸器の チェック項目や周辺環境等について確認します。患 者さんのそばで最も長い時間働く看護師は、見慣れ ない機械やアラームに困ることがあり、その際に臨 床工学技士に相談するのですが、医師の指示がない と設定変更もできず、各職種がフラストレーション を抱えていました。RST は主治医にスムーズに情報 が伝わり、適切な指示が早期に提供できるように心 がけております。また、管理栄養士や薬剤師もラウ ンドに参加するようになり、NST との情報共有や鎮 静・鎮痛管理など薬剤調整について病棟薬剤師と情 報共有できるようにもなりました。
看護師を中心とした教育活動も行っており、1 年 間を通して、呼吸療法に関する様々なレクチャーを 行うのですが、実際の現場での教育に勝るものはあ
りません。また、実際の現場で悩んでいる声を聞く と、我々に求められているものがだんだんと分かっ てきました。当初は、機械に関する質問が多かった のですが、口腔ケアやリハビリテーションなど患者 さんに必要な呼吸療法について他職種でディスカッ ションできるようになってきていると思います。
呼吸療法は急性期から慢性期までさまざまなス テージがあり、それをたくさんの職種が関わって診 療を行っております。ラウンドして思うことは、病 棟毎に得意なこと不得意なことがあり、呼吸療法に おいてもそれは同様です。いいことは病院全体で共 有して呼吸療法の質を向上できるように、今後も頑 張っていきたいと思います。
病棟ラウンド
人工呼吸器セミナー
RST
活動報告
■災害対策ワーキングチームの役割
………平成 23 年 3 月 11 日、日本中を震撼させた東日本 大震災が発生し、それを契機として災害対策ワーキ ングチームは立ち上がりました。今世紀前半の発生 が予想されている南海トラフ大地震は、広島県にお いても甚大な被害が予測されており、災害対策ワー キングチームは院内・院外において防災・減災の啓 発活動を行ってきました。そのような中で、平成 26 年 8 月 20 日に広島市で大規模な土砂災害が発生し ました。私たちは大自然の脅威には抗えないことを あらためて知るとともに、災害拠点病院として何が できるのかを考えさせられました。災害対策ワーキ ングチームはこのことを教訓にして、今後起こりう る様々な課題にどのように対応するのか考え、対策 を推進していくための活動を続けています。(8.20 広島市土砂災害における活動報告はトピックスに掲 載してあります)
■構成メンバー
………DMAT メンバーや看護協会登録災害支援ナースを 中心として、職種、部門を問わず、防災・減災活動 に参画したいという意思がある職員で構成されてい ます。
■活動の概要
………活動日は毎月第 1 月曜日の夕方 1 時間程度とし、
2012 年度 5 月より活動を開始しました。翌年には、
当院組織の「集団・災害医療救護体制委員会」の下 部組織に位置づけられました。今年度の活動内容は 以下の通りです。
1)災害対策マニュアル改訂の検討
2)災害マニュアルの改訂とそれに基づいたアクショ ンカードの作成
3)地域住民との防災・減災にかかわる活動
今年度は阿品地区避難訓練に参加し、8.20 土砂 災害の活動報告、一般市民によるトリアージの方 法を指導しました(写真 1)。訓練への参加人数は、
300 人近くに上り、地域の方々の積極性に感心しま した。自分と家族の命は自ら守る、近隣が互いに協 力して地域を守る、地域住民の自助・共助に関する
ニーズは高く、その力になれるよう啓発活動を継続 していきたいと思いました。
4)オープンホスピタルへの参加
ポスター展では、「チーム部門」で表彰されました。
また AED 体験ブースや市民トリアージブース、災 害用資機材展示ブースを設け、地域住民の方々とふ れあい防災への意識付けを推進しました(写真2、3)。
5)災害支援ナースの活動報告
当チームには、災害支援ナースへの登録者が多数 在籍しています。8.20 土砂災害では、派遣要請を 受け、避難所での支援活動を行いました。その活動 報告を行い、知識・経験を共有しました。
6)学会発表
7)チーム医療報告会への参加
写真 1 地域の防災訓練に参加し実技講習を行っている様子
写真 2 オープンホスピタルでの災害用資機材の展示
写真 3 オープンホスピタルでの AED 講習の様子
災害対策ワーキング チーム
活動報告
■はじめに
………2012 年から、院内のチーム活動として「膵がん・
胆道がん教室」を開催しています。2 年目の活動内 容について、報告します。
■メンバー紹介
………医師(膵・胆道内科):藤本 佳史
看護師:坂尻 明美、松下 理恵、本山 敏恵、
野村 昌代、吉川 咲子、奥村 麻美、
古本 直子、益村 勇子 緩和ケア科:高原さおり、南 佳織
薬剤師:藪田 ゆみ、埋橋 賢吾、白井 敦史 管理栄養士:河本 良美、森田菜津美、
リハビリテーション科:上野忠活、小林恭子、後藤優佳 MSW:佐藤 澄香、正畠 忠貴
外部講師:木村泰博先生、小笠原英敬先生、
長谷川健司先生、中丸光昭先生、
臨床心理士:坂本真里子さん(廿日市記念病院)
■活動内容
………隔週の水曜日午後 2 時から健康管理センターをお 借りして開催しています。新たな取り組みとしては、
リハビリテーション科に抗がん剤治療中の運動につ いて講義していただき、参加者で体操を行っていま す。〈Fig1〉また、講義の後には、患者さんやご家 族と一緒に座談会形式のグループワークを始めまし た。医療関係者も同席してサポートをさせていただ き、好評です。
発足から 1 周年を迎え、記念の講演会も企画しま した。「教室」の発案者である国立がん研究センター の奥坂卓志先生にご講演いただき、院内外の医療関 係者の皆さんに多数参加していただきました〈Fig2〉。
また、膵臓学会の全国会で活動報告の発表をし、
会長賞をいただきました〈Fig3〉。
院内ポスター展にも参加しました〈Fig4〉。11 月 には全国会である「ワークショップ」が神奈川県立 がんセンターで開催され、野村看護師が当院の取り 組みについて発表しました。「笑顔の体操」を取り
入れていることが大変注目を集め、皆さんの前で実 演をしました。〈Fig5〉。地域を重視した連携と、笑 いと希望を目指した当院の「教室」運営は、全国的 にも注目されるようになっています。このような活 動が評価いただき、忘年会にはチームとして院長賞 をいただきました〈Fig6〉。
当院の「教室」はまだまだ手探りの状態ですが、
患者様やご家族の要望に応えられるように日々努力 しています。引き続き皆様のご協力をお願いします とともに、興味があるかたはぜひ参加してみてくだ さい。
「膵が ん・胆道が ん教室」運営チーム
〈Fig 1〉
〈Fig 3〉
〈Fig 4〉
〈Fig 5〉
〈Fig 6〉
〈Fig 2〉