91
Figure 4.15 CO32- LDHおよびLDH/AFD/CnS複合体のFT-IRスペクトル.(a) CO32- LDH, n = (b) 4, (c) 6, (d) 8, (e) 10および(f) 12
1000 1400
1800 2200
2600 3000
3400 3800
A b so rb a n ce (a .u .)
Wave number (cm-1)
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
92
CnSに含まれるS = O結合はいずれも等価であり,LDH基本層に対してスルホン基はその等 価な3点で接していることを示している8, 10).また,LDHの層間において界面活性剤は分子 同士の反発作用を最小とするため逆平行に配向することが知られている 11).以上の結果から,
LDH層間おけるCnSの配向状態を見積もると,単分子層で55°の配向角を持つことが計算さ れる.CnSの配向状態について概念図をFigure 4.16に示す.
得られた LDH/AFD/CnS複合体について蛍光特性の評価を行った.LDH/AFD/CnS複合体の EEMスペクトルをFigure 4.17に示す.Figure 4.18にはEEMスペクトルから励起波長が 500 nmにおける蛍光スペクトルのみを抽出し再プロットした.これらの図から LDH/AFD/C6S複 合体が最も強い蛍光強度を示していることが分かる.このアルキル鎖が n = 6 以上になると AFDからの蛍光は顕著に低下している.そしてn = 12になると蛍光はほとんど観測されなく なった.これは LDH/AFD/C12S複合体中の AFDが消光したことを意味している.AFDに対 するCnSの影響について検証するため,CHNSおよびUV-VisによりLDH/AFD/CnS複合体中 のAFDおよびCnS量 を測定した.これらの結果とアルキル鎖長の関係をFigure 4.19に示す.
図からLDH/AFD/CnS複合体中に組み込まれたAFDの量は ,アルキル鎖長に関係なく一定で
あることが分かる.これは AFDの消光が AFDの導入量とは関係ないことを示している.そ のため,C12Sで見られたAFDの消光は,界面活性剤側に原因があると予想される.つまり,
界面活性剤中の疎水性基であるアルキル鎖が長くなりすぎたために LDH の層空間内が強い 疎水性場となり,AFDの発光に必要な水分が失われてしまったためと考えられる.
4.4 結論
本章では,CO32–Mg/Al(2)LDH を原料とし,複合体を作製するための中間体である
AcO-LDH(2)の合成条件の最適化,LDH/AFD/CnS複合体を作製するためのCnSおよびAFDの添加
量に関する最適化を行った.これらの条件を基に作製した LDH/AFD/CnS 複合体についても 材料特性の評価を行った.
93
Figure 4.16 LDH/AFD/C4S複合体の構造モデル
S
O
OO
S
O
OO S
O
O
OS O
O
OLDH基本層
LDH基本層
94
Figure 4.17 LDH/AFD/CnS複合体のEEMスペクトル.n = (a) 4, (b) 6, (c) 8, (d) 10および(e) 12.
(a) (b) (c)
(d) (e)
95
Figure 4.18 LDH/AFD/CnS複合体のPLおよびPLEスペクトル.n = 4 (鎖線), 6 (実線), 8 (破 線), 10 (太線)および12 (点線).
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000
400 450 500 550 600 650
P L i nt ens it y exi ted at 500 nm ( count s)
P L i nt ens it y at 528 nm (count s)
Wavelength, λ (nm)
2 4 6 8 10 12 14
PL intensity exited at at 528 nm (counts)
Carbon number in alkyl chain, n
96
Figure 4.19 LDH/AFD/CnS複合体中のAFDおよびCnS量とアルキル鎖長の関係.