• エコーでの
CV
径の絶対値および変動の測定は 循環⾎漿量の判断基準として広く⽤いられる• 測定が簡便で広く知られるために具体的な数値 の基準なしにいわゆる「ハイポ」の診断に
⽤いられがち
Does inferior vena cava respiratory variability predict fluid responsiveness in spontaneously breathing
patients?
Crit Care 2015; 19: 400-7
【⽬的】IVC径の呼吸性変動とfluid responsivenessの 関連の検討
【⽅法】2施設前向き研究
⾃発呼吸のあるICU⼊室患者59⼈のベースライン、
PLR、500mlのfluid challenge後のIVC径、⼼拍出量を測定 IVC径の呼吸性変動とresponsivenessの関連を解析
【結果】IVC径の呼吸性変動はresponsivenessの予測に 有⽤とは⾔えない
ベースラインでIVC径の42%以上の呼吸性変動は特異度、
陽性的中率が⾼い
Ten situations where inferior vena cava ultrasound may fail to accurately predict fluid responsiveness :a physiologically based point of view
Intensive Care Med 2016; 42: 1164–67
IVC
径の変動によるfluid responsiveness
の予測が偽陽性
(FP)
もしくは偽陰性(FN)
となる10
の状況を解説FloTrac
• 外部較正を必要とせず、動脈圧波形のソフト ウェア解析のみで⼼拍出量等の数値を算出
• ⾎管作動薬を使⽤していない⾃発呼吸下の患者 の拍出量増加の予測能は
TEE
と同等• 昇圧薬を使⽤している
septic shock
を対象と し た研究で⼼拍出量の指標に使われておらずresponsiveness
の予測能は明らかではないCritical Care 2009; 13: R195.
SVV and PPV
•
SVV: Stroke Volume Variation
•
PPV: Pulse Pressure Variation
⼀回拍出量の変化率
(SVmax-SVmin) / SV mean で算出される 動脈圧波形の解析 (pulse contour)から計算
脈圧の変化率
(PVmax-PVmin) / PV mean で算出される
脈圧の変化なので通常のAラインからも計算可能
※SVVについてはPiCCO, FloTracなどで解析される
Decrease in pulse pressure and stroke volume
variations after mini-fluid challenge accurately predicts fluid responsiveness
BJA 2015; 115: 449-56.
【⽬的】⼈⼯呼吸管理下にある重症患者の
PPV, SVV, CCI
によるfluid responsiveness
予測を⽐較検討する【⽅法】
100ml/1min
の負荷の前後での数値の変化とそれに続く
400ml/14min
の負荷後の⼼拍出量の 変化の関連を解析する※⼼拍出量は経肺熱希釈法で測定
【結果】
SVV, PPV
の変動はCCI
の変動 より良好にresponsiveness
を 予測する乳酸値
• 乳酸クリアランス
(
初回の測定からの低下の割合)
<10%
は予後不良•
SSC 2012
では乳酸値を組織の循環不全の指標としての
fluid resuscitation(30ml/kg)
を推奨• ただし推奨度はgrade2Cと低く、⼗分な根拠に 基 づくとは⾔い難い
Crit Care Med 2004, 32:1637–42.
Intensive Care Med 2012; 39: 165-228.
•
sepsis
によってNa+ K+-ATPase
の活性が上昇し組 織での乳酸の産⽣を亢進させる(内因性、外因 性カテコラミンのβ2
受容体を介した反応)• 組織の低酸素、低灌流を必ずしも反映しない 乳酸値を循環の指標として
resuscitation
を⾏う ことは無理がありそうCritical Care 2014; 18: 503.
PLR: Passive Leg Raise
• 仰臥位の患者の両下肢全体を
45
度挙上すること で静脈還流を増加させる⼿技• 約
150-300ml
の補液の負荷と同等の効果が得られる
• 補液量を増加させずに
responsiveness
の評価がで きる• ⾃発呼吸や⼼房細動の有無に関係なく
responsiveness
を評価できるIntensive Care Med 2016; 42: 1493–95.
• ⼀⽅で
noradrenaline
などの⾎管作動薬や弾性ス トッキングの使⽤によって下肢の⾎液量が 影 響を受けるため、還流の増加が不⼗分となる可 能性がある• 腹腔内圧が⾼い、腹部や下肢に疼痛があるなど の状況では実施が困難
Critical Care 2015; 19: 237.
Predicting Fluid Responsiveness by Passive Leg Raising: A Systematic Review and Meta-Analysis of 23 Clinical Trials
Crit Care Med 2016; 44: 981-91.
【⽬的】
PLR
のfluid responsiveness
の診断能⼒の検討【⽅法】メタ解析
1)Fluid challenge
をresponder
の判定基準 として⽤いている2)
実際にPLR
が⾏われている3)
陽性、偽陽性、陰性、偽陰性のデータが⽰されている
23
の⽂献をメタ解析Subgroup
としてPLR
後の測定項⽬についても 診断能⼒を解析【結果】
Flow variables
感度 85% (95% CI, 78–90) 特異度92% (95% CI, 87–94) PPV 感度 58% (95% CI,44–71) 特異度 83% (95% CI, 68–92)
p<0.001
感度
86% (95% CI, 79–92)
特異度92% (95% CI, 88–96)
AUROC 0.95(95% CI, 0.92–0.98)
Flow variables
• ⼀つのモニターの単⼀の絶対値と
septic shock
におけるresponsiveness
を評価した研究はない• モニターの数値から
hypovolemia
を検出する 研究は存在しない•
PLR
かfluid challenge
とモニタリングの 組 み合わせで拍出量の変化を評価する 必 要があるここまでのまとめ
Targeted Fluid Minimization Following Initial Resuscitation in Septic Shock A Pilot Study
CHEST 2015; 148: 1462-69.
【⽬的】Sepsis患者に対する補液量の適正化(Targeted
Fluid Minimization: TFM)が予後を改善するか検討
(TFMの実現の可否の検討のためのpilot study)
【setting】単施設ランダム化⽐較試験
【対象】初期の補液(>30ml/kg)から12時間以上が経過し 昇圧薬の投与が必要とされるseptic shock患者
【⽅法】PLRの前後でPPV, SV, IVC径を測定し
responderと判定された場合のみに補液を⾏う群と
通常通りの補液を⾏う群にランダムに割り付ける 割り付けから3, 5⽇後の補液量を
primary outcomeとする
【結果】両群に
41
名ずつが割り付けられたDay3, 5
の補液量に有意差なしSecondary outcome
にも有意差なしRestricting volumes of resuscitation fluid in adults with septic shock after initial management: the CLASSIC
randomised, parallel-group, multicentre feasibility trial
Intensive Care Med 2016; 42: 1695–1705.
【⽬的】Septic shock患者への初期治療終了後に
補液を制限することの効果を検討する
【⽅法】多施設ランダム化⽐較試験
>30 ml/kgの初期補液が⾏われたseptic shock患者
⾎清乳酸値>4 mmol/L, noradrenaline投与によっても MAP>50mmHgを達成できない, 膝蓋部に斑紋が出現,
<0.1 ml/kgの乏尿(割り付け後2時間以内のみ)を
循環不全の指標として晶質液250-500mlのbolus投与を
⾏う群(restriction)とSSCG2012に沿った臨床判断で 補液を⾏う群(standard)にランダムで割り付け
Primary outcomeは割り付けから5⽇⽬までおよび ICU滞在中の循環の安定のために投与された補液量
【結果】
Resuscitation fluid
は有意に減少 総補液量は変わらない割り付け後
90
⽇のAKI
の悪化はstandard
群で多いここまでのまとめ
•
non-responder
への補液は循環に有利に働かない• 補液は
responsiveness
を予測した上で⾏う必要があ る•
PLR+PiCCO
での⼼拍出量測定(不整脈がなければSVV, PPV
も)での予測が簡便で正確か?•
fluid responder
に対して補液を⾏う=
⼼拍出量の適正化を⾏うことで予後が 改 善することも証明されていない
輸液の害
• 重症患者における正の⽔分バランスの増加は 肺外⽔分量の増加を来し
ARDS
の原因とり得る• 溢⽔のみでなく⼼筋浮腫、⼼拡張能障害に よっても⼼不全を来し得る
• 過剰な補液による
CVP
の上昇はAKI
のリスク を 上昇させる• 多量の補液は
abdominal compartment syndrome
のリスクを上昇させるAnn Intensive Care 2014; 4: 21-29.
Intensive Care Med 2013; 39: 1190–1206.
⽔分が⾎管内に留まりにくくなるため、⽔分の負荷によって 肺外⽔分量が増加しやすくなる
Fluid resuscitation in septic shock: A positive fluid balance and elevated central venous pressure are associated with increased mortality
Crit Care Med 2011; 39: 259-65.
【⽬的】
Septic shock
のresuscitation
の際の⽔分バランス およびCVP
と死亡率の関連の検討【⽅法】
VAAST study
のデータの後ろ向き解析割り付けから
12
時間、4
⽇の時点での⽔分バランスで
4
群に分けて、28
⽇死亡率との関連 を解析【結果】
Quartile4
は1, 2
と⽐べて 有意に死亡リスクが⾼い 割り付け12
時間後のCVP>12mmHg
も死亡 リスクとなるA positive fluid balance is an independent prognostic factor in patients with sepsis
Crit Care 2015; 19: 251-57.
【⽬的】補液量がsepsisの独⽴した予後予測因⼦であるかを 検討する
【⽅法】単施設観察研究
Sepsisと診断されICUに⼊室した成⼈患者の
⽔分バランスと死亡との関連を解析
【結果】⽣存者と⾮⽣存者の間で⽔分バランスに有意差が 認められた (13±19ml/kg vs.29±22ml/kg p<0.001)
⽣存者の
5
⽇⽬以降の平均⽔分バランスはマイナスAssociation Between a Chloride-Liberal vs Chloride-Restrictive Intravenous Fluid Administration Strategy and Kidney Injury in Critically Ill Adults
JAMA. 2012; 308: 1566-72.
【⽬的】Chlorideを制限する補液とAKIの発⽣の関連を検討
【⽅法】単施設前向き研究
全ICU⼊室患者を対象に6か⽉間のcontrol periodに
通常通りの補液、その後6か⽉間のintervention periodに
chlorideを制限した補液を⾏い、⾎清Crの上昇、
RIFLE分類に基づいたAKIの発⽣率をprimary outcome として解析
Secondary outcomeとして死亡率、RRT施⾏率を解析
【結果】⾎清
Cr
上昇は介⼊後に有意に低下Injury, failure
のクラスのAKI
発⽣も介⼊の 後で有意に減少投与
chloride
量は⼀⼈当たり198 mmol
減少14.8 μmol/L (95% CI, 9.8-19.9 μmol/L) vs 22.6 μmol/L (95% CI, 17.5-27.7 μmol/L) (P=.03;
adjusted P=.007)
Increase in serum Cr level
⾎圧のターゲット
⾎圧
≠
組織循環だが、連続した測定が可能で 治 療の指標とされることが多いMAP ≧ 65mmHg
2014/7/1 慈恵ICU勉強会
Helsinki University Hospital 9床の混合ICUに1999年から2002年に1419患者が⼊室
Sepsisと診断され⼊室から48時間vasopressor supportを要した111症例を後向きに解析
MAP60/65/70/75mmHgを閾値としたときのArea under MAPを算出
30⽇死亡率との関連性:MAP<65mmHgが最もAUC-ROC⾼い0.853 (95% CI 0.772-0.934) 2014/7/1 慈恵ICU勉強会
A high mean arterial pressure target is associated with improved microcirculation in septic shock
patients with previous hypertension: a prospective open label study
Crit Care 2015; 19: 130-37.
【⽬的】⾼⾎圧症を既往に持つseptic shock患者の⾎圧を病前と 同等に保つことで微⼩⾎流が改善するかを検討
【⽅法】単施設open-label研究
⾼⾎圧症の既往があるICUに⼊室したseptic shock患者を ターゲットMAPを65mmHgと病前の⽔準に合わせる群に ランダムに割り付け
Sidestream Dark Field imagingで⾆下微⼩⾎流を測定し MAPとの関連を解析
【結果】病前
MAP
をターゲットとした群で微⼩⾎流は 有意な増加が認められたその他の
outcome
については解析なしHigh versus Low Blood-Pressure Target in Patients with Septic Shock
N Engl J Med 2014;370:1583-93.
【⽬的】
SSCG2012
で推奨される>65mmHg
よりMAP
の ターゲットを⾼く保つことの影響を検討する【⽅法】多施設ランダム化⽐較試験
Septic shock
と診断された患者をMAP
ターゲット80-85mmHg, 65-70mmHg
の群に割り付ける⾎圧の調節は⾎管作動薬で⾏う 介⼊期間は最⻑で
5
⽇間28
⽇死亡率をprimary outcome
として解析【結果】
Primary outcome
の28
⽇死亡率に有意差なしSecondary outcome
のRRT
導⼊は⾼⾎圧症の 既往のサブグループでは介⼊群で少ないDay28: p=0.57 Day90: p=0.74
International Study on Microcirculatory Shock Occurrence in Acutely Ill Patients
Crit Care Med 2015; 43: 48-56.
【⽬的】微⼩⾎管の⾎流と重症患者の予後の関連の検討
【⽅法】多施設観察研究
全ICU⼊室患者を対象に⾆下のSidestream Dark
Field imagingによる微⼩⾎管⾎流測定を⾏い
院内死亡率との関連を解析する
【結果】微⼩⾎管⾎流の低下と 院内死亡率に関連なし
HR>90bpmのサブグループ では関連が認められた
Crit Care 2015; 19: 101-7
Ø腎機能に焦点を当てると
• ⾼⾎圧症患者の
Target MAP
を80-85mmHg
とするこ とで腎代替療法導⼊率が減少する可能性がある•
MAP 75mmHg
未満はAKI
の発症リスクとなるØ⼀⽅で
• ターゲットを
65mmHg
より⾼くしても死亡率に影 響はない• 上記の
AKI
および腎代替療法の導⼊も死亡との 関連は認められていない⾎圧を⾼く保つと
•
AKI
の発症が減少する可能性が⽰されている• 死亡リスクの減少は⽰されていない
• 末梢組織灌流は改善する可能性がある
• 末梢組織灌流がアウトカムの改善に寄与するか は不明